東方神喰者   作:wing

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皆さんおはこんばちは、wingです。ようやくレイジsideに区切りがつきそうです。それではどうぞ。


Mission 7 抱擁、喧騒、地底にて

アラガミ地底襲撃事件はハンニバルの撃破により、事態は沈静化されていった。地下街ではもうすでに普段の活気を取り戻している。

 

 

勇儀「今日は大変なことがあったけど、とりあえず無事解決したし、今日はいつもより騒ぐぞー!」

 

妖怪達「おーーーーーー!!!」

 

ヤマメ「いやあ~、動いた後の酒はうまいねぇ」

 

キスメ「あれ、そういえばレイジ君は?」

 

ヤマメ「ん、まだ地霊殿のとこにいるんじゃないかな」

 

キスメ「一緒にお酒飲みたいですぅ」

 

 

パルスィ「…私人の多いとこ嫌いなんだけど」

 

勇儀「いいじゃんか、今日は皆そろって宴会なんだ、お前だけ仲間外れにはさせんぞ!」

 

パルスィ「そのお気楽な頭が妬ましいわ…」

 

勇儀「どうした?飲まないのか?」

 

パルスィ「だ、誰も飲まないなんて言ってないわよ」

 

勇儀「ならほら、飲んだ飲んだ!」

 

パルスィ「ちょ、注ぎ過ぎ!」

 

 

地下街でワイワイと賑わっている一方で、地霊殿の屋上。地霊殿の遥か上空では、空が見えるほどの大きな穴が開いており、満月になりかけの月の光が地霊殿を照らしている。レイジは屋根の上で体育座りをして夜空を見つめていた。

 

 

レンとアーティはレイジのそばで彼の様子を案じている。

 

 

アーティ「あんたはホントワケのわからない性格してるわね。あれくらいでそんなに落ち込むなんて」

 

レン「言い方をもう少し考えましょうよ…」

 

アーティ「だってあれから二時間経ってるのにまだいじけちゃって、男のくせに情けないわ」

 

レン「数えてたんですか…」

 

 

すると、さとりが屋根に上ってきた。するとアーティは何かを思いついたのか、レンの腕を引っ張り、レイジがいる場所とは反対の場所に行き、隠れながら様子を見る。

 

 

レン「(…なんですかいきなり!?)」

 

アーティ「(ちょっといいこと思いついちゃったわ。あたし達じゃレイジを何とかできそうにないから、さとりと二人きりにさせてみよw)」

 

レン「(…まあ、さとりさんは心を読めますし、レイジさんの気持ちをよく理解してくれるかもしれませんね・・・って隠れる意味あるんですか?)」

 

アーティ「(ッるさい、黙んなさいよあんた、聞こえたらどうすんのよ)」

 

レン「(ンンンーーーッッ!)」

 

 

さとり「あら、レイジさん。よくここへの行き方がわかりましたね」

 

 

レイジは顔を伏せ、さとりの方を向こうとしない。さとりはレイジの隣に座る。

 

 

さとり「私はこの場所が好きなんです。こうしてきれいな月が見えるから…」

 

レイジ「…」

 

さとり「あなたも、ここを気に入ってくれたみたいですね。嬉しいです」

 

レイジ「…」

 

さとり「「勝手に人の心を読まないでくれ」…ですか?あぁ、つい癖で。ごめんなさい」

 

レイジ「…」

 

さとり「(「今の俺は、お前に顔向けできない」…か。あの時のことを気にしているのね)」

 

さとり「レイジさん。私はあのことを気にしてなどいません。むしろ、私の方があなたにひどいことをしました」

 

 

レイジは顔を伏せたまま、首を横に振る。

 

 

さとり「あなたは…優しいんですね。実をいうと、あなたのような人間には…今まで会ったことがありませんでした。だから、「人」のために何かをしてあげようと思ったのは…こんな気持ちになれたのは、あなたが初めてです。なぜだかわかりますか…?」

 

 

レイジは再び、首を横に振る。

 

 

さとり「許してくれたからです。トラウマを思い出させることは、心の傷をさらに深くする…誰がやられてもこの上ない苦痛になるでしょう。そして私はそれをあなたにやった。それでも、あなたは私を責めることなく私を茶化していましたよね」

 

レイジはピクッと反応する。

 

 

さとり「あなたを部屋に運ぶ時、内心、ヒヤヒヤしていました。もし元気になったあなたが私を責めたら…自分で勝手にやったことだから自業自得なんですが、それでも、…責めませんでしたよね」

 

レイジ「…」

 

さとり「正直言って、怖かったんです…責められるのが…。私は自分の能力のせいで昔から多くの人間に忌み嫌われていました。だから…」

 

 

さとりの声が少しだが震える。

 

 

さとり「許してくれて…嬉しかった…!」

 

レイジ「…」

 

さとり「初めてなんです。私のこの能力、「心を読む程度の能力」による力を目の当たりにして、自分の容体を気にせず笑ってくれた…。何度もアラガミから私達を救ってくれた…。あなたには、本当に感謝しています」

 

さとり「それと、私がケガをしたことは気にしないでください。あれは私が勝手にやっただけですから…」

 

 

レイジはゆっくりと顔を上げる。だがさとりの方には向いておらず、顔もよく見えない。

 

 

さとり「レイジさん。私はあなたを許します。あなたが私を許してくれたように…。貸しだとか、借りだとか、そんなものではありません。こんな私でも、受け入れてくれる「人」に出会えたから…私からも、何かをしてあげたい…」

 

 

さとり「だから……泣かないで…」

 

 

さとりはレイジの頬に手を添え、ゆっくりと顔を自分の方向へ向ける。レイジは涙を流していた。

 

 

さとり「私はあなたを許します。そして、私はあなたを受け入れます…」

 

レイジ「…ッ――――――」

 

 

さとりは、震えた声を漏らしつつ涙を流すレイジをそっと抱き寄せた。それはまるで母親のように優しく、温かかった。

 

 

さとり「あなたは不思議な方ですね…。灼熱地獄に行くのに階段を使わず落下してくるような豪快な方と思えば、私のことを心配してくれる繊細な面もある…。性格とは複雑なものですね」

 

アーティ「(グスッ、いきなり現れて脅かそうと思ったけど、さとりの温かさに心を打たれたわ…)」

 

レン「(イイハナシダナー(´;ω;`)…って、さっきと目的が違うじゃないですか…)」

 

さとり「…レンさん、アーティさん、そこにいるのでしょう?」

 

アーティ「!?…にゃ、にゃーん」

 

 

アーティは猫の鳴き真似で誤魔化そうとするが、レンは素直に姿を見せた。

 

 

レン「えーと…やっぱりバレてました?」

 

さとり「ええ、私がここに来た時からわかっていましたよ」

 

アーティ「マジか…でも雰囲気的にね、出てくるべきじゃないと思ってたのよ」

 

さとり「お気遣いありがとうございます(絶対嘘ね…)」

 

アーティ「ん、なんか街が賑やかになってるわね」

 

さとり「恐らく今回の騒ぎが収まったので皆集まって宴会をしているのでしょう。皆さんも行きますか?」

 

 

アーティ「そうするわ、腹減ってきたし」

 

レン「お言葉に甘えさせて頂きます」

 

 

一行は地下街に足を運び始める。その様子を、地底の天井に開く大きな穴の上から眺める影が一つ。

 

 

?「うーん、いい眺めだね。とはいえ、なんかあの二人を追ってたらわけわかんないとこに迷い込んじまうし、ひとまずちっこい奴らを地底に送って様子を見てみたら、あの坊やがいるときたもんだ。しかもあたしの目を有効利用してるじゃないか…こいつは予想外だし、厄介だね…。ん、どうした?…今から襲ったらいけないかって?やめとけ、今は展開的にやめといた方ががいいのさ。…ん?今度は何…へぇ。もう一人の方が竹林の方に…。わかった。じゃあその竹林に行くとするか。おっと、お前とお前はあの坊やの監視を続けろ。何かあったら連絡しな」

 

 

そう言うと、影はその場を後にした。

 

 

?「さて、もう一人の方ははどれほどやれるのかな…?」

 

 

一方で、レイジ達は夕飯をまだ食べていないという意味でも、勇儀達の無事を確認する意味でも、宴会に参加することにした。

 

ヤマメ「おお、珍しいね。さとりが宴会に来るなんて」

 

さとり「ええ、皆さんの無事を確認しがてら夕飯を頂こうと」

 

キスメ「レイジ君も来てくれて嬉しいですぅ」

 

こいし「お姉ちゃん遅いよ!早くしないとなくなっちゃうよ!」

 

空「あ、さとり様ぁ、お先に失礼してまぁwすww」

 

燐「あんた飲みすぎだよ…ベロンベロンじゃないか」

 

空「何だとぉ?私は酔ってなんかいなあい!」

 

燐「それを酔ってるって言うんだよ…」

 

勇儀「おお、レイジ!こっちへ来い!一緒に飲もう!」

 

 

宴会場では、大勢の人数が集まって食っては飲み、騒いでいた。レイジは勇儀に引っ張られ、酒を勧められる。レイジはまだ未成年だ。しかし飲めないとは言っては気分を害すると思い、あまり好きではないと答えた。

 

 

勇儀「そいつは残念…でもまあ腹が減ってんだろ?たらふく食っていけばいいさ!宴会は楽しむことが一番大事だよ!」

 

 

辺り一面に様々な料理が並べられている。レイジはありがたく頂くことにした。

 

 

こいし「はいお姉ちゃん!あーん」

 

さとり「熱ッ!!ちょっとそれ熱すぎ!」

 

レン「…幻想郷って、こんなに平和なんですね…今日はアラガミが襲ってきたのでいまいち実感湧きませんが」

 

アーティ「私達の世界じゃ考えられないわね…毎日がこんなに平和だったらいいのに…。なんか羨ましいわ」

 

パルスィ「…?」

 

勇儀「ん、どうしたパルスィ」

 

パルスィ「…いえ、何も」

 

勇儀「宴会中は笑顔以外の表情は必要ない!さぁ、もっと飲むぞ!」

 

パルスィ「あっだから注ぎ過ぎよ!」

 

 

こうして、宴会では皆幸せに過ごしていた。そして宴会終了後―――――

 

 

レン「で、なんでこうなるんですか…」

 

アーティ「知らないわ」

 

 

状況を説明すると、宴会後、レイジは勇儀に再び決闘を申し込まれ、宴会場の外で行うことになった。勇儀は少し準備をするため、宴会場の中にいる。その間、レイジはレン、アーティと共に再びあの「準備運動」をすることにした。決闘を見に来た妖怪達は決闘する場所から少し離れた場所にいるレイジを見て驚愕している。

 

 

こいし「なんか、すごいね…」

 

さとり「そ、そうね…(レンさん、アーティさん、お疲れ様…)」

 

パルスィ「妬ましいわ、あの動き…」

 

ヤマメ「伊達にあの怪物どもと戦ってるワケじゃないみたいだしね。こいつは期待出来そうだ」

 

キスメ「楽しみですぅ」

 

 

そして、勇儀は準備が終わり、颯爽と宿から姿を現す。以前と同様、酒の入った杯を持っている。観客達は歓声、拍手を送る。レイジは勇儀の真正面の位置になるように立つ。レイジにも、歓声と拍手が挙がった。

 

妖怪「いい勝負しろよー!」

 

こいし「がんばれー!」

 

ヤマメ「簡単に捻り潰されるんじゃないよー!」

 

 

レイジは無反応はいけないと思い、笑顔で手を軽く振る。そのはにかんだ表情に、何人かは心打たれてしまった。

 

 

ヤマメ「(なッ、何だ…今の…!?)」

 

キスメ「飲みすぎでヤマメちゃんの顔、赤いですぅ」

 

さとり「……!」

 

こいし「ん、お姉ちゃん顔が赤いよ?」

 

さとり「えッ?あ、いや、きっとお酒を飲んだからよ」

 

こいし「ふーん(お姉ちゃんたら、素直じゃないなあ)」

 

パルスィ「あんな顔ができるなんて…少しドキッとしたじゃない…妬ましい妬ましい…。勇儀!」

 

勇儀「お?」

 

パルスィ「あ、あんたが勝ったら、その…私、美味いお酒持ってるから、それあげるわ」

 

勇儀「おお!それはいいね!この勝負、負けられないな!」

 

パルスィ「わ、私が応援するくらいなのよ、絶対勝ちなさいよね!」

 

アーティ「レイジ、下手な戦いすんじゃないわよ」

 

レン「レイジさん、…えーと、頑張ってくださいね」

 

勇儀「さあ余興はここまでだ!レイジ、遠慮はいらない、全力でかかって来な!」

 

 

勇儀は身構え、レイジを睨み付ける。一方レイジは神機はしまったまま自然体のままで勇儀を見つめている。全員に緊張が走り、周りが静かになる。

 

 

勇儀「どうした、そっちから来てもいいんだぞ?」

 

レイジ「…」

 

 

レイジからは、一切乱れを感じさせない落ち着きが見て取れた。勇儀は自分の目は間違っていなかったと、心の中で喜ぶ。

 

 

勇儀「じゃあ、先手はいただくッ!!」

 

 

勇儀は地面を力強く踏み出し、レイジに向かって走る。とても杯に酒を入れているとは思えないバランス感覚とスピード。しかしレイジは未だ自然体のままだ。勇儀は杯を持っていない方の腕でストレートを放つ。レイジは食らう直前で頭だけ動かし、攻撃をかわした。

 

 

勇儀「…ほう」

 

 

両者ともに落ち着いた表情。今度は続けざまに腕を振るいだす。レイジは最小限の動きで攻撃をかわしていく。

 

 

勇儀「私の目は間違っていなかったようだ!ここまで面白いヤツは久しぶりだな!さて、次はこいつでいくとしようか!」

 

 

勇儀は一旦距離を取り、スペルカードを取り出し、高らかに宣言する。

 

 

勇儀「力業「大江山颪」!」

 

 

すると、大型の弾が無数に現れ、突風のようになだれ込む。かなり広範囲にわたって弾幕が張られるため、レイジだけでなく観客もグレイズする。

 

 

ヤマメ「ちょ危なッ!?」

 

空「ほえ~」

 

燐「あんたまだ酔いが醒めてないのかい…」

 

空「そんなこtふぎゃッ!!」

 

燐「ああっ!?お空がピチュッた!」

 

勇儀「おっと、悪い悪い。さあレイジ、ここまで来て、私の酒をこぼさせてみな!私はここにいるぞ!」

 

 

勇儀は自分の位置を示し、レイジに反撃のチャンスをちらつかせる。レイジはちょん避けで避けつつ、勇儀のもとに移動する。それからまもなく勇儀の近くに辿り着く。

 

 

勇儀「お前のその避けっぷり、シビレるねぇ!さぁ、このまま肉弾戦を始めようじゃないか!…おっと」

 

 

なんと、嵐のように乱れ飛ぶ弾丸の真っ只中で格闘戦を仕掛けてきた。一見して勇儀が有利に見えるが、レイジが近くにいるため、勇儀にも弾が飛んでくるのだ。

 

 

勇儀「ほらほら、どうした?弾が怖くちゃ私に勝つことはできないよ!」

 

 

弾幕を避け、尚且つ勇儀の格闘攻撃も捌きつつ反撃のチャンスを狙わなければならない。思考よりも、ほぼ直感だけで動く状態になっていた。すると、

 

 

勇儀「うおッ!?」

 

 

勇儀に弾が当たり、一瞬バランスを崩す。レイジはすかさず杯にめがけダッシュする。しかし、

 

 

勇儀「まだまださ!」

 

レイジ「ッ!!」

 

 

勇儀は即座に体勢を戻し、レイジの背中を蹴り飛ばす。鬼の一撃は非常に重い。倒れこみ少し咳いた後、すぐに起き上がるが距離が離れてしまっている。レイジは再び勇儀を中心に乱れ飛ぶ弾幕の嵐をかいくぐりながら勇儀のもとへ向かおうとする。すると勇儀の方からレイジの方へ走ってきた。

 

 

勇儀「無駄にスタミナを奪う真似はしないさ!さあ、どんどん来い!」

 

 

弾幕の中で激しい攻防が繰り広げられる。レイジの健闘に観客達も激しく声援を送り続けている。そのまま10分が経過した。

 

 

勇儀「ふう…まさかここまでやるとはね。お前はすごいんだな」

 

 

勇儀は疲れる様子が見られず、笑い声を上げる。レイジは息が切れてきているが、まだ落ち着いた表情が見られる。

 

 

勇儀「さぁ、そろそろ決着を付けようじゃないか!四天王奥義「三歩必殺」!」

 

 

先程までの弾幕を消し、次のスペルカードを使う。レイジは名前を聞いて、直感で三発目の攻撃で決めるつもりだと思った。勇儀の杯を持っていない方の腕に光が集まり、レイジに突進する。

 

 

勇儀「1!」

 

 

一発目、レイジめがけフックを放つ。念のため距離を空けようと大きめに避けた。するとを振るった腕から弾幕が。

 

 

勇儀「2の!」

 

 

二発目、今度は裏拳で薙ぎ払うように攻撃。同じく振るった腕から弾幕が張られ、レイジの逃げ場をなくしていく。

 

 

勇儀「さあん!」

 

最後の一撃はレイジの懐に一瞬で潜り込み、アッパーを決めようと腕を振るい始めていた。左右は弾幕で逃げ場がない。レイジは意を決し、勇儀の頭上を飛び越えるようにジャンプした。勇儀の拳がレイジに迫る。

 

 

勇儀「終わりだ!」

 

 

しかしレイジは避けるためにジャンプしたのではなかった。勇儀の頭上で彼女の腕を掴み、アッパーの勢いを利用して腕を掴んだまま回転し地面に叩き付けた。

 

 

勇儀「うおっ!…あっ」

 

 

勇儀は倒れたまま、杯を確認する。すると、酒が杯から思い切りこぼれてしまっていた。

 

 

勇儀「ふっ…あっははははは!参った!私の負けだ!」

 

 

勇儀は倒れたまま高笑いをした。

 

 

観客達は一瞬ざわつくが、それから間もなく大きな拍手が送られた。

 

 

妖怪「二人ともよくやった!」

 

妖怪「兄ちゃんやるじゃねーか!」

 

こいし「わーーレイジすごーい!」

 

ヤマメ「お疲れさーん!」

 

 

勇儀、レイジはお互いの健闘を称え、握手を交わした。

 

 

勇儀「いやあ、あそこで反撃されるとはね、私もまだまだってことだな。お前との決闘、楽しかったよ」

 

 

レイジも笑顔で答える。束の間の平和を存分に楽しんだレイジであった。

 

 

次の日の朝、地霊殿玄関―――――

 

 

さとり「…もう、行ってしまわれるのですね」

 

レイジ「(コク)」

 

 

レイジ、レン、アーティは支度を済ませ、玄関で持ち物を確認していると、さとりが現れ声をかけた。

 

レン「さとりさん、昨日はお世話になりました」

 

さとり「いえ、気にすることはありません。ところで、あなた方はこれからどちらに向かわれるのですか?」

 

アーティ「ああ、レイジがね、連れを探しているのよ。でも地底にはいないようだし、これから地上で探そうと思ってね」

 

さとり「そうですか…あ、地上への出口はここから少し距離があります。私が案内しますね」

 

レン「助かります」

 

 

玄関を出ようとすると、こいしが外に立っていた。

 

 

さとり「こいし…また夜更かしして地上をほっつき歩いてたでしょ」

 

こいし「うん、月が綺麗だったから」

 

さとり「まったくもう…これで三日目よ。睡眠をとらないと、体を壊すわよ」

 

こいし「まあまあ、それよりさ、人里を無意識に歩いてたらね、「外来人が博霊神社の境内に幻想入りしたらしい」って噂してたよ」

 

 

聞き覚えがない場所だが、それを聞いてレイジ達は安心した。

 

 

さとり「思わぬ朗報ですねレイジさん。その上場所まで明らかなのは幸いなことです。ついてきてください、地上への道はこちらです」

 

 

レイジ達はほっと胸を撫で下ろし、地上に向かった。

 




作「ようやくサヤカsideに切り替えられそうだ」

弟「つーか今回までレイジ達サヤカのこと忘れてたことね?」

作「…」

弟「…」

作「…まぁ、アラガミの騒ぎがあったからな」

弟「…」


次回はサヤカsideいきます!
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