東方神喰者   作:wing

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皆さんおはこんばちは、wingです。一話一話の尺の長さが伸びてきている気がします。区切りって難しいですね。それでは本編どうぞ。


Mission 6 爪痕

一方、アーティ、レンはレイジを探して地霊殿の至る所を走り回っていた。

 

 

アーティ「どこ…どこなのよ…!!」

 

レン「一体どうしたんですか、さっきから真剣な顔して…」

 

アーティ「普段あたしが真面目じゃないとでも言いたいの!?今レイジがヤバいのよ!」

 

レン「レイジさんを見ていないのになぜわかるんですか!?」

 

アーティ「てぃきーんときたのよ!」

 

レン「…」

 

アーティ「ノリなさいよ!」

 

レン「…いつも通りですね」

 

 

同時刻、さとりの部屋に着いたレイジ達。レイジは神機入りのホルスターを部屋の入口近くに立てかけ、さとりは近くにあったソファーにレイジを寝かせる。レイジの目からの出血も止まり、目に光を取り戻し始めていたので、それを見てひとまず安心する。

 

さとり「しばらくはここで休んでいて下さい。何かありましたら声をかけて下さいね」

 

とはいえ、さとりは何をすればいいのか思いつかず、とりあえず少し散らかっている部屋の片づけをすることにした。しかし元々そこまで散らかっていなかったため、すぐ終わってしまった。何をしようか戸惑う彼女を見て、レイジは微笑を浮かべる。

 

 

さとり「ど、どうかしましたか?」

 

 

レイジは黙ったまま、微笑を浮かべ続けている。さとりは心を読み、彼女のぎこちない挙動を心中で笑っているのを読み取る。

 

 

さとり「な、何を考えてるんですかもう…///…ん?」

 

レイジ「」

 

 

レイジは眠くなっていたのか、静かに寝息を立てていた。

 

 

さとり「(…そういえば、こいしがよくあのソファで勝手に昼寝していたわね)

 

 

さとりはレイジが横になっているソファに腰掛ける。そして膝の上に彼の頭を乗せる。いわゆる膝枕をしたのだ。

 

 

さとり「(こうして、よく唄を歌ってあげたっけ…)」

 

 

そう思うと、こいしを膝枕していた時によく口ずさんでいた唄を歌い始めた。

 

 

レン「この部屋かな…」

 

 

その頃、レン達は別行動をし、レイジを探していた。現在レンはさとりの部屋に入ろうとしている。

 

 

レン「失礼します…」

 

さとり「!…どなたですか?」

 

レン「えッ…!?いや、あの、僕はレイジという人を探してたんd」

 

さとり「レイジさんのご友人ですか?彼ならここにいますよ」

 

レン「えっ…あ、本当だ、…ってレイジさん?眠っている…」

 

さとり「えぇ、まあ…」

 

レン「よかった…とりあえず無事で安心しました」

 

するとアーティがドアを乱暴に開け、中に飛び込んできた。

 

 

アーティ「レイジッどこ!?…あ、レン、いたの?」

 

レン「仮にも他人の家なんですから乱暴にしないで下さいよ…。レイジさんならここで眠っています」

 

アーティ「そう…よかった…ふぅ」

 

さとり「あなたもレイジさんのご友人ですか?」

 

アーティ「!…どうしてわかったのよ」

 

さとり「…「なぜ自分の姿が見えるのか」ですか?」

 

アーティ「…はぐらかさないで答えなさいよ」

 

さとり「申し遅れました。私は古明地さとり。覚の妖怪で、この地霊殿の主です。そして私はこの第三の目で相手の心を読むことが出来ます。私があなた達を見ることができる要因は恐らくこの能力でしょう。あなた達は彼n」

 

 

さとりはレン達の正体を口にしようとするが、レンがすかさず止める。

 

 

レン「待って下さい。そのことはレイジさんの前では言わないでくれますか?もしかしたら起きてるかもしれませんので」

 

さとり「…わかりました」

 

アーティ「ふうん…。覚だけにさとりってワケね…」

 

レン「だからって声に出す必要もないんじゃないですか…?」

 

アーティ「ノリなさいよ」

 

レン「嫌です」

 

アーティ「…で、レイジは大丈夫なの?こいつの顔に血の跡が見えるんだけど、何かあったの?」

 

 

さとりは急に落ち込んだ表情になる。

 

 

さとり「…何もなかったといえば、嘘になります…」

 

アーティ「あ?どういうこと?…まさかあんた、レイジに何かしたんじゃないでしょうね」

 

さとり「…はい」

 

アーティ「…!」

 

 

アーティはさとりに詰め寄り、胸倉を掴み上げる。

 

 

アーティ「あんたいったい何をしたのよ!」

 

さとり「わ…私は今回の事件を人間の仕業と思い込み、家族を守ることばかり考えていました…」

 

アーティ「あいつに何をしたかって言ってんのよ!!」

 

レン「アーティさん!落ち着いてください!暴力はいけませんよ!…さとりさん、すみません。続きを話して下さい」

 

 

レンが間に入り、アーティを制止させる。

 

 

さとり「一言で言えば、怪物を倒しに来ただけの彼を今回の事件の犯人と思い込み、スペルカードで彼のトラウマを見せ、精神を傷つけました…」

 

レン「先程あなたは、心を読めると言いましたね。レイジさんを襲ったとき、その能力は使わなかったのですか?」

 

さとり「…あの時は家族を守ることで頭が一杯だったため、能力を使うことを忘れていました…。その時まで人間は全て悪だと思い込んでいたので、どうせ彼も同じなのだろう…ならば心など読むだけ無駄だと、完全に彼のことを無視していました」

 

アーティ「フン、どっちが悪よ。覚も心を読むのを忘れることがあるのね?」

 

レン「アーティさん!なんでそんなにケンカ腰なんですか!彼女は家族を守るためだったんです、人間が悪というのは僕も納得いきませんが仕方ないじゃありませんか!アーティさんがさとりさんの立場だったら、同じことをするかもしれないでしょ!」

 

 

アーティは不意を突かれたのか、何も言い返せず、不満そうに舌打ちをし、体を背けた。

 

 

さとり「いえ、お気になさらずに。今回は完全に私が悪いと思っています…本当に申し訳ありませんでした。こんな私は、嫌われても仕方がありません…」

 

 

嫌な間が空き、険悪な雰囲気が部屋を覆う。しばらくの沈黙の後、アーティが体を背けたまま、口を開く。

 

 

アーティ「…で、結局レイジの容体はどうなの」

 

さとり「はい、順調に回復してきています。先程は、私に微笑みかけるほどd」

 

アーティ「あっそ。それを聞いて安心したわ。レイジがあんたを許してるならあたしも許す。さっきは悪かったわね」

 

さとり「えっ…!?いえ、お気になさらずに…」

 

レン「もう、びっくりしましたよ…」

 

アーティ「さて、やっと一息つけるわね」

 

レン「ここに迷い込んでから、殆ど休みなしで行動してきましたからね」

 

 

レンとアーティはレイジが横になっているソファーの反対側にあるソファーに腰掛ける。すると、妖精がボロボロの姿で部屋の中に入ってきた。

 

 

妖精「さとり様…大変です…」

 

さとり「どうしたの!?…その様子じゃ、かなりまずいことが起きたようね」

 

妖精「今までより大きなバケモノが…空さん…が…管理している…灼熱地獄…に…」

 

 

言い終わらない内に、妖精は倒れこみ、気絶してしまった。

 

 

さとり「大丈夫!?しっかりして!…くっ、お空たちが心配だわ…今すぐ向かわなくては…!お二人とも、レイジさんを頼みます!」

 

 

さとりは大急ぎで地下に向かう。

 

 

レン「あっ!待って下さい!まずいですね…僕達三人以外では、大型アラガミにほぼ勝ち目はありません!僕達も行かないと…」

 

 

しかしレイジを置いていくわけにもいかない。仕方ないので、アーティが下層に行き、レンが留守番をすることにした。しかし…

 

 

アーティ「じゃあ行ってくr…あッ!」

 

レン「どうかしましたか?…えッ!?」

 

 

なんとソファーで眠っていたはずのレイジが忽然と姿を消していた。立てかけてあった神機もない。恐らく妖精の言葉を聞いて飛び出したのだろう。二人も急いで灼熱地獄に向かった。

 

 

その頃、灼熱地獄では―――――――

 

 

燐「くッ…こいつ、なんて硬さだ…!」

 

空「何度もメガフレアを当ててるのに!」

 

こいし「全然効かないなんて…どうしよう」

 

 

こいし達はレイジをさとりに任せた後、灼熱地獄で妖精も交えて遊んでいた。そんな時、突如空からアラガミが降下、こいし達を襲う。そのアラガミは、「ハンニバル」だ。

ハンニバルは炎に耐性を持っている。地霊殿を襲ったアラガミのほとんどは火属性に弱かったため空のスペルカード、爆符「メガフレア」によって倒されていたがハンニバルには通用せず、一方的に攻撃を受ける形となり妖精達は壊滅状態、こいし達も打開策が見つからず徐々に追い込まれてしまう。

 

 

空「撃ちすぎたかな、疲れてきちゃった…」

 

燐「弱点は…弱点はないのか!?」

 

こいし「やられるわけにはいかないのに…どうすれば…!」

 

 

ハンニバルは止めの一撃を決めようと腕を振りかぶる。

 

 

さとり「待ちなさい、怪物!」

 

 

ハンニバルが腕を振り下ろそうとしたその時、上空からさとりが現れ、弾幕を放ち攻撃する。

 

 

空「さとり様!こいつ、私のスペカでも歯が立ちません!」

 

さとり「あなた達!私がここで注意を引くから、逃げなさい!」

 

燐「そんな…!一人で戦うなんて無茶です!」

 

こいし「…はっ、そうだ…!ねえお空、あの怪物、マグマに突き落とせないかな?メガフレアはダメージを与えられなかったけど、のけぞらせることはできたでしょ?」

 

空「そっか、そうすればなんとかなるかもしれませんね!」

 

 

敵を倒せるかもしれない作戦を思いつき3人の顔に明るみが出る。こいし、燐は空にメガフレアを安全に撃たせるために注意を引く。

 

 

さとり「何をやってるの!早く逃げなさい!」

 

こいし「嫌だね!」

 

燐・空「嫌です!」

 

こいし「お姉ちゃん、こいつをマグマに突き落としてみようよ!もしかしたら倒せるかもしれない!」

 

さとり「…仕方ないわね。あなた達、ケガをしてるみたいだから私が先頭になるわ。絶対に無理をしないで」

 

こいし「うん、わかった」

 

 

さとり、こいし、燐でハンニバルの攻撃が空に向かわないように引き付けつつ、崖際に誘い込む。空は制御棒にエネルギーを集中させる。そして――――

 

 

空「チャージ完了!爆符「メガフレア」、皆離れて!」

 

 

さとり達は真上に飛び、射線上から退避する。空はそれを確認し、渾身の一撃を放つ。

 

 

空「地獄に…落ちろおおおおおおお!!!」

 

 

ハンニバルは背中を向けていたため空の攻撃に気付かず、メガフレアが直撃する。ハンニバルは踏み留まろうと踏ん張るが、少しずつ崖の方向へ押されていく。もう少しで落下するところまで押されたその時、

 

 

ハンニバル「グオオオオオオオオ!!」

 

ハンニバルの背中の逆鱗が壊れ、炎が溢れ出す。それはまるで翼のようだ。そして腕に炎の剣を纏い、メガフレアを切り裂き、消滅させる。

 

 

空「え…」

 

こいし「うそ…」

 

 

最後の希望を文字通り断ち切られ、愕然とする。だがハンニバルはそんな暇も与えず、上空にいるさとり達に向かってジャンプし、ハンニバルは長い尻尾で攻撃しようとする。

 

 

さとり「(はッ!!まずい!)」

 

 

咄嗟にさとりは前に出て燐達をかばう。しかし三人とも攻撃を食らってしまい、地面に叩き付けられる。

 

 

さとり「ぐはッ!」

 

こいし「あうッ!」

 

燐「うあッ!」

 

 

大したダメージにならなかったため3人はすぐに起き上がるが、打つ手なしの状況に絶望し始めていた。

 

 

空「あと少しだったのに…!」

 

こいし「そんな…」

 

燐「どうすれば…」

 

さとり「くッ…!」

 

 

さとりはハンニバルの前に立ち、両腕を広げる。

 

 

さとり「(この子達だけでも守らなければ…!)」

 

こいし「お姉ちゃん…!?」

 

 

ハンニバルはかまわずパンチをしようと左腕を振りかぶる。すると燐が上空に何かを見つける。

 

 

燐「…?あっさとり様、あれ!」

 

さとり「え…?」

 

 

さとりは上に視線を向ける。何かがこちらに落ちてきているのが見える。よく見ると、なんとレイジの姿が。

 

 

さとり「レイジさん!」

 

 

さとりには、彼はまさに絶望的状況を覆す希望の光のように見えた。ハンニバルは既にさとりにパンチをしようと左腕を振り始めている。レイジは落下しながら神機を捕喰形態に切り替え、左腕を喰いちぎった。

 

 

ハンニバル「グォオオオオオオ!!」

 

 

ハンニバルは悲鳴を上げ、痛がっている。レイジはその隙に状況を確認。さとり達に下がるよう伝える。

 

 

こいし「え、1人で大丈夫なの!?」

 

レイジ「…」

 

さとり「(少女読心中…)わかりました。皆、ここは彼に任せましょう」

 

空「え、でも…」

 

さとり「彼ならきっとやってくれるはず。「自分はそのための存在」だと()っていたから」

 

 

四人は前線から下がり、レイジを見守る。

ハンニバルは痛手を負わされたことにより怒りで活性化し、雄叫びを上げる。レイジの神機は先程喰らったハンニバルの左腕を喰い終わり、剣形態に戻る。レイジは再びバースト状態になり、弾丸のような速度で敵に向かってダッシュする。ハンニバルは迎え撃とうと爪で攻撃。レイジはギリギリで避けつつ、ハンニバルの右腕の勢いを利用して刃をめり込ませる。両腕をやられたハンニバルは立つことがままならず、よろよろとしている。

 

 

さとり「…すごい」

 

こいし「なんか私達必要ない感じ?」

 

 

さとり達はレイジのあまりにも圧倒的な戦いぶりに驚くばかり。レイジは止めに神機を右肩に置くような形で構え、神機に意識を集中させる。すると刀身に紫のオーラが発生し、巨大な刃が形作られる。ハンニバルはそれに気づいたのか、フラフラとした足取りでレイジに向かってくる。そしてレイジは、神機を振り下ろす。スペルカード風に言えば、

 

両断「チャージクラッシュ」といったところか。

 

ハンニバルは真っ二つになり、ズズンと崩れ落ちる。動かなくなったのを確認し、レイジは神機でハンニバルのコアを捕喰しながら皆の無事を確認する。

 

 

燐「…これで騒ぎも落ち着きそうですね」

 

さとり「そうね。…レイジさん、危ないところをありがとうございました。いとも容易くあの怪物を倒すとは…その武器には何か秘密があるのですか?」

 

こいし「もしかして、その武器じゃないと倒せないとか?」

 

 

レイジは今回の事件で現れた怪物、「アラガミ」について説明した。

 

 

空「へー、つまりあんたじゃないとあいつらを倒すのは難しいんだ」

 

燐「どうりでお空の大技しか攻撃が効かないわけだよ…」

 

 

一方で、アーティ達は灼熱地獄と地霊殿を繋ぐ階段を走り下りていた。

 

 

アーティ「ようやく見えて来たわね」

 

レン「あ、あの様子だと、終わったみたいですよ」

 

アーティ「ん、あれハンニバルじゃない。レイジちゃんと"あのこと"知ってるかしら…って!」

 

 

気付いた時には、ハンニバルは再び動き出していた。ハンニバルはコアを失っても再び生成できるので、不死身なのだ。レイジは初めてそれを見た時驚いたが、コウタを守ろうと必死だったため、よく覚えていない。その上、さとり達と会話しながら階段に向かっている。よって、完全に後ろが無防備な状態なのだ。

 

 

アーティ「レイジ!後ろ!!」

 

レイジ「?」

 

 

レイジは後ろではなく、先にアーティのいる方向を向いてしまった。レイジから緊張感が感じられず、アーティとレンは焦る。ハンニバルはすぐそこまで迫っている。

するとさとりがこれに気付き、

 

 

さとり「はッ!危ない!」

 

 

さとりはレイジに跳びかかりながら突き飛ばす。ハンニバルの腕がさとりの左腕かすめていく。レイジはようやく状況を把握し、まずさとりの様子を確認する。すると、直撃しなかったものの彼女の二の腕にガラスの破片で切ったような傷が出来ていた。傷は浅いが出血が多めだ。爪が掠ったのだろう。

 

 

こいし「ああっ!お姉ちゃん!」

 

さとり「ぐぅ…ッ、私よりも、あの怪物を…!」

 

空「よくも!くっそーこいつ、なんで墜ちないのよ!墜ちろおおお!」

 

 

空はメガフレアを発射し、ハンニバルを崖の下へ吹き飛ばす。マグマに突き落とされたハンニバルは、苦しそうにもがき、マグマの底へ消えて行った。いくらハンニバルでも、マグマの中では蘇らないようだ。

 

しかしレイジは後悔で頭がいっぱいだった。ハンニバルは倒しても蘇ることをすっかり忘れていた。今更思い出した自分を責める。そこにようやく階段を下り終えたレンとアーティがやってくる。

 

 

レン「レイジさん!さとりさんに何かあったんですか!?」

 

レイジ「…」

 

燐「さとり様、大丈夫ですか!」

 

さとり「ええ、腕を掠めただけだから…」

 

アーティ「…あーあーやっちまったわねレイジ」

 

さとり「いたた・・・(スッ)わっ」

 

 

レイジはさとりをおんぶして階段を上り始める。大事に至らなかっただけまだいいが、喜ぶことなど出来なかった。自分の不注意でケガをさせてしまったことに変わりはないのだ。あの時ハンニバルの特徴を身を以て知っていたはずなのに…

事態は収拾したが、レイジとしては複雑な心境だった。

 




作「…」

弟「…」

作「…」

弟「…なあクソ兄貴」

作「あ?」

弟「気になったんだが、レイジとサヤカの容姿はなんだ」

作「ああ、それはキリがいいとこで登場人物紹介のページ作るから待っとれ」


とりあえず、サヤカsideを一通りキリつけてから登場人物紹介作ります。
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