それではどうぞ。
アーティ「とりあえず、一旦分かれて各個撃破よ!」
レン「はい!皆さんお気をつけて!」
あまりに数が多いため、三人は一度バラバラになり、広範囲を索敵しつつ、オウガテイルを発見次第撃破していく作戦をとった。
アーティ「一通り片付いたら勇儀がいた宿に集合しなさい!」
レン「わかりました!」
三人はそれぞれ違う方向に走り出す。レイジはまず逃げ遅れた者がいないか確認しながらオウガテイルを撃破していくことにした。建物が多い場所を一通り回っていき、建物の中を確認する。時々建物の中から奇襲を受けたが、問題なく返り討ちにし、逃げ遅れた妖怪達を逃がしていった。するととある妖怪が逃げる際に、
妖怪「おい兄ちゃん!あのバケモノどもを倒せるんだろ!?だったらヤマメちゃん達のところに行ってやってくれ!俺達を逃がすために街に残ってたんだが、バケモノどもに囲まれちまったんだ!勇儀さんが助けに行ってるらしいがあの数じゃ心配だ、援護してやってくれ!」
それを聞くとすぐにレイジはヤマメ達の救出に向かった。
ヤマメ「こりゃまずい、囲まれちまったね…」
キスメ「私達の攻撃が全然効かないなんて…」
勇儀「私もこんなに堅い奴らと戦うのは初めてだ…。十発くらいぶん殴ればいけるけど、キリがないね」
キスメ「まだ私死にたくないですぅ…」
ヤマメ「諦めるな!きっと何か…方法があるはずだ!」
勇儀「皆逃げ切ったようだし、後はこいつらをなんとかするだけだけど…どうしたものか」
ヤマメ、キスメ、勇儀は必死に抵抗を続けるが、勇儀以外の攻撃は全く通用しない。その上勇儀の攻撃もかなりの回数を叩き込まなければ倒すことはままならず、次第に追い詰められてしまった。
ヤマメ「くッ…」
キスメ「うわ~~ん」
勇儀「参ったね…」
オウガテイル達の牙、大きな尾が三人に襲い掛かる。万事休すか…誰もがもうダメかと思ったその時、
「グアアッ!」
オウガテイル達の中の一体が悲鳴を上げた。その後、次々とオウガテイルが血を吹き出しながら吹き飛ばされていく。
ヤマメ「なんだ?…ん、あいつは…レイジ!」
ヤマメ達の目には、大量のオウガテイルを、たった一人で薙ぎ倒していくレイジの姿が映っていた。あんなに倒すのに苦労していたオウガテイルを、たった一撃でばたばたとやられていくのを見てヤマメ達は呆然としていた。そして最後の一体を倒すと、レンとアーティが戻ってきた。
レン「そちらはどうでしたか?こちらは特に問題はありませんでした」
アーティ「こっちも大丈夫よ。でもまだこれだけの数がいたなんてね…レイジ大変だったわねー」
勇儀「…ふぅ、助かったよレイジ。危ないところを助けてもらってありがとうな。それにしてもあんたはすごい武器を使ってんだねぇ。…え、この怪物どもを倒すための武器?で、お前はこいつらを倒す仕事をしている?へえ~、そいつは驚きだね。どおりで強いワケだ!」
ヤマメ「はッ!そうだ地霊殿は!?」
キスメ「そうだ!地霊殿の安全をまだ確認していないんでした!」
勇儀「しまったな、だがいつまたあいつらが街に現れるかわからないし…仕方ない。レイジ、すまないがお前が地霊殿のヤツらを助けてやってくれないか?私達はここの事態の収拾をつけないといけないからな。地霊殿の場所はあっちだ、頼んだよ」
そう言うと勇儀達は逃げた妖怪達を呼び戻すため、街を後にした。レイジ達は勇儀に言われた通り、地霊殿に向かう。
走って行くこと5分。地霊殿がレイジ達の前に姿を見せ始める。ここもやはり、アラガミに襲われているようだ。
レン「レイジさん、僕達で地霊殿周辺のアラガミを倒してきます!レイジさんは中を!」
アーティ「今度はザイゴートとコクーンメイデンもいるわね」
レン、アーティは地霊殿周辺の群れの中に飛び込み、神機を振り回し、倒していく。レイジは進路上のアラガミを薙ぎ倒しながら地霊殿の内部に走り込む。
レイジが入口に入ると、
バターーーン!!
突然、開いていた入口の扉の閉まる音が響く。これ以上内部に入れないために閉めたのだろうか。レイジは一瞬疑問に思うが、自衛のためなのだろう、仕方ないと深く考えないことにし、アラガミを片っ端から始末することにした。
~地霊殿1F~
地霊殿の内部では、ほぼ戦争状態となっていた。これ以上侵入を許すものかと少女の姿をした妖精が弾幕で攻撃している。しかし地下街のときと同様、一方的に妖精側がやられてしまっている。レイジは妖精達を援護しようと走り出すが…
妖精「ん、ねーねーあいつなんだろ?」
妖精「あいつだけかっこうがちがうね」
妖精「わかった!きっとあいつはかいぶつどものりーだーだよ!」
妖精「たしかにそれっぽい!」
妖精「あいつをやっつければかいぶつどもはにげるはず!」
妖精「やっちゃえーーー!!」
レイジ「…!?」
なんと、アラガミ達に向けて放たれていた弾幕の矛先が、一斉にレイジに向けられた。レイジは自分は敵じゃないと訴えようとするが、妖精達は聞く耳を持とうとせず激しく攻撃を続ける。攻撃を避けながら訴えるチャンスを狙うが、絶え間なく弾幕が張られるためこのままでは埒が明かないと思い、仕方なく弾幕を避けながらアラガミ達を倒すことにした。そんな状況が10分程続き、気が付けば一階にいたアラガミは全滅しいなくなっていた。この状況を見て、妖精達はレイジの行動に疑問を持ち始める。
妖精「ねーねー、あいつさっきからこっちをこうげきしてこないよー?」
妖精「きがついたらかいぶつがいなくなってる」
妖精「あいつなにしにきたんだろ」
妖精「もしかしてたすけにきてくれたのかな」
妖精「さあ…」
妖精がざわつき始め、弾幕を張らなくなったが未だ警戒を解かないためひとまず近くにあった二階に続く階段に避難することにした。階段を上る途中、二階でも地霊殿の住人に襲われるかもしれないと思ったレイジは、強化パーツ「ガード強化3(ガード範囲拡大、総合被ダメージ減少)」と「討伐部隊(カリスマ、駆除部隊)」を神機にセット。深呼吸をし、二階に上がる。すると意外なことに、二階には誰もいなかった。変だと思い三階、四階も調べてみるがアラガミの姿は見当たらない。一階にだけアラガミが集中していたということがどうしても気になってしまう。なぜなら地霊殿を襲撃したアラガミの中には空を飛べるザイゴートがいるのだ。なぜもぬけの殻なのか考え込んでいると、
ズドンッ!!
レイジ「!」
何かを撃ち出す音がどこからともなく鳴り、レイジに向かって弾丸が飛んでくる。それを避け、音がした方向に注意を向ける。
?「あんたで最後?怪物どもなら、私の太陽パワーで皆消し飛ばしたよ」
?「気を付けてお空、あいつだけ格好が違う。親玉の可能性があるよ」
空「はい、こいし様。では、あいつを囲んで一気に終わらせちゃいましょう」
こいし「よーし、お燐!お空!いくよ!」
燐・空「はい!」
すると、突然現れた少女達、こいし、燐、空はレイジを三角形になるように素早く囲み、こいし、燐はスペルカードを、空は砲塔のようなものをレイジに向けた。レイジは完全に誤解されていることを悟る。するとすぐに、レイジは神機を背中のホルスターに収めた。自分は敵ではないことを示そうとしたのだ。しかし…
燐「…?どうしたのさ、怖気づいたのかい?」
空「諦めたんじゃないの?」
こいし「どの道やっつけるだけだけどね!一斉に撃つよ!」
燐「はい!妖怪「火焔の車輪」!」
空「爆符「メガフレア」!」
こいし「本能「イドの解放」!」
三人が口々に叫ぶと、空からは太いビームが、こいし、燐からは激しい弾幕。先程の様子からまたも話し合う余地はなさそうだ。とりあえず、どう避けるか辺りを見回す。
ドカーーーーン!!
三人の攻撃がぶつかり、爆発を起こす。もくもくと煙が上がり、三人は爆発した場所を注視する。
燐「やった…のかな…?」
空「なーんだ、思ったより弱かったね」
こいし「…あ!二人とも!あれを見て!」
煙が薄くなった頃、ようやくレイジの姿が見えてきた。するとレイジは、うつ伏せになって頭を手で押さえているのが見えた。どうやら弾幕を食らう直前に伏せて攻撃を間一髪かわしたようだ。
空「な、なんてグレイズ…!」
燐「たまたまだよ!次はこうはいかないんだから!」
今度は燐が近接攻撃、空が後方支援という形で攻撃を仕掛けてきた。息の合ったコンビネーションでレイジを追い詰める。
燐「どうしたっ!避けてばかりじゃないか!」
空「早くやられてよね!」
そしてとうとう壁際に追い詰められてしまった。
燐「追い詰めた、もう逃げられないよ」
空「止めに一発でかいのぶち込んでやる」
燐「さあ、終わりだッ!」
空は砲塔のようなものにエネルギーをチャージし始め、燐は爪でレイジを引っ掻こうと飛びかかった。
仕方ない…反撃するしか…
意を決し、レイジは神機を抜く。そして二人を一閃―――――
燐「あ…あれ?消えた?」
空「…うにゅ?…あ!お燐!リボンが斬れてる!」
燐「…わああああ!ホントだ!ってお空!その制御棒どうしたの!?」
空「え…ああああ!まっぷたつになってるうううううう!!」
燐「うう…今日やっと一人で結べるようになったのにぃ…」
空「私の制御棒がぁ…」
燐・空「さとりさまあああああああ!!」
二人は泣きながら上の階へ逃げていった。
レイジはやれやれと一息つく。しかしそれもつかの間、ドンッと誰かに突き飛ばされる。倒れこみ、振り返るが誰もいない。するとレイジの背後から
こいし「こっちだよ」
レイジ「!」
なんとこいしが音もなくレイジの後ろに立っていた。しかし声に反応して振り返った時には、またいなくなっている。
こいし「よくも私の大事なペットを傷つけたな…」
声のする度に何度も振り向くが、こいしの姿は見えない。
こいし「無駄だよ…あなたに私の姿は見えない。いや、正確には無意識に見えないと思い込ませてるの」
必死にこいしを探すレイジ。するとまた突然背後から、レイジの耳に囁くように
こいし「だから無駄なんだってば…」
気づいた時には、至近距離から弾幕を放たれ、レイジは吹き飛ばされていた。床に倒れこみ、起き上がろうとするがダメージが大きく、ままならない状態でいた。
こいし「まだ動けるんだ…。でも苦しいでしょ?楽にしてあげる…」
そう言うとこいしは再び姿を消しレイジをかく乱させようとする。
彼女の居場所を捉えるには―――
するとレイジの脳裏にある言葉が。
「それよりもレイジ、あんたユーバーセンス使えるんでしょ?それでこの道がどこに続くか見て頂戴」
すっかり忘れていた。自分が全てを見通すスキルを持っていることに。これでこいしの位置がわかる。
レイジは立ち上がり、ユーバーセンスを発動。左目の色が変化する。姿は見えないままだが、こいしは自分のすぐ目の前にいることがわかった。
こいし「死ぬ準備はできた?くらえッ!」
こいしは急に姿を現し弾幕を放つ。大方目の前に現れて驚いている隙に攻撃しようと思っていたのだろう。しかしもうその戦法はレイジには通用しない。レイジは後ろに下がり、神機を捕喰形態に変え、弾幕を喰らう。
こいし「えッ!?わッまぶしッ!」
捕喰形態から剣形態に戻すと、レイジから眩い光が溢れる。レイジはバースト状態になったのだ。その時、彼の瞳から青白い炎のような、オーラのようなものが溢れ出す。これはレイジにのみ起こる現象だ。
話が変わるが、過去にサカキ博士がこの現象を不思議に思い、調べてみたところ、こんなことがわかった。
~回想~
サカキ「レイジ君、その目、アラガミのものだね?」
コウタ「は!?なんだよそれ、レイジ、なぜ黙ってたんだよ?」
レイジ「…」
コウタ「おい…なんで黙るんだよ、おい!」
アリサ「コウタ、落ち着いてください!ここでリーダーを責めても意味はありませんよ!」
サクヤ「その通りよ。…レイジ、もしかして、それは君の家がアラガミに襲われた時に…?」
レイジ「…(コク)」
サカキ「詳しくは聞かないでおくよ。それに、その目でも日常生活に問題はないようだしね。さて、データによれば君は捕喰攻撃をすると、それだけでリンクバーストLv.3並みに能力が上昇するようだ。つまり通常の三倍以上だね。…ん?受け渡し弾をもらって大丈夫なのかって?ああ、君はこれまでに何回かもらったけど大丈夫なんだろう?。心配はいらないよ。ん~、実に興味深い!」
コウタ「相変わらずだな、博士…」
~回想終~
バーストしたことによって、先程よりも遥かにレイジの動きは俊敏になり、状況は一転した。
こいし「あ、あれ…速すぎてよく見えない…。でも、姿をくらませば!」
こいしの「無意識を操る程度の能力」で、レイジに姿を無意識に見えなくするようにする。しかし、レイジはじっとこいしのいる方向を見つめている。
こいし「な、なんなの…!?まさか、私の居場所がバレてるの!?」
レイジはその通りだというかのようにうなずく。
こいし「う、嘘だ嘘だ!そんなの嘘に決まってる!」
自身の能力が効かないなどありえない、そんなはずないとこいしは半ばパニックに陥り、レイジを引き裂こうと突進しこいしの腕が振り下ろされる。しかしレイジは瞬間移動したかのようにその場からいなくなっていた。
こいし「え…(ブンッ)ッ!?…う、うあぁ…」
何かを振るような音が聞こえたので振り向くと、目の前で神機を突き付けるレイジの姿が。こいしは恐怖のあまり涙が溢れ、その場に座り込んでしまった。
こいし「いやだ、死にたくない、死にたくない!いやだよぉ…!私はただ、皆と平和に暮らしたかっただけなのに!」
戦意喪失を確認した後レイジは神機をしまい、こいしの目線に合わせてしゃがみ、自分は敵ではないことを話し始める。優しく、諭すように。
こいし「…ほんと?だってお燐とお空を傷つけたのに…」
あれは自衛の意味で応戦しただけだということ、本来はアラガミという怪物を倒すために地霊殿に来たこと、燐と空にケガは負わせず、装備を破壊しただけだということなど、誤解を解くために、丁寧に説明をした。
こいし「そうなんだ…てっきり、人間の仕業かと思ってたよ。地底の妖怪はあんなことしないから、きっと人間が地上の怪物を送り込んだんだと思って…。だからあいつらが襲ってきたとき、殺されるんじゃないかと思った。昔、私のお父さんとお母さんは人間に殺されて…私とお姉ちゃんもケガしたの。それで今日あいつらがやってきた時、まだ人間に命を狙われているんだと思ったら、すごく怖かった。とにかく…怖かったよぉ…」
こいしは完全に泣きだし、レイジは優しく頭を撫でてなだめた。するとこいしは突然レイジの胸に飛びつき、
こいし「本当は、あなたと戦うのも怖かった…うっく…あなた、人間だよね…ねぇ、本当に私達の味方なの…?」
レイジ「(コク)」
こいし「ひッ…うあぁぁん…」
しばらくこのままにしておいてやろう…レイジは胸の中で泣くこいしの頭を撫で続けた。
時は少し遡り、燐達が逃げる際に叫んだ人物、さとりは――――――――
さとり「あんなところにまで怪物が…。幸いこの階にはいないみたいだけど、攻撃が効かないなんて厄介で仕方ないわ。地底にあんな姿をした者はいないし、地上から来たとしか思えないわね…。誰の仕業かしら…」
燐・空「さとりさまああああ!」
さとり「どうしたの、そんな泣き顔で(少女読心中…)…侵入者の親玉らしき者が!?」
空「そうなんです!戦ったんですがなんかあいつ強くって!制御棒がぁ…」
燐「なんか人間っぽい感じでしたけど・・・あぁ、リボンがぁ…」
さとり「……」
燐「…あの、さとり様…?」
さとり「人間…敵…!!」
空「さとり様…!?」
さとり「…お燐。代わりのリボンをあげるからこれで結びなさい。お空。制御棒の予備はまだたくさんあったはずよ。早く準備を済ませて返り討ちにしましょう」
燐・空「…はい」
空「(なんかさとり様…怖い)」
鬼気迫る表情のさとりに燐と空は若干恐怖心を抱き、侵入者―――――レイジを始末する準備を急いだ。
作「TNTNって何だろうな」
弟「いつどこから発生したんだろうな」