次回予告からタイトルを少々変更してます。
アッシュフォードを出たルルーシュは、いざという時のために準備していたブリタニア人が避けるゲットー付近の租界外縁部の隠れ家に潜伏した。名義は賭けチェスで恩を売った相手のものになっているため、そこからルルーシュの居所を突き止めるのは困難であり、出入りを目撃でもされない限り見つかる可能性は低い。
大して広くもない家だが、ナナリーとの二人暮らしであれば不自由しない程度の大きさはあり、食料などは備蓄があるのでしばらく買い足す必要はない。
追手への対策として潜伏してすぐに家の内と外、両方に監視カメラをつけ、近寄る者がいれば知らせが届く探知機も設置した。逃走経路も何パターンか用意しており、家にいる時でもカツラを被って髪色を変えるほどの入念ぶりだ。
その一切の油断ない徹底ぶりはルルーシュがどれだけ現状を危険視しているかを如実に表していたが、それでもルルーシュはこれだけの警戒態勢を敷きながらまるで満足していなかった。それどころかこの国にいる事自体が危険だと考え、一刻も早く日本を出国するため連日賭けチェスを行って金策に走っている。ナナリーを一人残して外出する不安はあったが、家から出ず潜伏しているだけではいずれ見つかってしまう。ならば多少の危険を冒してでも日本を出るルートを確立する必要があった。
そのためにも、まずは金だ。戸籍上死んだ事になっているからルルーシュもナナリーもパスポートを発行する事ができない。ならば偽造パスポートが必要になるが、身分を明かせないためどうしても制約がついて回る。それに出国できればいいというものでもなく、その先に基盤を築いておかなければ、足と目が不自由なナナリーが安心して過ごせる環境を得る事はできないだろう。それら全てをクリアできたとしても、そもそも逃走資金が足りない。
とにかくこれから先、金がいる。これまで賭けチェスで稼いだ金ではまるで足りない。せめてイレブンのものでもいいから戸籍が使えれば別だが、信用できない人間のものを使えばそこから足跡を辿られかねない。
目立たないように。目をつけられないように。見つからないように。
静かに。静かに。静かに事を進める必要がある。
「チッ」
苛立ち混じりに舌打ちし、ルルーシュは携帯を取り出した。
電話を掛ける相手はミレイ・アッシュフォード。いつもの状況確認だ。
学園を出て既に十日ほど経っているが、どうやらまだ親衛隊や軍の人間がアッシュフォードに押し寄せるような事態には陥っていないらしい。機密を見た自分を親衛隊が見逃すとは思えないし、学園を見つけられないという事もないだろう。ならば軍で何かあったのか。明晰なルルーシュの頭脳をもってしても原因はまるで分からなかった。
この不気味な沈黙が嵐の前の静けさでない事を祈るしかない。
「もしもし、こちらミレイ・アッシュフォードでーす。どちら様かな?」
「お久しぶりです。ミレイさん。僕です、クルートです」
「……あっ、もしかしてクルート・マッケイ君?」
「そうです。お久しぶりですね」
「ホント久しぶりね。待ってて、ちょっと場所変えるから」
「分かりました」
電話口から声が聞こえなくなるのを確認し、ルルーシュは異常事態が起きている事を察し自らも人気のないところへ歩を進める。
ルルーシュがミレイと電話する時に使う暗号やサインは多岐に渡るが、その中でも最も分かりやすいものが電話を取った時に最初に口にする言葉である。
『はい』から始まれば異常なし。『もしもし』から始まれば異常事態発生のサインとなっている。その後ルルーシュが間違い電話である事を示唆すれば、今度はルルーシュの方で異常事態が起きてるサインになり、今回はルルーシュ側には何もなかったが、ミレイ側で何かがあった事を示していた。
考えられる懸念として、ミレイが軍に囚われ電話口で誰かがミレイに成りすましている可能性はあったが、既に先程の会話で電話の相手がミレイ本人である事は確認が取れていた。移動しているという事は、電話を盗聴されているわけでもない。つまりは異常事態が起きてはいるが、ミレイ自身が拘束されていたり監視されているわけではないという事だ。
ちなみに本人確認だが、日付、時間、天気、電話が鳴ってからのコールの回数でルルーシュの名乗る名前が数百通りに変化するようになっており、それに答えるミレイも数百通りあるファミリーネームの中から正解を口にする事で本人かどうか確認が取れるようになっている。
「お待たせ、ルルーシュ」
「ええ。それで、何があったんですか?」
早急な報告を求めるルルーシュに、ミレイもすぐさま報告に入る。
「なんかね、数時間前から日本人が学園の様子を窺ってるの」
「日本人が?」
ルルーシュがイレブンという蔑称を好まない事を知っていたミレイは、報告には日本人という呼称を使って状況を伝える。
「歳は多分、私達と同じくらい。茶髪のくせ毛で、物陰に隠れながらずっと学園を出入りする人を観察してるみたい」
「…………」
「軍が派遣したにしても、あえて名誉ブリタニア人を寄こす理由が分からなくて、実害はないから放置してるんだけど……どうしよっか? 注意でもして、探りを入れてみる?」
判断を求めるミレイの声を聞きながら、ルルーシュは憶えのある特徴に少なからず動揺していた。
その特徴から導き出される人物は一人しかいない。
「……ルルーシュ?」
いつもなら間髪入れず答えを返すルルーシュの沈黙を訝り、ミレイが名前を呼んでくる。
「すみません。少し考えこんでいました。その日本人の件ですが、心配はいりません。多分そいつは俺の知り合いです」
「知り合い……?」
日本人の、という声なきミレイの疑問には答えず、ルルーシュは一つの頼みごとをする。
死んだと思っていた友の姿を思い浮かべて。
「実際に目視で本人か確認する事はできないので、その日本人にこう伝えてもらえますか」
スザクは悩んでいた。
親友の無事を確認したくて上司に無理を言って制服から学園の場所を調べてもらうまでは良かったのだが、肝心の学園に入る手段がなかった事に気付いたからだ。
守衛に呼び出してもらう事も考えたが、名誉ブリタニア人の自分が呼び出していらぬ波風を立たせたくはない。
ただでさえ親友は隠れ住む生活をしているはずなのだ。こんな事で迷惑を掛けるわけにはいかない。
だがそうすると、親友に会う方法がスザクにはまるで思い浮かばなかった。
別れた後でこの学園に帰るだけなのだから危険はないだろうが、あんな事があった後なのだ。きちんと無事をこの目で確認したいし、伝えなければいけない事もある。
どうやって会えばいいものか、いっその事ここで出てくるのを待つべきか。だが学園の中のクラブハウスに住んでいると言っていたのだから、今日は出て来ない可能性も充分に考えられる。
ああでもないこうでもないとスザクが頭を捻っていると、不意に横合いから声が掛けられた。
「あなた」
振り向けば、黄色い髪をしたこの学園の服を着た女子生徒が厳しい目でこちらを見ていた。
その姿を見て、スザクはしまったと自分の行動の迂闊さを恥じた。
ブリタニアの学園の前に名誉ブリタニア人が何時間もいてはあらぬ誤解を受けかねない。
不審者と思われるくらいならまだしも、裕福な子息子女を狙った誘拐犯だと誤解されればスザクは即座に刑務所行きだ。
「すみません。ちょっと人を捜していて、でもそれは別に怪しい理由があるわけじゃなくて、その……」
しどろもどろに弁解するスザクに女子生徒は乱暴な足取りで近付いてくる。
ビンタくらいは覚悟したスザクだったが、その女子生徒はスザクの目前で立ち止まると、周りには聞き取れない声で告げた。
「あなたの捜している人から伝言よ。『二度目の別れの地で待つ』だって」
「えっ……」
驚くスザクに構わず、女子生徒はすぐにスザクから離れていく。
そのまま立ち去るかと思われた女子生徒は、ある程度距離が離れたところで立ち止まり、振り返ってスザクを睨みつけた。
それは軍隊の訓練を受けているスザクが怯むほど、強い敵意の込められた視線だった。
「何かしたら、絶対に許さないから」
それだけ言って、女子生徒は今度こそ学園の中へ去って行った。
呆然とその姿を見送ったスザクは、我に返り告げられた言葉を反芻する。
「二度目の別れの地……」
その場所には見当がついた。
スザクでなければその場所は誰にも分からないだろう。その用心深さと言い回しは実にあの友人らしい。
伝言を伝えてくれた女子生徒はもう見えなかったが、感謝の証として学園に頭を下げ、スザクは指定された場所へと向かった。
「来たか」
振り向かずに、ルルーシュが呟く。
その視線の先には、荒廃した新宿の街並み。
隣に並び、スザクはルルーシュと同じ光景を見る。
しばらくの間無言でそうしていると、不意にルルーシュが口を開いた。
「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」
スザクはルルーシュを見たが、相変わらずルルーシュの視線は無惨に荒れ果てた街に向けられていた。
「なのに、ブリタニアにはそれがない。撃たれる覚悟もなく、一方的に民間人を虐殺する。これのどこが、強者だと言うんだ」
「ルルーシュ……」
静かにまばたきをし、ようやくルルーシュがスザクを見る。
この時再会してやっと二人の視線が合った。
「生きていたんだな、スザク」
「うん。良かった。こうしてまた会えて」
嬉しそうにはにかみながらスザクは喜びを告げる。
ルルーシュも同じ気持ちだった。
「あれだけの事をしておいて生き延びているとは、悪運の強い奴だ」
「酷いな。それを言うならルルーシュもだろ。僕よりずっと死んでもおかしくない立場だったくせに」
「違いない」
軽口を叩き合って笑い合う。
こんな時間が再び訪れるなど、お互いに想像していなかった。
「どうしてこんなところに呼び出したの? 学園に住んでるって言ってたよね?」
「あぁ。だが親衛隊に制服姿でいるのを見られた以上、いつ追手が差し向けられるか分からないからな。その日のうちに学園は出た」
「そう、だったんだ……」
「いまは租界でも目立たないところでナナリーと一緒に隠れている。下手に出歩けば捕まるかもしれないから、こうしてゲットーまで来てもらったのさ」
ルルーシュの境遇を聞き、スザクの顔が沈む。
空気を悪くした罪悪感はあれど、それも必要な行為だったと割り切り、スザクを待つまでの間ずっと考えていた事をルルーシュは口にした。
「スザク。俺達と一緒に来てくれないか?」
スザクの瞳を真っ直ぐに見つめ告げる。
「この国にいては、俺達はいずれ本国に見つかる。だから俺はナナリーと共にこの国から出るつもりだ」
いきなりの宣言に驚き目を見開くスザクの反応を待たずルルーシュは続ける。
「既に高飛びする準備は進めているが、まだEUに築くべき基盤もできていないし、それどころか最低資金も用意できていない。現状最速でもこの国を出るまでに二月は掛かるだろう。それまでナナリーを守れる絶対の自信が、俺にはない」
情けない話ではあるが、己の力不足をルルーシュは恥を忍んで口にした。
スザク以外の相手であれば絶対に口にしなかったであろう自身の無力を。
「お前が一緒に来てくれれば、ナナリーを安心して任せられる。偽造パスポートの件もクリアできるし、俺も高飛びの準備に専念できるだろう。EUに移った後も、生活基盤を整えるのにそう時間は掛からないはずだ」
ルルーシュが他人を頼る事は珍しい。7年前であってもルルーシュは滅多に人を頼ったりはしなかった。それは警戒心の表れでもあり、矜持の高さでもある事をスザクは知っていた。
そんなルルーシュが己を頼ってくれる事を嬉しく思いながら、だがスザクはその言葉に頷く事は出来なかった。
「ごめんルルーシュ。それはできない」
悲痛な顔で首を振るスザク。
ルルーシュの願いを拒絶しながら、スザクはそれでもせめてと続ける。
「僕にできる事ならいくらでも手伝う。呼んでくれればいつでも駆け付けるし、軍の仕事がない時は一緒にいる。でも、軍を辞める事はできない」
「それは――ブリタニアを中から変えるため、か?」
「うん」
強い意志を持って頷くスザクに、ルルーシュは表情を険しくする。
そしてできるなら言いたくなかった否定の言葉を口にした。
「だがスザク。それは夢物語だ」
「そうかもしれない。でも諦めたら、それこそ夢で終わってしまう」
「そうじゃない。叶えるのが難しいとか、そういう問題じゃないんだ。お前の言う方法は実現が不可能なんだよ」
「どういう事だい?」
眉間に皺を寄せて訊ねてくるスザク。
やはり理解していなかったかと、心の中でルルーシュはため息をついた。
「お前の言う通りブリタニアを中から変えようとした時、そのために絶対に必要なものがある。何か分かるか?」
首を振るスザクにルルーシュは端的に答えを口にする。
「皇帝の地位だ」
スザクの表情に理解が及んでいないのを見て取って、ルルーシュは説明を続ける。
「ブリタニアは専制君主国家だ。全ては皇帝の意志で物事が決定する。例えお前がどれだけ功績を上げ出世したとしても、皇帝が頷かなければ国の在り方を変える事はできない。そして当然、皇帝に成れるのは皇室の血を継いだ皇族だけ。お前には無理だ」
「でもそれなら、皇帝を説得するか、次の皇帝になる方を味方につければ……」
「確かにブリタニアの中には主義者と呼ばれる国の体制を疑問視するブリタニア人もいる。もしかしたら皇族の中にもいるかもしれない。進化のために弱者を嬲る事を推奨するようなあの男を説得するのは不可能でも、主義者の皇族を支援し、皇帝の座に就かせる事ができれば国を変える事は可能かもしれない」
「だったら……」
「しかし、そもそもそんな皇族がどうやって皇帝になる?」
「どうやってって、国のために功績を上げていけば……」
「その功績が何か、お前は分かっているか?」
ルルーシュの鋭い視線を受け、スザクは答えに詰まる。
それはそのまま、ルルーシュの問いへの答えでもあった。
「弱肉強食。そんなものを国是として、言いがかりのような理由をつけて他国を侵略しているのがブリタニアだ。そんな中で功績を上げるという事は、侵略戦争に加担し領地を広げていく事に他ならない。つまりは、国是に反対している限り目立った功績を上げる事は出来ないという事だ」
「でも……内政とか、そういうのも立派な功績だろう? 何も他国の侵略だけが評価されるわけじゃないはずだ」
「確かにエリアの生産力を向上させ矯正エリアから衛星エリアへ昇格させる事なども功績には成り得る。だがそれだけで皇帝になれるほど大きいものではない。結局、皇帝となるにはエリア拡大の功績が必要になるだろう。だが主義者の皇族がそんな事をすると思うか?」
それは答えるまでもない事だった。
そもそも国是に反対しているのが主義者だ。国是を変えるために国是の通り働くというのは傍から見ても破綻している。
「もし国を変えるためと割り切り、皇帝になるまではエリアの拡大を積極的に行ったとする。だがそれで皇帝になったとしても、いままで散々侵略戦争に加担していた者が手のひらを返してエリアを解放するなど、諸外国はもちろん誰より国民が黙っていない。すぐにクーデターが起き、皇帝の座を引きずり降ろされるのがオチだ。
いまのブリタニアが強者として豊かなのもエリア支配があってのもの。エリアを解放して生産力が落ちればいままでの生活を続ける事は困難だし、生活水準が落ちれば体制に不満を唱える者が必ず現れる。さらに国主が変わったとはいえ、いままでのエリア支配や侵略戦争の非を認めてしまえば当然復興支援や賠償金を支払う必要も出てくる。エリア解放で財源を失ったブリタニアがそれを支払うには、貴族共や国民から税を搾り取らなねばならず、さっきも言った通りその先に待つのはクーデターだ。もしそれを抑え込んで全てを支払い終えたとしても、その頃にはブリタニアはいまの日本のような無惨な状況だろう。そこをエリア支配でブリタニアを憎んでいる国に攻められでもすれば、簡単に国が滅ぶ」
あれだけ他国から忌み嫌われている国だ。弱みを見せればつけこまれるのが当然。
つまりブリタニアはもう進み続けるしかないのだ。止まれば国が立ちいかなくなる。あの男の言葉では、それが進化だとでも言うのだろう。
「じゃ、じゃあ僕がナイトオブワンになれば? ナイトオブワンには好きな領地を一つ貰えるって特権があったはずだよね」
咄嗟に言い返したにも関わらず、スザクとしては随分と的を射た反論だった。
ナイトオブワン。それは皇帝の12騎士筆頭の称号。臣下が昇り詰める事の出来る頂点。ブリタニア最強の戦士の証だ。
「そんな事、良く知ってたな。だがそれでも日本を取り戻す事にはならないだろう」
「どうして……!」
「お前が死に物狂いの努力をしてナイトオブワンになったとする。だがどれだけ早くても、それまでに十年は掛かるだろう。日本が占領されて既に七年。お前がナイトオブワンになる頃には十七年。それだけの時間が経てば、もはや日本の統治は完全にブリタニアありきのものとなる」
「だからそれを僕が取り戻して……」
「スザク。お前は名誉ブリタニア人になった時、試験は受けたか?」
「えっ?」
突然の話題転換にスザクは目を丸くする。
「受けたけど、それがどうしたの? いまの話になんの関係が……」
「どのエリアでもそうだが、ナンバーズが名誉ブリタニア人の資格を得る人数は、支配されてから年月を重ねるごとに少なくなる。なぜだか分かるか?」
「それは……なりたいって人がもう名誉ブリタニア人になってるから、新しくなろうとする人がいないだけなんじゃないの?」
「違うな。ナンバーズとして虐げられれば虐げられるほど、少しでも安定した生活基盤を欲し名誉ブリタニア人になろうとするナンバーズはむしろ増える。本来であれば名誉ブリタニア人になるナンバーズは多くなっているはずなんだ。しかし実際にはその逆で少なくなっている。おかしいとは思わないか?」
スザクは確かにと頷くも、その理由は分からないのか難しい顔で沈黙する。
別に隠すつもりもないルルーシュはすぐに答えを告げた。
「原因は、学力の低下だ。いまの日本ではそもそも名誉ブリタニア人となるための学力を得る事が難しいんだよ。お前が受けた名誉ブリタニア人の資格を得るための試験を突破できないんだ」
「でもあれはそんなに難しいテストじゃないよ。ちゃんと勉強すれば、僕みたいに頭を使うのが苦手な人でも……」
「そのちゃんとした勉強をする余裕が、いまの日本人にはないんだよ」
ハッとスザクは目を見開く。
ゲットーに住む日本人がどんな生活をしているのかを思い出したのだろう。
「ナンバーズとして虐げられ、日銭を稼ぐエリア民では名誉ブリタニア人になるための勉強がそもそもできないんだ。参考書を買う金銭もなければ、一日中労働するため勉強に当てる時間もない。結果的にお前の言う難しくもないテストをクリアする事もできない。だから年々名誉ブリタニア人になるナンバーズは減っていく」
悲痛な顔でスザクはルルーシュの話を聞いていたが、ここまでの話は全て前置きに過ぎない。
そしてここからが話の本題だ。
「この状況でお前がナイトオブワンになった時、この国の内政を回せる人間がいると思うか?」
「あっ……」
「ナイトオブワンになって領地を貰うと言っても、お前に国を統治できるだけの政治力はない。なら国を回すのは別の人間だが、占領から十七年も経てばまともな教育を受けている日本人はもはやいない。結局はブリタニアから派遣された者が内政を回す事になるだろう。それではトップの名前がお前に変わっただけで日本はいまと何も変わらない」
日本を取り戻す。それは口で言うほど簡単な事ではない。
たとえスザクがエリア11のトップになったとしても、国を回す人間がブリタニア人では意味がないのだ。
「お前が領主になってから教育制度を整え、日本人にも学習する体制を整えたとしよう。だがそれにも時間が掛かる。基盤を作るだけでも五年、順調に進んだとしてもまともな成果が出るまでに十年は必要になるだろう。しかしお前がナイトオブワンに成れた以上、その地位は据え置きではない。体力が衰えればいずれは下の者に抜かれ、ナイトオブワンの地位は奪われる。折角整えた教育制度も人材も、お前がナイトオブワンの地位を失えば全て終わりだ」
全てがナイトオブワンという地位の上にある以上、地盤が揺らげば乗せているものも転がり落ちる。
どれだけスザクが強くても、人は老いるものだ。永遠に強くあれる人間はいない。
「たとえお前が驚異的な鍛錬でナイトオブワンの地位を誰にも渡さなかったとしても、皇帝が代替わりすればその騎士であるナイトオブラウンズは全員解任される。お前がどれだけ強かろうが、新しい皇帝のナイトオブワンになる事は出来ない以上、日本はまた属領に逆戻りだ」
騎士とは二君にまみえるものではない。どれだけ強い力を持っていようが、ナイトオブラウンズも主君が死んだからと新たな主君に鞍替えする事など許されない。死に物狂いで努力してナイトオブワンになっても、それは皇帝が死ねば終わりだ。自分の力とはまるで関係ないところで、その地位は簡単に奪われる。
それ以前にたとえナイトオブワンになったとしても、教育制度を整え終わる頃には二十年以上も経過しているため、もはや日本がブリタニアの属領でなかった時を知る若者はいない。そうなれば日本人も無理に日本を取り戻そうとは考えなくなり、真の意味で日本はエリア11となっているだろう。
「どれだけ功績を上げようが、どれだけ出世しようが、結局はブリタニアを中から変える事などできないんだよ、スザク。少なくとも俺には、その方法は浮かばない」
はっきりと断言するルルーシュ。
ブリタニアでナンバーズが成り上がること自体が奇跡なのに、たとえ成り上がれたとしてもその先で国を変える事はできない。
自分よりもはるかに賢いルルーシュに理論立てて不可能と告げられたスザクは、目に見えて狼狽した。
「でも、でも、それでも……正しいやり方で変えなきゃダメなんだ! 間違ったやり方じゃ、何も変えられない。変わらない! 後に残るのは、行き場のない虚しさと後悔だけだ……!」
「スザク……」
まるで慟哭しているようなスザクの声を押し殺した叫び。
その背景に何かがあった事は容易に想像がついた。
ガキ大将だったスザクをこれほどまでにルールを重視する人間に変えた何かが、過去にあったのだろう。
だがルルーシュは、それを聞き出そうとは思わなかった。
人に言えない過去の重みというものを、身をもって知っていたから。
しかしそれは、スザクの言い分を認めるのとは別の話だ。
「お前に何があったのか、俺には分からない。俺達と一緒に行けないと言うのも、お前なりの理由があっての事なんだろう。無理強いはできないし、理由を話せと言うつもりもない。だがなスザク、お前の言う間違った方法で俺はいずれブリタニアと戦うぞ」
「そんな……ルルーシュ、どうして!」
「7年前に言ったはずだ。俺はブリタニアをぶっ壊すと」
「分かっているのか⁉ 君がやろうとしている事は父親殺しだ! 自分の父親を殺そうとするなんて、そんなのは間違ってる! 絶対に後悔する! だってそれは……」
「スザク。そもそも俺達は、お前の言う正しい生き方など最初からできないんだよ」
感情のままに否定の言葉を叫ぶスザクに、ルルーシュは冷静に、しかしはっきりと告げる。
「俺達は本国では死んだ事になっている。いま出国ができず苦労しているのも、戸籍がなくパスポートが発行できないところが大きい。もし今回のような事態にならなくとも、戸籍がない俺とナナリーは保険に入る事もできなければ、就職も結婚もできない。法的な保護の一切を受けられず、もし本国に生存がバレれば即座に連れ戻され、7年前と同じように政略の道具にされるのがオチだ」
極東事変、ブリタニアの日本侵略の際にルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとナナリー・ヴィ・ブリタニアは死んだ。死んだ人間に、権利など発生するわけがない。
アッシュフォードに匿われていたのもそのためだ。いまの隠れ家だって自身の名義では借りる事すらできなかった。
「俺とナナリーが真っ当に生きるためには、ブリタニアが邪魔なんだよ。お前の言う中から変える方法など俺には取れない。となれば間違った方法で国を変えるしかない。EUに手を貸して戦争するか、テロを起こして外から破壊するか、皇位継承から外れた皇族を陰から支え国を乗っ取るか。いずれにせよ、正しいやり方とは言えないな」
正しいやり方で国を変えようとすれば、生きていた事を名乗り出るしかない。だがルルーシュだけならともかく、目も足も不自由なナナリーがあの国に戻れば、政略にも使えないとどこかの変態趣味の高官に売られる可能性すらある。それを守るためにルルーシュは己の持てる力を全て使い、それでも守り切れるかは分からないだろう。とても国を変えるどころではない。
「だから俺は必ず、いずれは反旗を翻す。ナナリーが安心して幸せに暮らせる世界を作るためにも、引くわけにはいかない」
「ダメだルルーシュ! そんなやり方じゃ、間違った方法なんかじゃ、良い結果は絶対に得られない! 後悔するだけだ!」
「ならこのまま暗殺に怯える生活を続けろと言うのか! いつ殺されるかも分からない不安の中で、ブリタニアから逃げ続ける一生を送れと、お前はそう言うのかスザク!」
「そうじゃない! そうじゃないけど、だけど……!」
「無理なんだよ、スザク。ブリタニアという国がある限り、俺達は決して真っ当に生きる事などできない。俺はナナリーの幸せのためにも必ず、ブリタニアをぶっ壊す」
「ルルーシュ……」
決意と覚悟を秘めた瞳が、スザクを射抜く。
ルルーシュもまた、スザクの心の奥底に秘められた変えようのない信念を感じ取っていた。
互いの道が決して交わらないだろう事が分かってしまう。
7年前と違って状況が許さないわけではないのに、互いの意思だけで一緒にいる事は可能なはずなのに、むしろ隔たる壁は厚く、高く、強固だった。
「すまない、スザク」
友達の願いを聞き届けられない事を、ルルーシュは謝る。
それにスザクは悲しそうに首を振った。
「こっちこそ、ごめん。ルルーシュ」
説得は不可能だと、二人とももはや悟っていた。
だからこそ、お互いがお互いの気持ちに応えられない事を謝罪する。
それはどうしようもなく不毛で、遣る瀬無い感情が募るだけの行いだった。
「スザク、ナナリーに会ってやってくれないか?」
「でも、それは……」
「頼む」
罪悪感からスザクは断ろうとするが、ルルーシュは最後まで言わせず強引に頼み込む。
遠慮など必要ないという無言メッセージを受け取り、スザクは頷いた。
「うん。分かった。ありがとう、ルルーシュ」
「頼んでるのは俺だ。感謝なら、俺が言うべきだろう? ありがとう、スザク」
お互いにお礼を言って、すぐにルルーシュは潜伏している家にスザクを案内した。
大して遠くもない距離を歩き、辿り着いた家の幾重にも掛けた鍵を開錠して中に入る。
「ただいま。ナナリー」
「お帰りなさい。お兄様。どなたかご一緒なんですか?」
笑顔で出迎え、足音から一人でない事に気付いたのだろうナナリーはそう訊ねてくる。
「そうだよナナリー。お前も良く知ってる相手だ」
「まぁ。そうなんですね。どなたでしょう?」
楽しそうにクスクスと笑うナナリーの頭にもカツラが掛けられており、いまはオレンジ色の長髪になっている。
ルルーシュとしても綺麗なナナリーの髪を隠す事はしたくなかったが、安全のためには仕方がなかった。
視線で促すと、スザクは頷きナナリーへと近付いていく。
正面まで来たスザクはしゃがみ込み、労わるように車いすに乗せられたナナリーの手に自分の手を重ねた。
一瞬不思議そうな顔をしたナナリーはハッと驚き、その手を包み込んで何度も自分の感覚が間違っていないか確かめる。
「この手……まさか、スザクさん?」
信じられない、と声を震わせるナナリーにスザクは微笑んだ。
「久しぶりだね。ナナリー」
「生きていて、くださったんですね……」
感動のあまり泣き出すナナリー。
その頭を握られているのとは逆の手でスザクは優しく撫でた。
「ナナリーも。生きていてくれて、嬉しいよ」
「はい。はい……」
何度も頷き、大粒の涙を零すナナリー。
7年前もう果たせないと思っていた『また会いましょう』という約束。
それが果たされた事が何よりも嬉しくて、生きてまた会えた奇跡にナナリーは泣き続けた。
あの時の時間が帰ってきたような、そんな気持ちを三人は共有していた。
ナナリーが泣き止み、三人は夕食を取る事にした。
スザクとナナリーが話している間にルルーシュが料理をし、すぐに食卓には香ばしい匂いを漂わせる夕食が並ぶ。
それに舌鼓を打ちながら、7年間積もり積もった話に三人は花を咲かせる。
「アッシュフォード学園ではお兄様は生徒会の副会長をなさっていて、会長のミレイさんといつも楽しいお祭りをしていたんです」
「ルルーシュが誰かの下についてるって、なんだか想像できないな。楽しいお祭りってどんなお祭りなの?」
「最近したお祭りは絶対無言パーティとか水着で授業とか小学生の日とかですね」
「会長のお祭り好きには困ったものだけどな。付き合わされる方は苦労が絶えないよ」
「そう言いながらお兄様も結構楽しんでいらっしゃいませんでしたか?」
「まさか」
肩を竦めるルルーシュ。
ナナリーもルルーシュもスザクも、全員が笑顔だった。
こんな風になんの含みもなく笑うのは、学園を出てから一度もなかった。
「なんだか凄く楽しそうな学園だね。僕も行ってみたかったな」
「スザクさんは学校は……あっ」
「軍隊に入ったからね。軍学校じゃお祭りなんてないし」
「すみません、わたし……」
「気にしないでナナリー。別に普通の学校に行かなかった事を後悔してるわけじゃないから」
「はい……」
軍隊に入った事を夕食前に聞いていたナナリーは申し訳なさそうにするが、スザクはまるで気にした素振りもなく笑う。
それからもとりとめのない話を続け、少しだけ期待の込められた口調でナナリーは訊ねる。
「スザクさん、今日は泊まっていかれるのですか? なんでしたら、ずっとここにいてくださっても……」
「ごめんナナリー。今日はこれを食べたらもう帰らないといけないんだ。明日も軍隊の仕事で早いからね」
「軍隊……危なくないんですか?」
「大丈夫だよ。最近人事異動があって、技術部に配置換えされたから」
「そうか。技術部に」
新宿の時に前線に出されていた事を知っていたルルーシュはその言葉を聞いて安心する。
技術部ならば、よほどの事がない限り危険はないだろう。
「それじゃあ僕はそろそろ帰るね」
夕食も食べ終え、話も一区切りしたところでスザクは立ち上がる。
楽しい時間が終わってしまう事に寂しさを感じながらも、ナナリーは笑みを浮かべた。
「はい。一緒にいられないのは残念ですけれど、また会えてよかったです」
「僕もだよ。また来るからね、ナナリー」
「はい。スザクさん」
二人が別れの挨拶を済ませるのを見て、ルルーシュも立ち上がる。
「道が分かりづらいから、そこまで送ってくるよ。少しだけ待っていてくれ、ナナリー」
「はい。お兄様」
「そんな、いいのに」
「少し夜風に当たりたいんだ。そのついでだよ」
遠慮するスザクをむしろ先導してルルーシュは家を出る。
日が沈んだ事で少し冷たい外気が肌を撫でるのを感じながら、二人は並んで歩く。
「さっきは言い忘れてたんだけど」
そう前置きして、スザクはわりかし真剣な表情でルルーシュを見る。
「親衛隊の事はもう心配いらないと思う」
「どういう事だ?」
目下最大の警戒対象を話題に上げられ、ルルーシュは眉を顰めた。
「僕もあまり詳しくは知らないんだけど、新宿の事件があった日から総督が自室に引きこもって出てこないらしいんだ」
「なに?」
「なんでもあの日、誰かが総督の乗ってる旗艦に侵入した形跡があるんだって。そこで総督が襲撃されて、そのショックで部屋から出てこないんじゃないかって、いま軍じゃもっぱらの噂なんだ」
「そういえば、あの日からクロヴィスはテレビにも出ていなかったな」
隠れ家に移ってからも情報収集のためにニュースを確認しているルルーシュは世事には詳しい。
政治には疎いくせに何かあればすぐにテレビに出るクロヴィスが、あの新宿の件以降ぱったりとメディアに姿を現さなかった事も不審に思っていた。
「その時同じ旗艦にいた参謀と親衛隊の人達は総督を守れなかった責任を問われていて、政務が難しくなった総督と一緒に近々本国に戻るらしいんだ」
「それは総督が代わるという事か?」
「うん。僕がこうしてここにいるのもそれが理由でね。あの時の事はクロヴィス殿下の親衛隊しか知らないけれど、その親衛隊が責任を問われてて僕を裁くとかそれどころじゃないから、結局有耶無耶になってるんだ」
「確かに親衛隊が主を守れなかった事を棚上げに名誉ブリタニア人を軍律違反で裁けば、各所が黙っていないだろうな」
思ってもいなかった一大ニュースを他人事のように語るスザクに呆れながら、その悪運の強さには呆れを通り越して感心する。
どうやっても銃殺刑は免れないような事態が偶然回避できているのだから。
親衛隊としてもスザクを裁こうにもそれどころではないのだろう。かといって責任を押しつける事もできない。名誉ブリタニア人相手に主を守れないなど、恥以外の何物でもなく言い訳にもならないからだ。
「ルルーシュの事も親衛隊しか知らないわけだから、洩れる事はないと思う。だから無理して出国せずに、学園に戻ってもいいんじゃないかな?」
わずかに期待が込められた調子でスザクはそう提案する。
ナナリーとの話でルルーシュとナナリーが学園での生活を楽しんでいる事が分かったからだろう。
ルルーシュは学園に軍が来なかった理由が分かり不安は消えたが、それでもスザクの提案に安易に頷く事はできなかった。
「残念だが、スザク。そんな簡単な話じゃないんだよ」
どうにも思慮が足りない友人に分かるよう、ルルーシュは自身が置かれている現状を丁寧に説明する。
「確かにいまのところは俺の情報は洩れていないようだが、これから先も同じとは限らない。本国に戻った後で親衛隊が誰かに話す事もあり得るし、逆恨みした親衛隊が報復に戻ってくる可能性もある。なんなら今回の件を親衛隊がクロヴィスに報告した時、外見の特徴からクロヴィスが俺達の生存に気付くかもしれない。そんな事になる可能性は低いのかもしれないが、たとえわずかでもあり得るのなら、もう学園に戻る事はできない。万が一にでも見つかれば、俺達は終わりだからな」
いまの自分達は薄氷の上に立っているのも同じなのだとルルーシュは語る。
少しの衝撃でそれは砕け散り、そして砕け散ればもはや助かる術はない。
だからこそ、ほんの少しの不安要素も残すわけにはいかないのだ。
「だがお前の情報は役に立った。しばらくは追手の心配はしなくて良さそうだからな。資金繰りや出国ルートの準備に時間が掛けられるのはありがたい。しばらくはあの家に潜伏する予定だから、暇な時はお前も顔を出してくれ。ただ尾行にだけは注意しろよ」
スザクは複雑そうな表情をしていたが、それでも力強く頷いてくれた。
「分かった。時間が空く限りはナナリーの傍についているよ。その方が君も安心だろう?」
「助かる」
自分がいない時にスザクがナナリーについていてくれれば、なんの不安もなく準備を進められる。ナナリーも家で一人不安に駆られる事もないだろう。
「それじゃあルルーシュ。僕はここで」
「ああ……」
メインストリートも近くなり、潜伏しているルルーシュがついてこられる限界のところまで来たところで、スザクは別れの挨拶を切り出すが、ルルーシュは曖昧に返事をし黙り込んだ。
それを不審に思いながらスザクが続きの言葉を待っていると、しばらくしてルルーシュは真剣な眼差しで、それこそあの日ブリタニアを壊すと誓った時と同じような、確固たる意志が込められた瞳でスザクの目を見た。
「スザク」
「なに? ルルーシュ」
「生きろ」
「えっ……」
紡がれた言葉はあの日とは違って憎しみや怒りといった負の思いは込められていなかった。
ただそこにあるのは、何かを願う、友への切実な感情だけだった。
「軍人のお前にこんな事を言うのは間違っているのかもしれない。撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけ。撃たれる覚悟のない軍人などいてはいけない。だが撃たれる覚悟と生きる覚悟は決して相反するものではないと、俺は思う。
これから先、俺とお前の歩む道は異なってしまうだろう。俺が反逆する事になれば、いずれお前と戦わなければならない時が来るかもしれない。
だがそれでも、生きてくれ。スザク。
俺はお前という親友を、たとえ敵同士になってしまったとしても、失いたくはない」
スザクの瞳を逃さないように見つめ、ルルーシュは自分の思いを告げる。
自分を守るためとはいえ、簡単に命を捨てようとした友に、死なないでほしいと。
たとえルールを破ってでも、俺はお前に生きていてほしいと、そう願う。
スザクは呆然とルルーシュを見つめ返し、やがてその瞳から涙を流した。
「うん。分かった。……ありがとう。ルルーシュ」
万感の思いと共に頷くスザクに、ルルーシュは微笑む。
この泣き虫め、と憎まれ口を叩いて。
「じゃあまたな」
「うん。またね」
そう言って、二人は別れた。
同じ道を進む事はないと分かりながら、それでも友としてその思いを尊重し。
あの頃と何も変わらない夜空の下、真逆の方向へ二人は歩いて行った。
スザク説得回。
ルルーシュの説得も空しく道を分かつ二人。
気付いた方もいると思いますが、ピクチャードラマの話を割と盛り込んでいます。
おそらくは次回か、もしくはその次でプロローグは終わりです。
次回:間違いとは