その頃、レイジ達は地上に出た後見送ってくれたさとりとこいしに礼を言った後、博霊神社に向かうことにした。レイジはユーバーセンスを発動させ、脳内で博霊神社への近道を探す。現在は森の中。すると、途中で湖と大きい屋敷があるのが脳内の地図でわかる。だがそれらを迂回していけば大丈夫だろうと、特に心配することなく進んでいた。
アーティ「・・・ねえ」
レン「はい?」
アーティ「なんか・・・肌寒くない?」
レン「そういえばそうですね・・・。あ、湖が見えてきましたよ。結構霧が濃いですね」
アーティ「ちょっと顔洗おうかしら」
森の中を歩いていると、綺麗で広大な湖が見えてきた。だがこの辺りだけ霧がかなり濃く湖の向こう側が見えない。アーティは一足早く顔を洗おうと駆け出した。
アーティ「うわ冷たッ!何よここ、お冷やみたいに冷たいじゃない!」
レン「先程からの気温の低さ・・・何かと関係してるのでしょうか・・・?」
すると、湖面がだんだん凍り出していく。
アーティ「なんかさっきから変よここ・・・霧も出てるしプリティヴィ・マータでもいるのかしら」
レン「確かにここまで急速に水面が凍るのは変です。警戒した方がいいかもしれm」
?「へへーん、びっくりしたー?」
遠くから少女らしき声が聞こえた。声の主を探すと、凍った湖の真ん中に二人程立っているのを見つけた。姿ははっきりとは見えない。
?「ねえねえ、びっくりした?これ全部あたいがやったんだよ!」
?「多分聞こえてないと思うよ・・・」
距離が遠くてよく聞こえないため、レイジは少女達の姿が見える場所まで近づく。地霊殿にいた妖精と似たような雰囲気だが、姿は全く違う。
?「びっくりした?」
無邪気に問いかけてくる妖精。悪気は全くないようだ。正直に驚いたとうなずく。すると隣にいた妖精が丁寧な口調で話しかけてきた。
?「ごめんなさい、急に脅かすようなことをして。どこかへ行く途中ですか?」
ユーバーセンスで道のりは把握できるが、少しでも情報が多い方がいいだろう。というワケで二人の妖精に博霊神社に行く過程で危険なものがないか訊くことにした。
?「うーんそうだなあ、よし、弾幕ごっこであたいに勝ったら教えたげる!」
?「チルノちゃん唐突過ぎ!それに戦う必要なんてないでしょ!」
チルノ「え~、なんか最近弾幕ごっこしてないし、展開的にやった方がいいかな~って。いいでしょ大ちゃん?」
大妖精「展開って何!?メタいよ!」
チルノと呼ばれた妖精はスペルカードを掲げ宣言する。
?「氷符「アイシクルフォール」!ほら、大ちゃんも一緒に!」
大妖精「やだよ・・・」
大妖精はあからさまに拒否の表情を見せる。チルノは仕方なく一人で戦うことに。レイジに向かって弾幕を展開する。
アーティ「・・・ハァ。弾幕って割には正面ががら空きね。レイジ、あいつに生半可な気持ちで戦うことの愚かさを教えてやりなさい」
アーティは呆れている。レイジとて例外ではない。とはいえ無視して逃げるには少々弾幕が邪魔だ。仕方ないので歩いてチルノの元に行き、軽くチョップを当てた。
チルノ「痛い!な、なんであたいの攻撃が当たってないの!?」
大妖精「思いっきり正面安地だったよ・・・」
チルノの味方である大妖精すら呆れの表情をしている。
チルノ「く・・・約束は約束だし、仕方ないわ。神社でしょ?それならあっち」
チルノは左を向いて指さした。だが大雑把すぎて全くわからない。
大妖精「そっちじゃないよ・・・」
チルノ「え、そーだっけ?」
大妖精はチルノの問いに答える気も失せ、代わりにレイジの質問に答える。
大妖精「博霊神社はこの先です。途中で紅魔館というお屋敷がありますが迂回していけば大丈夫です。危険なものは特にはありませんが、気をつけてくださいね」
レイジは礼を言い、湖を後にした。暇になった妖精二人。何をしようか考えてると、チルノが森の中で何かが動いているのを見つけた。
チルノ「・・・?」
大妖精「チルノちゃん、どうしたの?」
チルノ「・・・あそこでなんか動いてたような」
大妖精「・・・?何もないよ?」
チルノ「おかしいなぁ・・・」
その頃、とある森の中――――――――
?「もう一人の方も中々やるようだね・・・。ん、どうした?・・・ふうん、坊やは今そこにいるのか。じゃあ先回りして、お前達はここを襲え。あの坊やならきっと助けに駆けつけるだろうさ・・・。え、作戦の意図がわからない?しょうがないね・・・。ここの住人は神機使いじゃないから、一部を除きあたし達を傷つけることすら難しい。だからそいつらはあの坊やにとって足枷にしかならない。そこをお前たちが囲んで一気に仕留めようという寸法さ。わかったかい?・・・・・・さて、今回はちょっと質を上げようか」
――――レイジside――――
レイジ達は現在、紅魔館の真横の塀のところに着いた。
アーティ「これが紅魔館・・・ひどいセンスね。建物どころか塀まで真っ赤・・・目が痛いわ」
レン「・・・お二人とも耳を澄ませてください、アラガミの声が聞こえます」
アーティ「ん・・・ホントだ。それに・・・誰かが戦ってるわね」
三人は急いで音がする方へ向かった。すると、紅魔館の門の中にアラガミが次々となだれ込むのが見えた。
アーティ「さっさと終わらせましょ」
レン「同感です!」
一方、紅魔館庭園―――――
?「おかしい・・・!こいつら、何回攻撃しても倒れない!」
?「美鈴!大丈夫!?援護するわ!」
美鈴「咲夜さん!こいつらなんかおかしいんです!攻撃が効いてる感じがしません!」
咲夜「なら、追い払うだけよ!お嬢様と紅魔館は何としても守らないといけないわ!」
状況を説明すると、紅魔館の門番、紅美鈴は門の前で立ち寝していたところ、何かにぶつかり、はっと目を覚ます。すると見たこともない怪物(オウガテイル)が門を通ろうとしていたので追い払おうとしたが無視され、拳法やスペルカードを使っても全く効いている様子がない。必死に食い止めようとするも、後から後から増援が現れ、美鈴だけでは捌ききれない状態になってしまう。それをいち早く発見した紅魔館のメイド長、十六夜咲夜は妖精メイドを引き連れて美鈴の援護に回っている。
しかし咲夜達が援護に入っても状況は変わらず、ついには紅魔館の内部に侵入されてしまった。
咲夜「くっ!お嬢様が・・・!妖精達、美鈴を援護しなさい!美鈴!私はお嬢様を助けに行ってくるわ!」
美鈴「わかりました!」
この状況で戦力の分散はかなり危険だ。しかし紅魔館と主を見捨てるわけにもいかない。だが状況はさらに悪化していくばかり。妖精達がどんどん喰われていく。
美鈴「(このままじゃ皆やられる!どうすれば・・・!)」
そう思いながら戦っていると、心なしか段々敵の数が減っているような気がした。怪物の死体がちらほら見かけるようになってきている。すると、誰かが怪物を切り裂いているのがチラッと見えた。だが前の敵で手一杯だ。振り向けない。美鈴はやっとの思いで門を最初に通った怪物を倒した時には、庭園にいた怪物は全て倒されていた。驚きつつも礼を言おうと怪物退治を手伝ってくれた人物を探す。見つけたと思った時にはその人物は紅魔館の入口に入ろうとしている。
美鈴「あっちょっと!」
声をかけた時には、もうすでに中に入ってしまっていた。追いかけたいところだが、負傷した妖精達の面倒や荒らされた庭の手入れなどをしなければならないためその場を離れられなかった。
一方、レイジ達は紅魔館の内部に侵入したアラガミを掃討するため、一旦バラバラになって各個撃破していくことになった。レイジはアラガミを倒しながら廊下を進む。時々どこからともなくナイフが飛んできたりしたが、気にせず奥へ進んだ。
咲夜「(あいつ、何者かしら・・・?ヴァンパイアハンターではなさそうだけど、注意しておいた方がいいわね)」
レイジは両開きのドアの前に辿り着き、ドアを開く。すると本がズラリと並んでいる。図書館のようだ。すると、誰かがすでにアラガミに襲われているのを発見した。
?「ひええええ~!パチュリー様あああ!助けてください~~!」
パチュリー「わかってるわ小悪魔!日符「ロイヤルフレア」!」
一人はアラガミに追い掛け回され、もう一人はスペルカードで撃退を試みている。しかし攻撃が効くはずもなく、あっという間に追い詰められてしまう。
パチュリー「な、なぜ・・・攻撃が効かないの・・・!?」
小悪魔「うわ~~~ん」
二人に危機が迫る。レイジは二人を囲むアラガミの群れに飛び込み、切り倒していく。突然現れたレイジを二人は唖然として見ている。そして図書館にいる全てのアラガミを倒し、神機をしまって二人の無事を確認しようと振り向く。
パチュリー「あ、あなたは・・・」
パチュリーが喋りかけた時、
咲夜「そこのあなた、止まりなさい!」
レイジ「!」
どこからともなく咲夜が現れ、一瞬の内にレイジの周囲にナイフを設置、飛ばしてきた。逃げ場がないため、神機の装甲を展開して攻撃を防ぐ。強化パーツ「ガード強化3」のおかげで、どの角度からの攻撃も防げる。
咲夜「(全部防がれた!?)」
?「咲夜、少し早まり過ぎよ」
咲夜「すみません、お嬢様」
お嬢様という言葉に、この館の主なのだろうかとレイジは思考を巡らせる。すると部屋の奥からその主が現れた。だがレイジの予想とは違い、どう見ても小学生くらいの身長だ。咲夜も含めこちらを疑っている様子なので、神機はしまっておく。
?「・・・あら、人間なのね。あなた」
レイジは意図がよくわからなかったが、とりあえずうなずく。
?「あなたに少し訊きたいことがあるの。いいかしら?」
レイジ「・・・」
?「今朝、新聞で読んだのよ。地底での出来事のこと」
幻想郷には新聞があるらしい。ならばあれだけの騒ぎが起これば、新聞に書かれるのは当然だろう。
?「あなた、その時地底にいたのよね?」
レイジ「・・・?(コク)」
?「・・・話の意図が見えていないみたいだから簡単に言うわ。昨日起こった謎の怪物の地底襲撃。そして今回の紅魔館襲撃。どちらもその場所にあなたがいた・・・つまり」
レイジ「・・・」
?「私はあなたが今回の異変の原因だと睨んでいるわ」
レイジ「・・・!?」
完全に誤解されている。地底の時でも似たような疑いをかけられた。だが自分は偶々居合わせただけで何もしていない。誤解だと訴えるが、
?「証拠は?」
レイジ「・・・!」
一言でレイジは言い返せなくなってしまう。無実の証拠などあの状況で確保できるわけがない。まず犯人扱いされるなんて思ってもいなかったから、証拠を持っていようと考えるわけがない。だが相手は証拠を見せなければ納得しない様子だ。レイジは頑なに自分は犯人ではないと訴え続ける。
?「証拠がないなら、私はあなたを捕らえなければならない。まずはその背中の剣を没収させてもらうわよ。抵抗したら・・・わかるわね?」
紅魔館の主はレイジの神機を取り上げようと歩き出す。
咲夜「お嬢様、私が代わr」
?「いいわ、これくらい自分でやれる」
咲夜は主の身を案じて声をかけるが、構わない、と歩き続ける。咲夜は抵抗されないようにレイジの腕を掴んで拘束し、主は彼の背中に回り、神機の柄を掴む。すると、
「触るな!!!」
?「ッ!?」
レイジではない誰かの声が頭に響き、手に痛みが走る。すぐに手を放したため侵喰はしていない。
咲夜「お嬢様!・・・あなた、何をしたの!」
?「ふ・・・抵抗したわね。なら、あなたの身の安全は保障しないわ・・・!」
すると咲夜がナイフをレイジにめがけ投げつけてきた。レイジは容易にかわす。
?「咲夜、ちょっと武器を取ってくる。その間、お願いね」
咲夜「かしこまりました」
主は一旦その場を後にする。咲夜はこちらを睨みつけ、ナイフを両手に持つ。
咲夜「お嬢様を傷つける者は何人たりとも許さない!覚悟!」
また戦わなければならないのか・・・内心げんなりするレイジ。どうやら幻想郷の住人は何か揉め事があったらとりあえず弾幕勝負、というまるで何かのルールで決められたような行動をとる傾向にあるようだ。
咲夜はナイフで弾幕を展開する。もしかしたら今までで最も危険な弾幕かもしれない。気をつけつつも無駄に体力を使わないように最小限の動きで避けていく。弾幕よりも、レイジは咲夜の動きが気になっていた。咲夜は瞬間移動しながらナイフを投げ続けている。彼女は見た目だけなら人間だが、幻想郷の住人は何かと特別な能力を持っている。もしかしたらこの人も・・・レイジはそう思っていると、咲夜は懐中時計を取り出し、スペルカード名を宣言する。
咲夜「時よ止まれ、幻世「ザ・ワールド」!」
すると、咲夜以外の全ての動きが止まる。時間を止めていられる時間はそこまで長くないので、さっさとレイジの周囲に大量のナイフを設置する。
咲夜「さっきは防がれたけど、今度はどうかしら・・・?」
避ける隙間を埋めるようにナイフを設置した咲夜。これで勝負は決まったも同然と思ったのか、得意げにつぶやく。
咲夜「そして時は動き出す・・・」
止まった時を再び進めさせようと指を鳴らし、ナイフが一斉にレイジに襲い掛かる。
レイジ「!」
咲夜は完全に勝ったと思い込み、レイジに背を向けたまま笑みを浮かべている。するとパチュリーが咲夜に話しかける。
パチュリー「咲夜、舞い上がるのはきちんと確認してからにしなさい。後ろを見て」
咲夜「?」
パチュリーに言われるまま、振り返る。
咲夜「!?・・・馬鹿な、逃げ場などなかったはず・・・!」
なんとレイジは両手にナイフを持ち、口にもナイフをくわえている。全て掴み切れてはいないがどうやらナイフを掴んで無理やり脱出するための隙間を作ったようだ。
パチュリー「忘れていない?スペルカードは争い事が起きた時に、無闇に死者を出さないように作られたのよ?だからスペルカードに完璧なものはないの」
咲夜「・・・すっかり忘れておりました・・・申し訳ありません」
レイジはナイフをバラバラとその辺に捨てる。どうやって説得しようか考えていると、主が戻ってきた。
?「あら、咲夜を相手にして無傷とはね。なかなかやるじゃない」
咲夜「お嬢様・・・」
?「下がりなさい咲夜。後は私がやるわ。他の皆も手は出さないで頂戴」
咲夜「・・・はい」
パチュリー「・・・」
咲夜は渋々と後方に下がる。今度は主と戦うことになりそうだ。
レミリア「冥土の土産に教えてあげるわ。私の名はレミリア・スカーレット、この紅魔館の主よ」
主の名はレミリアというらしい。レイジもとりあえず名乗ることにした。
レミリア「フ・・・決闘でもないのにわざわざ名乗るなんて、几帳面なのね。まあそれは置いとくとして」
レミリアは手に長い槍を持っている。咲夜が持っても長いと感じられるほどだ。見た目は子どもだが、背中の羽根、長い槍を軽々と持っていることから人間ではないだろう。
レミリア「さあ、覚悟はいいかしら」
レイジ「・・・」
レミリアは槍を構え、レイジを見据える。レイジは自然体のまま相手が動くのを待つ。程無くしてレミリアは飛び出し、槍を振り始めた。振るスピードはかなり速いが、道場で薙刀も長年鍛錬していたレイジには当たらない。
レミリア「避けるのは得意なようね。ならこれはどう?神槍「グングニル」」
スペルカード名を宣言すると、レミリアの槍を持っていない方の手に光の槍が現れた。二刀流になりそのままレイジに攻撃をしかける。攻撃の感覚が短くなり、避けるのが難しくなる。
レミリア「どうしたの?ちょっとは抵抗してみなさい」
レミリアは露骨に反撃のチャンスをチラつかせてきた。だがレイジは惑わされず攻撃が来るまでは決して動かないスタイルを徹底する。
レミリア「・・・ノリが悪い人間ね。せっかく反撃のチャンスを与えてあげたのに、後悔するわよ」
今度はレミリアはコウモリに化けてバラバラに散ってゆく。姿をくらまして一気に止めを刺そうとしているようだ。姿を消しているため、声が部屋中に反響する。
レミリア「あくまでも攻撃しないならもう終わりにするわね。安心しなさい、痛いのは少しの間だけ。すぐに眠らせてあげる・・・」
目では見つけられないと思い、レイジは目を閉じ、わずかな音や気配を感じ取ろうと意識を集中させる。これは父から教えてもらった技だ。父が言っていたことを思い出す。
―――――いいかレイジ、敵と戦うなら、周りの気配、わずかな音にも注意が必要だ。相手が見えなくても反撃の糸口はある。これはあくまでも俺の経験だが、敵はこちらを襲うならいつまでも隠れたまま動かないことはない。襲うなら、何かしらの動きをするはずだ。その時に隠れた気配に乱れが生じる。それを感じ取るんだ。・・・え、ちょっと解りづらいだって?わかった、俺が実践するから、レイジ、どこからでもいい、好きなタイミングでかかってこい―――――
レミリア「(ふふ・・・どこから攻めようかしら)」
―――――まずは目を閉じ、集中するんだ――――
レミリア「(あの辺がよさそうね)」
レミリアは気配を消したまま、背後から音もなく近づいていく。
―――――敵はいつかこちらを仕留めようと動き出すだろう。たとえどんなヤツでも気配を隠しきることは出来ない。その時一瞬、空気に乱れができる―――――
レミリア「(所詮人間・・・この私に盾突いたことを後悔するがいい)」
―――――その時まで、集中し続けるんだ。己の耳で、体で感じるんだ、敵の気配を―――――
レミリア「(あなたのは、どんな味がするのかしら・・・)」
レミリアはレイジの首筋に顔を近づける。
――――んで、気配を感じたらすぐに―――――
レミリア「(いただきます・・・)」
――――ぶん投げる!!
レミリアはレイジの血を吸おうと口を開け始めていた。レイジはその「気配」を察知し、即座に振り向きながらレミリアの腕を掴む。振り返った勢いを利用して背負い投げをし、地面に叩き付ける。
レミリア「ぷぎゃッ!!」
まさか気付かれるとは思っておらず、素っ頓狂な声を上げる。
咲夜「あっお嬢様!」
レミリア「なんの、やったわね人間・・・うッ!?」
思っていたよりもダメージが大きく、さらに体に痛みが長く残っており、レミリアは起き上がれない。
――――痛いだろレイジ?不意を突かれると、ただの背負い投げでもいつもよりダメージが大きくなるんだ。上手く決まれば相手はすぐには動けなくなるだろう。これこそまさに――――
一撃必殺、ってヤツだ。
レミリア「・・・くッ・・・!」
レミリアはやっとの思いで起き上がれたが、未だダメージが響いているのか動くことがままならなず、また姿勢が崩れる。
レミリア「やるじゃない、人間・・・。いいわ、事情を聞いてあげる」
ようやく降参したレミリア。主が降参すれば、部下も無闇に攻撃をしてくることはないだろう。レイジは一息つき、レミリアに手を差し伸べる。
レミリア「あ・・・悪いわね・・・。いたた・・・あなた、強くやりすぎよ」
レイジに補佐されレミリアは立ち上がる。すると、美鈴が図書館に飛び込んできた。
美鈴「あ、やっと見つけました、さっきはありがとうございました!」
どうやらレイジに礼を言うためだけに紅魔館内を走り回っていたようだ。とりあえずレイジも無事かどうか尋ねる。
美鈴「ええ、あなたがいなければ皆やられるところでした。あなたは命の恩人です!」
レイジは買い被りすぎだと謙遜する。そんな様子を見てレミリアは不思議に思う。
レミリア「え・・・何言ってるの?こいつは容疑sy」
美鈴「何を言ってるんですか、この人は何もしてません!もしこの人が犯人だったら私達はとっくにやられてますよ!さっき庭にいた怪物達を一掃してくれたんです!・・・姿はよく見えませんでしたけど」
レミリア「・・・・・・」
咲夜「あ~・・・私を含め完全に勘違いだったようですね、お嬢様・・・」
レミリア「・・・う~・・・!」
レミリアは恥ずかしくなり、頭を抱えしゃがみ込んだ。それを見て咲夜は鼻血を噴出する。
咲夜「ぐはあッ」
美鈴「あっ!?咲夜さんしっかりしてください!」
パチュリー「咲夜、いつか貧血起こすんじゃないかしら・・・」
突然のアクシデントに紅魔館メンバーは困惑した。
作「なんだろ、紅魔組との絡みはすんごい書きやすかったよ!」
弟「なあクソ兄貴、話の腰を折るようだが」
作「?」
弟「輝夜は?」
作「・・・・・・あ」
忘れてたワケじゃないんだからね!