それではどうぞ。
ヤマメ「いたた…あんた、人間のわりにはやるじゃないか」
レイジは拘束を解き、ヤマメはゆっくり起き上がりながらつぶやく。
ヤマメ「さてと…あんたはこれからどうするつもりなんだい?…出口はどこかって?ああそれならキスメに任せなよ。この先に地下街があるんだ。今日はそこで一服していきなよ。私なんか疲れたし、あんたももっとここについて知りたいだろ?」
三人はお言葉に甘えて、案内をお願いすることにした。再び一行は迷路のような道を進んでいく。
キスメ「なんで私はこんな役回りなの…」
ヤマメ「私説明めんどいから」
キスメ「私ェ…」
十分くらい歩き続けた後、一行は広い空間に出た。ヤマメ達と会った場所よりも遥かに広大で、江戸時代の街並みのような風景が視界いっぱいに広がっていた。ヤマメの説明によれば、地底にあるので、一部分を除き日光が当たらないためほぼ常に夜の状態であるらしい。
ヤマメ「着いたよ、ここが地下街だ。今日はとりあえず私の友人のいる宿に行くとしようか」
キスメ「こっちですよー」
レン「すごいですね…ほとんど日本の江戸時代の街並みみたいです」
ちらほらと建物の中から妖怪達が楽しそうに宴会をしているのが見える。その様子がレイジ達にはとても美しく、羨ましく見えた。
街を歩き始めて間もなく、
キスメ「到着!」
ヤマメ「おーす、勇儀~いるかい?ってまだ宴会やってたの!?昼からやってたよね!?」
昼から宴会をしていたため、その場にいたほとんどの者達は酔いつぶれ、ダウンしていた。しかし一人だけピンピンしている人物が一人。彼女が星熊勇儀である。
勇儀「ははは、酒が無くなるまでが宴会さ!あんたも飲んでくかい?…ん、後ろにいるのは誰だ?」
ヤマメ「ああ、こいつは外来人だよ、なんでここに迷い込んだか知らないけど。ただの人間だったら追い払ってたとこだったけど、なかなか強いからここに連れてきても大丈夫だと思ってね。名前は…なんだっけ(神機使い返答中…)そうそう、戌亥レイジだ」
勇儀「ふうん…強いのか」
ヤマメ「(げッ!しまった!こいつは…!)」
勇儀「よし!レイジ!宴会が終わったら表で待ってな!私と一勝負しようじゃないか!あと、準備運動忘れんなよ!」
レイジ「…」
アーティ「ねぇ…ここには出会ったら即バトルってヤツしかいないのかしら」
レン「さあ…」
ヤマメ「レイジ…あいつは鬼だから、妖怪よりも遥かに強い力を持ってる。でも悪気はないんだ、許してやっておくれ。・・・気をつけなよ」
レイジ「…」
あまりに唐突だったため、断ろうにも断れず、ヤマメもなぜか勇儀と決闘すること前提で話しかけてくるので、仕方なく外で「準備運動」をすることにした。
神機使い運動中…
レイジは相手が鬼ということで生半可な戦い方では自分に何が起こるかわからないと思い、レン、アーティと共同で運動することにした。その内容とは、まずレイジを挟むようにレンとアーティが立つ。そして二人は全力で神機でレイジを攻撃。それを避け続けるというかなり危険な準備運動である。
レン「準備運動なのになんでこんなことしなきゃならないんですか…」
アーティ「さあね。相手が鬼だからじゃない?」
レン「それにしてもこの「準備運動」、危険すぎやしませんか?僕としてはもう止めたいんですけど…」
アーティ「あら、あたし達はいつもアラガミと命のやりとりをしてるのよ?それなのにあんたは
レン「上手いことを言ったつもりですか…。こんな時にボケたって何も面白くありませんよ…」
アーティ「そこはノリなさいよ」
ヤマメ「なんかレイジのヤツ、すごい動きだね…」
キスメ「それになんだかキレがあって綺麗に見えます。あれを見てると私達が負けたことに納得できそう」
ヤマメ「私はあんま認めたくないんだけどねぇ…」
アーティ「ゆ~れる ま~わる 振れる 切な~い気持ち~(棒)」
そして、決闘の時は訪れた。決闘と聞いてやってきた妖怪達がたくさん集まっており、二人の決闘の開始を今か今かと待っている。それから間もなく宿の中から颯爽と勇儀が現れ、妖怪達から声援が送られる。しかし、なぜか彼女の手には宴会で使っていた杯が。レイジは疑問に思い、なぜなのか聞いてみると、
勇儀「ああ、これかい?いやなに、私は鬼だからさ、普通に戦うとすぐ私が勝っちまうんだよ。そこでハンデとして杯から酒を一滴もこぼさずに戦うルールを自分に課してるワケさ」
なるほど、と感嘆の表情を見せるレイジ。
勇儀「さあてお喋りはここまでだ、試合開始だ!」
その時。
「グアアアアアアアアア!!」
全員「!?」
咆哮が響いた方向を見ると、なんと無数のオウガテイルが地下街を襲っているのが見えた。妖怪達は追い払おうと応戦するが・・・
妖怪「な、なんだこいつrぎゃああああ!」
妖怪「攻撃が効かnがぁッ!!」
妖怪「馬鹿な!ヴゾダドンドkぐあああああ!」
アラガミは今のところ神機か同じアラガミの攻撃しか通用しないことがわかっている。よって妖怪達の攻撃は跳ね返され、オウガテイル達は次々と妖怪達を喰らっていく。
アーティ「アラガミがなんでこんなとこにまで…いくわよ二人とも!」
レン「はい!ここを全力で守りましょう!」
レイジ達三人はオウガテイルの群れの中に飛び込む。
勇儀「あっおい!…まったく、せっかく面白くなるとこだったのに。怪物ども!決闘は大人しく鑑賞するのがマナーってもんだよ!」
勇儀も負けじと群れに向かって走る。
キスメ「ヤマメちゃん、ddどうしよう…」
ヤマメ「落ち着け!とりあえず逃げ遅れたヤツを探して安全なとこに避難するよ!」
たとえ旧地獄でもそこの住人は地上と大差なく平和に暮らしている・・・と言う光景も、幻想郷ならありえそう。幻想郷は常識に囚われない世界だから。