仮面ライダー龍騎 unite   作:moriseo

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開斗視点に戻ります。第二部始動

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2 遺されたメモ

 俺は花枝のアパートに来ていた。遺品整理のためだ。花枝の家族に頼まれていた。自殺という「処理」になった。本当は俺が悪いわけではないが、両親には深く謝罪をした。

 今こみあげているのは、悲しみや憎しみ、怒り…。負の感情が俺を襲っていた。

 涙が静かに流れ続けていたのは分かった。途中で作業の邪魔になると思い、洗面所に行った。

 鏡の前に立つ。全てはここから始まった。俺は今どんな顔をしているのだろうか。

 赤く腫れているだろうか?

 しかし、鏡を見た瞬間、俺は驚きのあまり飛び跳ねたのだった。あまりにも想像していた表情と違っていたため、逆に自分が恐ろしくなった。一気に心拍数が上がり、呼吸が荒くなった。

 少しすれば落ち着いたが、なんだったのだろうか。

 遺品を整理していると、手帳を見つけた。どうせ仕事の予定などが書きこまれているのだろうと思っていた。だから覗いても意味はないだろうと。

 しかし、俺の指が勝手に動く。本当に勝手に動き、手帳をめくっていく。そしてたどり着いたのは、カレンダーのページが終わってメモ帳として活用される無地のページだった。

 何かが記されている。

「ビート…。力山?」

力山ってあのボクサーの力山か?メモの続きに目を通した。

『ビート=力山 ボクサーの

 謎の人物が病室にやってきた。   タイムベント?

 →腕が治った。内臓はまだ。   内臓を治す為に戦っている』

メモを読み終わった。偶々、花枝のひび割れたスマホに目が行った。俺は花枝の遺志を受け取ったつもりだった。だが、また表情は違っていた。にやけていたのだ。

 どうした。俺の表情を命令する脳の部分が壊れちまったのか?口を閉じているつもりだが、鏡面に移る俺の表情はまるで別人のようである。

 鏡面に目を合わせたくなくなったので、一旦アパートを出た。

 

 瑠維を呼び出し、俺は力山が所属しているボクシングジムにやってきた。

「開斗さんから呼び出すのは珍しいね。…てか顔色悪いけどなんかあった?まさか、あのファムってライダーに惚れてたとか?」

つくづく調子のいいやつだと思った。しかし今はどちらかというと同情してほしい気分だったので、素直に気持ちを吐露した。

「ってわけだ」

「嘘でしょ?ファムが彼女で…しかも」

「俺だってびっくりしたよ。願いも俺より長生きしたい、だなんて願わなくてもできそうなことなんだから」

瑠維のいつもの明るい表情は失われた。ちょっと悪い気がしたが…。

 そして、ビートとタイムベントのことも。

「まじか、あの力山がビートだったのか」瑠維は窓越しに力山の姿を捉えた。シャドーをして、リハビリに励んでいる。「強そうだな」

「メモによると俺らよりはレベルが低いらしい」

「そうか。なら鴨だな。にしても、タイムベントってなんだよ。それ使い方によってはサバイブなんかよりも強いだろ」

「と思って俺も先輩に聞いてみた。どうやら時間が逆行するらしい。当然、戻った時の未来の記憶も消えるらしい。ラスボスが持ってるカードって聞いたから、相当手ごわいかもな」

「なんか出来レースに見えてきたというか、そのラスボスが勝つようにできてるようにも見えるな」

「なんだあんたたち」

二人の会話に水を差すものが。二人は、ぎくっと身を震わせた。誰が来たかはお察しだった。

 振り向くとスマートはアスリートという感じの男が。力山だ。

「記者か?」

それは当たってる。

「継巳といいます」俺は名刺を渡した。

「話が早いな」

「え?」

驚いて俺は顔を上げたが、明らかに力山とは目が合っていなかった。後ろの瑠維を見ているように思えた。嫌な予感がしたが、恐る恐る振り向いた。

 瑠維がにこにこしながらカードデッキを見せつけている。

「お前!」

「どうせ戦うんだからいいでしょ」

そういうと力山もカードデッキを取り出した。

「いや冷静に考えろ。戦う必要はないだろ」

「開斗さん、ファムの仇取りたいんじゃないのかよ」

「…ちょっと待て、あんた、あの人と何か関係があるのか」

俺は顔から汗が出ているのがわかった。またこの辛い話をしなけりゃならないのか。…もうめんどくさくなった俺は、力山に花枝とのツーショットの写真を見せた。そして龍騎のカードデッキも。

「…嘘だろ」

「聞きたいことがある。取引をしよう」

俺は今、顔をにやけさせた。今は思い通りの表情になっているに違いない。

 

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