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1 動き出す者たち
俺はフェスに備えて瑠維と清岡を招集していた。
「そろそろ期限だね。そういえば」
ガラス張りのビル街のテラス、男3人でお茶をしていた。目の前には、移動販売の車がある。
瑠維は両肘を突きながら、清岡は脚を組んでコーヒーを飲んでいる。
「早くて今日だろ?」
「それより継巳、お前が出会ったライダーの話ししろよ。絶対この戦場に現れるぞ」
と清岡が話題を振ってきた。俺が会ったファムとヴィーナスの話だ。
俺は二人の女性ライダーの説明をした。ファムは幻術が厄介、ヴィーナスは3体もモンスターがいることを話た。
「マジか、俺のデッキ、なんだか弱く見えてきたぜ」
瑠維は自分のカードデッキを眺めていった。
「いやお前はトリックベントで対抗してくれよ。ファムは清岡さんとどうにかするから」
「おい、俺こそ集団戦相手じゃないのかよ。幻術がどうにかなるとは限らないぞ」
諭された俺は、そうか、としか呟けなかった。
ある意味ファムは最強の敵かもしれない。少し諦めていた俺がいた。出会わなければいいが。
あたしは力山を待っていた。病院の外で。
予想通り、彼は退院してきた。最初に見た時と比べればピンピンしてる。
「退院おめでとう」
あたしは目線を合わせないで彼を出迎えた。後頭部をかきながら、照れているのがわかった。好意はないし、下手すれば世の女性では引く人もいると思う。あたしには開斗がいるし。
だけど力山の爽やかなマスクには落とされかけた。危ない危ない。
「ありがとう。もしかして、バトルの誘い?デートな訳ないもんな」
「察しがいいこと」
「俺も通知見たからな。フェスだっけ?手伝えばいいんだろ?」
「そういうこと。早くて今日には始まっちゃう。打ち合わせに来たの」
「なるほど」
すると、力山の目つきは力強いものに変わった。まるで試合前のよう。気分を高めてるのかな?
あたしはカードデッキからタッグベントを取り出した。
危険をいち早く察したのは、若手の瑠維だった。
何かを察知した瑠維は急に辺りをきょろきょろし出した。何かをロックオンしたように走り出す。
俺もその方向に視線を奪われた。なんと鏡から猿のようなモンスターが女性の手を引っ張っていた。
瑠維がモンスターの腕に飛び蹴りをし、相手はミラーワールドに引っ込んだ。ナイス。
その後、モンスターが出てきたことに驚いている人たちで野次馬が軽くできる。そこにまた別のシマウマのモンスターが顔を出してきた、
俺と清岡は走り出してそのモンスターに飛び蹴りをくらわせた。
「始まったんだ。サバイブフェスが」
「逃げてください!ここは危険だ!」
俺は人々を避難させた。傷つけないためともう一つ、変身を見られないように、だ。
「みんな逃げたっぽいね」
「心置きなく変身できる」
3人ともカードデッキを出した。
「変身!」
俺たちはミラーワールドに突入した。
サバイブフェスは非常に危険なイベントだ。早く終わらせなければ、と俺はいつの間にか正義の味方を気取っていた。別に悪いことではないが、欲望に塗れたこのゲームでは浮いてることだろうな。
隣に牛に乗るゾルダが見えた。バイザー内の表示ではマグナタウラスと出ている。両肩に二門の大砲を構えている巨大な牛型モンスターだ。
あれが清岡の契約モンスターか。
光の向こうを抜け、ミラーワールドについた。
「なんだこの数は」
と清岡が早々に愚痴を吐いた。
目の前に無数のモンスターの群衆がいたのだった。