ドラグレッダーとブランウイングが合体し、白いドラグレッダーとなった。さらにブランウイングの翼が背中に生えている。バイザーには『DRAG SAINT 』と表示されていた。
新たな力を得た俺は、再び闘志を燃やした。くだらない憎しみなどに囚われてなどいないと証明するために。ただ俺はここで完全なる正義感に目覚めたわけではなかった。どちらかというと羞恥心であり、自分の負の感情から生まれた存在がいるというのが嫌だったのだ。
『ストライクベント』
俺はドラグクローを右腕に装備し、聖なる白い炎を放った。この神々しい竜に看取れていた黒い龍騎は、攻撃をもろに浴びた。
聖なる光が黒い闇を浄化するように、俺の虚像は姿を消していった。
あの世界から帰ってきた俺は、いつの間にかミラーワールドを飛び越えて現実世界へと帰ってきていた。
「継巳君…ちょっと」
冬沢さんが俺の肩を揺すぶった。俺は我に返り、目を覚ました。倒れた体制で帰ってきていたようで、急いで立ち上がった。すると、そのタイミングで背後の鏡から黒井が出てきた。
「黒井社長…!」
彼の正体をある程度、更にここで収録をしていたと思われるBEEEの正体も冬沢さんは知っている。目には火がついているようだった。輝きが違う。
「BEEEはどうしたの?収録が一緒だったはずよ」
すると黒井は顎で俺のことを指してから口を開いた。
「いやこいつがやったんだろ。俺は戦ったがとどめを刺したわけじゃねえよ」
俺は全く記憶になかった。どういうことなのかさっぱり理解できなかった。下半身の力が抜け、膝から崩れ落ちた。咄嗟に冬沢さんが俺の体を支えてくる。
「まあサバイブは俺が貰ったがな。見てみろよ。お前のレベル、上がってるはずだぜ」
と捨て台詞を吐くと黒井はその場を去っていった。
動悸が抑えられなくなってきた。黒井が言ったことを嘘だと信じたかった俺は、慌てふためきながらスマホを取り出した。一度手を滑らせたが、なんとかロックを解除してアプリを開いた。
確かに、そこには龍騎のレベルが20になっていたことが表示されていた。そして直近で倒した敵も。俺は確かに黒い龍騎を倒したはずだ…。しかしそこですべてを悟った。絶望が襲った。
祓ったはずの呪いが、再び俺の体を蝕んでいった。
その光景を、源二は見ていた。
「ああ?社長がライダー?嘘やろ…。しかもあそこにいる記者さんもライダーってほんまかいな」
源二はそこで一つの違和感に気づいた。
「BEEEさんはどこに行ったんや?まさか…」
何かに気づいた源二はすぐにマネージャーの楠見春子に電話を掛けた。