『タッグベント』
ナイトが謎のカードを装填した時、聞きなれない音声が鳴り響いた。
すると、俺の視界が変わった。ナイトから黄色のオーラが輝いて見える。これは一体。
「な、なんだ」
心の声が漏れた。
「今から俺とあんたは、このモンスターを倒すためにタッグを組む。タッグベントで仲間になった相手のカードも
使えるようになる」
なるほど。変わったカードだ。・・・ということは。
悪いことを思いついた子供のように俺はカードを引いた。
やっぱり。俺のデッキには入ってないトリックベントのカードを引いた。絵柄は龍騎のスーツになっている。どうやらカードの絵柄はちゃんと変わるようだ。
俺はそのままトリックベントを使用し、ナイトのように三人に分身した。
そこで気になってナイトの方を見た。ナイトは俺のソードベントを使い、西洋槍と刀の二刀流になっている。
分身した俺は続けざまにナイトのソードベントをコピーした。三人の俺が、西洋槍でエクソダイバーを攻撃する。
地上からの攻撃を受け、エクソダイバーは空中へ逃げた。空から俺に向かって衝撃波を放ってきた。
巨体から繰り出される大型のエネルギー体を上手く避け斬ることが出来ず、俺の分身はあっけなく消滅した。耐久力は変わらないわけか。
俺はやられてしまったが、まだナイトがいる。契約モンスターの蝙蝠―ダークウイング―を背中に合体させ滑空する。そして上空から二刀流の攻撃をエクソダイバーに浴びせた。
それによりエクソダイバーは巨体を地面に墜落させた。
今が好機。俺たちは同時にカードを装填した。
『ファイナルベント』
俺の元にドラグレッダーが再び飛来する。キックを放つため飛び上がった。一方、ダークウイングの翼がナイトの身体を包み込み、ドリルのような形になった。
上空から俺たちはドラゴンライダーキックと飛翔斬を放った。
凄まじい炎の一撃と高速回転の攻撃を食らったエクソダイバーは見事に爆散した。
炎の中から、二つのエネルギーの塊が浮上する。ドラグレッダーとダークウイングの分ってわけか。予想通り、二匹はエネルギーを折半して捕食し、飛び去って行った。
俺たちは戦いを終え、ミラーワールドを脱出した。
アプリが示すに、龍騎のレベルが5に上がったそうだ。
「あいつやっぱり強敵だったのか。助かったよ」と俺は礼を言った。「レベルも結構上がったし」
「まあ、それでもまだ俺のレベルには届いていないだろうけどな」
嫌味をかましてくるあたり、育ちが悪い奴だと思う。
「・・・俺は夏樹瑠維。ナイトだ」
急に態度が改まる。これがツンデレってやつか?こうなれば俺も自己紹介をせざるを得なくなる。
「継巳開斗だ。またなんかあったら、よろしく」
と言って俺は会社の名刺を渡した。それを見るなり、瑠維は直ぐに反応した。
「しゅうかん、文啓・・・文啓ってあの文啓?不倫とかいつも挙げてるやつ?」
瑠維は食い気味に質問してきた。予想はしていた。よく聞かれることなので俺は馴れっこである。質問してくることというか、週刊文啓に対しての世間一般のイメージは、老若男女同じだということがよくわかった。
「ああそうだよ。今俺はミラーワールドの事件を追っている」
瑠維は年下であるが、ライダーとしては恐らく先輩なはずだ。ここは何か一つ聞き出せないだろうか。と考えていたが、どうやら浅はかだったかもしれない。
「文啓ってことはこれもいいんだろ?」
瑠維は人差し指と親指を繋げてお金のことを示した。聞いてないし・・・。なんて俗な奴だ、と呆れた。仕方ないか。俺は財布を取り出した。
「こい」