仮面ライダー龍騎 unite   作:moriseo

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6章完結です。

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4 トゥルース&ディスペアー

 その時のファムはもう死ぬんだと思った。人が目の前で死ぬのを見るのは初めてだ。なんとなく俺は助けたいと思った。手を伸ばしたが、ヴィーナスのキックの速度があまりに速く、間に合わないことは直ぐに自明の真実となった。

 「開斗!」

ファムはバズスティンガーの拘束を力ずくで振り切り、カードを一枚装填した。

『タッグベント』

音声が放たれたと同時に、鈍い音が鳴り響いた。

 なんで今俺の名前を呼べたんだ?知っていたんだ?

 あらゆる疑問がやってきては、消える。ファムはもう死んだからだ。勢いよくファムは吹っ飛んだ。同時に、サバイブのカードが偶然にもヴィーナスの手元にやってきてしまった。

 ファムが完全に敗北し、脱落した証拠として光の玉-モンスターを倒した時に出るやつ-がヴィーナスの体内に入った。やはりファムのレベルが高いだけあって、俺のバイザーの表示でヴィーナスのレベルが大幅に上がり、20に達したのがわかった。

「これでサバイブを使えるわ」

「どういうことだ?」

と清岡が問う。

「知らないの?サバイブはレベル20じゃないと使えないのよ」

ヴィーナスがサバイブのカードを自慢するように見せつける。瞬間、相手のヴィーナスバイザーが巨大な槍状のヴィーナスバイザーツヴァイへと変化した。

 ゆっくりとサバイブのカードを装填した。

 この光景に全てのライダーが動かなかった。まるで降臨した神を崇めるように。

『サバイブ』

エコーのかかった音声が響く。そのエコーは、他と一線を画すようなイメージだ。

 蒼い風に包まれ、ヴィーナスサバイブが降臨した。青と金色のスーツは、他のライダーを寄せ付けないオーラを纏っている。

 俺はそれを無視して、息を切らしながらファムに駆け寄った。ベルトのカードデッキはヒビが入り、中のカードの背面が所々見えている。体を抱き抱えた。まだ息があった。

『ユナイトベント』

エコーがかかっているからヴィーナスか?振り向いた時にはヴィーナスの周りに、バズスティンガーが5体集まっていた。

 サバイブになったから増えたのか?5体のモンスターが合体し、巨大な蜂となった。バイザーにはアリスタイオスと表示されている。

 刹那、アリスタイオスの尻の部分のバルカンが火を吹いた。無数の弾丸が俺たちを襲う。

 俺はファムの肩を担いでなんとかミラーワールドを脱出した。

 

 ゾルダ、ナイト、王蛇、ビートは1枚のカードを切った。

『ファイナルベント』

一か八か、ナイトと王蛇は必殺技を放った。先ずは飛翔斬とベノクラッシュが放たれる。

『シュートベント』

『ストライクベント』

ゾルダがギガランチャーから弾丸を放つ。そしてビートがワイルドボーダーの装甲を模した爪で殴りかかった。

『ガードベント』

強力な防御力は相変わらず。アリスタイオスは無数の蜂に変化し、ヴィーナスサバイブの周りを覆って全ての攻撃を防いだ。ナイトと王蛇はその防御力に弾かれ、勢い余ってミラーワールドから追い出された。

 煙が晴れたところ、無傷のヴィーナスサバイブに絶望したのかゾルダとビートも切り上げて逃げ出した。

 あたりの沈黙を確認した後、蜂山は勝利の笑い声を上げた。

「誰も私には勝てないってことね」

 

 

 ミラーワールドから出た瞬間、俺の嫌な予感は当たっていた。

 いつの間にか担いでいた筈のファムの姿は、俺の大切な人の姿へと変わっていた。

 力が抜けたように、花枝はするりと俺の肩から滑り落ちた。急いで抱きかかえる。

「どうして...」

「こっちの...セリフよ」

目が開ききってない。苦しそうだ。

「紫の…ライダーが記者って…。腹の傷とか思い出して」

「もう喋るな!…どうしてなんだよ」

気づけば俺の頬を涙が伝っていた。

「永遠に…生きたかった。開斗とずっといたかった。開斗より先に死んじゃうと…あなた、寂しがりだから。あなたより長生きしたいって願った」

「俺は…そんなこと」

「愛してる。…傷付けちゃって、ごめんね」

花枝の唇が閉じた。瞼も。俺の腕を掴んでいた左腕が落ちていった。

 初めての感情が俺を襲った。鳥肌が全身にいきわたり、頭頂部まで痺れるような刺激が襲った。

「ぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!!!!!」

 




次回7章

 最愛の人を失った開斗。

「タイムベント?それで人も生き返るってのか?」
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