気持ちを入れ替え、サヤカは作業場に向かう。にとりは既に作業に入っているようだ。すごく集中しているのがわかる。こちらが近づいても気づいていないのだから。サヤカはにとりに声をかける。
サヤカ「集中してるところでごめんなさい、私に何か手伝えることはありますか?」
にとり「うんうん、これでこうなって・・・」
すぐ傍で声をかけたが全く気づいていない様子。相当自分のために尽力してくれているのがわかる。
魔理沙「・・・気付かないか。目の前で手ェ振ってみたらどうだ?」
サヤカ「はい」
にとりは台の上にある神機をマニピュレーターでいじりながら色々頭の中で模索している。いつの間にマニピュレーターを作ったのか気になるが、サヤカはにとりの目の前に手を出しながら再度声をかけた。
サヤカ「にとりさん、ちょっといいですか?」
にとり「ん、ああ夢中になってて気づかなかったよ。何だい?」
サヤカ「えっと、何かお手伝い出来ることはないかなーとおm」
にとり「あー!それがさ!」
ご機嫌に声を張り上げるにとり。目の前で大きな声を上げられたのでサヤカの耳が一瞬ビリビリする。
サヤカ「ッ・・・」
にとり「あっ・・・悪いね。で話を戻すけど、手伝ってくれる必要はないよ!」
サヤカ「え?」
にとり「つまり、完成した!」
サヤカ「はやッ!!」
魔理沙「諦めろ、ここは幻想郷だz」
サヤカ「にしたって早すぎません!?」
魔理沙「にとりは私も驚くほどの速度でものを・・・まぁ主に機械を作れるんだ。今回は神機っつー特別なモンだから結構時間かかったようだがな」
サヤカ「・・・。本当に、出来たんですか?」
にとり「大丈夫だ、問題ない。ついでにメンテナンスもしといたよ」
サヤカ「す、すごい・・・。では・・・」
「ちょっと撃ってみますね」「じゃ的当てだぜ、この失恋フレーb」「ああッらめえ!それはらめ!らめだっt」「こんなものが存在して何になる!撃て!狙い撃つんだ!」「それを撃てばいいんですか?」「だかららめだってサヤカ!自分が今、何を撃とうとしているのか、お前本当にわかってるのか!」「にとり!動くと撃つ!(サヤカが)」「なんか趣旨変わってるような気が・・・」「ゾンナコドヤッテミロ!ワタスィァクサムヲムッコロス!」「お前変なとこで滑舌悪くなるな」「にとりs」
にとり「ちょっと待ったああああああああああああああ!!!!!!」
にとりはデジャブを感じ、大声で叫ぶ。サヤカと魔理沙の鼓膜が激しく振動し、一瞬耳を押さえる。どうやらにとりはかなり発声量が大きいらしい。
魔理沙「ッ・・・!何だよ急に」
にとり「おかしいじゃないか!わざとだよね!?これ絶対わざとだよね!?前もこんなことやったじゃん!?」
魔理沙「・・・あー・・・そうだったかな」
魔理沙は露骨にとぼけた表情をしてみせる。
にとり「サヤカもサヤカだ!絶対わざとノッてるよね!?そんなに私が泣いてるとこ見たいの!?」
サヤカ「・・・あの、さっきもこんな流れになったってホントですか?」
にとり「・・・(ダメだこいつ・・・早く何とかしないと・・・)ホントだよ」
サヤカ「・・・ごめんなさい」
にとり「・・・まあ試験運用は必要だからね。じゃあそこに的があるから、撃ってみなよ」
サヤカ「はい」
目標は結構遠くにある。神機が剣形態になっていたので銃形態にし、片膝を突いた姿勢で構える。狙った先にはいくつかの的。的は普通の空き缶だが、1つだけ形が違うものがあった。
にとり「ああっ!?あんなとこにフレーバーがああああ!?」
にとりは慌ててフレーバーを回収、代わりに空き缶を置いた。サヤカは構え直し、狙いを澄ませる。するとサヤカの目の前に見慣れないものが。よく見るとスコープが付いていた。サヤカの銃身が狙撃向きであることを考慮し取り付けてくれたのだろう。視点倍率も変えることが出来るので、射程距離が改造前より伸びている。ありがたく思いながら意識を空き缶に集中させていくサヤカ。その傍らでにとりと魔理沙が少し揉めている。
にとり「魔理沙。君の仕業だよね、これ#」
魔理沙「Huh?何の事だかさっぱりだぜ?」
にとり「う~~・・・!もう怒ったぞ~!私を怒らせるとどうなるか思い知らせてやる~!」
魔理沙「へッ上等だ、かかって来やがれ!」
サヤカ「・・・すいません、静かにしてもらえませんか」
魔理沙「魔符「スターダスt
(!?)・・・・・はぃ・・・
にとり 河童「のびーるa 」
スコープを覗いたままたった一言静かに言っただけなのに、二人はサヤカから謎の威圧感を感じ、一瞬で沈黙した。
サヤカ「・・・何も黙らなくたっていいのに」
魔理沙「あ、いや、なんつーか・・・アレだ(なんか・・・気圧されたっつーか)」
にとり「邪魔しちゃったみたいだし、ね・・・(急に声のトーンが落ちたからなぁ・・・)」
サヤカ「私、別に怒ってませんよ?」
二人が急に顔色を伺うような様子になり、サヤカは不思議に思うがあまり気にしないことにした。空き缶を1つずつ撃ち落していく。にとりの工房の中とはいえ空き缶はそれなりに遠い場所にある。それを正確に撃ち抜いていくのを見て驚く魔理沙とにとり。
魔理沙「おおすげえ」
にとり「あまり間を置かずにこの正確さ・・・確かにすごいね」
サヤカ「いやぁにとりさんの改造のおかげですよ」
にとり「そう言ってもらえると嬉しいな~」
サヤカ「スコープが付いて狙いやすくなったのは嬉しいんですが、使ってみた感じどう変わったのか・・・」
にとり「ふふん、大丈夫さ。君と改造計画を立てる時、君が渡してくれたあの瓶の中身を使ってちゃんとアラガミが跡形もなくなるようにしといたし、それに」
そう言うと、にとりは銃身の根元を指さした。そこには何かのスイッチが。
サヤカ「?(こんなのあったっけ?)」
にとり「押してみ?」
言われるままスイッチを押してみる。すると・・・
ガキン、カシン、カシン、ガシャン。
サヤカ「変形した・・・」
にとり「それでもっぺん撃ってみなよ」
にとりはもう一度空き缶を並べようと動き出す。その間サヤカは変形した銃身を眺める。銃口を中心にフレーム部分が3つに別れるような形になり、中から砲塔が姿を現している。口径が変形前より大きい。にとりが缶を並べ終えてこちらに戻った後、サヤカは何が起こるのか内心ドキドキしながら引き金を引いた。
ダダダダダダダダン!!
サヤカ「うわわっ・・・!」
魔理沙「Wow」
にとり「どうだい?口径を拡大して威力を上げてみたよ。連射出来るけど、長距離というより中距離向きかな。その形態で狙撃も一応出来るよ。でも威力大きいし連射出来るからブレやすいけど」
サヤカ「長距離用の弾種も威力は高い方なんですけどね。遠い場所へ飛んだ時威力が落ちるといけないんで・・・。それにしてもこれは、衝撃が強めですね」
にとり「まあそこは慣れるしかないね。あと、こういうも使えるよ」
にとりはサヤカに1つバレットを渡す。何だろうと思いながら装填し、撃ってみた。しかし普通のレーザーだ。変わったところと言えば、弾速がかなり速いくらいだろうか。
にとり「あ、伏せt」
ドーン!!
空き缶に当たったレーザーが突如爆発。にとりが伏せるよう言うがタイミングが遅すぎる。にとりと魔理沙は伏せ、サヤカは驚きでしりもちをついた。
サヤカ「ちょっ爆風やばッ!工房大丈夫なんですか!?」
にとり「大丈夫だ、問題ない。・・・まあちょっと爆発が強すぎたけど、こういうのも撃てるのさ。アラガミの中にはこうやって吹っ飛ばさないと倒せないのもいるんじゃないかと思ってね」
サヤカ「狙撃に爆発って・・・まあ・・・いっか」
にとり「他にも、マスタースパーク程じゃないけど、太めの照射レーザーだって撃てるよ」
魔理沙「それはすげーな!やっぱ弾幕はパワーだぜ、なあサヤカ!」
サヤカ「そ・・・そうですね」
にとり「さらに!」
にとりはサヤカの手を掴み、柄の付け根付近にあるスイッチを押させる。するとシールドが展開した。
魔理沙「・・・これがどうしたんだ?」
にとり「銃形態ではシールドを展開出来なかったからね。展開できるようにしたのさ」
サヤカ「わあ・・・これはありがたいです!」
にとり「どういたしまして。他には・・・そうだ、消音機能もつけといたよ。これで静かに、パワフルに攻撃できるって寸法さ!」
サヤカ「一気にすごくパワーアップしましたね・・・主に中距離面で」
魔理沙「河童の技術力はやっぱすげーな」
にとり「確かにサヤカの言う通り、主に改良点として中距離戦に対応出来るようにしてみたんだ。長距離用の銃と近距離での剣、なら中距離にもと思ってね」
サヤカ「ご協力ありがとうございました。大切に使わせてもらいますね」
にとり「どういたしまして」
サヤカ「しかしこれはすごい・・・幻想郷には私の知る常識なんてないんですね。何でもアリって感じ」
魔理沙「今更何言ってんだ。・・・さて、これからどうしようかな」
サヤカ「う~ん・・・白玉楼ってとこへ行ってみます?レイジさんはそこに向かってるはずですし」
魔理沙「ん~、・・・まぁ用は済ませちまったし、もうここに留まる理由も特にないし、・・・行ってみるかな」
魔理沙は出掛ける準備に入ろうと箒を探す。サヤカはにとりに再度礼を言い、支度を始める。
にとり「もうお別れかぁ、もうちょっとここにいたっていいのに」
サヤカ「そうしたいのは山々なんですけど、今回の異変が終わるまではそうもいかないんです」
魔理沙「どこだったかな箒・・・あああったあった」
~にとりの工房 屋外~
サヤカ「無事に解決したら、またここに来ますね」
にとり「いつでも待ってるよ、困った時はいつでも相談してね」
魔理沙「世話になったな、じゃそろそろ行くぜ」
にとり「うん、気をつけてね~」
魔理沙は箒にまたがって待機している。サヤカもまたがり、さあ出発だと意気込む。
「オオオオオオオン・・・!」
魔理沙「・・・?何の音だ?」
サヤカ「・・・結構近いです」
にとり「なーんか、嫌な予感が・・・」
何か大きな音が響いた後、森の奥の方から鳥が逃げるように飛んでいくのが見えた。
ミシッ・・・ミシッ・・・バキバキッ
魔理沙「今度は何だ?」
サヤカ「木が薙ぎ倒されてる・・・まさか」
サヤカは一瞬工事か何かかと思っていたが、先程の大きな音のことを考えるとそうは思えない。それに工事しているとは思えないほど木が倒される音が鳴り続けている。さらにはその音が大きくなっている。
魔理沙「あー・・・これは流れ的に・・・アレだな」
サヤカ「ええ・・・十中八九」
にとり「まったく、もうちょっとマシな展開にできないのかなぁ作者は」
魔理沙「おまえは何を言っているんだ」
そして、木を薙ぎ倒してこちらに近づいてくる何かが、その姿を現した。
「オオオオーーーン・・・!」
魔理沙・にとり「デカアアアアアアいッ説明不要ッ!!」
サヤカ「まさか、ウロボロスが来るなんて・・・」
現れたのは、なんとウロボロスだった。低い雄叫びが山中に木霊する。
魔理沙「おいおいマジかよ!アラガミにはこんなデカいヤツもいんのか!?」
サヤカ「ええ。その上、破壊力も高いです」
魔理沙「まあデカけりゃ当然だわな。でもどうやってここまで来たんだよ、天狗達が黙って通すはずないだろ?」
にとり「確かにそうだね、ここは山の奥の方なのに・・・よくここまで来れたもんだよ」
あの巨体でどうやってここまで何事もなかったかのように来れたのか不思議に思う魔理沙とにとり。サヤカは1つ心当たりがあった。口に出そうとする直前でウロボロスが触手を振り上げた。
サヤカ「あっ・・・左右に避けて!!」
魔理沙「何ッ!?うおっ」
にとり「くっ」
スダアアン!!
魔理沙「う~わ、とんでもねーリーチだな」
サヤカ「・・・何故あいつがここまで来れたか、心当たりがあります」
魔理沙「マジか!?教えてくれよ!」
サヤカ「その前にこのアラガミを倒しましょう!」
魔理沙「・・・まぁそうだわな、こんな状況じゃ」
にとり「私は後ろに下がろうかな・・・手元に役に立てそうなものがないし」
にとりは自分の工房を守ることに専念しようと後ろに下がる。魔理沙は最前線へ、サヤカは魔理沙の後方で支援射撃。
魔理沙「全部被弾させたらどうなるだろうな?魔符「スターダストレヴァリエ」!」
サヤカ「あっ待っt」
魔理沙はウロボロスの真上に飛びスペルカードを使う。すると☆の形をした弾幕が散りばめられ、ウロボロスの背面に全弾命中。
魔理沙「へっ全弾命中!これなら早く終わりそうだz・・・何ッ!?」
ウロボロスの背部は非常に堅い。魔理沙は背部に弾幕を当てたが運悪くそこが堅い部位だったためダメージは殆ど入っておらず、傷がついていない。
魔理沙「んなのありかよ・・・」
サヤカ「魔理沙さん!背中に攻撃は効きません!奴の目に貫通性の高い技を当ててください!」
魔理沙「早く言ってくれよ!そして弱点目なのかよ!真正面からやり合わないといけないってのか。他に弱点はないのkうわわぁっ!」
サヤカ「あっ・・・今みたいにビームも撃ってくるんで気をつけて!他に弱点はなくはないですけど・・・うおっと危ない!・・・あるとすれば、足です!足は破砕系の攻撃が効きやすいです」
魔理沙「足ィ?こっからじゃよく見えねえし危ねえな、とりあえず目を狙えばいいんだな!?」
サヤカ「ええ!」
魔理沙はウロボロスの正面で戦うサヤカの近くに戻っていく。
魔理沙「サヤカ、そっちは順調か?」
サヤカ「攻撃が激しくって・・・なかなか有効打を与えられてないです」
魔理沙「私が援護すりゃいけるだろ、いくぜ、光符「アースライトレイ」!」
魔理沙が次のスペルカードを使用。ウロボロスの目の前に複数の魔方陣が横並びに配置される。そこからレーザーが放たれ、ウロボロスの目に命中した。
魔理沙「おおう怯んでる、じゃ一気に畳みかけるとしますか!」
「ウオオオオオオオン!」
ウロボロスが低い咆哮を上げ、目が光り出した。どうやら活性化したようだ。その後すぐに直立の姿勢になる。
魔理沙「お、立ったぞ」
サヤカ「二人とも、距離を置いて目を背けて!」
にとり「え?」
魔理沙「?何言ってんだ、今がチャンs」
カッッ!!
ウロボロスの目から激しい閃光が。この攻撃は衝撃波も発生させ、活性化時にしか行わないので魔理沙達にはにわかに信じ難かったのだろう。しかもかなり早い段階で活性化したので行動パターンの変化がわかるはずもない。にとりは比較的遠距離にいたこととサヤカの言葉に反応して目を背けていたため無事だったが、魔理沙は攻撃をしようと突撃している最中に攻撃が来たので反応し切れず、直撃してしまった。
サヤカ「ッ・・・!」
にとり「うおっまぶしっ」
魔理沙「うあああああああっ!!」
サヤカ「!!」
閃光の直撃で吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
サヤカ「大丈夫ですかっ!?」
魔理沙「なんとか・・・あれ、目の前が、真っ白だ・・・。うっ、おまけにくらくらする・・・」
サヤカ「(しまった、スタン!)にとりさん、すいませんがしばらく魔理沙さんを頼みます!」
にとり「え、ああわかったよ、でも無茶しないでね!」
サヤカ「わかってるつもりです」
魔理沙「くっ・・・畜生っ・・・」
魔理沙が行動不能になり、単身戦うことになってしまった。しかし危険をもっと早く伝えられれば、こんなことになるはずはなかったのかもしれない。
サヤカ「(こんなザマで、人類の守護者だなんて・・・)」
神機を剣形態にし、一気にケリをつけようと走り出す。ウロボロスも迎え撃とうと触手を地面に突き刺し、下から攻撃してきた。だが速く動いていればまず当たらない。サヤカはウロボロスの眼前に飛び込み、目を突き刺そうとする。その時、
ビュウン!
サヤカ「っく!」
攻撃が当たる前にウロボロスが近距離からビームを放った。一瞬の予兆で攻撃が来ると察知しアドバンスドジャンプでビームの射線から逃れた。ウロボロスの頭に乗り、そこから目に向かって剣を突き立てる。
サヤカ「今度こそっ!」
グサッ!
「ガアアアアアア・・・!」
悲鳴を上げ、頭を振ってサヤカを振り落とそうとする。サヤカは頭にしがみつきながらもう一度突き刺した。
「ガアアアアアアアッ!」
サヤカ「わっ!」
先程より強く揺さぶられ、サヤカは振り落とされて地面を転がる。起き上がろうとする時には、ウロボロスの触手がサヤカを叩き潰そうと迫っていた。
サヤカ「!」
急いでシールドを展開するが、防ぎ切れるかどうか不安だ。目前まで触手が迫ってきた頃、
バシュウウウウウウン!!
サヤカ「!?」
サヤカの真上を突如太いビームが通り抜け、ウロボロスの触手を蒸発させた。後ろを振り返ると、魔理沙がミニ八掛炉を構えているのが見えた。
魔理沙「悪ィな、チョンボったぜ」
サヤカ「もう、大丈夫なんですか?」
魔理沙「めまいは治ったが、まだ視界がチカチカするぜ。だけどお前1人だけで戦わせるワケにゃあいかんからな」
サヤカ「無理させてごめんなさい・・・後方支援をお願いしていいですか?」
魔理沙「任せろ、今度はヘマしないぜ」
「こちら設置完了です」
「こちらも設置しました」
椛「いつでも大丈夫です、文さん」
文「よっし、起動させてくださーいっ!」
カチッ
パシュッ
サヤカ「・・・?」
魔理沙「ん、空が・・・」
空の色が突然青からピンク色に染まり出す。それだけでなく自分たちの周囲もピンク色がかって見える。まるでベールか何かに覆われたような感じだ。ウロボロスがやったのかと目を向けると、そうでもなく。
「オオオオオオ・・・!」
ウロボロスはガクガクと震え苦しんでいる。いったい何が起きたのだろうか。ますます状況がわからなくなるサヤカ達。そこに、あの天狗が飛んできた。
魔理沙「何がどうなってんだ・・・?ん、あれは・・・文か!」
サヤカ「えっ?何で今ここに・・・?」
魔理沙が空を再び見上げると文の姿があった。文はサヤカ達のいる場所に着地する。
文「どーもー戦闘中失礼しm」
魔理沙「文!なんか空の色が変だぞ!何が起こってんだ!?」
文「ああ、これですか、これはアラガミが進入してきた時のための対策なんですよ」
魔理沙「これが対策だって?どうやってこんな現象を起こしてるんだ?」
文「簡単に言いますとねー、これは結界なんです。そしてこれを発生させるための装置があるんですね。アラガミを囲むように配置して、スイッチを押すだけ。これで結界を発動させられるというワケです。永淋さんと霖之助さんの合作アイテムなんですよ~」
魔理沙「へ~、結界・・・って永淋と香霖だって!?なんであいつらが・・・!?」
文「それは後で説明しますね。サヤカさん、止めをかっちょ良く決めてくださいっ」
サヤカ「あっはい」
「ウオオオオオオオオン・・・・!」
ウロボロスは苦しみながらも近づけさせまいと損傷の少ない触手で攻撃してきた。神機を捕喰形態にして触手を喰い千切る。文はその様子をカメラで撮影していた。
文「か~っこいい~ww」
椛「こんな時でも撮影ですか・・・」
触手が大胆に喰い千切られたためにバランスがとれず、大きな音を立てて体勢が崩れる。バースト状態になったサヤカは銃形態に変形させ、片ひざを立てる姿勢でウロボロスの顔目掛けて狙いを定めた。
サヤカ「成層圏の果てまで・・・狙い撃つ!!」
ズドォッッ!!
銃口から目に見えない程の速度で直線が描かれた。直線はウロボロスの顔を簡単に撃ち抜き、体を突き抜ける。その後ウロボロスは爆発し、跡形もなくなった。残るのは僅かに残る弾の軌跡。
サヤカ「・・・ふぅ」
魔理沙「おっしゃあ!勝ったぜー!」
文「いい止めでしたね~!今日もネタに困らなさそうです!」
にとり「おお、終わったかぁ」
わっと喜びの声を上げる一同。魔理沙がサヤカの元に走り寄ってくる。
魔理沙「やったなサヤカ!レーザー一本で跡形もなく吹き飛ばすなんてすごいぜ!」
サヤカ「でも、また皆に迷惑かけちゃいましたね・・・」
魔理沙「だーいじょうぶだって、これぐらいでネチネチ言うようなヤツはいねーよ!」
文「そうですよ、いいネタもゲット出来ましたし!寧ろ、この山を救ってくれたことに礼をいいたいくらいですよ~」
サヤカ「い、いやそんな」
魔理沙「あそうだ文、あの結界を発生させる装置を作ったヤツが永琳と香霖って、どういうことなんだ?なんであの2人が共同で・・・?」
文「多分永琳さんから話を持ちかけたんじゃないでしょうか。永琳さんはあくまで医者であって職人ではありませんからねぇ。霖之助さんはあなたが持つミニ八卦炉を作れる程の人ですし、彼に相談するのがいいと思ったのでは?」
にとり「私もやろうと思えば出来ると思うんだけどなぁ。なんで私に相談しなかったんだろ?」
文「今回の異変はそうそうボヤボヤしていられませんからね、霖之助さんの方が距離的に近かったからそっちに相談することにしたんじゃないでしょうか」
魔理沙「なあ、そのアイテム見せてくれよ」
文「はいはい、椛ー」
椛「はーい」
文「ちょっとコレ貸してもらっていい?」
椛「いいですよ」
椛からそのアイテムを借り、魔理沙達に見せる。形は円柱状で側面に起動スイッチらしきボタンがあり、平たい面の部分には何か意味ありげな模様が描かれている。
魔理沙「へえ、これがあの結界を発生させるアイテムか」
文「1つあれば人里の家2軒分の広さを三角錐の形をした結界で守ってくれる優れモノ!効果は2週間、アラガミ以外に効果はないから蚊取り線香感覚で使えるんですよ~。まあ今回は相手が大きかったのでこれ4つを囲むように配置して使いましたが」
魔理沙「値段とかあんのか?」
文「ん~、私達はもしものことを考えて多めに注文してみたんですが、驚くほど安かったですよ。確か1個・・・50円くらい?」
魔理沙「さっすが永琳だ・・・金に対する欲がねーな。それならほとんどのヤツが気軽に買えるな」
サヤカ「す、すごいですね・・・(対アラガミ装甲壁みたい・・・)」
にとり「それ、私にも見せてよ!」
文「え、いいですけど、なんでそんなに目を光らせてるんですか?」
にとりは文から装置を半ば奪い取るようにし、隅々まで目を通し始めた。
にとり「ふむ、へ~・・・」
文「あやや、夢中になっちゃってますね・・・。にとりさーん、後でちゃんと返してくださいよー」
にとり「おお、なるほど・・・」
魔理沙「・・・全然聞いてねーな。まあいい、後で私から言っとくよ」
文「わかりました。・・・さて、そろそろ私達は戻りますね」
魔理沙「おう、じゃーなー」
文達が工房を後にし、一時の静寂が訪れる。とても先程まで戦闘状態だったとは思えない。木々が薙ぎ倒されている場所意外からは、普段の穏やかな雰囲気が漂っている。
魔理沙「・・・なんか急に静かになったな・・・」
サヤカ「・・・あ、そういえば魔理沙さん、さっき「なんでこんな山奥まで来れたのか」って言ってましたよね」
魔理沙「ん、ああそうだな」
サヤカ「アラガミは、突如現れることがあるんです。・・・地面から」
魔理沙「・・・へ?地面?」
サヤカ「なんていうか、こう・・・地面からズバッと生えてくるような感じです」
魔理沙「なにそれこわい」
サヤカ「今回私達を襲ったアラガミ、ウロボロスも、恐らくその方法で侵入したのかもしれません」
魔理沙「なるほど、お前のいた世界で人類の危機に立たせる存在なだけはあるぜ・・・」
サヤカ「・・・(だから、私が皆をきちんと守れるようにならなきゃ・・・)」
ウロボロスは元の世界でも少人数で、且つ無傷で倒すのは困難を極める。だが「相手が強い個体だったから多少の被害は仕方ない」とは言ってられない。大切な人々に傷ついてほしくない。荒らされた自然を見つめ、サヤカは再び決意を固めた。
にとり「あ・・・そういえばさサヤカ」
サヤカ「?」
にとり「今まで忘れてたんだけどさ、私の作った追加装備で戦ってたら、早めに倒せたんじゃない?」
サヤカ「あ・・・」
魔理沙「もっと早く言えよ・・・」
2012/7/24
作「もうすぐ2012年も折り返し地点か・・・」
弟「(ex○sプレイ中・・・)」
作「そうだ、番外編を・・・」
弟「こりゃまた突然な」
作「ギャグ要素が少ないんだもんゴッドイーターって」