毛玉さん今日もふわふわと   作:あぱ

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計画する毛玉

「早く帰ろーぜー、親父に見つかったら面倒臭いしー」

「お前早く帰ろうって言い過ぎ……誰の買い物だと思ってんの」

 

というか、お前の親父さん特にお前を連れ戻す気なさそうだし……放任主義っていうの?まあ魔理沙はすごく逞しく生きてるし、それでいいんだろうな。

戻れって言ってもどうせ出て行くから諦めてるだけかもしれないけど。

 

「大体、霧雨さんに頼まれてなかったらお前の面倒なんて見てないから。今頃死んでるからお前」

「はいはいわかった、感謝してるって」

 

してないでしょ、適当に言ってるでしょ。

魔法の森の中だけで人間が生活するには無理がある。

変なきのこしかないし、動植物は毒持ってたりで、安全な食べられるものが生えてるわけでもないし。

まあ魔法使いからしたらあのきのこ美味しいらしいけど……

 

「保存が効くもの買った方がいいよなぁ……魔理沙っていつもどう料理してんの?」

「鍋に放り込んでる」

「………一応、料理するためのものは揃えてたはずなんだけど」

「面倒くさい」

 

腹に入ったら同じって考えかお前。

ご飯くらいはまともに……あー。

 

「まあ、お前頑張ってるもんなぁ……料理なんかに手をかける暇ないか」

「おうよ、私はあんな奴に負けてられないんだぜ」

「だぜって……もうちょっと、女の子らしくさあ」

「お前に言われたくない、このもじゃもじゃ」

「んだとガキ」

 

こいつのこの口調、私のがうつったとかじゃないよな?だぜとかは言った覚えはないが、私も似たような口調の時あるし……

まあ今更直らないか、諦めよ。

 

「……そういや服とかお前どうしてんの?」

「こーりんに貰ってる」

 

手作りなんですね霖之助さん?あなた本当に魔理沙のこと好きっすね……もしこれで霖之助さんの見た目がデブでメガネかけたオタクみたいなのだったらロリコンとか呼ばれてるところだ。

……メガネはかけてるか。

 

まあ、霖之助さんからしたら魔理沙は姪っ子みたいなものなのかもしれない。もちろん血のつながりはないだろうけれど。

 

………そういやさとりんも子供みたいな見た目だよなあ……チルノと大ちゃんもだし……

私の方がよっぽどロリコンか?

 

「……って、どうした急に止まって」

「………」

「んー?………あっ」

 

 

 

 

 

 

 

その辺のあったかい飲み物出してる店にいったん入る。

 

「まさかこんなところで会うとは」

「本当に人里歩き回ってるんだなお前」

「まあ」

 

霊夢を連れた巫女さんとばったりあった。

 

「てかなにその服装、いつもの巫女服は?」

「妖怪も歩き回ってるこの場所で博麗の巫女なんてのがいるってなったら、また面倒な騒ぎになるだろ」

「それもそうかぁ……」

「まあ下に着てるけど」

「着てるんかい」

 

まあ上からコートみたいなの羽織ってるし、別にバレやしないだろうけど。

 

「てか、こんな寒さなのに、子供は本当よく動き回れるよなぁ」

「昔はとんでもない寒さが冬の間不定期で起こってたらしいけどな。原因はどこかの妖怪と妖精とか………もしかしてお前か?」

「私、冬は好きだけど寒すぎるのは嫌いだよ」

 

ってか前も誰かに疑われたような気が……氷出せるってだけでみんな疑いすぎだろ。

……いや、そりゃあ疑うか。

レティさんとチルノも最近は比較的おとなしくしてくれている。

 

「で、外でなんか楽しくおしゃべりしてるガキンチョどもは放っておいていいの?」

「まあ人里の中で何かやらかすような奴じゃないしな、あいつは。心配なのはそっちの金髪のだろ」

「否定できないのが辛いなあ」

 

魔理沙も子供だけど、分別がつかないほどじゃない。そんなやらかしはしない……と思いたい。

てか私は保護者でもなんでもないんだけどなあ……

 

「てか、人里へは何をしに?」

「買い出しと、霊夢に人里を見て回らせようと」

「あー、ずっと神社いるもんね」

「そっちは?」

「買い出しと、たまには人里を見て回らせようと」

「同じか」

「だね」

 

まあ私の買い出しは魔理沙のための買い出しなんだが……

 

「例の件はどうだ?」

「例の件?……あー、あれか」

 

吸血鬼がくるとかのあれね、あれ。

 

「一応私の方でできるだけの準備…というか、備えはしておくつもりだけど………」

「紫のあの言い方を考えるに、お前相当面倒なことやらされそうだな」

「そうなんだよなぁ……本当にもう……巫女さんも当然面倒ごと押し付けられるんでしょ?」

「いや、多分人里の防衛だろ」

「あ、そうなの?」

「流石に妖怪と混じって戦ってたら問題になる」

 

確かに……私はなんか敵本拠地に送り込まれそうな予感がする。

まあ仮にそうだったとして、流石に1人じゃないだろうけど……どうせ一緒に行くならめっちゃ強い人がいいな。萃香さんとか、勇儀さんとか、幽香さんとか。

せめて藍さんくらいは欲しい。

 

「てか、今こうやって店の中で妖怪と会話してる時点で問題だと思うんだけど」

「今更だな」

「あっはい」

 

相手吸血鬼でしょ?やっぱり銀に弱かったりするのかな。なんか普通に弱点とか克服してそうなイメージもあるけれど。

 

「……あれ、お前いつも持ってる刀どうした」

「ん?あぁ、周りから見えないように背負ってるよ。流石に刀なんて物騒なもの人里で持ち歩いてられないし」

「なら置いてくればいいだろ」

「家に誰か入ってきて持っていかれたら嫌じゃん」

「そんなに大切なものなのか?」

「まあね」

 

ずっと身につけておいた方が安心だし。

別に置いてきたって構わないんだけど、そうまでしなくてもある程度隠せるしね。

 

「お前が刀振ってるの見たことないけど」

「だって人の形見だしこれ、気軽にぶんぶん振れないでしょ。てか刀振るようなこと起こってないし」

「形見?」

 

まだその話してなかったっけか。

 

「昔のね、人間の友達の」

「へぇ………」

 

そういやりんさんのことも話してない……そんなに自分語りがしたいわけでもないし、別にいいか。

 

「形見ねぇ……私の形見を霊夢は持ってくれるのかね」

「嫌な想像すんなよ……まだピンピンしてんじゃん」

「最近が平和なだけで、昔はもっと色々やってたんだよ。それなりに危機にも瀕したし、まだ傷が残ってる。何があるかわからないからさ」

「まあ……そうだね」

 

りんさんだって、ある日急にルーミアさんに喧嘩売りに行ったんだもんな……何があるかわからない。正しくその通りだ。

 

「あ、私でよければいくらでも肉壁になるよ?危ないことがあったら全部私で防御すればいい」

「都合よく一緒にいたらそうする」

「……冗談のつもりだったんだけどなあ」

 

まあ、肉壁にするなら私が1番適任だろう。柊木さんは一応硬くなれるけど、そんなに硬くないしな。肉壁適正ナンバーワンの座は譲らない。

 

「………お前って妖怪らしくないよな」

「そう?まあ妖怪らしいって何かわからんけど」

「妖怪というか、人間みたいな感じするし」

 

そりゃあ元人間ですし。

 

「巫女さんが知らないだけで、私みたいなやつは結構いるよ。人間に完全に敵対してる奴の方が少ないと私は思うけどな」

「そうか……?」

「そうそう」

 

敵対するような奴は巫女さんに始末されてきたんだろうがね?人間が嫌いって妖怪ももちろんいるだろうが、まあ人それぞれだ。

 

「お前はなんというか……人間に理解がある?というか」

 

そりゃあ元人間ですし。

 

「変な奴だなお前」

「よく言われる」

 

じゃなきゃこうやって巫女さんと話してないさ。

しかし感覚とかは随分妖怪に寄ってきたと思ってたけど、巫女さんにそう言ってもらえるってことは、まあまだ人間としての心は残ってるってことなんだろう、多分。

そもそも私は中身は元々ただの一般ピーポーだったはずなわけで、生まれながらに妖怪だとか凄い力持ってるだとか、そんな人たちと一緒なわけないんだけどさ。

 

「ねえ、まだなのー?」

「ん、どうやら待たせすぎたみたいだな」

「子供はじっとしてらんないよねぇ、気持ちはわかる」

「じゃあ会計よろしくな」

「あ、やっぱり?だよね知ってた」

 

当然のように巫女さんの分は私が出す。

 

 

 

 

 

 

 

店を出た後巫女さんと一緒に行動しようと思ったけど、霊夢と魔理沙が凄い形相で嫌がったので別行動になった。

 

「ったく…どれだけ待たせるんだよ」

「そんなに待たせてないでしょ」

「あいつと一緒なのが問題なんだよ」

「霊夢?何よ、仲良いじゃん」

「良くない」

「良いじゃん」

「良くない!」

「良いじゃん!」

 

確かに結構喧嘩?みたいな、かわいい言い争いはしてるけど、それはそれだけ仲がいいってことだろう。もう少し時間が経ったらお互いに素直になるんじゃないかな?

 

「あいつすぐ私のこと馬鹿にしてくるんだよ」

「挑発に乗るお前もお前だぞ」

「毛糸に言われたくない」

「おっそうだな」

 

私は結構冗談で挑発に乗ってるんだがなぁ……てか挑発してくる相手も冗談だろうしな。

 

「でも時々博麗神社には行ってんじゃん」

「あいつを負かすためだし」

「勝ててる?」

「……勝ててない」

「そっかそっか、まあ相手はあの博麗の巫女の弟子だもんなあ」

 

実際才能が凄いと思う。

巫女さんの言ったことはすぐ飲み込んで自分のものにする。修行嫌いなところはあるみたいだけど、修行してもそんなに意味がないんじゃないかとすら思える。

要するに才能の塊だ。

 

「なんだよ、私だって頑張ってんのに」

「もちろんそれも知ってるよ。正直、あの霊夢に必死に努力してついていってるお前の方が私は凄いと思うぞ?」

「……そうか?」

「努力の天才だな、うん」

「へへっ、そっかぁ」

 

実際、私って何かやっても長続きしない方だしな……続いたとしても、ちょーっとずつやって数年かけてやるみたいな感じだし。

とりあえず子供ってのは褒めときゃ大体気分良くなってくれるからな、とりあえずドーパミン出しときゃそれでいいのよ。

 

本人たちの問題だけども、できればもっと仲良くして欲しいものだが、まあライバル関係ってのもいいんじゃないかな。

私も欲しいな、ライバル。

切磋琢磨する相手がいるってのはいいことだ、私にはそれがいない。

 

まあ霊夢との関係は大切にするべきだろう。本人も別に嫌ってるわけじゃないみたいだしな。

 

「でもなんで毛糸……もじゃまりは博麗の巫女なんかと仲良いんだ?」

「言い直すな、そしてどうせ言うならしろまりにしろ。それは私が幻想郷のどこ探してもいないような変な妖怪だからだよ」

「あー、なるほど」

「納得すんな」

 

たまには誰か否定してくれないもんかねえ……

 

「次はどこ行くんだ?」

「ん?んー……魔理沙って寺子屋って行ってたの?」

「いや、どこに行くんだって……行ってたけど、それが?」

「じゃあ慧音さん知ってるの?」

「知ってるけど……なんで?」

「いや、気になっただけ。次は……そうだなぁ、どっか行きたいとこある?先にそっちでいいよ」

「本当か!?じゃああっち行こうぜ!」

 

行こうぜ、って……もうちょっとさあ……

しかし、やっぱり慧音さんのこと知ってたか、ちょっと苦手そうにしてたけども。

あれか、魔理沙寺子屋じゃ不真面目そうだから、よく怒られてたとかか。魔法の研究してる魔理沙は至って真面目なんだけども……人里にいたから何してたかなんてよく知らないしな。

 

今度慧音さんに会ったら聞いてみるのもいいかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかやたらとテンション上がった魔理沙に連れられたのは、薬草とかいろいろ並んでるところだ。薬草屋…でいいのか?

薬草なんて魔法に必要なのかとも聞いたが、調合とかに必要なものがいろいろあるんだと。このあとも色んな材料屋を回る予定だと言われた。

 

もちろん私が払うんだと。

荷物も私が持つんだと。

 

………まあ、いいけどさあ。

 

「これ欲しかったんだよな〜!」

 

はしゃいでらっしゃる。

楽しそうで何よりだけど、もうちょっと可愛げのある店とかに行くもんだと思ってたよ。アクセサリーとか、服屋とか。年頃の女の子っぽい店。

そういうのには無頓着なのだろうか。

それともそのうち気にかけたりするようになるのだろうか。

 

うーむ……私元人間のはずなのにいまいち魔理沙の考えてることがわからん。というか人間でもわからないんじゃないか?これ。

親ならこういうの理解できたりするのだろうか。

 

「行くとこいろいろあるんだったらさっさと切り上げて次のとこ行こう、日が暮れるのはやだぞ私」

「わかってるって」

 

本当にわかってるのか、と思ったが魔理沙もそこまで子供じゃない。ずっと一人で魔法の森で暮らしてるんだし、その辺はしっかりしてるだろう。

 

 

魔理沙と霊夢……博麗神社で会ってるだけじゃあんまり楽しくないかもなぁ。

どっかで一緒に遊ばした方がいいか?お出かけとか……私の家は……面白いもん特にないか、荒らされても嫌だからなし。

アリスさんの家は普通に拒否されそうだからなし。

 

うーむ……どうしようか。

 

「………あ」

 

確かこの人里って、毎年夏祭りしてたような………今は冬だけど。

うむ、夏祭りにでも一緒に行こう。巫女さんも多分オッケーしてくれるでしょ。

 

 

 

 

そんなこんなで色々考え事してたら、用事が済む頃には日が暮れて店がどんどん閉まり始めていた。

魔理沙さぁ………

 

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