虹ヶ咲ヤンデレ小説 〜憎しみに染まる虹彩〜   作:てらりうむ

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ん?なんだって?
3話で歩夢が作っていた鍋の中身?
入ってるわけないでしょう。それがヤンデレだもの。


4話 協力者

不安やショックで何も口にすることができずに迎えた朝。

 

あの後、追いかけて向かった歩夢の家。

部屋の前まで通してもらい、何度も呼びかけたが返ってくるのは歩夢の静かな泣き声だけで。

 

歩夢のお母さんからは、

「女の子だからもしかしたら調子が悪い日なのかもしれないし…そっとしておいてあげて」

と言われ、俺から事情を説明しようとしたものの不安やショックからくる頭痛や吐き気で上手く説明ができなかった。

 

それに、俺の不安をさらに掻き立てるのはエマさんからのメッセージ。

 

「渚斗くん。あなたはもう部活に来ないで」

 

頭の中が真っ白になった俺は理由を聞くために、みんなに電話をかけたが、誰も通話に出ない。

僅かな希望を持って迎えた朝も、通話の履歴を示す表示に既読は1人もついていない。

 

もう登校して直接聞くしかない、そう考えて学園に登校したはいいものの。

なかなかみんなには会えずに、結局放課後を迎えてしまった。

 

エマさんからは来ないでと言われたが理由も分からないのに、素直に「はい」とは言えない。

勇気を出して部活が始まる時間に部室に行ったが望んだ通りには行かず、誰もいなかった。

 

机の上に俺がいつも活動を記録しているノートが置いてある。

表紙の上には小さなメモ用紙があり、確認するとどうやらしずくちゃんから俺に宛てたもののようだ。

 

"渚斗さん。昨日あなたがいなくなってしまった後、ある事が起こり部活はしばらく休止する事になりました。

エマさんはああ言っていますが、理由も告げずにいるのは良くないと私は思います。

だから今日の放課後、部室で待っていてください。

私が説明します。

 

しずくより"

 

休…止?

受け入れられない事実に頭を抱える。

 

普段は優しいエマさんの冷たい言葉の訳、理由を聞こうとしても誰も話してくれない。

それは多分、しずくちゃんが書いた"ある事"に俺が深く関わっているからなんだろう。

 

ただでさえ張り裂けそうな不安が理性を振り解くように暴れだす。

扉の前に立ち、しずくちゃんが現れてくれるのをひたすら待つ。

 

早く…早く…心の中で唱え続ける。

 

ガチャッ

 

「…先輩」

 

「しずくちゃん!!」

 

しずくちゃんが現れた瞬間いてもたってもいられなくなり、彼女に飛びかかるように肩を掴んで揺さぶる。

 

「なぁ!何があったんだよ!何でこんな事になってんだよ!」

 

「先輩、落ち着いて!」

 

しずくちゃんに腕を掴まれて、動転した気が冷静さを取り戻していく。

 

「ごめん…不安で、夜も眠れないし飯も喉通らなくてさ…ついイライラして」

 

「そう…ですよね。でも、私も含めてみんなが先輩からの電話に出れなかったのはあなたと同じ様にショックを受けたからなんです」

 

「…もう、落ち着いたから説明を頼めるかな」

 

近くの椅子に腰掛け、不安そうな顔をするしずくちゃんにお願いする。

 

「はい。先輩が彼方さん達を探しに行ってなかなか戻ってこないので私が保健室に向かったんです。そうしたら途中の教室で彼方さんが泣いていて…訳を聞いたら…」

 

話している中でどんどんしずくちゃんは気まずそうに俯く。

余程言葉に出せない様な事を彼方さんが言ったのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その…先輩に無理やり陵辱されたって…」

 

 

 

 

「なっ!?そんな事大切な仲間に絶対にするわけがない!」

 

「ですよね。そう…その時は私も彼方さんの夢だと思ったんです。疲れていて変な夢を見てしまったんだろうって…でも」

 

しずくちゃんが立ち上がって、部室内にある部活用のパソコンの起動ボタンを押す。

 

すると、画面には送られて来たメールに添付してある写真が表示された。

 

目を疑った。

どこからか撮られたのか分からなかったが、写っていたのは、彼方さんの胸元に顔を埋める俺の姿。

 

「これが、差出人不明で送られて来て…先輩の事信じていたみんなも…特に彼方さんと仲が良いエマさんはすごい怒ってしまって…私はそういう事の免疫は映画や舞台を通して慣れてはいますが…かすみさんや璃奈さんはかなり酷いショックを受けてしまったみたいです…」

 

 

 

誤解だ。信じてくれよ。

 

 

そんな言葉ではもう取り返しのつかない事実に、目をそらしたくなる。

俺に寝ている間の記憶は無い。

だから彼方さんがそう言うなら、彼方さんが正しいのだ。

でも俺はどんなに気が狂ってしまったとしても仲間は傷つけたりはしない。

そんな状況に陥れば、迷わず舌を噛み切る。それだけは確信があった。

 

「確かに。この写真を見たらそう捉えられても仕方がないよね。でも、俺は絶対に仲間を傷つけるような事はしない。それだけは胸を張って言える。休止を受け入れるのは、直接彼方さんに話を聞いてからにしたい」

 

「…」

 

俺の気持ちに嘘偽りはない。

しずくちゃんは少しだけ沈黙した後、俺の手を握った。

 

「私は…私は先輩の事が大好きだから。先輩を信じます。彼方さんがああ言ったのもきっと何かの誤解があるんですよ、だから先輩。私は信じます」

 

しずくちゃんの慈愛に満ちた笑顔に、俺の目が熱くなってぼやけていく。

そしてすぐに涙が溢れ出してしまった。

 

「せ、先輩!大丈夫ですよ!私がついてますから!だから泣かないでください、ね?」

 

頷くことしかできなかった。

普通だったら口も聞きたいとは思わないはずなのに。

これだけ俺の事を信じて慕ってくれている彼女の存在。

それが唯々嬉しくて。

 

いつまでも泣いていたらみっともないよな。

そう自分に言い聞かせて目をゴシゴシとぬぐい、笑顔をしてみせる。

 

信じてくれる人がいる限り、諦めちゃいけない。

 

人は心で動いている。

心はどこまでも強くなれる。

 

 

俺は、しずくちゃんと誤解を解くための話を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

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"彼方さん、待ち合わせの場所に着いたよ"

 

メッセージで彼方さんにそう伝える。

あの後、早速しずくちゃんから彼方さんに連絡をとってもらい彼方さんと少しだけやりとりをした。

 

彼方さんからも俺に話したい事、聞きたい事があるらしくすんなりと事は運んだ。

 

しずくちゃんにも付いて来てもらったほうが、彼方さんも安心だろうと2人で行く旨を伝えたが、1人でいいと言われた。

 

少し引っかかる事もあったが何か事情があるのだろう。

そう考えて俺は彼方さんから指定された場所に一人で待つ。

 

程なくして、誰かが近づいてくる音がした。

先ずは謝ろう。そう決めていた。

そもそもこんな事になったのは寝ぼけていた彼方さんをしっかり俺が起こさなかったからだ。

ああやって寝た後、俺が寝ぼけて彼方さんに嫌な思いをさせた可能性だってある。

だから謝らなければと考えて音が聞こえた方に頭を下げた。

 

「彼方さん!すみませっ」ーーガンッ!!!!

 

何が起こったのか理解するのに時間は要らなかった。

 

頭に鈍く、重い痛みがのしかかり意識が朦朧とする。

 

あぁ…ダメだ。意識が…途切れ…

 

『フッ。相手をよく見てから頭を下げるんだったな』

 

ノイズがかかった声を聴覚で捉えたのを最後に、意識を手放した。

 

 

 

 

 

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「う…うぅ……」

 

何もない暗闇の状態の中、視覚や触覚より先に、 聴覚だけが機能を取り戻し始める。

 

ゴォォォン ゴォォォン ゴォォォン ゴォォォン ゴォォォン

 

一定のリズムで何か大きな装置が動く音が耳の中に響いていく。

 

次に取り戻したのは視覚。

しかし、こちらはなかなか機能してくれない。

いや、正しく言えば機能を発揮する状況ではないのだ。

 

この空間には先程まで感じていた陽の光が全く届いておらず、弱々しくほのかに灯った電球しか光を発するものはないからだ。

 

本来はカバーをつけるであろう電球が剥き出しの状態になり、白く、弱々しい明かりで暗闇を照らしている。

 

「ぐっ…痛っ…」

 

ほとんどの感覚を取り戻した俺に待ち受けていたのは痛みだった。

頭が金槌で叩かれているみたいに、ズキンズキンと一定のリズムで痛む。

 

「何が…起こったんだ」

 

頭の下に何か柔らかいものを感じる。

なんだ、これ……

 

俺はだるく、重く、強張ったまぶたを無理やりこじ開けた。

 

「え?」

 

そこには俺を覗き込む彼方さんの顔。

という事は、下にあるのは太ももだ。

 

「膝…枕?」

 

「うん〜彼方ちゃんの膝枕だよ」

 

なんだ?この状況といい、この頭痛といい。

おかしいぞ、普通じゃない。

 

霞みがかったような目の前がもどかしくて、俺は目頭を揉みしだいてなんとか本来の思考力を取り戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……はずだった。

 

目を擦ろうとも、頭痛のする頭をはたいても、頭を振っても、振り返ってもう一度見直しても、………見間違いじゃなかった。

 

まるで西部劇で見るような、天井まで伸びた高い格子がこの部屋を半分の辺りで区切っている。

 

そして、ここは…鉄格子の「中」だ。

 

俺は鉄格子を握ったまま振り返ってから、慌ててまたベットに座って落ち着いている彼方さんのもとへ舞い戻った。

 

「彼方さん!怪我とかない?何かされたり…それにこの部屋は一体…」

 

「んっ!あんまり強く掴まれたら、痛いよ…」

 

「あ、ごめん…」

 

彼方さんだってすまし顔してはいるけれど、きっと俺より怖い思いを抱いているはず、なのに肩を思い切り掴んで揺さぶってしまった。

 

本当に、何が起こっているのかまるで分からない。

 

まさか部屋にニョキニョキと勝手に格子が生えてしまったなんて頭の悪い話じゃなかろう。

 

「いったい…誰がこんな事を」

 

「彼方ちゃんだよ〜?」

 

「ははっ確かに彼方さんの夢の中…」

 

ではあり得るけど…と言いかけて、言葉を失った。

 

彼方さんの感情の揺れを感じさせない瞳が俺を真っ直ぐに見つめている。

 

「……………ごめん。よく聞こえなかった」

 

「彼方ちゃんが今日頑張って朝から取り付けたんだよ〜。もちろん、ナギ君には気を失ってもらってここに連れて来たんだ〜」

 

「変な冗談言わないでくださいよ」

 

「彼方ちゃん、嘘と遥ちゃんを傷つける奴がこの世から無くなればいいって思うくらい嫌いだよ?」

 

足元から床が崩れていくような気分だった。

 

「……」

 

彼方さんは相変わらず、涼しげな表情を顔に乗せながら、俺の一挙手一投足を見守っている。

 

…仮にこれが本当だとするのなら。

 

「彼方さん、これは仕返しですか?俺は昨日、あなたと眠りに落ちてから起きるまでの記憶が無いんです」

 

彼方さんは黙って話を聞いている。

続けて俺は話す。

 

「その間に、寝ぼけてあなたが嫌がるような事をしてしまっていたなら謝ります。でもここまでやる必要はないですよ。ここから出してください」

 

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長い沈黙の後、ようやく彼方さんの口元が動いた。

 

 

「ふふっ」

 

 

「彼方さん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふふっ!………出すわけないでしょ」

 

 

 

 

 




次彼方ちゃんのガチヤンデレ回ですので!
お楽しみに!

よければ感想、お気に入り、評価お願いします〜励みになりますので泣泣


〜ヤンデレ度チェック表〜

正常:愛 しずく 璃奈 エマ
正常(?):果林 せつ菜 かすみ
異常:彼方
末期:歩夢

↓例を挙げると、歩夢をヤンデレから普通状態に戻せるチャンスがあるとします。しかし主人公が選択肢を誤ったため、他のメンバーが歩夢に殺されるとか主人公が監禁されて一生を過ごすとかそういう結末。
要はこの小説の最後はもう決めていますが、それとは別にバッドエンド見たいですか?って話です。わかりにくかったらごめんなさい…

選択肢による分岐で9人それぞれのバッドエンドって作って欲しいですか?

  • 欲しい
  • どうでもいい
  • いらん
  • 歩夢怖い
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