レイジ「・・・」
気が付くとレイジは暗闇の中に立っていた。周囲を見渡しても何も見えない。
・・・・・・けて
レイジ「・・・?」
レイ・・・・・・
少女の声だ。だが弱弱しく小さいので耳を澄まさないと聞き取りづらい。
た・・・・け・・・て
誰かがいるのかもしれない。前に手を伸ばしてみるが何もなかった。自分の腕すらも見えない暗闇の中でただ手を伸ばしただけでは意味がないだろう。だが人は暗闇の中では何かないか探ろうとする。「溺れる者は藁をも掴む」と似た感じだろう。ひとまず前に進むことにする。手は前に出したままに。
レイジ・・・・・さ・・・
レイジ「・・・」
・・・はっダメ!やめてぇ!
何かに反応したのか、突然大声を上げる。気になってレイジは声の聞こえた方向へ向かう。すると突如、大きな白い手がどこからともなくレイジの右腕を掴み上げた。
レイジ「!」
自分の腕が見えないような暗闇の中だというのに、その白い手ははっきりと見える。誰のものなのかは未d
ヴィーナス「よお、坊や」
レイジ「――――――!?」
ガツン!
フラン「うっ!」
レイジ「っ・・・」
魔理沙「それ見ろ、頭ぶつけやがった」
妹紅「ふざけ過ぎて痛い目見ても知らないって言ったのに」
サヤカ「・・・あれ、レイジさん、顔色がよくないですよ?」
レイジ「・・・?」
レン「おはようございます、朝ですよ」
アーティ「・・・悪夢見てたわね、あんた」
どうやら夢だったようだ。僅かに乱れた呼吸を整える。しかし気になったことが1つ、なぜ目を開けた瞬間にフランの顔が眼前にあって、しかも頭をぶつけたのか。フランが額を押さえて不満そうにレイジを見ている。
フラン「う~・・・ひどいよレイジ」
レイジ「・・・?」
サヤカ「あー、えっとですね・・・」
~十数分前、上白沢学習教室2階・客室~
太陽が顔を見せ始める早朝、客室で慧音を除いた一行が布団の中で眠っている中、フランが最初に目を覚ました。体を起こし、目を擦りながら周囲を見渡す。
フラン「ん~・・・あれ、まだみんな寝てる・・・でももう朝だし起こした方がいいのかな」
だが普通な起こし方ではつまらないし面倒だ。フランは覚醒直後で働かない頭で考える。
フラン「・・・。そうだ、あれやってみよう」
妹紅「(・・・ん、鳥の鳴き声・・・朝か)」
鳥の鳴き声に妹紅の意識が覚醒する。
妹紅「(まだ眠いな・・・目蓋がなかなか開けられない・・・昨日は久しぶりに激しく動いたからなぁ)」
フー・・・フー・・・
妹紅「(・・・呼吸音?かなり近いな・・・)」
誰かがすぐ傍にいるのかと思い目を開ける。すると視界一杯にフランの顔が。馬乗りの体勢且つキスする直前くらいの顔の近さに妹紅は驚きの声を上げる。
妹紅「わっ!?」
フラン「えへへ~大成功だね♪」
妹紅「なんだお前か・・・あ~びっくりした・・・」
フラン「他のみんなにもやってみよっ」
妹紅「・・・ほどほどにしときなよ、ふざけ過ぎて痛い目見ても知らないぞ」
サヤカの場合
フラン「・・・」
サヤカ「zzz・・・」
フラン「・・・フッ」
サヤカ「・・・?(パチ)近ッ!?」
フラン「あははは♪びっくりしたー?」
魔理沙の場合
フラン「・・・」
魔理沙「zzz・・・」
フラン「・・・フッ」
魔理沙「・・・」
フラン「・・・」
魔理沙「・・・(パチ)・・・」
フラン「・・・(ニコニコ)」
魔理沙「・・・おまえは何をやっているんだ」
フラン「驚符「朝のドキドキwake up」だよ♪」
魔理沙「何だそりゃ」
こんな調子で起こしていき、残りはレイジだけとなった。
フラン「あとはレイジだけだね♪」
魔理沙「その顔の位置だと頭ぶつけないか?こいつが驚いた拍子に、とかで」
フラン「ウフフ、さぁレイジ、あなたはどんな反応してくれるのかな・・・?」
妹紅「もうやめとけって・・・普通に起こせばいいじゃん・・・」
フラン「もうこれで最後だもん、やりきらなきゃね」
レイジ「・・・」
フラン「・・・」
レイジ「・・・」
フラン「・・・フッ」
レイジ「・・・」
フラン「・・・・・・?」
レイジ「・・・」
レン「なかなか起きませんね」
アーティ「こいつは朝型じゃないからね・・・ま昨日は何時間も戦ってたし無理もないか」
フラン「ま、そのうち起きるよね」
レイジ「・・・」
魔理沙「おいフラン、顔の位置変だろ!まさにキス直前じゃねーか!」
フラン「レイジとなら、しちゃってもいいk」
レイジ「―――――!(ガバッ)」
ガツン!
サヤカ「・・・てことなんです」
サヤカから説明を受け、状況を把握するレイジ。フランに一言謝ろうとするも、
フラン「うー!(`^´)」
仕返しのつもりなのか、いきなりレイジを押し倒し、彼の頭を両手で掴み頭突きを仕掛けてきた。寸でのところでレイジはフランの頭を押さえる。まだ加減を知らないのか、両手で押さえていても正直かなり辛い。
魔理沙「おい、顔近い、近いって」
サヤカ「体勢が・・・」
妹紅「そう言うお前らも止めに入らないのか?」
魔理沙「見てて面白いからその気はないぜ、まだ眠ィし・・・ふぁ」
フラン「ふん~~~!」
レイジ「・・・!」
アーティ「オイ・・・こいつ吸血鬼とタメ張ってやがるわ・・・」
レン「普通力負けするはずじゃ・・・」
アーティ「今フランって頭押さえられてるから首だけの力でやってんのよね?ならなんとか抑えられるのかしら?てか抑えられるモンなの?」
レン「さぁ・・・」
レイジとフランが小競り合いを始めて少し経った後、慧音が客室に入って来た。
慧音「おはよう皆、よく眠れたk(チラ)・・・」
フラン「う~・・・!そっち1発やったんだからこっちもやらせてよ~!」
レイジ「・・・!」
慧音「・・・何をしているんだ?」
妹紅「あぁ、実は(少女説明中・・・)で、こうなっちまったんだよ」
慧音「なるほど、うっかり接吻をしているのかと思ってしまったがただのケンカか」
妹紅「・・・まぁこの体勢じゃ一瞬そう思ってしまうよな・・・」
事情を聞いた後、慧音はフランとレイジを止めに入る。
慧音「こら、やめないか」
フラン「うぐ~1発だけ!1発だけ~!」
慧音「レイジはわざとやったのではないんだ、仮にわざとだとしてもケンカはよくないぞ」
レイジもうなずきフランに故意にやっていないことを伝えようとする。しかしフランはやめようとしない。
慧音「・・・仕方ない。仏の顔も三度までだ」
そう言うとフランの頭を自らの眼前に向けさせる。そしてフランがやろうとしていた頭突きを食らわせた。
ドゴン!
フラン「う!?」
一瞬の悲鳴の後、レイジの隣で仰向けに倒れるフラン。白目を剥いて気絶してしまっている。レイジはやれやれといった表情で起き上がるが・・・
慧音「喧嘩両成敗だ」
ドゴン!
レイジ「!!」
レイジも頭突きを食らいフランと並んで白目になって倒れる。
妹紅「出たな慧音の得意技」
サヤカ「え、得意技?」
妹紅「ああ、教え子の子供達が悪さをした時とかでお仕置きとしてやっているそうだ。私も食らったことがある」
慧音「ならば食らえばどれほど痛いか簡単に想像出来るだろう?」
妹紅「えっ」
ドゴン!
妹紅「がッ!?」
妹紅も頭突きを食らって倒れる。そして白目である。
サヤカ「えっ!?妹紅さん何もしてないでしょう!?」
慧音「君達はなぜケンカを止めなかったんだ?」
魔理沙「そりゃあまだ起きたばっかで眠かったし見てて面白かったからd」
慧音「バカ者!」
ドゴン!
魔理沙「ヌ゛オ゛オオオオッ!?」
魔理沙も倒れた。なぜ皆白目で気絶するのかはさておき、これで今起きているのはサヤカと慧音のみ。
サヤカ「あ、あ・・・あの、ごめんなさいっ」
慧音「ん?」
サヤカ「無意識の内に傍観してしまって!・・・ごめんなさいっ!今度からはちゃんと止めますから!」
慧音「・・・わかった。許してあげよう」
サヤカ「・・・え、あ・・・」
慧音「自分の過ちを素直に認められるということは、いいことだぞ」
サヤカ「はあ・・・」
慧音「・・・皆気絶してしまったか。少し力加減を誤ったな、サヤカ、起こすのを手伝ってくれ」
サヤカ「はい(助かった・・・)」
妹紅「ん・・・もう朝か、おはようサヤカ」
サヤカ「(・・・あれ?)」
魔理沙「・・・あ~もう朝か。よく寝たぜ」
サヤカ「(・・・あれれ?)」
フラン「ん~・・・あ、おはよーせんせ」
慧音「お、おはよう、よく眠れたか?」
レイジ「(コク)」
フラン「昨日は布団に入ってすぐ眠れたよ」
サヤカ「(・・・まさか、直前の出来事を忘れてる!?)」
どういうワケか、慧音の頭突きを食らった者全てが直前の出来事を忘れてしまっている。よって今初めて起きたと思っているようだ。真相を伝えるべきか伝えないでおくべきか困惑し、結局何も言えなかったサヤカであった。
~人里・北大通り出入口~
サヤカ「慧音さん、お世話になりました」
慧音「いいさ、困った時はお互い様だ」
フラン「朝ごはんおいしかった☆」
慧音「ああ、レイジと妹紅が手伝ってくれたのは助かったよ。あれだけの人数分は1人では大変だったからな」
魔理沙「料理出来たんだなお前ら」
レイジ「(コク)」
妹紅「慧音とは長い付き合いでな、里へ遊びに行ったりしてこいつの料理を手伝ってる内に段々出来るようになったのさ」
サヤカ「いいなぁ・・・」
魔理沙「サヤカが料理出来ないって知った時は笑っちまったぜ」
サヤカ「いいじゃないですか別に・・・。そう言う魔理沙さんはどうなんです」
魔理沙「あぁ、私は元々1人暮らしだからな、自炊くらい出来るぜ。キノコ限定だけどな」
サヤカ「ダメじゃないですか」
魔理沙「料理出来んヤツに言われたくはねーなw」
サヤカ「キノコ限定って栄養偏りまくりじゃないですか!」
魔理沙「諦めろ、ここは幻想郷だぜ?」
サヤカ「そう言って誤魔化せると思ったr」
慧音「はいはいケンカはやめるんだ、こんなところで争ってどうする」
サヤカ「あ・・・すいません」
慧音「わかればよろしい。・・・さて、君達はこれからどうするのかな?」
魔理沙「そういえばまだ決めてなかったな、どうしようか」
サヤカ「うーん・・・一旦紅魔館に戻りますか?今後の方針はそこで話し合いましょうよ」
魔理沙「ん~、まぁ特に今やらなきゃいけないことはないしそうするか。フラン、レイジ、お前らもそれでいいか?」
フラン「いいよー」
魔理沙「決まりだな。そいじゃ慧音、妹紅、ありがとなー」
慧音「機会があったらいつでも来てくれ」
フラン「せんせーありがとー!」
慧音「こちらこそ。また会おうな、待っているぞ」
サヤカ「ありがとうございましたー!」
慧音「・・・行ったか」
妹紅「サヤカにレイジ、フランドール・・・なかなか面白いヤツらだな」
慧音「あの子たちは将来、大物になるかもな」
妹紅「なに年寄りくさいこと言ってんだよ」
慧音「ふふ、教育者として生きているとつい、な」
妹紅「・・・」
慧音「彼らはきっと立派な大人になるさ。そんな気がする」
妹紅「・・・なぁ」
慧音「?」
妹紅「そろそろ教室を開く時間じゃないか?」
慧音「おっとそうだった、急がないと」
魔理沙「じゃ紅魔館へピチューンと飛んでいくか、乗れサヤカ」
サヤカ「はい・・・あっ」
魔理沙「?」
サヤカ「この箒の長さだと、レイジさん乗れませんよね」
魔理沙「あぁそうか、でもこの先は魔法の森だから歩いていくのもなぁ」
サヤカ「魔法の森?」
魔理沙「今目の前に見えてるだろ?あれのことさ。言い忘れてたけどあそこは人間には有毒な瘴気が蔓延してるんだ。私は長年住んでるから平気だが」
サヤカ「え・・・まさか、紅魔館のすぐ近くに広がってる森って」
魔理沙「魔法の森だぜ?」
フラン「今さらだけど2人ともよく無事だったね」
魔理沙「まぁサヤカはあん時お前らと別れてすぐに私と空へ上がったから何ともなかったが、レイジはどうだったんだ?」
フラン「うーん、特に何もなかったよ」
魔理沙「そうか・・・ん?そういえば少し変な感じだったって?おいおい大丈夫だったのか?」
レイジ「(コク)」
サヤカ「魔法の森の瘴気は即効性の毒じゃないようですね」
魔理沙「ああ、だからたまーにどこからか森に迷い込んだ人間が気付かないままぽっくり逝っちまった、なんてことがあるんだよ。私も何回かその死体を見たことがある」
サヤカ「どうしましょう・・・遠回りするとかなり時間掛かりますよね」
フラン「じゃ私がレイジを抱えて飛ぶよ」
魔理沙「出来るのか?片手は日傘で塞がってんのに」
フラン「私は吸血鬼だよ、レイジを運ぶくらい楽勝だよ!」
魔理沙「すっげーシュールな格好になりそうだな、まぁフランが大丈夫ってんならそれでいってみようぜ」
レン・アーティ「えっ」
魔法の森は、紅魔館と人里を隔てるような地形をしている。外周を回っていこうとすれば日が暮れてしまうだろう。早速空へと飛び立つ4人。
アーティ「ちょオイ!なに置いてってんのよ!」
レン「・・・ぶふっ、フランさんに運ばれるレイジさん・・・ふくくく」
アーティ「あーもう!レン!森ん中突っ切るわよ!瘴気がどうたら言ってたから全速力で行く!」
レン「はい・・・ふふっ・・・ふくくwww」
アーティ「笑ってる場合かっての」
~霧の湖~
魔理沙「さ~て、ここで少し休憩といくか、よいしょっと」
フラン「レイジどう?いつもと違った景色が見れたでしょ?」
レイジ「・・・(コク)」
魔理沙「手足がぶらーんとしてるレイジ見るとすっげー笑えて仕方なかったぜ」
サヤカ「あの、この辺りも瘴気が立ち込めているんじゃ・・・?」
魔理沙「あぁ、この辺りは開けてるから瘴気は薄いんだ。だからしばらくここにいても何ら問題はないぜ。でもここは日中は濃霧のせいで視界が悪くなる。紅魔館とは目と鼻の先だから、空からだと迷いやすいし見つけにくいんだ」
サヤカ「へえ」
そう言いながら手で水をすくい顔を洗う魔理沙。確かに周囲は濃霧で視界が悪く、空が見づらい。湖の向こう側も霧で見にくい。朝方でこの霧の濃さならば昼だとどうなるのだろうか。サヤカには検討が付かなかった。
魔理沙「まぁ一旦降りたのは単に私が顔洗いたかっただけなんだがな」
サヤカ「あぁ、そうなんですか・・・」
アーティ「っはぁっはぁっはぁっはぁ・・・あいつら・・・ちょっとはスピード落としなさいよ・・・」
レン「ふぅ、やっと追いつきましたね・・・今あそこで休憩してるみたいです」
アーティ「あそう、ならよかっtてもう出発しようとしてんじゃないの・・・」
一息ついたところで再出発しようとする一行。その時、魔理沙の目に2人の人影が映った。それはここに来れば高確率で会える人物。湖のほとりで並んで座っている。濃霧でシルエットしか見えないが魔理沙には誰なのかすぐに理解した。
魔理沙「(チルノに大妖精か・・・ん?)」
だがこの時はいつもと雰囲気が違っていた。魔理沙は自然に彼女達の方へ足を進める。
フラン「魔理沙?」
サヤカ「どうしたんですかいきなり方向転換して・・・ん?」
フラン「魔理沙ー?ん、なーにレイジ・・・あの先に誰かいるって?」
レイジが魔理沙の向かう先をフランとサヤカに教える。その後魔理沙の後をつけ始めた。魔理沙はその頃2人に声を掛けていた。
魔理沙「よお」
チルノ・大妖精「っ!」
魔理沙「そんな驚くこたぁねーだろ。・・・なんか元気ねーなお前ら」
大妖精「えっと・・・」
言おうとしたところで言葉が止まる。嫌なことでもあったのか、暗い表情だ。チルノに至っては両腕を抱えてうずくまっている。その様子から、只事ではないと推測できる。
魔理沙「・・・どうしたんだよチルノ、お前らしくもない」
チルノ「思い出させないでッ!」
魔理沙「な・・・何があったんだよ」
大妖精「実は、昨晩、怪物に襲われて・・・」
魔理沙「怪物?妖怪とかじゃないのか?」
大妖精「違います!あんなの・・・見たことない・・・」
はっきりと否定する大妖精。表情から恐怖の色が窺える。
大妖精「あの時、夜遅くまで遊んでて、帰りに私がチルノちゃん家に泊まることになったんです」
「今日はたくさん遊んだね~」「そうだねチルノちゃん」「もう夜なのね。大ちゃん、今日はあたいん家に泊まってく?」「えっそんな、悪いよチルノちゃん」「いいからいいから、もう夜だし、よい子は寝る時間!」「う、うん、じゃあお言葉に甘えて・・・」
大妖精「それでここに着いた時、湖の向こう側で何か騒いでるような声が聞こえたんです。こんな夜に何だろうって、私もチルノちゃんも思いました。夜は霧が晴れるので向こう側を目を凝らして見てみたら・・・」
「な、何あれ!?」「妖怪が妖精を襲ってる!?でも、なんか見たことない・・・!」「助けに行かなきゃ!」
大妖精「見たことのない怪物が、仲間の妖精達を襲っているのが見えたんです。違和感はあったけど、その時はあまり驚きはしませんでした。強暴な妖怪が妖精に襲い掛かるなんてことはたまにだけどあることだし、チルノちゃんがいればなんとかなると思ってたんです。でも、その時はいつもと違ってて・・・」
「う・・・!?」「た・・・食べてる・・・!?」「・・・よくも・・・よくもおっ!」「あっチルノちゃん!」
「何なのあいつ!弾幕が効かないし凍らせようとしてもすぐ割られちゃうよ!」「あんなの見たことない・・・!これって異変!?」「そうかもしれないけど知らないよ!あいつどうすんのさ!?」「今は・・・逃げるしか・・・」「そんなのやだッ!あたいは最強なのに、最強のあたいが、こんな怪物なんかに~!」
大妖精「悪夢のようでした・・・私たちの攻撃が全く効かなくて、私達を助けようとした仲間達もみんな怪物に食べられて・・・成す術もなく、私達は森の中を逃げ回るはめになってしまったんです。でもあいつはとてもすばしっこくて、すぐ追い詰められてしまって、もう駄目かと思った時、人が通りかかったんです」
魔理沙「人?人間か?」
「うう~~、このままじゃやられちゃうよ!」「ち、チルノちゃん、あ、あっちから何か来る・・・」「え・・・?」
大妖精「右腕が変な形になってたけど、紛れもなく人間でした・・・。私達は怪物から受ける恐怖のあまりその人も怪物の仲間なんじゃないかって、もう駄目だ、殺されるって思ってしまったんですよ。・・・でもその人、こっちには目もくれずに怪物を一撃で倒してしまったんです」
魔理沙「out of the 眼中か」
「うぉぉおおおおおおお!!」「ひっ・・・!」
ズバアッ!
「グアアアアアアアアアアアア!?」
大妖精「助かったと安心して、その人にお礼を言ったんです。でも無視されちゃって・・・」
チルノ「・・・あたいが名前聞こうとして無視してた」
魔理沙「無視?そいつとは離れてたのか?」
大妖精「いえ、近づいて話しかけました。・・・あ、そういえばあの人、何かを探して辺りを見回してたような・・・苦しそうな顔してたし、私達に気付いてなかったのかも」
魔理沙「・・・変なヤツだな」
大妖精「それだけならまだよかったんです。何回か声を掛けている内に、その人は突然呻き声を上げだして・・・」
「うぅ・・・ぐ・・・」「え・・・!?」「ぐぉおッお・・・・・うわああああああああああああああッッ!!!!!」「!?」「ぐぅううヴヴ・・・あああ゛ああ゛ォオオオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!」「う・・・あぁ・・・」「な、なんかバキボキいってる・・・」「う、うあぁ・・・あああああああ!」「あっチルノちゃん!」
「ゴォオオオアアアアアアアアアアア!」
大妖精「ものすごい叫び声を上げながらその人の体がものすごいことになって、私達びっくりして・・・」
魔理沙「お前らよく無事だったな」
大妖精「すぐに逃げたから追いかけられることはなかったけれど・・・」
魔理沙「サヤカ、こいつの言う「人間」に心当たりはないか?」
サヤカ「うーん・・・・・・」
魔理沙「レイジは何か知ってるか?」
レイジ「(コク)」
魔理沙「お、知ってんのか、そいつは何モンなんだ?」
レン、そして黒いハンニバルとの感応現象でその人物の動向を知っているのでうなずかないワケにはいかない。レイジはその人物について説明した。
サヤカ「リンドウさん・・・!?本当に!?」
レイジ「(コク)」
魔理沙「マジかよ・・・本当に人間がアラガミになるなんてことが・・・。しかもお前らの上司だなんて・・・」
アーティ「アラガミと感応現象だなんて聞いたことないわよ」
フラン「へー、最近は人間も変身できるんだね」
魔理沙「いや、それはない」
大妖精「な、なんかまずい感じですか・・・?」
魔理沙「あぁまずいな、ひとまず紅魔館へ行こう。そこで対策なり何なり考えていこうぜ。チルノと大妖精も来い」
大妖精「そうします」
チルノ「よくわからないけど、あいつをムッコロス作戦会議をするのね?行く行く!」
フラン「じゃ早速行こっか、れっつごー!」
レイジ「(グイッ)!」
ここから紅魔館はすぐそこといった距離なので徒歩で行くことになった。しかしフランがレイジを勝手に抱えて飛び出したため他のメンバーは走ることになってしまったが、運ばれるレイジの格好のシュールさに大妖精や、特にチルノの表情に明るさが戻り、普段の元気さを取り戻していた。レイジはフランに抱えられている自分の姿がそんなにおかしいのか不満に思うが雰囲気を悪くするのもいけないので黙ることに。
~紅魔館・エントランス~
アーティ「あのさぁ・・・」
サヤカ「あー・・・どうしましょう、この状況」
魔理沙「こいつら・・・」
紅魔館に帰還して約数十秒後、
フラン レミリア レイジ
↓ ↓ ↓
三(ノ^ワ^)ノ 三г(#゚Д゚)」 三г(; _ )」
こんな状態になっていた。レミリアがレイジを追い回し、フランが面白がって2人の後を追うという形になっている。
レミリア「レイジ!!フランをそんな所へ連れて行くだなんて!一体何を考えてるのよ!?」
レイジ「・・・!???」←何故追いかけられているのかわかっていない
魔理沙「はぁ・・・もうあいつらほっといて今後の相談といくか?・・・咲夜はいないのか?仕事中か?」
咲夜「呼んだかしら?」
魔理沙「うおっ、相変わらず神出鬼没だな」
咲夜「こうでもしないと、仕事の全部をやってられないから」
魔理沙「・・・でさ、あいつらしばらく止まりそうにないから私らだけで今後の相談をしたいんだが」
咲夜「?何の話?」
魔理沙「あぁつまりだ、ちょっと皆に知らせたいことがあってな。ここじゃ何だしどこかでゆっくりと話をしたいんだが」
咲夜「わかったわ」
魔理沙「とはいえ肝心の
サヤカ「私一応レイジさんの言ってたこと覚えてますよ。それにこの子達もいることですし」
チルノ「早く作戦会議しよーよ!」
咲夜「あら、なんであなた達がここに?」
魔理沙「こいつらは重要な情報を持つキーパーソンだ。詳しい説明する時に必要だと思ってな」
咲夜「なるほど・・・じゃ私について来て。談話室へ案内するわ」
魔理沙「あぁそれと、パチュリーも呼んどいてくれ。~~~・・・」
一方でレイジはレミリアに追い回され紅魔館中を走り回っていた。いくら身体能力が普通の人間より高い神機使いでも、ずっと走っていればいずれバテる。3階の廊下にて、息が切れ始めたところをレミリアに押し倒される形で取り押さえられた。フランは自分達を見失ったようで近くにいない。最初は冗談か何かと思っていたがレミリアは本気で怒っているようで一気に空気が張りつめたものとなっていく。
レミリア「やっと捕まえた・・・まったく、手こずらせてくれる」
レイジ「っ・・・」
レミリア「白玉楼での出来事はまぁいいわ・・・私が行けと言ったしね。でも問題はその後よ」
レイジ「・・・」
レミリア「なんで人里へ行ったワケ!?あなたも少なからず妖怪という言葉と、人間との関係くらい知ってるでしょ!?」
レイジ「・・・」
レミリア「幻想郷のルールではね、人間は妖怪を恐れ、驚異になると判断された妖怪は退治しなければならないの!人里には霊夢には遠く及ばないけど妖怪退治の専門家がいるのよ!フランならやられることはないだろうけど、そもそも人里へあの子を連れていくことに抵抗を感じなかったの!?下手をすればあなたも妖怪と見なされていたかもしれないのに!」
押し倒されたレイジの肩を握り締めながらレミリアが叱責する。だが今幻想郷のルールがどうと言われても困る。確かに自分に非はあるだろうし慧音もフランを心配した様子を見せていた。今思えばレミリアにとっては目が飛び出るようなことだろう。とはいえ恐れることがルールというのは少し矛盾がある気がする。後から遅れてフランがレミリアの後方から現れるが、その場の雰囲気を感じたのか笑顔が消えていった。
レミリア「今あなたしかいないから言えることだけど、あの子を地下に閉じ込めた理由はもう1つあるのよ。それは人間の「恐れ」を見せたくなかったから。あれは私達妖怪にとって人間の最も「恐い」ところ・・・。妖怪はね、肉体的には人間より強いけど、逆にメンタル面では弱い傾向にあるの。あの子は特にデリケートだから外に出すワケにはいかなかった」
レイジ「・・・」
レミリア「最近あの子に明るさが見え始めていたし、親しくしているあなたがついていれば心配はいらないかもって、あなたを信用してあの子の外出を許可したのに!それをあなたは――――!」
フラン「・・・やっぱり、そういうことだったんだね」
レミリア「フラン・・・!?」
レミリアの言葉を遮って介入するフラン。レミリアがいつの間にと思い振り返ると、眼前にフランの開いた右手を突き付けられていた。
フラン「・・・お姉さま、私は今、あなたを無性にぶち壊したい。そんな理由で495年も閉じ込められたんだと思ったら、閉じ込められた当初の頃の恨みが一気にこみ上げてきた」
レイジ「・・・!」
レミリア「・・・私にはこうするしか・・・出来なかったのよ」
フラン「不器用だね。本当に・・・」
レミリア「・・・やめなさい、その手を下r」
フラン「・・・ははっ本気で思ってたの?壊さないよ」
フランが手を下ろす。まさかと思っていたレイジの肩から力が抜けていった。
フラン「お姉さまはレイジが私を人里へ連れてったことに怒ってるみたいだけど、心配いらないよ。実は里にアラガミが入ってきて騒ぎを起こしてね、その時レイジ達と一緒に里を守ったらそこの人間にお礼言われちゃったんだ。それに「またいつでも来ていい」って言われたの。もちろん私の正体を知って驚く人もいたよ」
レミリア「・・・辛く、なかった?」
フラン「そりゃあ嫌な気分だったよ。でも仕方ないじゃん?自分より強い相手が目の前にいたら、後ずさりそうになるでしょ?そう思ったら気が楽になった」
レイジ「・・・」
フラン「とにかく、レイジをそう怒らないでほしいな。レイジは何も知らなかったんだし」
レミリア「・・・そうだとしても、非常識だわ。あなたのような危ない能力を持っt」
ギュッ!
突然右手をレミリアの眼前で握り締めるフラン。一瞬戦慄が走るが、壊れたのは付近にあった照明用の蝋燭だった。
フラン「いつまでもあの頃のままってワケじゃ、ないんだよ?私、人里で戦ってた時に思ったの。この能力は、大切な人を守るために使おうって」
レミリア「・・・!」
フラン「今までこの力をどうやって使えばいいのかわからなかった。色々試してみても、返ってみんなの迷惑にしかならなかったからどんどんわからなくなって・・・。でもようやくわかったの!私は守るために破壊する!この幻想郷を、紅魔館のみんなを、人里のみんなを、レイジを、危険から守るために!」
レミリア「・・・言うようになったわね、フラン」
フラン「私だって、学習能力くらいあるよ」
レミリア「・・・レイジ」
レイジ「?」
レミリア「今回はフランに免じて許してあげる。ただし、次はないわよ」
レイジ「・・・(コク)」
レミリア「・・・ところで」
レイジ「?」
レミリア「他の皆は・・・どこへ行ったの?」
レイジ「・・・」
2012, 4/23での出来事
作「今日さ、デパートで電撃プレステ読んだんだよ」
弟「ふーん」
作「期待の新作ランキングってあるじゃない」
弟「(コク)」
作「ゴッドイーター2がさ、確か25位くらいでランクインしてたんだよ」
弟「なんてびみょーな・・・」
作「もう4ヶ月以上情報がない状況でも、待っている人がたくさんいるんだって改めて知ったね」
弟「・・・それで?」
作「あ?」
弟「・・・それで?」
作「・・・そんだけだけど」
弟「あそ」