東方神喰者   作:wing

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皆さん、おはこんばちは、wingです。今回はvs支部長以上に盛り上がるあのシーンだよ!原作知らない人は読むのをあまりおすすめしないよ!ちょっとアレンジしてみたけど、もろネタバレだからね!マタシャベッt(殴)

弟「やかましい」


Mission 28 堕ちた信念、購う人間、正すべく奔走する人妖、届かぬ言葉、迫られる決断、それは変えられぬ血塗られた運命か

~紅魔館~

 

 

サヤカ「・・・」

 

魔理沙「・・・」

 

レミリア「・・・」

 

 

レイジが突然気絶した後、フランは彼を急いで運んで紅魔館へ。その途中で偶然サヤカと魔理沙に鉢合わせ、共に紅魔館へ帰還。現在は2階にある、サヤカ達が泊まった事のある部屋である来客用寝室のベッドに彼を寝かせ、様子を見ている状態である。

 

 

フラン「レイジ・・・」

 

 

心配そうにフランはレイジの傍で屈み、彼を見つめる。対してサヤカ達は複雑そうな表情をしている。

 

 

魔理沙「・・・レイジを目の届く所に連れて来れたのはいいが・・・面倒なことになったぜ」

 

サヤカ「ユーバーセンスの使いすぎ・・・かなり必死にリンドウさんを探し回っていたんですね。すごく汗掻いてましたし」

 

レミリア「これで少しでも運命が変わってくれればいいなと思っていたけれど・・・今のままじゃまだ変わらなさそうね」

 

魔理沙「マジかよ・・・なんかムカつくぜ、私らじゃ足手纏いだってのかよ」

 

サヤカ「・・・それはないと思います」

 

魔理沙「あ?」

 

サヤカ「多分、責任を感じているのかもしれません。今回の異変の元凶は私達ですから」

 

魔理沙「いや確かにお前らが元凶かもしれないけどさ、私が気に食わないのは、私らはそんなことで一々怒らないし解決の手伝いをしてやるっつってんのに、こいつが1人で相談もなしに無茶しようとしてるってことなんだよ」

 

レミリア「幻想郷(ここ)で勝手に無茶されて勝手に死なれたら、あなたも元の世界にいるお仲間も、私達もいい気分はしないでしょう?」

 

サヤカ「そうですね・・・」

 

レミリア「・・・もう夕方・・・日が沈みかけているわね。そろそろ夕食の時間かしら」

 

サヤカ「早いものですね、レイジさんを探して色々飛び回ってたからでしょうか」

 

魔理沙「なぁ、飯食うんならこいつ(レイジ)はどうする?あまり疑いたくはないが、もし起きたら勝手にここから抜け出すかもしれないぜ」

 

フラン「私が見てる。まだお腹空いてないから」

 

 

レイジを見つめたまま呟くようにフランが口を開く。その表情は真剣そのもの。

 

 

レミリア「・・・なら、お願いするわね」

 

魔理沙「私らもちょくちょく様子を見に行くから、腹減ったらいつでも言ってくれ」

 

フラン「うん、行ってらっしゃーい」

 

 

ギィ・・・バタン

 

 

フラン「・・・お気に入りだもん、絶対放さないんだから」

 

 

 

 

 

 

 

~食堂~

 

 

魔理沙「・・・(もぐもぐ)」

 

サヤカ「・・・(もぐもぐ)」

 

魔理沙「・・・なんか落ち着かない気分だ」

 

サヤカ「私もです。食事中くらい切り替えていきたいとこなんですけどね・・・」

 

魔理沙「なんかこう、早く食事うぉふまへたいひふんわ(もぐもぐ)」

 

サヤカ「・・・可能性があるってだけならまだ気楽にいられたんでしょうけど・・・」

 

魔理沙「(ゴクン)運命で確定してるってのが厄介だぜ」

 

サヤカ「そういえばフランちゃんって何でも壊せるそうですよね。運命もその範囲内なんですか?」

 

魔理沙「知らね。今思えば抽象的なんだよなあいつの能力・・・ま出来ないってことはないんじゃね?」

 

サヤカ「運命を破壊・・・なんかカッコいいですね」

 

魔理沙「・・・まぁ、そうだな」

 

 

レミリア「・・・」

 

 

 

夕食後サヤカと魔理沙は真っ直ぐ寝室へ。レイジの様子はどうか見に行くが、彼はまだ目が覚めていない。

 

 

サヤカ「ご飯はまだいいですか?」

 

フラン「レイジが起きたら食べる」

 

魔理沙「あんま根詰めすぎんなよ?」

 

 

夜―――

 

 

サヤカ「じゃフランちゃん、私達はそろそろ寝ますね」

 

魔理沙「寝不足な状態で緊急事態になられてもアレだからな」

 

フラン「うん」

 

魔理沙「レイジのヤツまだ起きないのか、遅いな」

 

サヤカ「疲れれば誰でもこれぐらいは寝ちゃうものですよ」

 

魔理沙「見たところ問題はなさそうだがな・・・まあいい、先に寝るぜ。おやすみ」

 

サヤカ「おやすみなさい」

 

フラン「おやすみ~。・・・ふぁ・・・ダメ、まだ起きてなくちゃ」

 

 

 

深夜3時。その時にレイジはようやく目を覚ます。見慣れた天井、暗くなっている部屋。今は夜で、ここが紅魔館であることを悟る。起き上がるとベッドに突っ伏して眠っているフランが目に入る。起きるのをずっと待っていたのだろうか。きっとここまで運んでさらに自分の容体を心配してくれていたのだろう。夜に活発になる吸血鬼がこんな夜更けに眠ってしまっているのだ、見ただけですぐに理解出来る。しかし眠るにはあまりいい体勢とはいえない。レイジはベッドから出てフランをベッドに寝かせ、毛布を掛ける。次に周囲を見渡すと、魔理沙やサヤカ、レン、アーティが近くのベッドで眠っているのが見える。時計を見れば3時。周りは静寂に包まれている。部屋の外に出ると蝋燭の火による暖色系の明かりがほの暗く廊下を照らしている。窓を開け窓枠にもたれて、外を眺める。天気は良好で月も出ているが外の景色はここよりも暗い。少しの明かりがある門付近が比較的見やすいだろう。屋敷外となってくるとほぼ完全に何も見えない、闇の空間。不用意にそこへ入ると出れなくなってしまいそうな、そんな気がする。

 

 

レミリア「目が覚めたのね」

 

 

背後からレミリアに声を掛けられた。足音も何もなかったはずだが、確かにそこにいる。

 

 

レミリア「かなり忙しなく色んな所を探し回っていたそうじゃない、もう体調は大丈夫なの?」

 

レイジ「・・・(コク)」

 

レミリア「・・・そう」

 

 

静かで断続的な会話。レイジは窓の外を眺めたまま物思いに耽っているように見える。そんな彼に来る次の一言は、非常に返答し辛いものだった。

 

 

レミリア「・・・あなたはこれからどうするの?」

 

レイジ「・・・」

 

 

正直なところ、早くリンドウを助けに行きたい気持ちで一杯であるレイジ。感応現象で見たところだと、まだリンドウには自我が残っており完全にアラガミ化していない。しかしそれもいつまで持つか――――この1晩を逃したらいけないような気がしてならないのだ。

 

 

レミリア「・・・動きたくて仕方なさそうね。助けに行きたいのでしょう?あの人間を。でもどうやって?」

 

 

考えてることが体に出ていたらしい。その上どう助けるのかはまだ思いついていない。そもそも元の世界でもアラガミ化から救い出す方法は未だ見つかってない。・・・答えられない。

 

 

レミリア「私、気付いたのよ。今って、迂闊に外を歩き回ったら危ない状況でしょ?あなたはあの人間を見つけた時のためになるべく私達に被害が及ばないようにと思い、今の状況を利用して私達をここに留まらせ、そいつを見つけ次第フランも屋敷に帰らせてから1人で助けに行く・・・そういうハラだったんじゃないかしら」

 

レイジ「・・・」

 

 

レイジは何も反応しない。振り返らずただ窓の外の方を向いている。

 

 

レミリア「・・・やはり、否定しないのね」

 

 

やはりということはこちらの考えは既に筒抜けているということか。あのタイミングでここに現れるという時点でもう疑われていたのだろう。ならば言い逃れは出来まいと思い、レイジは窓枠にもたれるのをやめて1階へ降りようとしたその時、

 

 

レミリア「・・・どこへ行くつもり?」

 

レイジ「・・・」

 

レミリア「答えなさい。まさかトイレというワケではないでしょう?」

 

 

レミリアが目の前で腕を広げて立ちはだかる。2人の身長差は大きいが、通せんぼするのに彼女の翼は横をカバーするのに十分だった。

 

 

レイジ「・・・」

 

レミリア「答えなさい!」

 

 

声を荒げるくらいならもうわかっているはず。なのになぜ再三確認しようとするのか。言ったところでその次の行動は目に見えている。渋々レイジは口を開いた。そこからのレミリアの反応は大体予想通りだった。

 

 

 

 

パァン!

 

 

 

レミリア「・・・ふざけないで」

 

 

レイジ「・・・」

 

 

左の頬をぶたれ顔が右へ反れる。顔の位置を戻そうとは思わずそのままの状態で立ち尽くす。するとレイジの背後から声が聞こえてきた。

 

 

フラン「・・・え・・・?」

 

 

 

~数分前・寝室~

 

 

フラン「・・・ん~、いつのまにか眠っちゃった・・・あれ?」

 

 

いつの間にか眠ってしまったフランが目を覚ます。しかし姿勢に違和感が。ベッドに横たわっており、毛布も掛けられている。このベッドはレイジが寝ていt――――いない!

 

 

フラン「ああっ・・・しまった・・・!!」

 

 

彼の面倒を見る途中、背後でサヤカや魔理沙、レミリアの話を聞いていた時フランはレイジの真意を知る。しかしうとうとして眠っている間に抜け出されたと皆が知ったら―――フランは焦り、ドアを飛び出した。今は深夜の3時過ぎ。人間ならとうに寝ている時間。抜け出されたとすればもっと前の時間かもしれない。自分が見ていると言っておきながらこんな(バカ)をするなんて、と悔恨の気持ちで一杯になる。

 

 

~紅魔館2F・廊下~

 

 

フラン「(バンッ)レイジ!」

 

 

 

パァン!

 

 

 

レミリア「・・・ふざけないで」

 

 

レイジ「・・・」

 

 

幸いにもレイジは寝室を出てすぐの所にいた。しかしいきなりレイジがぶたれている時に来たため驚きで言葉を失う。

 

 

フラン「・・・え・・・?」

 

 

レミリア「・・・」

 

レイジ「・・・」

 

 

レミリアは睨みつけるようにレイジを見つめ、レイジはそっぽを向いたまま立ち尽くしている。

 

 

フラン「え・・・」

 

レミリア「・・・大体予想は付くでしょ」

 

フラン「・・・まさか」

 

 

そのまさかだと言うかのようにレミリアはうなずきを返す。その瞬間フランは内から一気に湧き上がる感情に任せレイジの後ろからしがみついた。

 

 

フラン「ダメッ!」

 

レイジ「!」

 

フラン「1人ぼっちはいけないよ!1人ぼっちは辛いんだよ!?1人ぼっちは・・・寂しいよ・・・」

 

レイジ「・・・」

 

 

ずっと1人だったフランだからこそ、その言葉は重かった。実際に経験しているからだ。

 

 

フラン「あなたは私のお気に入りなの!お気に入りは勝手にいなくならない、勝手に遠くに行かない!いつだって傍にいるものなの!あなたは人間・・・人間ってとても脆いから、だから、1人で遠くに行ったら・・・壊れちゃうよ・・・」

 

 

人間の脆さも自身の能力により否応なしに、十二分に思い知らされているフラン。レイジは彼女の言葉に瞬間、心が揺れる。

 

 

レミリア「(運命が不安定になりかけている・・・目に見えないものすら壊せるとは、流石ね)」

 

フラン「お願い・・・1人は、ダメ・・・!」

 

レイジ「・・・・・・」

 

 

これでどうにか運命を修正出来れば完璧だ。レミリアはレイジの間違った行動を止めるべく彼に語り掛ける。

 

 

レミリア「・・・これでもなお、あなたは必要のない危険を冒してまで1人で行こうとするの?

 

 

 

レイジの表情に迷いの色が浮かび始めた。いける。このままいけば安全な道に―――そう思ったその時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズン・・・ズン・・・ズン・・・

 

 

 

 

 

ズン・・・ズン・・・ズン・・・

 

 

 

 

 

ズン、ズ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人「・・・?」

 

 

 

何かの足音。明らかに人のものではない。どこかで立ち止まったようだ。3人とも気になって窓の外を覗く。ここの窓はあまり大きくない。よって自然と1人で1つずつの窓から覗くこととなった。

 

門はなぜか開いている。また美鈴がうたた寝しているのだろう。アラガミが至近距離にいるというのに起きていない。

 

 

フラン「・・・あれって・・・!?」

 

 

ただし1体のみ。そのアラガミは開いた門前からこちらを見つめているように見えた。体は全体的に黒い。前傾姿勢で、竜を髣髴させるフォルム。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――ゾッ

 

レミリア「―――――!!!」

 

 

体中に一気に緊張が走った。この時運命が一瞬で結束、より強固なものになったのを悟る。そこにいるのは、黒いハンニバル(雨宮リンドウ)。元は人間だった者。そして――――レイジを破滅へ導く原因。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時、夜遅くまで遊んでて、帰りに私がチルノちゃん家に泊まることになったんです  追い詰められてしまって、もう駄目かと思った時、人が通りかかったんです  右腕が変な形になってたけど、紛れもなく人間でした  あの人、何かを探して辺りを見回してたような  しかもお前らの上司だなんて・・・  まともに戦えるのは、フランとかの一部を除いてサヤカとレイジの2人くらい  ねぇレイジ、紅魔館が最初に襲われた時、確かあなたはすぐ近くにいたでしょ?襲撃の直後、どこにいたの?門の近くとか?  レミィ、あなたはその答えを知っているの?  なんだか嫌な予感がする  様子を見に行かないと・・・  大丈夫だよ、レイジがしっかり守ってくれるさ 実際こうして無事に帰ってきたじゃんか  アラガミどもが何を企んでいるのかは知らないけれど、遅かれ早かれ幻想郷を喰らい尽くそうとしているんでしょう?氷精達が遭った例外もあるし・・・  そう。私が思うにあまり時間に余裕はないかもしれない  誰のせいだと思ってるのよ  で、結局どうすんだよ?レイジだけで探しに行かせるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「ダメッ!!レイジぃ――――――!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア自身にとってのみならば別にあのアラガミは大した脅威ではなく、恐怖の対象ではない。戦わなければならないなら戦う、負ける気はない。しかしあれはレイジとサヤカの上司であるためそう簡単に手を出せない。その上レイジに対しかなり危険な因子を持っているため放置も出来ない。きっと今にもレイジはここを飛び出そうとするだろう。黒いハンニバルを見て一瞬で浮かんだ予想は気持ち悪いくらいに的中、既にレイジは窓から飛び降りており着地時にローリングをしているところだった。このままではあの運命へまっしぐらだ。柄にもなく大声を上げて制止を呼びかけるレミリア。レイジは無視して走り続ける。

 

 

レミリア「ったく!フラン、レイジを追うわよ!」

 

フラン「わかってる!」

 

 

今からならまだ間に合う。レミリアとフランは一斉に窓から飛び出しレイジを追う。2人は飛べるので真っ直ぐ彼の元へ飛行する。黒いハンニバルはレイジが向かって来ているのに気付くと身を翻してどこかへ走り出す。レイジはそれを追い、さらに彼をレミリアとフランが追いかける。しかし彼女らが門を出た次の瞬間、

 

 

ザザザッ!

 

 

フラン「!?」

 

レミリア「アラガミ!?・・・ええいこんな時に!」

 

 

まるでタイミングを見計らったかのように、レイジを追う邪魔をするかのようにアラガミの群れが突如湧いて出てきた。迷っている暇はない。突破して追跡を再開するまでだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィーナス「駄~目~だァよォ~ww男の決意を曲げるようなことしちゃwwwお前らがいるべき場所は客席だよォ~w」

 

「ガアー(大将、セリフに草生えてるせいで完全にシリアスキラーっス)」

 

「グアー(安定の傍観タイムっスね)」

 

ヴィーナス「シリアスキラーなのは今に始まったことじゃないだろ?wそれにこういうボスキャラがいたっていいじゃないかって作者の野郎が言ってたしwww」

 

オウガテイル「メメタァ・・・」

 

「ウガ(メタいっス大将)」

 

「グルゥ(読者を代表してちょっとあのふざけた作者シメてきやス)」

 

ヴィーナス「てらーw」

 

「ガウ(あの、大将)」

 

ヴィーナス「あ?」

 

「ガルゥ、グル(今あそこで足止めされてるょぅι゛ょ2人、どえらい強さでっせ。あのガキ追うのに必死になってるみたいで、いつの間にか足止め班壊滅しそうっスよ)」

 

ヴィーナス「・・・WOW, もうあんなに減らしたのか。さっすが吸血鬼だねぇ、駄菓子菓子(だがしかし)

 

 

 

 

 

 

ザザザッ!

 

 

 

フラン「増えた!?」

 

レミリア「鬱陶しい!」

 

 

 

 

 

 

ヴィーナス「ここ最近あたしにも能力が発現したようでねぇ。いつでも自在にアラガミを生み出し、使役する「アラガミを操る程度の能力」・・・カゴメカゴメから、吸血鬼の足止めまで大体何でも可能な射撃万能機ってワケよ♪」

 

「グル~(それメインから特格まで支援(アシスト)だけの他力本願射撃機じゃないですかーやだー)」

 

ヴィーナス「部下を使役し、相手を瓦解させる・・・なんてスマートなんだ☆」

 

「ガウ(お言葉スけど大将、おらァスマートな大将なんて想像できねっス)」

 

ヴィーナス「・・・喰らうぞテメェ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~紅魔館2F・寝室~

 

 

サヤカ「(・・・?なんか騒がしい・・・)」

 

 

外がなんだか騒がしい。しかしなんとなく予想は付いていた。サヤカは体を起こし、レイジが寝ていたベッドを見る。

 

 

サヤカ「(やっぱり!全くもう・・・あれ、フランちゃんもいない?)」

 

 

フランもいないということに疑問を抱きつつ急いで支度を済ませ、神機を持ち部屋の外へ。まずは外で何が起こっているのか確認するために窓から様子を伺う。門前でアラガミが暴れているのが見える。

 

 

サヤカ「(・・・!レミリアさんとフランちゃんが戦ってる!紅魔館を守っているのかな・・・)」

 

 

もしものことを思って夜通し起きていたのだろうか。いや、ただ単に吸血鬼は夜を好む故に遅くまで起きていただけかもしれない。ひとまず2人の援護に向かうことにする。

 

 

 

 

フラン「う~っ倒しても倒しても全然数が減らない!」

 

レミリア「このっ邪魔だと言ってるのに!」

 

 

サヤカ「お2人とも!加勢します!」

 

フラン「サヤカ!」

 

レミリア「キリがない・・・仕方ない、サヤカ!フラン!先に行ってレイジを追いなさい!ここは私が引き受ける!」

 

サヤカ「えっそんn」

 

 

レミリア「 迷ってたら手遅れになるわよ!! 」

 

 

フラン「・・・わかった。サヤカ、行こう」

 

サヤカ「・・・レミリアさん、どうかご無事で!」

 

レミリア「喋ってる暇があるなら早く行きなさい!」

 

 

この場をレミリアに任せ、サヤカとフランはアラガミの群れの中を強行突破する。レミリアは2人が行ったのを確認すると、一旦後方へステップし、一息つく。

 

 

レミリア「・・・レイジを縛る下らない宿命を、絶対にぶち壊してくるのよ・・・。ほら、美鈴、起きなさい」

 

美鈴「・・・はっ!寝てません!寝てませんyってうわあ!?なんですかこの状況!?」

 

レミリア「・・・見ればわかるでしょ」

 

美鈴「・・・はい(・ω・`)」

 

レミリア「今は怒る気になれない。だから後で覚えておきなさい」

 

美鈴「・・・すみません(´・ω・)」

 

レミリア「・・・さ、いきましょ」

 

美鈴「はい!(`・ω・´)」

 

 

 

再び紅魔館の寝室。今度はアーティが目を覚ました。

 

 

アーティ「ん~・・・(なんか騒々しい・・・ま想像は付くけどさ)」

 

 

体を起こしレイジが寝ていたベッドを見る。そこに彼の姿はない。

 

 

アーティ「・・・(ま、こうなるわよね。1度決めたらすぐには折れない・・・変わらないわね、昔っから。ホント、ワケのわからないヤツよ)」

 

 

だがこのまま動かないワケにはいかない。大方外ではレミリア辺りがレイジを追おうとするもアラガミの邪魔でも入って進めない状況なのだろう。外の騒々しさで大体わかる。レンも連れて行こうと彼の寝るベッドの方へ向くと―――

 

 

アーティ「は!?」

 

 

いない。毛布をめくってみるがやはりいない。

 

 

アーティ「チッ・・・!呑気に寝てる場合じゃなかったわまったく!」

 

 

文句を言いつつアーティも神機を携え部屋を後にした。

 

 

 

~サヤカside~

 

 

森の中をひた走る。どうにか視界ギリギリの所にレイジの後姿を捉えているため止まるワケにはいかない。それに幻想郷の森は大部分が魔法の森。長居は禁物だ。

 

 

フラン「・・・あんなに必死なお姉さま初めて見たかも」

 

サヤカ「そうなんですかッ・・・?」

 

フラン「人間にあそこまで感情的になるのは珍しいね。お姉さまはあまり自分からは言わないけど、レイジのこと結構気に入ってるみたいだし」

 

サヤカ「そうなんですか・・・それにしてもあの人予想以上にッ・・・足速い!」

 

フラン「そう言うサヤカも速い方じゃない?」

 

サヤカ「そこそこ自信はある方なんですけどねッ・・・」

 

 

少しずつ引き離されている。このままではサヤカの視力で見える範囲外に到達してしまう。その時フランがサヤカに手を伸ばした。

 

 

フラン「掴まって!」

 

サヤカ「・・・はい!」

 

 

迷っているヒマはない。すぐにフランの手を取るサヤカ。するとフランは弾丸の如く飛行を始めサヤカの体はグンと引っ張られる。足は地から離れ、魔理沙と飛ぶのとはまた違った感覚だ。

 

 

サヤカ「ッ・・・(速い!このスピードなら・・・!)」

 

フラン「このまま飛ばしてくから手放しちゃダメだよ!」

 

サヤカ「ええ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンニバル(リンドウ)「・・・」

 

レイジ「・・・」

 

 

レイジはその時、逃げるようにもどこかへ向かって走っているようにも見えるハンニバル(リンドウ)をひたすら追走していた。無我夢中で追っているためサヤカ達が追跡していることに気付いていない。ハンニバル(リンドウ)がどこへ行く気なのかは知らないがいつまでも鬼ごっこを続けるワケにもいかない。どうにかして彼の足を止めたいところだ。

 

 

ダダダダダダダダ・・・!

 

 

しかしどこか挙動がおかしい。本来のハンニバル種の脚力ならば人間の走る速度より遥かに速いはず。幻想郷に来る前、少なくとも嘆きの平原で戦ったあのハンニバルではそうだった。なのにこの黒いハンニバルはまるでこちらのスピードに合わせていると思ってしまいそうな、そのくらいのスピードしか出ていない。だがそれは好機とも取れる。もしかしたらかろうじて残っているリンドウの意識が挙動を鈍らせているのかもしれない。少しずつ距離を詰め、思い切り地面を蹴って背中に飛びつく。それでもひたすらにどこかへ走るハンニバル(リンドウ)。何が目的なのか?ここから自分は何をすべきか?

 

 

レイジ「・・・」

 

 

いつの間にか背中の神機に手を伸ばしていた。そこでふと考える。これで本当にどうにかなるものなのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――また、人間によって培養されたオラクル細胞は極めて多彩な変異を遂げる傾向にあり、一般的な神機が通用しない事態が極めて多い―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――もし・・・その時、彼がアラガミになっていたらどうしますか?―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうする?・・・どうする!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サヤカ「背中に飛びついた!?ハンニバルの走りに追いつくなんて・・・!」

 

フラン「アレ結構速いのにね。あいつ本当に人間かなぁ」

 

 

サヤカ達も段々と距離を詰めていく。もう少しでレイジ達に追いつく。

 

 

フラン「レイジぃー!1人で先走っちゃダメー!」

 

サヤカ「そうですよ!何故1人で行くことに拘るんです!」

 

フラン「レイジ!レイジー!・・・ダメ、聞こえていない!」

 

サヤカ「全くもう・・・!」

 

 

声がはっきり届くくらいの距離まで近づいたがレイジはこちらに気付く素振りを見せない。背中に背負う神機に手をかけ、何かをしようとしているように見える。

 

 

フラン「・・・迷ってる」

 

サヤカ「え?」

 

フラン「レイジ!ダメだよ!迷ってるくらいならなおさら!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィーナス「・・・まったくやかましいガキどもだねぇ、男の決意を曲げるようなことしちゃいけないつってんのに」

 

「ガゥアー(あのガキもガキで今更迷ってる時点でどうかと思うんスけどね)」

 

 

ヴィーナス「仕方ないね・・・アレ出来るかな。・・・量子化☆」

 

「!?(ちょおま)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブワッ

 

 

フラン「!?」

 

サヤカ「えっ!?」

 

 

その時見たことのない現象が起きた。突如ハンニバルがまるで黒煙が霧散するようにして消えたのだ。炎や氷、雷など属性を扱うアラガミは見たことがあるが、今のような「突然消える」というような能力を持つ個体は見たことがない。レイジも一緒にいなくなってしまい後1歩のところで見失ってしまった。悔しさのあまり歯を食い縛る。

 

 

サヤカ「ここまできて・・・!」

 

フラン「・・・どっかに移動したのかな」

 

サヤカ「・・・それなら辻褄は合いますけど・・・」

 

フラン「サヤカ、落ち込んじゃダメ、まだコンティニューできる」

 

サヤカ「・・・はい」

 

 

レミリア「フラン!サヤカ!」

 

 

2人の後方からレミリアの声が響く。門前のアラガミを片付け終えたのだろう。

 

 

フラン「お姉さま!無事でよかった」

 

レミリア「それよりレイジは?」

 

フラン「それが・・・」

 

サヤカ「ありのまま起こった事を話すと・・・追いかけていたら、消えちゃったんです。突然」

 

レミリア「え・・・!?」

 

フラン「レイジがあのアラガミの背中に飛び乗って、そこから何かしようとしてたところでね、いきなり消えちゃったの。まるで煙みたいに」

 

レミリア「レイジも消えたの?」

 

フラン「うん」

 

レミリア「ならどこかに移動しているはず・・・なんとしても見つけないと・・・!」

 

サヤカ「あ、・・・ちょっと待って下さい。あれ・・・」

 

 

サヤカが何かを見つけたらしく、その方向に指を差している。その先を見ると、離れた場所にオウガテイルなどの小型アラガミが何体か固まってどこかへ走っているのが見えた。

 

 

フラン「・・・あっ!あいつらレイジのいる所へ行こうとしてるんじゃないかな?」

 

レミリア「それはやや信じ難いけれど他にレイジの足取りは見つからなさそうだし・・・追いかけてみましょ」

 

サヤカ「じゃ、見つからないように追従する形で行きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィーナス「・・・あれ、坊や達はどこ行った?」

 

「グアッ(わかんないんスか!?)」

 

ヴィーナス「いやぁ実はこの能力まだ発現したてでさぁ、わかってないとこいくつかあんだよね。実は量子化させたの初めてなんだよ~」

 

「ガルル(余計なことしかしないっスね大将)」

 

ヴィーナス「やかましい、別に坊やの居場所くらいすぐにわかるからいいだろうが。こうして視界ジャックすれば・・・ふむ、竹が見える・・・あぁ、坊やと一緒に幻想入りしたもう1人が最初に行った場所だね。じゃこの後の展開がどうなるか、すささ~んと見に行きましょーかァ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイジ「・・・?」

 

 

 

 

一瞬目の前が真っ暗になったかと思ったら、いつの間にか竹の生い茂る竹林へと辿り着いていた。瞬間移動でもしたのだろうか。ハンニバルにそのような能力があるとは信じ難い。自分はハンニバルの背中に乗っていたはずがいつの間にか降りており、前方20メートルくらい先でハンニバルがこちらに向かって立っている。前屈みで低く唸っていることから戦闘態勢に入っている様子。レイジは神機を抜き、対峙する。

 

 

ハンニバル「グゥオオオオオッ!」

 

 

右手から紫炎を噴出させ、雄叫びを上げる。その後こちらに襲い掛かってきた。

 

 

 

 

レイジ「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「ここは・・・竹林ね」

 

フラン「行こう、早くレイジを見つけないと!」

 

サヤカ「無事でありますように・・・ん」

 

 

アラガミを追跡する内に竹林の入口へやってきた。アラガミの小集団は竹林の中へ。後を追うように3人も竹林の中へ足を踏み入れようとした時、サヤカが右に何かが動いているのを見つける。チラとしか見えなかったが、アラガミである可能性が高い。

 

 

サヤカ「・・・私がここにいるからでしょうか、どうやらここに何体か集まってきそうですよ」

 

レミリア「邪魔立てするなら消すだけよ」

 

フラン「そう、今の私達は・・・凶暴だよ」

 

サヤカ「・・・落ち着いてますね」

 

レミリア「そうでもないわ。内心居ても立ってもいられなくって仕方ないの」

 

フラン「私も。でも今は落ち着いているべきだと思って」

 

サヤカ「・・・愚問でしたか」

 

レミリア「今はお喋りしてる時間じゃないでしょ。早く行きましょ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンニバル「グオオオォ・・・」

 

 

ズズ・・・ン

 

 

レイジ「・・・」

 

 

 

 

 

倒した。倒してしまった。勢いでやってしまった。こんなことをして何になるのか。レンの言う通りならばリンドウの神機を使わない限り攻撃はあまり意味を成さない上相手はハンニバル種だ。すぐに復活する。レイジは戦闘態勢を解かないまま別の案を必死に考える。リンドウだけをアラガミからくり抜いてしまうか?無理だ。ならば止めを刺してしまうか?それは1番最後の選択肢だ。きっとあるはずだ。リンドウを助ける方法が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「ん・・・2人とも、レイジを見つけたわ。・・・あんな所にいるとは」

 

フラン「えっどこ!?」

 

サヤカ「あそこです!」

 

 

3人から50メートルほど先にレイジの後姿を視界に捉えた。これで彼らの元へ向かおうとするアラガミの小集団は必要なくなった。

 

 

フラン「よし、じゃあいつらはもう要らないね。壊れちゃえ」

 

 

ザシュザシュッ

 

 

「グオオッ!」

 

「ガウアァ!」

 

「グアァッ!?」

 

 

レミリア「道案内ご苦労様」

 

サヤカ「今のところここには私達だけのようですね、それなら・・・」

 

 

アラガミの小集団を始末し真っ直ぐにレイジの元へ。近づきながら声を掛ける。

 

 

フラン「レイジー!」

 

レミリア「倒したのね・・・とにかく無事でよかった」

 

 

しかし彼は反応を示さない。こんな時にまで無視されるといい加減イラついてくる。

 

 

レミリア「・・・レイジ、あなたねぇ!・・・ん?」

 

 

途中で視界の奥の方で何かが動いた。そこを見ると、倒れていたはずのハンニバルが復活しているところだった。1度倒したアラガミが復活するなんてことはレミリアやフランはもちろんサヤカも初めて見る光景だった。しかも・・・

 

 

サヤカ「・・・!リンドウさん!」

 

レイジ「・・・!」

 

 

ハンニバルの胸部にリンドウが浮かび上がっている。上半身と両腕以外は埋もれている状態だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――今ですよ

 

 

 

 

レイジ「!」

 

 

誰かの声が不意に左隣から聞こえてきた。振り向けば、ここにいるはずのないレンが。いつの間にここに来たのか。

 

 

レン「これを逃すと、もう、倒せないかもしれない」

 

 

彼の手には神機が。これはリンドウのものだ。普通に触れているのに、何故侵喰されないのか。

 

 

レン「さぁ、この剣を・・・リンドウに突き立ててください」

 

 

レンが神機を差し出す。レイジは無意識に手にしようとするが寸でのところで思い留まった。これはリンドウの神機だ。触れればまた侵喰される。あの時は大事に至らずに済んだが今度はどうなるかわからない。いきなり体の大部分がアラガミ化してしまうかもしれないのだ。レイジは左手を見つめる。

 

 

リンドウ「ぬぅ・・・ぅううっうあぁ・・・」

 

レイジ「!」

 

 

リンドウが呻き声にレン以外の全員の視線が集まる。

 

 

リンドウ「・・・俺のことは・・・放っておけ・・・」

 

サヤカ「リンドウさん・・・リンドウさん!」

 

レミリア「あれが・・・リンドウ・・・」

 

 

サヤカは若干涙目になりつつ彼の名を呼ぶ。それの意味は恐らくまだ彼の意識があったことからの安心、これからどうすればいいのかという不安・・・など複雑な感情からだろう。

 

 

レン「まだ・・・迷っているんですか?あなたは、もう決断したんじゃないんですか?」

 

 

リンドウ「立ち去れ・・・早く」

 

サヤカ「嫌です・・・置いていくのだけは絶対に・・・!」

 

フラン「ここまで来たからには、もう後戻りはできないから・・・」

 

 

レン「決断が遅れれば、余計な犠牲が増えるだけだ!リンドウに仲間を殺させたいんですか!?」

 

レイジ「・・・」

 

 

リンドウ「もう俺は・・・覚悟は出来てる」

 

サヤカ「え・・・」

 

リンドウ「自分のケツは・・・自分で、拭くさ」

 

 

レイジは自分の手を見つめながら俯く。見た目では落ち着いているように見えるが内心では不安、恐れ、義、焦りの感情で渦巻いている。切羽詰まった時の嫌な汗を掻いてしまいそうだ。レンはそんなこともお構いなしにリンドウの神機を差し出したままレイジに決断を迫る。

 

 

レン「さあ!この血生臭い連鎖から、彼を解放してやってください!」

 

 

一体何の連鎖なのか。以前にアラガミ化した人々が起こした悲劇だとでもいうのか。何故そこまでリンドウを殺させようとするのか。やがてハンニバルは完全に復活し、再び前屈みのポーズで戦闘態勢に入る。迷っている時間はあまり残されてない。

 

 

 

 

リンドウ「ここから・・・逃げろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リンドウ「  これはっ・・・命令だぁッ!!  」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レン「早く!!この剣で、リンドウを刺すんだ!!」

 

 

リンドウは全員に逃げるよう叫ぶ。ハンニバルも「逃げないなら皆殺しだ」と言わんばかりに雄叫びを上げる。レンは普段では絶対にしない荒げた口調でレイジに神機を取るよう命令する。2つの命令がレイジを挟み、焦燥感はより一層加速する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしたのさ、怖気づいたのかい? 私はただ、皆と平和に暮らしたかっただけなのに! かあ・・さん・・・・・父さ・・・んが・・・ 私はあなたが今回の異変の原因だと睨んでいるわ やっと来てくれた!私と遊べる人! もう一人はいやだ!!孤独はいやだ!! おいおいお前アラガミ化ってヤツになんねェよな?そんな危なっかしい状態でなんでここにいンだよ お前と一緒にいたらアラガミが寄ってきそうだあっち行け 中途半端な心遣いね これでいいんですか? いつか突然壊れるかもしれないからよ もし壊れたのが大切な人であるほど・・・あの子は心を痛めると思うわ ん~・・・しけいってヤツ?死ぬのはやだなぁ 私もあまり誰かが死ぬのを見るのは好きじゃないけどね む、無駄かどうかわかるもんかい! 止めを刺さないの? いえ、いいんです。自分が間違ってたことに気付けたのなら 今回はそうもいかないのよ?あなた後先のこと考えてた? どの口が言うんですか 家族のことでも思い出したの? 何よたかが景色を見ただけでひどく感傷的になっちゃって!あんたはホントワケのわからないヤツだわ! よくわかりましたね。その通りなんです。実は、リンドウさんのことで・・・ちょっと 彼は僕にとって最高のパートナーでした リンドウさん、ひどいですよね・・・皆置いてけぼりにして、一人でどっか行っちゃうなんて リンドウさんにしては上出来の緊張のほぐし方なのかなぁ そんなあなたももう・・・立派なリーダーなんですよね 僕はリンドウさんが死んだなんて信じたくないんです アラガミ化が進行した結果、二度と人間には戻れません この世界はいつだってわがままで、理不尽な選択を迫り・・・それが、歴史として連綿と続いて行く あの時のリンドウさんの選択は・・・皆を幸せな現実に導いたのでしょうか そしてあなたは、どんな選択をするんですか? あんな状況で大事に至らなかっただけでもラッキーなことです 放っとくとまずいわよアレ 完全に見失ったみたいね 昔・・・アラガミが出てくる前はさ、すげえ平和だったみたいだよ? きっとみんな、ニコニコしながら平和に暮らしてたんだろーなー ウチに帰ったらさ、家族が笑顔でお出迎えでさ 笑いながらご飯食べて、夜更かししてゲームで遊んじゃったりして 寝る時は、明日何しようかなーって、楽しいことだけ考えて そんでまた、当たり前のように次の日が来るんだよ こんな悲惨な未来なんて、想像もつかなくてさ あなた本当に人間? 例えばの話だが、もし君が親しくしていた友がいたとして、そいつが実はとんでもない怪物だと知ったらどう思う? 少年、しっかり守ってやれよ 別に隠さなくたっていいのに ならば君は、ここにいる全ての人間から罵りの声を浴びたいのか? もう絶対に繰り返してはいけないんだ・・・!あんな・・・ 手掛かりも何もなしか、これでは探しようがない んなこと言ってるヒマがあったら体動かせっての! 無理して壊れちゃったら嫌だよ? もこたああああああああああん!!! そういえば、被害はどれくらい出たんでしょうか 私達はゴッドイーター。破壊の限りを尽くす神を倒すための存在 神を喰らう者・・・か 私達はアラガミしか喰わない偏食家なんですっ ふざけ過ぎて痛い目見ても知らないって言ったのに 悪夢のようでした・・・私たちの攻撃が全く効かなくて、私達を助けようとした仲間達もみんな怪物に食べられて・・・ でもその人、こっちには目もくれずに怪物を一撃で倒してしまったんです そういえばあの人、何かを探して辺りを見回してたような しかもお前らの上司だなんて 一体何を考えてるのよ!? あなたを信用してあの子の外出を許可したのに!それをあなたは! 不器用だね。本当に 辛く、なかった? 非常識だわ 勝手なことしないでくれよな 長い階段上ってワケわからんヤツに足止め食らって防衛班の真似事しなきゃいけなくなって足挫いてリンドウにぶっ飛ばされて お前らはアラガミどもの動きに違和感を覚えたことはないか? あなたはその答えを知っているの? あんまり少人数だと危険ですし、僕もお供します 私が思うにあまり時間に余裕はないかもしれない メリットよりも、デメリットの方が大きいですよ 宇宙の真理ッッ! まるでゲームの主人公みたい あなたはこれからどうするの? 助けに行きたいのでしょう?あの人間を。でもどうやって? 答えなさい! ふざけないで 1人ぼっちはいけないよ!1人ぼっちは辛いんだよ!?1人ぼっちは・・・寂しいよ あなたは人間・・・人間ってとても脆いから、だから、1人で遠くに行ったら・・・壊れちゃうよ ああ、だからたまーにどこからか森に迷い込んだ人間が気付かないままぽっくり逝っちまった、なんてことがあるんだよ これでもなお、あなたは必要のない危険を冒してまで1人で行こうとするの? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――混乱しちまった時はな、空を見るんだ そんで動物に似た雲を探してみろ、落ち着くぞ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイジ「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭の中が混乱する中、ふとそんな言葉が頭をよぎる。その言葉のままに空を見上げてみるものの頭上では生い茂る竹と笹の葉で空がよく見えない。しかし隙間から綺麗な下弦の月が顔を覗かせている。・・・不思議と気分が落ち着いてくる。

 

 

 

レン「急いで!!彼を救うにはこれしか選択肢はない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイジ「・・・・・・」

 

 

 

 

 

レイジはふっとあることを思い付いた。思えば簡単なことだった。確かに今の状況ではリンドウを救うにはどう考えても今レンが差し出しているこれ(神機)しかない。無論殺しはしない。しなくていい方法を思い付いたのだ。今、リンドウは自分で言い出した命令に背こうとしている。

 

レイジは意を決し、リンドウの神機を掴んだ。

 

 

 

 

ズバァ!

 

 

 

 

 

 

 

レイジ「ぅおおおおああああああああああああああああぁ!!!」

 

 

 

 

レイジの左腕が肘まで一気に侵喰され、アラガミ化してしまった。流石に2回も触ればこうなるだろう。突然悲鳴を上げるレイジの姿を見て、今までずっと焦る気持ちを押さえていたサヤカ達3人に衝撃が走る。

 

 

サヤカ「えっ!?」

 

レミリア「あ、あぁっ・・・」

 

フラン「れっレイジいいいい!!」

 

 

サヤカは起こった事への理解が瞬間遅れ、レミリアは運命でも見たのだろうか、絶望した表情に変わり、フランは溢れ出す感情のままこちらに向かって走りながら叫んでいる。しかしレイジには彼女達を見る余裕も気にする余裕はない。寧ろアラガミ化による激痛で頭から離れているといってもいい。

 

 

苦しい。左腕を千切られた感じだ。だが踏み出してしまったからには後戻りは出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな簡単に諦めるのか、あんたは・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんたの生に拘る持論は、どうした・・・!貫くんじゃないのか・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今のあんたの体じゃ生きるも何もどうしようもないだろう、生きるのに絶望するのもわからないでもない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが・・・・・・俺は第一部隊隊長だ!あんたの役職だ!俺は隊員を、あんたを生きて連れ帰らなければならない!だから俺は隊長として!あんたに命令する!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイジ「  逃げるなぁッ!!!  」

 

 

 

フラン「っ!」

 

 

痛みを振り払うようにレイジはリンドウに向かって叫ぶ。サヤカ達3人はその大声に動きが止まる。

 

 

 

 

レイジ「 生きることから、逃げるな!! 」

 

 

 

 

リンドウ「・・・」

 

 

 

 

 

レイジ「 これはッ・・・命令だ!!! 」

 

 

 

 

リンドウ「・・・!」

 

 

 

 

 

レイジ「うぅぉおぉおおおおおおおおおおおぉ!!!」

 

 

 

雄叫びを上げながらハンニバル(リンドウ)に向かい全速力で突っ込むレイジ。ここからは1発勝負。1発で決めなければやられる作戦を彼はしようとしていた。ハンニバルは迎え撃とうと拳を振るう。攻撃が当たる直前でレイジはきりもみするような形でジャンプしてかわしその勢いのままハンニバルの口へ2つの神機を突き刺す。そこから口ををこじ開け裂けさせる。するとこじ開けた口の奥で黒く丸い塊があるのを見つけた。占めたと思いそこをアラガミ化した左腕で殴りつける。

 

その時レイジは、リンドウと感応現象を起こしたのだった。

 




置いてかれた魔理沙「解せぬ」


※今回で移転作業終了。今回までかなり早いペースで投稿してきましたが、次回からペースがガタ落ちします。ひと月に2話投稿出来ればいい方かな。すみませんが、よろしくお願いします。
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