東方神喰者   作:wing

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皆さん、おはこんばちは、wingです。これからの数話はレイジsideでの話とサヤカsideの話を交代制でいきます。それではどうぞ。


Mission 18 プロテクトウェポン

~サヤカside~

 

 

サヤカは一人山の中を奔走。魔理沙が足止めをしてくれているが、たった一人では何人か取りこぼしてしまうだろう。地図を渡してもらっても見ている内に発見されてしまうかもしれないので、魔理沙がサヤカを逃がす直前に言っていたことを頼りに山の中を進んでいた。

 

 

 

 

 

―――てめえら説明の邪魔すんな―――

 

―――ぐあっ!―――

 

―――え!?あ、えっ―――

 

―――まっすぐ走れ!そしたら川が見える!上流へむkうわっと!ったく最後まで喋らせろよな!このッ!チッ・・・行け!早く!―――

 

 

 

 

サヤカ「魔理沙さん・・・」

 

 

魔理沙は無事だろうか。走っている間、心の中で常に魔理沙の無事を祈っていた。時々弱気になってはそんな自分に大丈夫だと言い聞かせたり、もう頭が一杯といっても過言ではなかった。そうしている内に突然視界が開けた。目の前には川。山で一騒ぎ起きているというのに、まるで気にも留めていないかのように静かだ。ただマイペースに水は下流へ流れ続ける。サヤカは今まで綺麗な川を今まで見たことがなかったので一瞬見とれてしまった。そのおかげで魔理沙の無事を願うあまり混乱した思考が正常に戻る。

 

 

サヤカ「(確か上流へ行けって言ってたよね・・・よし)」

 

 

川の流れを確認し、上流へ向かう。川の付近は見渡しが良いため、木々に紛れながら行くことにした。

 

 

サヤカ「(ん、あれは・・・)」

 

 

上流へ向かい始めてまだ間もない時に大きな岩が一つ、サヤカの行く手を阻むかのようにそびえていた。とはいっても少し木が茂っている所を通って迂回すれば難なく通れる。それに岩の裏側は木や草が一層多く茂っており、隠れることも出来そうだ。先程から殆ど走りっぱなしだったので、体が休息を求め勝手に動いていた。岩陰で一息つき、まだ見ていなかった魔理沙からの地図を読むことにした。

 

 

サヤカ「(うわ、すごい大雑把・・・これ見るくらいならさっきの説明の方がまだわかりやすいよ・・・)」

 

 

思っていたよりも遥かに低レベルの地図におもわず溜息を漏らす。

 

その時。

 

 

「どう?見つかった?」

 

「いや、まだ。ここらへんにいるはずなんだけどなぁ」

 

サヤカ「・・・!」

 

 

誰かの声が近くで聞こえた。会話からして自分を探しているのだろう。サヤカは見つからないよう注意しながら岩陰から様子を見る。

 

 

「さっきここを通ったのかな、匂いがまだ濃い」

 

「じゃさっさと探そ。まったく、めんどくさいなぁ」

 

サヤカ「(匂い・・・?会話を聞く限り嗅覚が鋭いのかも)」

 

 

自分を探していると思われる天狗は二人。白狼天狗で、獣の耳がある。あの容姿で獣耳ということは、人間より感覚が鋭いのかもしれない。会話から聞き取れた限りでは嗅覚が優れていること。しかし視覚や聴覚も鋭い可能性もある。サヤカは天狗の動きに注意しながらその場を離れようと姿勢を低くして動き出す。音が極力鳴らないよう気を付けて進み森の中へ入っていく。どうにか距離を離し、天狗達も辺りをキョロキョロしているだけで気付いていない様子。一安心して歩みを進めようとした。すると突然、

 

 

パキッ

 

 

サヤカ・天狗「!」

 

 

足から何かを折ったような音が聞こえ見てみると、木の枝を踏んでいた。しかも川の水が流れる音以外は何もなかったので天狗達に音を聞かれてしまった。

 

 

天狗「誰だ?」

 

サヤカ「(や、やばッ!!)」

 

 

天狗達は音のした方向、サヤカのいる場所へ近づいてくる。サヤカは急いでその場から離脱した。慌てて動いてしまったためバレたかと思い振り返ってみたが、こちらを補足した様子は見られなかった。

サヤカは慌てて飛び出した勢いのまま走り、川を視界に入れながら上流へ。天狗達が完全に見えなくなったところで足を止めた。

 

 

サヤカ「ふう・・・(なんとか撒いたかな・・・川の水もより綺麗になってきてるし、そろそろ着くかも)」

 

 

そう思っている頃には、目の前に変わったものが見えていた。山の中に紛れるようにして工房のような場所がある。もしかしたらここに魔理沙の言っていた河童、にとりがいるのだろうか。周囲に追っ手がいないことを確認し、工房へ向かって歩き出した。工房の中にも天狗がいる可能性は否めないので、身を隠せそうな場所に隠れながら見える範囲の隅々まで目を通しておく。一通り様子を見て大丈夫だと判断し奥へ進んでいった。

見渡す限り機械で一杯だ。それに開放的な作りになっている、というよりむしろ家の断面を見ているかのようだ。不思議な構造をしているとはいえ、ここに住む者は相当の技術力を持っているのだろう。恐らくにとりという河童が住んでいる可能性が高い。一体どんな人 (?)なんだろうと思いながら工房を歩き回る。すると台所のような場所に辿り着いた。そこで冷蔵庫の中を漁る少女が一人。まだこちらには気付いていない。

 

 

?「~♪」

 

サヤカ「(あの人が・・・にとりって人なのかな・・・?)」

 

 

少女は冷蔵庫から胡瓜を取り出し、心待ちにしていたのか急に踊り出した。

 

 

?「まんまん満足☆一本満足☆(ボリッ)」

 

サヤカ「・・・!?」

 

?「まんまん満足☆一本満足☆(ボリッ)」

 

サヤカ「・・・(゜Д゜)」

 

?「とってもヘルシーで私、満足☆・・・なーんてね、ははははは」

 

サヤカ「・・・」

 

 

少女はようやくこちらに気付き、こちらも驚くほど驚いた。

 

 

?「ひゅいッ!?!?」

 

サヤカ「・・・(゚д゚)」

 

?「・・・み、見た・・・?」

 

サヤカ「・・・(コク)」

 

?「・・・(゚д゚)」

 

サヤカ「・・・(゚д゚)」

 

?「みいいいいたああああなあああああ!!!」

 

 

顔を真っ赤にしてこちらに飛び掛かってきた。表情が恐ろしいもの(にちょり)へとなっているが、見られたことへの恥ずかしさで顔が赤くなっているからか怖さは殆ど感じられない。突然飛び掛かってサヤカを押し倒し、ぽかぽかと殴っているが、サヤカは冷静さを保てていた。

 

 

サヤカ「あ、あのっ」

 

?「このこの!人ん家に勝手に入ってくんじゃなあああい!///」

 

サヤカ「あのっ、ちょっといいでs」

 

?「うるさいうるさい!覗きなんて万死に値する!///」

 

 

 

 

サヤカ「あなたはッ!!」

 

?「ッ!?」

 

 

話を聞いてくれそうになかったので、サヤカは叫ぶようにして呼ぶと、少女はビクッと動きが止まる。

 

 

サヤカ「・・・にとりさんですね?」

 

にとり「え・・・?なんで私の名を?」

 

サヤカ「魔理沙さんが教えてくれました。あと、あなたに用がありまして」

 

にとり「なんだ、魔理沙の友達だったんだね。盟友の友は盟友さ!」

 

 

意外にあっさりと受け入れてくれた。にとりに案内され、リビング(でもやっぱり開放的で外から中が丸見え)と思われる部屋に来た。そこでサヤカはにとりにここを訪ねた理由を話した。もちろん、アラガミに関してのことも。

 

 

にとり「へえ・・・私は基本ここにいるからそんなことが起きているとは知らなかったよ」

 

サヤカ「え、新聞とか読んでないんですか?」

 

にとり「いや、私は読んでないよ。機械を弄る方が面白いから」

 

サヤカ「・・・ここにある機械は全てあなたが?」

 

にとり「そうだよ。これくらいは軽い軽い・・・おっとそうだ、君の武器を強化するんだったね。・・・あ」

 

サヤカ「・・・?」

 

にとり「そういえば・・・魔理沙はどうしたんだい?」

 

サヤカ「あ・・・」

 

 

すっかり忘れていた。ここに来た理由を話してた時に何故気付かなかったのか。アラガミについて解り易く説明しようとするあまり魔理沙のことを話しそびれていた。サヤカが言い辛そうに口を開こうとすると、

 

 

文「魔理沙さんならここですよ」

 

サヤカ「!」

 

 

突然外から声が聞こえ振り向くと、文が立っていた。他にも椛やサヤカが見た白狼天狗などおよそ6人くらいが文の後ろにいた。それだけではない。椛の隣に、縄で縛られた魔理沙がいるのだ。ちなみに魔理沙を拘束している縄は椛の腰に巻きつけてある。サヤカは驚愕し、魔理沙の無事を確かめようと名を叫ぶ。

 

 

サヤカ「魔理沙さん!」

 

魔理沙「わりぃ・・・しくじっちまった・・・」

 

文「慣れないことを無理にするからですよ」

 

魔理沙「・・・るせェな」

 

 

魔理沙はあからさまに反抗的な態度を見せる。文は気にせずに笑顔でサヤカに話しかけた。

 

 

文「初めましてサヤカさん。私は幻想の伝統ブン屋、射命丸文と申します。以後お見知り置きを。あそれと「文々。新聞」はお読みですか?アレ、私が書いてるんです。驚きました?」

 

 

普段のサヤカなら素直に感嘆の声を漏らしていただろう。しかし今はそんなことはどうでもいい。魔理沙を助けなければ。

 

 

サヤカ「・・・魔理沙さんを放してやってくれませんか」

 

文「あやや、無視ですか・・・もちろん解放しますよ。あなたが山から出てってくれればねぇ」

 

サヤカ「どうして出てかなきゃいけないんですか」

 

文「それはあなたの存在が私達に害をもたらすからです」

 

サヤカ「・・・?」

 

にとり「どういうことだい?文。見た感じ危ないとは思えないけど」

 

文「にとりさん、危ないのは別に彼女じゃァありません。彼女がいることでアラガミが寄ってくるんですよ。間接的にってことなんです。アラガミはサヤカさんともう一人、レイジさんという人でなければ倒すのがそれはもう面倒なことでして」

 

サヤカ「・・・!」

 

 

文の言い回しが耳に障り、サヤカはイラつきを覚える。

 

 

にとり「今サヤカから話を聞いてたけど、そのアラガミってのを幻想郷から排除するため武器を強化するために私を訪ねてきたみたいだよ?」

 

文「あや~そーだったんですか。ならばあなたが山から出張していけばよかったじゃないですか」

 

魔理沙「サヤカへの嫌味のつもりか?あいつはそこまで外向的でないことを知ってるくせに」

 

文「あなたは黙っててください。一応捕虜なんですから」

 

魔理沙「・・・チッ」

 

サヤカ「私は用が済むまでは下りるつもりはありませんが」

 

文「あやや、困りましたねぇ。こちらとしては穏便に済ませたいのですが」

 

サヤカ「魔理沙さんを縛っておいて穏便も何もないでしょ」

 

文「全くです。自分でも矛盾してるとは思ってるんですよ」

 

サヤカ「・・・ならなぜこんなことを?」

 

文「あなたをここから追い出すためです」

 

サヤカ「・・・私は追い出されるつもりもないです」

 

文「う~ん困りました。・・・・・・ならば仕方ありませんねぇ。こうなったら力づk」

 

にとり「そこまでだ!」

 

 

埒が明かないと思ったのか、大きめのリュックを背負ったにとりがサヤカの前に出て立ち塞がった。サヤカはもちろん、文も目を丸くしている。

 

 

にとり「サヤカは依頼主だ!文、君達がサヤカを追い出そうとするのなら、私は君達をムットバス!」

 

文「にとりさん・・・そこで噛まないでくださいよ」

 

にとり「う、うるさいな!とにかく、そっちが力ずくで来るのなら、こっちだって黙っちゃいないよ!」

 

 

にとりがやる気になってしまったため空気的にこのまま戦闘に入るかと思われた。サヤカは戦闘態勢に入っているにとりを制止し、にとりの前に出て文に話始める。

 

 

サヤカ「射命丸さんでしt」

 

文「文で結構ですよ」

 

サヤカ「・・・文さん。あなたがあの新聞を作っているのなら、アラガミがどれくらい危険な存在なのかわかっているはずです。でも、これは多分あなたも知らないことだと思います。実はアラガミは私達の武器でも完全に葬ることは出来ないんです。死んだアラガミの体は霧散し、別の場所で新たな個体を作り出すんです」

 

 

それを聞いた天狗達(文以外)はざわつき始める。文は天狗達を「静かに」と軽く注意し、サヤカへ向きなおす。

 

 

文「あや~それは大変ですねぇ。今日はネタに困らなくて済みそうです」

 

サヤカ「・・・別に好きにしてくれて構いません。でもこれだけは言わせてください」

 

 

上手く説得できるかわからないが、サヤカは思ったことを素直に吐き出す。

 

 

サヤカ「私達はゴッドイーター。神の名を騙る怪物を喰らい世界を守る存在です。私は奴らをこの世から排除するためににとりさんを頼ってここに来ました。文さんの言いたいことはわかります。私だって同じことをするでしょう」

 

文「・・・」

 

サヤカ「ここは私達のいた世界とは違うけれど、私達の世界にない素敵なものがたくさんある。私はそれらを守りたい。こんな素晴らしい世界で、皆が苦しむ姿は見たくありません。私はこの世界を守るため、新たな力を得るためにここに来ました。・・・どうか魔理沙さんを放し、退いてはくれませんか」

 

文「・・・嫌だと言ったら?」

 

サヤカ「その時はあなた達を倒してでも、この世界を救う努力をするつもりです・・・!」

 

にとり「サヤカ・・・」

 

 

サヤカは神機を持つ手を強く握りしめる。文以外の天狗達はサヤカの言葉を宣戦布告と見なし身構える。

 

 

魔理沙「バカ、そんなことをしたらこの山中の天狗を敵に回すことになるぞ・・・!」

 

 

魔理沙はサヤカに制止を呼びかけた。しかしサヤカは少しも動揺せず文の目を見続ける。すると文は突然笑顔で返してきた。

 

 

文「わかりました。いいですよ」

 

 

以外にもあっさりと認めてくれたので、面食らったような顔をするサヤカ。サヤカだけでなく文以外の全員が驚いたような顔をしている。

 

 

サヤカ「・・・え」

 

文「それだけの固い意志を持っているのなら問題無さそうですね」

 

椛「え・・・いいんですか?」

 

文「いいんです、私達はアラガミ対策は一応考えてあるでしょ?」

 

椛「た、確かにそうですけど、驚異はなるべく少ない方g」

 

文「椛、あんまりしつこいと嫌われますよぉ?」

 

椛「で、でもぉ・・・」

 

文「さ~皆撤収~。大天狗様へは私から報告しときますんで、各々持ち場に戻りましょ~」

 

 

サヤカ「・・・よくわかんないけど、わかってくれた・・・のかな」

 

にとり「みたいだね。私も安心したよ」

 

魔理沙「あんのカラスぅ・・・縄解いてから帰れよ・・・畜生、やっぱ自力じゃ無理だ、サヤカ、にとり、手伝ってくれ」

 

サヤカ「あ、はい」

 

にとり「やれやれだね・・・」

 

 

文達は帰っていったが、魔理沙はそのまま放置されていた。とりあえず縄を解いてやり、服に着いた汚れも払った。その時には太陽が真上に上ってきていたので昼食を取ることにした。しかし・・・

 

 

サヤカ「胡瓜ばっかり・・・」

 

魔理沙「ああ、河童だから仕方ないとはいえ、いい加減飽きるぜ・・・」

 

にとり「どうしたの二人とも?食欲ないのかい?」

 

サヤカ「何か他にないんですか・・・」

 

魔理沙「胡瓜以外でな・・・」

 

にとり「うーん、他には胡瓜味のビールとか、胡瓜味の初恋ジュースとか、胡r」

 

サヤカ「胡瓜しかないじゃないですか・・・」

 

魔理沙「初恋ジュースって何だよ・・・」

 

 

結局文の行動の意図がわからなかったが、その日の昼食は忘れられない思い出になったそうな(笑)

 




作「そろそろ涼しくなってきたな」

弟「学校ウツダ・・・(´A`)」

作「同感」

弟「リアルに幻想入りしたらって思ったことねーか」

作「同感。もし幻想入りしたらこうしたいとか最近登校時間によく妄想してる」

弟「・・・」

作「・・・」

弟「・・・現実見ようぜ」

作「ウツダ・・・(´A`)」
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