コードギアス~あの夏の日の絆~   作:真黒 空

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今回の話を書くにあたって、初期のミレイさんのキャラをアニメよりに戻しているため、3話、4話、8話のミレイさん登場シーンの部分の書き直しています。
ただ大まかな流れ自体は変わっていないのでご安心ください。


63:ルルーシュ同盟

 

 目の前にそびえ立つ政庁を見上げて、ミレイはため息をつきそうになるのを堪えた。

 ユーフェミア皇女からの召喚の連絡が来たのが昨日の事。

 ルルーシュを匿っていたのがアッシュフォードだという事は知られているので、おそらくはその事についてだろうが、なぜコーネリアではなくユーフェミアからなのか、そして当主のルーベンではなく孫娘のミレイが召喚されたのか、それが分からない。昨夜に祖父とも散々話し合ったが、結局答えは出なかった。

 ただミレイには一つだけ心当たりがあった。おそらくは、政庁から逃げたルルーシュの手掛かりを得ようとしているのだろう。

 これは祖父にも話していない事だが、ユーフェミアから連絡が来る前、ミレイは極秘にルルーシュから連絡を受けて政庁から脱出した事を聞かされていた。ルルーシュは隙を見てなんとか逃げ出したと言っていたが、仮にも皇族の警備がそんなに甘いはずはないので、おそらくは黒の騎士団の力を使ったのだろう。

 そのためいま現在政庁にルルーシュはおらず、だからこそ逃げたルルーシュを再び見つけ出すため、情報を知っていそうで祖父よりも口を割らせるのが容易な小娘をターゲットに、警戒心を解きやすく年齢の近いユーフェミアを尋問役に当てたのだろう。これなら今回の訳の分からない召喚にも筋が通る。

 だがどんなに上手くミレイから情報を聞き出そうとしても、その思惑が叶う事はない。祖父はもちろん、ミレイもルルーシュの居場所を知らないのだから。

 政庁から脱出した事と、怪我もなく無事である事は聞いたが、ルルーシュは自分がゼロである事もいまどこにいるのかも話さなかった。そしてミレイも、それを聞こうとはしなかった。だからブリタニアが自分から引き出せる情報は、ルルーシュがゼロである事と、そのルルーシュから連絡を受け取っている事、この2点しかない。

 つまりミレイは、それだけを決して話さないようにするだけでいい。たったそれだけで、ルルーシュの安全は守られる。

 

「……時間ね。入りましょうか」

 

 時計を確認し、一度深呼吸をして政庁へと足を踏み入れる。

 受付で用件を伝えると、スーツ姿の女性が迎えに来てユーフェミアがいる部屋まで案内される。

 先にその女性がノックして来客を伝えると、許可が下りて中に入るように促された。

 最近まで皇族であるルルーシュとは日常的に会っていたはずなのに、ここまで緊張するのは危うい自分の立場故か。それともルルーシュ以外の皇族に会うのは初めてだからか。はたまた扉の先の人物をルルーシュの敵だと認識しているからこそか。

 

「お初にお目に掛かります、ユーフェミア皇女殿下。召喚に応じ参りました、ミレイ・アッシュフォードです」

 

 入室したミレイは、宮廷の作法を思い出しながら頭を下げる。

 ファイルの山が積まれた机の前に座っていたユーフェミアは、笑顔でその来訪を歓迎した。

 

「お忙しい中、来てくださってありがとうございます。どうぞお掛けになってください」

 

 立ち上がったユーフェミアが、ミレイに勧めたソファの対面に腰を下ろす。

 

「突然呼び出してしまってごめんなさい。どうしても、あなたに聞きたい事があったもので」

「いえ、光栄です。ユーフェミア皇女殿下に招いていただけるなんて」

 

 無難な返答をしながらユーフェミアを観察するミレイは、その目の下にわずかに隈がある事に気付く。顔からも疲労が滲んでいるように見えるため、もしかしたらあまり眠れていないのかもしれない。

 しかし態度からはそんなものおくびにも出さず、ユーフェミアは真っ直ぐとミレイの瞳を見つめて話を切り出した。

 

「単刀直入にお聞きします。ルルーシュは、このエリアでどんな風に過ごしていましたか?」

 

 回りくどい雑談などは挟まず、ユーフェミアは早速ルルーシュの名前を出して問うてくる。

 さすがに居場所を聞くような露骨な質問ではないが、おそらくルルーシュと縁のある場所や行動傾向を知りたいのだろう。

 

「ルルーシュ様は……」

 

 用心深いルルーシュが痕跡が残っているような場所に逃げるとは思えない。とはいえ念のため当たり障りのない事を言って誤魔化そうと口を開いたミレイは、自分を見つめてくるユーフェミアの視線に思わず口ごもった。

 

「……」

 

 注意深くこちらを観察するような視線――ではない。熱の込められた――とも違う。

 あえて表現するなら、それは縋りつくような視線だった。

 

「……どうして、ユーフェミア様はそんな事をお聞きになるのですか?」

 

 口にしようとしていた言葉を呑み込み、本心と建て前、両面からミレイは訊ねた。

 ルルーシュが政庁から逃げた事をミレイは知らない事になっている。だから建前としては、ルルーシュの事はルルーシュに聞くべきだという意味に取れる質問。

 それを隠れ蓑に、向けられた視線の意味を問う。

 

「知りたいんです。ルルーシュが――――私の知らないルルーシュが、どんな気持ちで、どんな暮らしをしていたのか」

 

 その瞳には切実な色が、その言葉にはわずかな哀愁が宿っていた。

 そこに不純物は――打算やルルーシュを探ろうとする意図は見られない。

 ただ兄を知りたいという純粋な思いが溢れていた。

 

「あなたは……」

 

 出掛かった問いが、空中で形を成す前に消える。

 目の前のユーフェミアの姿は、ただ一途に兄を慕う妹にしか見えなくて。それがあまりにも想像していた敵の姿とは重ならなくて。ミレイはこの場がどこかも(敵地である事も)忘れて呆然としてしまう。

 同時に、自分の中で勝手に作り上げていたユーフェミア・リ・ブリタニアという敵の認識が、変わって(正されて)いくのが分かってしまった。

 皇女という身分や副総督という肩書のためつい誤解してしまうが、ユーフェミアはまだ16歳の女の子だ。色眼鏡を取っ払って彼女自身と向き合えば、ついこの間まで高校生だった年下の少女でしかない。

 そんな女の子が、幼い頃に死に別れたと思っていた兄と再会して。

 その兄が逃げるように自分の下を去って行って。

 一体どんな気持ちで、何を思っただろう?

 

 ――あぁ、そっか……そういう事だったんだ。

 

 ユーフェミアが自分を招いた本当の理由に思い至って、いままで張り詰めていたミレイの緊張の糸が切れる。

 なんて事はない。きっといまの彼女は――こんな言い方は不適切かもしれないが――恋人にフラれてしまった女の子と似たようなものなのだ。

 仲が良かったはずなのに、突然冷たい態度を取られて、なんの説明もなく別れを告げられた。

 それが悲しくて、寂しくて、もしかしたら自分が何かをしてしまったんじゃないか、なんて考えてしまって。どうして自分の傍から離れていったのか、その理由をどうしても知りたくて。でもそのために何をしたらいいか分からなくて。少しでもルルーシュと接点のあった人物を呼び出した。

 それがミレイがこの場に召喚された理由。

 きっと、ルルーシュを連れ戻そうとか、政治の道具にしようとか、そんな事は欠片も考えていなかったに違いない。

 いま目の前にいる女の子は、ブリタニアの第三皇女でも、エリア11の副総督でもなく、大好きな兄にそっぽを向かれた事を悲しむ、ただの妹でしかないのだ。

 その認識に至った途端、ミレイの世話好きのお姉さん魂がむくむくと湧き上がる。

 

「ルルーシュさま――――ルルちゃんは私が会長を務める生徒会の副会長でした」

「ルル、ちゃん……?」

 

 不敬を通り越してもはや暴言の域に達した呼び名にユーフェミアが目を丸くする。

 しかしミレイはまるで気にせず話を続けた。

 

「といっても、ルルちゃんが自主的に副会長になったんじゃなくて、私が強制的に副会長にしました。だってルルちゃん、できる子なのにやろうともしませんから」

「きょ、強制……でも、ルルーシュは世話焼きだったから、意外と性に合っているのかも……?」

「その目論見は成功でした。私が思いつきで始めるイベントになんだかんだ付き合ってくれて、これは無理だろうなって思った企画も成功させてくれるんです。まぁ文句と小言をいっぱい頂戴するんですけどね。お人好しなのにひねくれてて、そこがルルちゃんの可愛いところでもあるんですよ」

「頭が良いところは変わらないんですね……シュナイゼルお兄様とチェスをしていた頃が懐かしい。でもルルーシュがひねくれているところって、あんまり想像できないわ」

「そうですか? まぁルルちゃんって格好つけだから妹の前では見栄を張ってたのかもしれませんね。学園でも無愛想だけど顔は良いからファンが多くて、生徒会にもルルちゃんを好きな子はいたのに、本人はナナリー第一で気付きもしないんです。そこがまたルルちゃんらしいんですけど」

「ふふっ、ルルーシュはナナリーが大好きだから」

 

 なんでもないルルーシュの日常を、ユーフェミアは目を輝かせながら相槌を打ち、嬉しそうに耳を傾ける。

 話しているうちにミレイもどんどんと遠慮がなくなっていき、ユーフェミアもルルーシュの昔話を話し返したりして、二人はいつの間にか仲の良い姉妹のように語り合った。

 身分も立場も関係なかった。お互いにルルーシュの事が大好きだと、言葉にせずともそれが自然と分かったから。

 身分を越えてルルーシュ談議に花を咲かせ、語り尽くせない話が一段落ついた頃、ユーフェミアがポツリと質問を零した。

 

「ミレイさん、ルルーシュは…………幸せそうだった?」

 

 その問いを口にしたユーフェミアは静かな笑みを湛えていたが、目の奥にとてもつらい感情を隠しているように見えた。

 きっとこの質問が今日彼女が最も聞きたかった事なのだと察し、ミレイは自らの記憶を掘り返す。

 

「そう過ごしてほしくて、色んな事をしました」

 

 いつも気を張って、周りに壁を作って距離を置く彼に、この学園の中では安心して良いんだと教えたかったから。何も考えずに気を抜いて、笑っていられる学園にしたかったから。

 いましかないモラトリアムを、思う存分に楽しんでほしかったから。

 

「でもきっと、本当に心安らぐ時間を過ごせてはいなかったんじゃないかと思います」

 

 楽しんでくれていたとは思う。気を許してくれていたとも思う。かけがえのない時間を作れたと思う。

 それでも、ルルーシュにとってあの学園が幸福な箱庭になる事はなかった。

 

「それは、どうして?」

「ルルーシュはこの国を――――憎んでいたから」

 

 それはミレイにはどうする事もできないもので。

 どれだけ楽しい時間を過ごしても、ルルーシュから消える事がなかった感情。

 だからルルーシュはゼロになった。

 それが全ての答え。

 結局ミレイにできたのは、ほんのわずかな時間、偽りの平穏を作る事だけだった。

 

「ブリタニアでは、ルルーシュは幸せになれないの?」

 

 悲しげに放たれたその問いに、ミレイは答える事ができなかった。

 それを成そうとして失敗したミレイに、返せる言葉などあるわけもなかった。

 重苦しい沈黙が場を支配する。

 それを破ったのは、何かを決意したような凛としたユーフェミアの声だった。

 

「なら、私が変えてみせます」

「えっ……?」

 

 ミレイが知らず知らず俯いていた顔を上げると、ユーフェミアは強い意志の宿った瞳で真っ直ぐこちらを見ていた。

 

「私がルルーシュとナナリーが――――いえ、二人だけじゃありません。ブリタニア人も日本人のみなさんも幸せに暮らせる国にブリタニアを変えます」

「それは……」

 

 意味を分かって言っているのか、そう口にしそうになってミレイは慌てて言葉を呑み込んだ。

 いかに先程の会話で打ち解け、この部屋には二人だけしかいないからといって、とても皇女相手に言っていい言葉ではない。

 唾を飲み込んで喉を潤し、自分が口に出す言葉を慎重に吟味してミレイは問いを投げる。

 

「……方策はおありなのでしょうか?」

 

 神聖ブリタニア帝国は専制君主国家だ。国そのものを変えたいというなら、皇帝になるしか道はない。

 もしユーフェミアがそれを自覚して先程の言葉を口にしたなら、皇帝になるための具体的な方針や方策が返ってくるだろう。しかしもしその程度の事にも思い至らず無手の理想を語っただけなら、返答はなんの実体も伴わない夢物語となるはずだ。

 先程までの友達の妹と接するお姉さんだったミレイは消え、エリア11の副総督であり第三皇女ユーフェミアを見定めるアッシュフォードの娘、ミレイ・アッシュフォードが顔を出す。

 

「私にはまだ、分かりません」

 

 固い顔でユーフェミアは首を振る。

 その答えにミレイは落胆しそうになるが、その前に皇女は続けた。

 

「でも分からないからって、ただ悩んで、迷って、無力を嘆くだけでは何も変えられない」

 

 胸に手を当て、強い決意を滲ませながらユーフェミアは己の意志を表明する。

 

「だから私は、とにかくできる事からやってみます。まずはこのエリアで苦しんでいる日本人の方が笑えるように。それができたらこのエリアの人達がみんな幸せに暮らせるように。そしてルルーシュとナナリーが安心して生きていけるように。私はこの国を変えていきたい」

 

 そう宣言するユーフェミアを見て、ミレイは再び己の認識が正されていく感覚を味わう。

 最初はルルーシュの敵、次は健気な妹、そしていまは――

 

「机の資料も、そのために?」

 

 入室した時に彼女が座っていた執務席の机には山積みの資料がいくつも置かれている。

 おそらく自分が来る直前まで目を通していたのだろう。

 

「はい。恥ずかしい話ですが、私は副総督なのにこのエリアについて何も知りませんでしたから」

 

 悔恨を垣間見せる目の下には、化粧でも隠しきれない隈ができている。

 挨拶した時にはさして気にもならなかったが、その意味を察しミレイは彼女の意志が口だけではない事を知る。

 

「無謀な事を言っているのは分かっています。お飾りの副総督である私が、必死に頑張ったって結局何も変えられないのかもしれません」

 

 散々陰口を叩かれた蔑称を自ら口にして、自分がどれだけ夢物語を語っているのかを理解しながら、ユーフェミアは誰に何を言われようとも捨てられなかった思いを表明する。

 

「それでも私は、みんなが笑える明日を諦めたくありません」

 

 そう言い切ったユーフェミアの姿に、ミレイはとっくに分かっていた事実を改めて実感する。

 彼女は間違いなくルルーシュの妹だ。

 

「だから」

 

 ユーフェミアの右手が差し出される。

 

「ミレイさん。私を手伝ってくれませんか?」

 

 思わぬ要請に、ミレイは驚いて息を呑んだ。

 そしてすぐに首を振る。

 

「私なんかがユーフェミア様の力になれるとは、とても思えません」

「いいえ。私にはあなたが必要なんです」

 

 恐縮して断るミレイの目を真っ直ぐ見つめながら、ユーフェミアは真摯に彼女を求める。

 

「ちゃんと私の話を聞いて、同じ理想を目指そうとしてくれる人が。ルルーシュとナナリーを大事に思ってくれている、あなたが」 

 

 手を差し出すユーフェミアが淡く微笑む。

 突然の誘いに戸惑いながら、ミレイの頭は気持ちとは真逆に、この状況を冷静に分析していた。

 正直なところどれだけ必死に努力しようが、ユーフェミアが皇帝になれるとは思えない。その器でもなければ、本人にその意思があるかも怪しい。彼女の夢は殆ど実現不可能な夢物語だろう。

 しかしだからといって、手伝う価値がないかといえば、実はそうでもない。

 彼女には皇族という血統があり、副総督という立場があり、コーネリアという後ろ盾がある。

 それだけのものがあるなら、国全体は無理でも、一部だけ――このエリアくらいなら変える事はできるかもしれない。彼女の言っていたようなエリア11に住む人をみんな幸せにする事は無理でも、日本人にとって少しくらい生きやすい場所を造る程度なら不可能ではないだろう。

 そしてそれは、団員の殆どが日本人で構成されている黒の騎士団――ひいてはその総帥であるゼロにとって有益であるはずだ。

 

「……分かりました」

 

 パッと、ユーフェミアの表情が輝く。

 

「では!」

「はい。微力ではございますが、ユーフェミア皇女殿下のお力にならせていただきます」

 

 胸に手を当ててミレイは深く頭を下げる。

 その厳かな態度に、頼んだユーフェミアの方が面食らう。

 

「そんなに固くならなくても、もっと楽に……」

「いえ。ユーフェミア様の公務をお手伝いするとなれば、私の態度がユーフェミア様の評価にも影響します。それではお力になるどころか、足を引っ張ってしまう事態にもなりかねません」

 

 だからこそケジメはしっかりとつける必要があると、ミレイは告げる。

 打って変わった、まるで本国の貴族や騎士のようなミレイの態度を止めようとしたユーフェミアだったが、それを退けた彼女の諫言に小さく唇を噛む。

 それは親しくなった相手に距離を置かれた気がした、といった幼稚な不満ではなく、また一つ己の考えが浅く愚かだった事を自覚したが故の、無意識の行為だった。

 

「神聖ブリタニア帝国第三皇女、エリア11副総督、ユーフェミア・リ・ブリタニアの名の下に」

 

 いままでのような無責任な認識ではいられないと、ユーフェミアは己の立場の重さを改めて胸に刻み、立ち上がって右手を伸ばした。

 即座にミレイは床に膝をつき頭を下げる。

 

「ミレイ・アッシュフォード。あなたをエリア11副総督補佐に任じます」

「イエス・ユアハイネス」

 

 こうしてユーフェミア・リ・ブリタニアとミレイ・アッシュフォードは――願いは同じに、思惑は別に――協力関係となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、エリア11に一機の航空機が降り立った。

 出迎えるのはこのエリアの総督コーネリア・リ・ブリタニアと、その騎士ギルフォード。

 総督自らの出迎えという事態に周囲が緊張に包まれる中、堂々とした足取りで一人の女性が騎士とメイドを従えながら航空機から姿を現す。

 女性はコーネリアを見て微笑むと、近付いて彼女の前で優雅に礼を取った。

 

「このたびシュナイゼル宰相閣下の推薦で特別派遣嚮導技術部の特別顧問として参りました。神聖ブリタニア帝国第88皇女、マリーベル・メル・ブリタニアです」

 

 コーネリアが公的な場ではケジメをつける事を好むと知り、マリーベルは久しぶりに再会した異母姉に形式ばった挨拶をする。

 そしてその美しい顔の裏に苛烈な炎を隠しながら、艶然と微笑んだ。

 

「共に憎きテロリストを駆逐しましょう。コーネリア総督」

 





これにて第二部『暴かれる秘密編』は終わりです。
次話からは第三部『新たなる強敵編』が始まります。
そして第三部からはお分かりの通り、双貌のオズのキャラクターであるマリーベルやオルドリンが参戦します。
だいぶ初期の頃に外伝キャラクター登場の可否についてはアンケートをさせていただいており、好意的な意見が多かったので相当前の段階から話に組み込む事は決めていましたが、ようやくの登場と相成りました。
29話でカノンがグリンダ騎士団の名前を出していた事や、前話でエリア23の話をしていたのはその伏線――というか前準備みたいなものとなっています。

外伝作品を読んでいない方や、アニメ本編以外のキャラが出る事を忌避する方もいらっしゃると思いますが、できる限り双貌のオズを知らない方にもどんなキャラか分かるように話は進めていくので、ここで作品から離れずに一度お読みいただけると嬉しいです。

次回:マリーベル・メル・ブリタニア
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