~レイジside~
サヤカ達と別れた後、レイジ達は白玉楼へと足を運ばせt・・・たいところだが、肝心の白玉楼への行き方を訊くのを忘れてしまった。どうしようかと足を止め考える。辺りを見渡しても木ばかりで、目ぼしいものは見つからない。
フラン「どうしたの?白玉楼はあっちだよ」
フランは現在の進行方向に向けて指を指した。以前行ったことがあるのだろうか。もしそうならどんなところなのか教えてほしいものだ。
フラン「どんなとこかって?私も知らないよ」
レイジ「・・・?」
フラン「魔理沙が地図くれたの。ほら」
いつの間にかフランの手に地図が。いつの間に渡されたのか。・・・とにかく地図があるのなら心強い。
・・・と思って見てみると、明らかに大雑把な地図だ。大まかな場所しか書かれていない。しかし最低限の情報は書かれているのでツッコみたくてもツッコめない。とりあえずこれで道に迷わなくて済む。安堵の息を吐いた直後、レイジの背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
アーティ「あんたの忘れっぽさにはホント呆れるわね」
振り返るとそこにはレンとアーティの姿が。いつn(ry 行きの時は確かいなかったような・・・
フラン「どしたの?」
レイジ「・・・」
アーティ「いつの間にとか言いたそうな顔ね。出発する時からずっといたわよ」
・・・深く考えるのはやめることにした。今はまず白玉楼へ向かうことに意識を向ける。もちろん結晶が光っているかどうか目を配りながら。
レン「白玉楼・・・真珠でもあるんでしょうか」
アーティ「・・・ないとは思うけど、
レン「どうするって言われても・・・。勝手に持ってこうとは思いませんね。見たらすごく理性を揺さぶられそうですけど・・・。まあ、どんな場所かは行ってみなければわかりませんね」
アーティ「そうね、レミリアの言う「重要な運命」ってのも、行ってみないとわかんないし」
レイジ「・・・」
重要な運命―――自身に関連することといえばまずアラガミが思い浮かぶ。重要というのだから相当な事件でも起こるのだろうか。あるいは自分が知っている誰かがいる可能性がある。現に突然幻想入りというのを自分がしてしまったのだから、他の誰かが前触れもなく幻想郷に迷い込む、なんてこともありえることだ。この先にあるものが何だったにせよ、運命を操れ、読めるレミリアが「重要」というのだから気を引き締めていく必要がある。
そう思った矢先に結晶が突如光り出した。色は青、遠くの方にいるようだ。光った結晶から一筋の青い光線が前方に向かって伸びていく。この先でアラガミが騒ぎを起こしていることを示す光。レイジ達はすぐに走り出した。
アーティ「早速来たか、まったく懲りないヤツらね」
フラン「来た来た☆今度はどんなのと遊べるのかな~」
レン「騒ぎが起きているところがもしかしたら白玉楼かもしれません。レイジさん、ユーバーセンスを使ってみてください」
レイジはうなずき、ユーバーセンスを発動させる。左目の色が変わり、脳内で現在位置と周辺の地形を示す地図が表示される。今回は結晶から伸びる光線も脳内地図に表示されていた。しかし光線の行く先を見てみると、なんと途中で途切れてしまっている。しかも途切れた地点付近にアラガミが一匹もいない。いったいどういうことなのか・・・?とりあえず光線が途切れている場所まで向かう。
森の外れ、少し開けた場所に出た。木のない空間が円形状に広がっている。その中心の所で光線は途切れていた。途切れている場所の半径2~3メートルくらいの空間に歪みが出来ており、それを透かして木々が歪んだように見える。
レン「何でしょう・・・あれ・・・」
アーティ「森の中にこんなのがあるとはね・・・。でも光線はあそこで途切れている・・・ということは」
フラン「あそこの中にいるんだね!よーし!」
フランはそう言うと真っ先に歪みの中に飛び込んでいく。歪みに触れた瞬間、フランの姿は一瞬にして消えてしまった。
レン「消えた・・・!?」
アーティ「てゆーよりはどっかに飛ばされたって感じね。光線があそこを示していることからみて、飛び込めってことじゃない?もしかしたら白玉楼へ行けるかもしれないし」
するとアーティも歪みに向かって走り出した。フランと同様、歪みに触れた瞬間にアーティの姿が消えてしまう。
レン「また消えた・・・。どうやらどこかに瞬間移動出来るようですね。僕らも行きましょう、こうしている間にもアラガミは襲撃を続けています」
レンも歪みへと走り、消えていく。レイジも後を追うように走り出す。この先は一体どこなのか、どうしてアラガミがこの先にいるのか、色々と気になることがあるが、考えている時間はない。一刻も早く襲撃を止めなければならない。少し複雑な感情を抱きながら、レイジは歪みの中へ消えていった。
~アラガミ襲撃10分前、冥界~
白玉楼へ続く階段で、白玉楼の庭師、魂魄妖夢は毎日の日課として掃き掃除をしていた。普段は白玉楼には妖夢と主の西行寺幽々子の二人だけで暮らしているのだが、この日は客人がいた。
妖夢「あの・・・掃除を手伝ってくれるのはありがたいんですけど、こんな所で油を売ってていいんですか?永琳さんを探さないといけないのでしょう?」
?「まあそうだけど、あの方には恩があるの。連行して来いと言われているけど、私達にその気はないかなぁ」
妖夢「そんな理由で仕事ほっぽらかしていいんですか・・・」
?「まあ月の皆は地上に降りたがらないし簡単にはバレないよ」
現在妖夢が話している相手は月からの使者、綿月依姫。姉の豊姫と共に永琳連行の指示を受け地上へ降りたのだが、彼女達には連行する気はないらしい。かつて永琳に師事しており今でも尊敬しているため恩を仇で返すようなことはしたくないそうだ。よって最近は任務を任されて地上へ降りる度にこうしてさりげなくサボっているのである。
依姫「それにしても、ここの階段はすごく長いわね。これを普段はあなた一人で掃除しているの?大変じゃない?」
妖夢「ええ、確かに時間は掛かりますけど、慣れてますから」
依姫「慣れとは恐ろしいものね・・・」
~白玉楼~
幽々子「あ゛~・・・暇ね・・・」
豊姫「そう?確かにやることはないけど」
居間にて、こたつに入りながらだら~と突っ伏している幽々子。向かいには桃を食べながら外の景色を眺める豊姫。現在暇を持て余しているところである。
幽々子「・・・な~んか面白いこと起きないかしら」
豊姫「願って起こるようなものじゃないでしょうに」
幽々子「・・・あそうだ、今日はなんでこんなとこに?ここには特にこれといったものはないけど?」
豊姫「月から仕事に来たのですけどね・・・やる気が起こりません」
幽々子「あ~わかるそれ。「やらなきゃいけないことがあるけどめんどいからやりたくない」ってヤツでしょ?私もあるある」
豊姫「う~ん、あなたの想像してるのとはちょっと意味が違うかも」
幽々子「え~じゃあどういう意味?」
豊姫「教えな~い」
幽々子「いいじゃな~い」
豊姫「教えてほしい~?」
幽々子「ほしい~」
豊姫「あなた、胃の容量に自信は?」
幽々子「え?・・・あるけど、どうしたのいきなり?」
豊姫「いやね、ちょっと桃の大食い勝負でもやろうかと思いまして。暇だし」
幽々子「ふ・・・後悔するわよ」
豊姫「まあ勝てなかったとしても、いい勝負は出来ると思います。少々お待ちを」
そう言うと豊姫は目を閉じ、指を鳴らそうと手を動かす。
豊姫「んん~~~・・・」
かなり多くの量を呼び出そうとしているからか、表情が少し歪み、手は力んでプルプルと震える。
幽々子「大丈夫?無理しなくていいのよ?」
豊姫「大丈夫、もう少し・・・えい!」
バキッ!!
力み過ぎたせいか指を鳴らした瞬間妙に生々しい音が響いた。豊姫は手を押さえて苦しんでいる。
豊姫「もッ・・・桃は・・・?」
幽々子「部屋中にいっぱい出てきたから多分上手くいったんだろうけど、指大丈夫?」
豊姫「まだ・・・まだ終わらんよ!(指的な意味で)」
幽々子「そう・・・じゃ、始めましょうか」
こうして、突然大食い勝負は始まった。大食いなので、急がなくてもいいのが楽である・・・はず。
豊姫「早食いは自信ないんだけど、これならそれなりにいける方なの」
幽々子「私はどっちでもおkだけどね。ま、早食いじゃないから時間を気にせずのんびり食べれるのがいいわね」
部屋中に溢れる桃に二人は半分体が埋まった状態で食事(?)を続ける。
その頃、白玉楼へ続く階段では――――
妖夢「もうそろそろ終わりますね」
依姫「じゃ、さっさと終わらせて休憩といきましょうか。喉乾いてきちゃった」
階段の掃き掃除が終わる直前までの段階になり、終わりが見えてきたことで安堵の息を吐く依姫。早く終わらせようとペースを上げて掃除していく。すると視界に見慣れないものが。階段を団体で上ってくるところを見て気になった依姫は妖夢に尋ねた。
依姫「ねえ、あれって、幽霊か何か?」
妖夢「え、・・・ん~何でしょう、私もわかりませんね」
階段を上ってくるそれらは、次第に二人のいる場所に近づいてくる。そして目前のところまで来た時、噛みつこうと襲い掛かってきた。
妖夢「なっ!?」
咄嗟に真横に避け、階段のない場所に着地する。二人とも驚きの色を隠せない。
依姫「襲ってきた!?」
二人は次の攻撃が来るかもしれないと戦闘態勢に入る。どこからかはわからないが凶暴な妖怪でも侵入してきたのかと推測する。
妖夢「いきなり襲ってくるなんて・・・妖怪はここまで凶暴じゃないはずなのに!」
依姫「いや・・・少しだけど、神の気を感じる」
妖夢「えっ!?か、神!?」
依姫「でも、どれも見たことがない・・・。一体何なんだろう・・・」
妖夢と依姫は刀を握り、襲ってきた怪物に警戒する。しかし怪物は二人を無視して階段を上り続ける。
依姫「・・・?私達には用がないの・・・?」
妖夢「はっ、このままでは幽々子様達が危ない!」
依姫「とりあえず食い止めましょう!・・・なんなのかしら、一体彼らは・・・」
~冥界入口~
歪みの中へ入ったレイジ達。辺りは薄暗く、夜の道といった印象。本当にどこかに飛ばされたようだ。ユーバーセンスはまだ発動中なので、どこに向かえばいいかはすぐにわかる。その上結晶が道のりを教えてくれるので、レイジ以外も道に困ることはない。光線が示す先には、異様に長い階段が見える。アラガミの大半は階段に集中しているようだ。
フラン「よーし、さっさとやっちゃお!レイジ!」
レン「先頭にいるアラガミ達の侵攻が止まっています。誰かが足止めをしているかもしれません」
アーティ「ならとっととやっつけてやんなきゃね!」
妖夢「くっ・・・攻撃がまるで効いていない!」
依姫「これは厄介な相手ね・・・」
妖夢「どうします!?このままでは私達の身も危ないです!」
依姫「ッ・・・仕方ない、私がここで食い止めるから、あなたはお姉様達に安全な所に避難するように伝えて!」
妖夢「そ、そんな!無茶ですよ!」
依姫「わかってる!でもこのままだと皆やられるわ!」
妖夢「・・・ッ、わかりましt」
妖夢が仕方なく依姫を置いて幽々子達の元へ向かおうとすると、階段の下の方から誰かの声が聞こえてきた。こんなところに誰が?と思って見てみると、楽しそうにアラガミをきゅっとしてドカーンするフランが。楽しさで笑い声を上げている。そしてフランが取りこぼしたアラガミを斬り倒すレイジの姿があった。
フラン「あはははははは!楽しいね~!」
アーティ「・・・ガキってのはよくわかんないわ」
レン「ん、あそこにいるのは足止めをしていた人達でしょうか?無事みたいですね」
アーティ「余所見してる場合かっての!まだこんなにいるのに!」
レン「どうやらあそこから先にアラガミはいないようです」
アーティ「あっそ!」
妖夢「・・・え・・・彼らは・・・?」
依姫「あの怪物達をいとも容易く・・・はッ」
妖夢はポカンとしている。ふと依姫はレイジへ視線を向けると、彼の持つ神機にとある気を感じた。
依姫「(・・・!?この気は・・・!)」
咄嗟に依姫は刀を強く握りしめる。硬い表情をする彼女に妖夢が声を掛けた。
妖夢「どうしました?」
依姫「彼のあの武器・・・ただの剣じゃない」
妖夢「・・・え?」
依姫「まさか・・・。信じたくはないけれど・・・」
妖夢「???」
フラン「よっし、おーしまいっと!」
レン「今回は結構骨が折れましたね」
アーティ「足場が悪くって仕方なかったわ」
レイジ「・・・」
階段での戦いだったため、足場の悪さから少し討伐に手間取ってしまった。息を整えながらお互いの無事を確認する。どうやら全員無事なようだ。よかったと安心していると、
依姫「そこのあなた、ちょっといい?」
依姫はレイジに声を掛ける。レイジも無事かどうか尋ねた。
依姫「ええ、おかげで助かったわ。ありがとう。突然だけど、あなたに一つ訊きたいことがあるの」
レイジ「?」
するといきなり依姫は刀を突き付けてきた。レイジはワケがわからず困惑する。妖夢もこの行動には意外だったようで、焦りだす。
依姫「あなたは「神殺し」?」
レイジ「・・・?」
アーティ「ハァ?何言ってんのこいつ」
妖夢「依姫さん、神殺し・・・て何ですか・・・?」
依姫「文字通りの意味よ。神を殺せるくらいの力を持つ者・・・。先程の怪物達から少しだけど、神の気を感じた。私は彼らが何なのかはわかららないけれど、神の一種であることは確か。神は普通は倒せない。倒してはならない。それを易々と倒し、禁忌を犯すあなたは、神殺しの可能性がある」
アーティ「おまえは何を言っているんだ」
神殺し・・・神機使いは神を「喰らう」者であって神殺しではない。アラガミはその荒ぶる様から八百万の神に喩えて「アラガミ」と名付けられたが、厳密に言えばただのモンスター。決して神の一種ではない。・・・そのはずなのに、依姫の言う限りではそんなアラガミ達に「神の気」というものがあるらしい。本来神ではない存在が神になれることなどあり得るのだろうか。とにかく自分は依姫の言う「神」を殺す存在ではないと訴えた。
依姫「ならその武器は何なの?神を軽々葬れる剣など、そこらへんにあるものではない。あなたが神殺しである可能性は十分にある」
妖夢「依姫さん!彼らは私達を助けてくれたんですよ!?なのにいきなりワケのわからないことを言っt」
依姫「妖夢、一口に神といっても全ての神が優しいわけではないの。いきなり襲ってきたとはいえ、警戒して様子を見るだけだったらに攻撃してこなかったでしょ?それに神殺しは地上でも月でも居てはならない存在。・・・あなたは神を殺すことがどういうことかわかっているの?」
妖夢の言葉を遮るように口を挟み、その後レイジに向かい神を殺すことを咎める。
アーティ「わかんないわね。神は救いの手を伸ばしてくれなかったし、あたしらには崇拝する神などいないから」
レイジ「・・・」
アラガミは神ではない。ただの怪物だ。名前がそうであって決して神ではない。そして自分は神の名を騙る怪物をこの世から消すために戦っている。レイジは誤解を解こうと真剣に依姫に訴えた。
依姫「・・・」
アーティ「いい加減イライラしてくるわね。話を聞かないヤツはこれだからもう・・・」
レン「押さえてください・・・怒ってはいけません」
依姫は突き付けている刀を下ろし、一歩後ろへ下がった。ようやく理解してくれたかと張りつめた空気が緩む。しかし・・・
依姫「ふッ!」
レイジ「!」
なんと突然レイジに斬りかかってきた。レイジは驚きつつもそれをかわす。
妖夢「よ、依姫さん!?」
依姫「・・・今のはほぼ全力で振った。不意を突いたのにそれを容易く避けてみせたあなたを見て確信に変わったわ。あなたは間違いなく神殺し!」
アーティ「なんでそーなる」
依姫「妖夢、ここでは確か揉め事が起こったらスペルカードルールでケリを付けるのね?」
妖夢「そうですけど、いけまs」
依姫「我が名は綿月依姫!神霊の依り憑く月の姫なり!神を屠りし大罪人よ、神に代わり、我が刃にて裁きを下す!」
刀を構え、こちらを見据える依姫。その背後から気のせいだろうか、数え切れないほどの神のような姿をしたオーラが彼女を包んでいた。その姿は神々しいともいえる雰囲気を放っている。
フラン「おー・・・」
アーティ「・・・もうイライラを通り越して呆れるわ」
レン「残念ですが、もう話は聞いてくれそうにないですね・・・」
レイジ「・・・」
豊姫「・・・!」
幽々子「ん?どうしたの?」
豊姫「あの子、変なことしてないかしら・・・」
幽々子「よっひゃんおほほ?あいよううやあい?もぐもぐ(訳:よっちゃんのこと?大丈夫じゃない?)」
豊姫「あの子、ちょっと突っ走り過ぎちゃうところがあるから・・・ていうか口に含んだまま喋ってはいけませんよ」
幽々子「いいやんウェふに~(訳:いいじゃん別に~)」
弟「俺のよっちゃんがこんなに猪突猛進なわけがない」
作「儚月抄コミック持ってねーもん!wikiとかで大体のキャラはわかるけど口調とか全然わかんねえ!」
弟「月は謎が多いなまったく。・・・で、次は無双でもさせるつもりか?」
作「さあ・・・」