虹ヶ咲ヤンデレ小説 〜憎しみに染まる虹彩〜   作:てらりうむ

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初めまして、てらりうむと言います!
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1話 予兆

「ふぁ〜あ…眠いなほんと…」

 

カーテンから差し込んでくる陽の光を手で遮りながら、そう呟く。

しばらく時計を見ていないので、何時かはわからないが、朝になってしまったということははっきりしている。

伸び伸びとあくびをしたあと、首を回すとポキポキと音がなった。

 

ふむ…またやってしまった。 

 

ここで時計を確認すると、短針は7を示している。

本来であれば、睡眠からちょうど目覚めるはずの時間だ。

 

しかしながら俺は一睡もしていない。

椅子に座って、長らくパソコン相手にしかめっ面をしていたのは、編集ソフトを使い作曲をしていたからだ。

我ながら出来栄えはかなりいいと思う。

というか、ここのところ徹夜続きで取り組んでいるのだから、良い曲でなければ非常に困る。

自画自賛上等だ。

 

俺の睡眠時間、学校での授業内容、先生からの信頼…その他諸々を犠牲にして完成したのが、この手に握られた一枚のCDなわけである。

 

「あとはこれを学校に持ってって放課後みんなに聞かせるだけだな」

 

くるくる椅子と共に回りながら、1人静かに歓喜の声を上げる。

 

ピンポーン

 

そんな達成感に浸っていると、呼び鈴が鳴った。

こんな朝早くから宅急便?なわけないよな?

 

ピンポーン ピンポーン

 

「なんだよ〜人が喜びを噛みしめてる時に…」

 

玄関まで来て訪問者を確認すると、にっこり眩しい笑顔がドアスコープから見えた。

 

 …歩夢?

 

こんな早い時間に…何しに来たんだろ。

頭上に疑問符を浮かべつつ、ドアを開ける。

 

「あっ、おはよう♪」

 

「おはよ。何の用?」

 

「むぅ〜用が無くちゃ来ちゃダメなの?」

 

「いや、そういうわけじゃないけどさ」

 

用件も無しに訪問してきたのは、幼馴染の上原歩夢。

俺の頬を両手で触れながらむすっとした表情を浮かべる様子は、いつもとなんら変わらない平常運転の彼女だ。

 

「じゃあ、お邪魔するね〜」

 

「おいっ!ちょっと待てよ」

 

俺の制止を無視して、ズカズカと歩夢は家の中に上がり込んで来た。

コイツは昔から俺に対して容赦が無さすぎる。

 

「なんでそんなに慌ててるの?あ、わかった!あなたのことだから何か隠し事でもあるんでしょ?」

 

ギクッ…

 

「ね、ねーよ。ってかお前こそなんか目的あるだろ?」

 

「うん。昨日からおばさん達は旅行に行っちゃったんでしょ?1人でご飯は寂しいだろうから、幼馴染である私が来てあげたの」

 

あーなんだそういう事か。

歩夢の言う通り、昨日から両親は俺を置いて、2人仲良くヨーロッパ旅行に行ってしまった。

歩夢は俺の事に関して、昔から心配しすぎる癖があるから今回もいつものお節介で来たってわけだな。

 

「へいへい、いつも気にかけていただいてありがとうございますよ。で?なんか作ってくれるのか?」

 

「うん。そのつもりだから食材も持って来たよ、ほらっ」

 

歩夢が持っているビニール袋の中を覗き込むと、具材からしてどうやらオムライスを作ってくれるらしい。

 

「ラッキー♪めんどくさくて、栄養ゼリーで済ますとこだったからさ、ナイスだぞ歩夢」

 

「ふふっだろうと思った。じゃあ、台所借りるね」

「どーぞどーぞ」

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

 

「…」

 

「ん?」

 

「…ふふっ」

 

「…いやふふっじゃなくて。なんでそんな見つめんだよ?めちゃ食いにくいんだけど…」

 

俺の手はスプーンを持ったまま空中で止まっている。

なぜかといえば、じっと見つめて来る歩夢の視線が気になってしまって仕方がないからだ。

 

「気にしないで♪」

 

「あっそ…」

 

できたてホヤホヤのオムライスを口に運ぶと、歩夢はそれをうっとりと眺めてくる。

やっぱり食いにくいからやめてくれないかな…

 

「美味しい?」

 

「うん。美味いけど」

 

「えへへ…そっか…美味しいんだ…これで私の一部があなたの中に…

 

「ん?なんだって?」

 

「ううん。なんでもないよ」

 

ぶつぶつと心底嬉しそうに呟く歩夢は、手をひらひらと振って誤魔化した。

人差し指には包帯がぐるぐると巻かれている。

ははーん、さては今日のために料理の練習をしたんだな。可愛いやつめ。

 

「歩夢は食わないのか?」

 

「あぁ….うん!ダイエット中だから」

 

「そっか。でもこの前、果林さんがダイエットで飯抜くのはタブーって言ってたぞ。今日も練習があるんだからお前も軽く腹に入れておいた方が…って歩夢?」

 

こちらから話題を振ったはいいが、俺は途中で歩夢の表情の変化に気づく。

顔から笑みが消えて、目は虚になり俯いたままボソボソと1人で喋っているようだ。

 

「果林さんが…なんなのかな?」

 

ギロリと歩夢の視線が俺を睨みつける。

あまりの眼光に目を逸らしたが、それでも歩夢の瞳は追いかけて来る。

 

「お、おい歩夢、なんか今日のお前…変だぞ?」

 

普通だったら、「果林さんが言ったのなら間違いないね」とか言うはずだろ?

俺の言葉に、歩夢は不気味な笑みを浮かべながらゆらゆらと椅子からたちあがる。

 

そして…

 

 

 

 

「今は私と話してるんでしょ!!!!他の女の事なんか話さないでよ!!!!」

 

 

 

っ!?

 

歩夢の怒声に、俺は顔を引きつらせながら狼狽る。

見たこともない表情で俺を睨みながら、歩夢は俺の腕を掴んだ。

ものすごい力で俺の肌に歩夢の爪が食い込む。

 

「っ!痛い痛い!っ歩夢!」

 

「…へ?…あ、あぁごめんなさい!!」

 

信じられない程の握力でギチギチと腕を絞められ、俺は情けない声をもらす。

でもその声が歩夢に届いたようで、程なく痛みから解放された。

 

よく見ると、歩夢の爪が食い込んだ跡には薄らと血が滲んでいる。

 

「血が!ど、どうしよう!」

 

「大丈夫、救急箱持って来るから…」

 

慌てている歩夢を置いて、救急箱の置いてある二階へと向かう。

なんだったんだろう、歩夢があんな風になるなんて…果林さんと喧嘩でもしたのか?

 

この時の俺は、迫りくる絶望の日々がすでに始まっていたことに気付いていなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あなたが悪いんだよ?2人きりの時に、他の女の子の名前出すんだもん…早く消さなきゃ」

 

歩夢はクスクスと笑いながら、渚斗が使っていたスプーンを手に取り…

 

「ちゅ、ちゅぱっ…ふふ…ふふ…あなたの身も心も…私だけのモノにしなきゃ…全てを犠牲にしても…ね」




次回もお楽しみに。
↓例を挙げると、歩夢をヤンデレから普通状態に戻せるチャンスがあるとします。しかし主人公が選択肢を誤ったため、他のメンバーが歩夢に殺されるとか主人公が監禁されて一生を過ごすとかそういう結末。
要はこの小説の最後はもう決めていますが、それとは別にバッドエンド見たいですか?って話です。わかりにくかったらごめんなさい…

選択肢による分岐で9人それぞれのバッドエンドって作って欲しいですか?

  • 欲しい
  • どうでもいい
  • いらん
  • 歩夢怖い
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