毛玉さん今日もふわふわと   作:あぱ

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戦闘書くの疲れたぽよぉ………


上には上がいるんだって知る毛玉

突っ込もうと思ったけどやめました、だっておっさんがその辺に生えてる木をもぎ取って振り回してくるんだもん。

怖いやん、そんなん無理やん。

だけど、木を振り回してくる分にはまだ何とかなる。

あのおっさんの拳、あれはやばい、まじやばい、一発食らったら私は即終了、実質オワタ式である。

だけど、拳じゃないなら、木なのであれば防ぐことは可能だ。

例えるならそう、バッティングセンターで投げられてく球がスポンジでできているのと同じようなものだ。

いや、これは逆?ま、いっか。

腕に妖力を込め、前から向かってくる木の幹に腕をぶつけへし折る。

すぐさまこちらへ向かってくる拳を、体を浮かせて霊力を放出し回避、そのまま体を回転させ足に妖力を込めておっさんの後頭部へ蹴りを入れる。

ゴン、と鈍い音がした。

 

「甘い」

 

鈍い音がしたのは私の足、足首を掴まれて脛に拳をねじ込まれていた。

足が変形している、そのまま振り回されて投げ飛ばされた。

体に投げられた勢いの負荷がかかる。

体を浮かして霊力を横向きに放出、地面へと着地した。

妖力込めててよかった、再生に時間はかからない。

これがまるまる部位欠損だったら時間かかるけど。

直ぐに立ち上がれるようになり、足に軽く妖力を込める。

 

「ほう、凄まじいな、その再生力は。今の蹴りも、その身体の力では到底出せない威力が出ていた。だが、高いのは妖力の質だけよ」

「おっさんはなんつー化け物なんだよ。勝てそうにないや」

「そうだろうな、我の負けはつまり死、我は今生きている、今まで負けたことがない。貴様ごときが我に勝てるはずがない」

 

何その理論、ちょっと何言ってるかわかんない。

でも勝てないというのは本当、正面からやってまともにやり合えば一撃で粉砕されて終わる。

でも、変な風にやっても簡単に反応されて返り討ちだ。

だけど何もしないわけにもいかないよねぇ。

 

足に込めた妖力を全て霊力に変換し、地面の表面を凍らす、そこから巨大な氷壁をつくる。

目の前のおっさんが隠れて見えなくなるくらいの氷壁を、右手に作った弱い妖力弾で吹き飛ばす。

ばらばらに割れた氷のかけらがおっさんへと迫っていく。

 

「小癪な………ふん!」

 

おっさんが腕を一振りしただけで飛んでいった氷のかけらは全て弾かれてしまった。

だけどその隙におっさんに急接近、下半身に向かって足を振り上げる。

それも簡単に後ろに下がられて避けられてしまった、だが、おっさんは急に動かなくなった。

 

「貴様………今金的を………」

「急に何言い始めてんの!?被害妄想やめて!」

 

まったく………おっさんのくせに、なんてことを………

手を挙げて、天狗の里の門の方へ合図する。

何をしているのかわからない様子のおっさん、その身体に急に矢が迫ってきた。

 

「援護射撃か………飛び道具如きで我を傷つけることはできん」

 

これもまた片腕だけで吹き飛ばしてしまった。

しかしその腕を、黒い弾が貫き、血を辺りに散らした。

 

「なに………?」

「やっぱり、流石のおっさんでも鉛玉は簡単には防げないみたいだね」

「なんだと?」

 

私の目線の先には、銃口をまっすぐおっさんに向けるるりがいた。

もう一度引き金を引き銃声を鳴らす、今度はおっさんのほおを掠めていった。

 

「やればできるじゃんるりぃ」

「こっち見て喋らないでくださいぃ!あたしが狙われたらどうするんですかあああ!!」

 

狙われるとしたらお前の声がでかいせいだな、うん。

 

「ぴぎゅあああおあおあおおお!!」

 

という奇声を発しながら、目にも止まらぬ早技で弾を込めて引き金を引き、発砲を続けるるり。

その様は完全にトチ狂った危ない人だけど、その射撃は確実におっさんを追い詰めていた。

とりがぁはっぴぃ。

銃を触るのが初心者とは思えないほど狙いが正確だ、急所を執拗に狙いに行っている、やだ怖いあの子。

あと連射速度が狙撃銃のそれじゃない、どれだけ装填速度が早ければそうなるんですか。

 

「舐めるなぁ!」

 

おっさんがその辺の岩を掴んでるりの方へぶん投げた、なぜそんな都合のいい場所にあるんだよ岩。

まっすぐるりへと飛んでいく岩、私じゃ間に合わない、と思ったら岩が無くなっていた。

 

「やれやれ、生きてるって聞いて飛んできたらまーた生き急いでるんですか、呆れますよ」

「文………」

 

文が岩を防いでくれたらしい、絶対私より君の方が強いよね、早いもん、クロッ○アップしてるもん。

 

「また会いましたね鬼葬」

「退いたと思えば、また我と闘いに来たか、貴様の攻撃では我には傷一つつけることはできぬ」

「分かってますよ、私は援護に回るとします」

 

そんなぁ、絶対前線で戦うのに向いてるでしょ文は、クロッ○アップは無敵なんだよ、最強なんだよ。

カ○トはカッコいいんだよ!

足に大量の妖力を込め、るりと文に気を取られているおっさんに超速度で接近、何も考えずに足を振るう。

ゴンっという音と共になにかを蹴った感覚、おっさんは大きく後ろにのけぞっていた。

足痛い。

 

「よかろう、貴様らの全身全霊をかけて我を殺しに来い、我もそれに答えよう」

「物騒な考え方しかできないのかおっさん、そういうの止めようよ、平和が一番だよ?」

「そのような甘い考え方は、いつか貴様自身を滅ぼす」

 

知らんがな。

確かに大半の人間、というか生き物の奥底に闘争心が眠っているのは事実だ、だけどそれと命の取り合いをひっつけるのは違うでしょ。

まぁ、要するに死にたくないってことだけどさ。

 

「雑魚とのお遊びに付き合うのもまた闘いよ………」

「人と喋るときは何を言ってるか明確にしてしゃべりなさい、良い年したおっさんがそんなんじゃ若者に笑われるぜ」

 

全身に、今残ってる妖力のほとんどを循環させる。

これなら、もし一発食らったとしてもなんとか耐えられる、はず。

 

近くにあった木を二本もぎ取り、おっさんの方へぶん投げる。

そのまま木と一緒に接近、木を両手で弾いたおっさんの腹に拳を入れる。

本来なら腹にめり込んでダメージを与えられるはずだけど、おっさんの腹が固すぎておっさんを押し出しただけになった。

だけど攻撃の手を緩める理由はない、身体を浮かして回転、そのまま回し蹴りをねじ込む。

またすごい衝撃とともにおっさんの体が吹っ飛ぶ。

文の方を一目見ると察してくれたのか、私を抱えておっさんの頭上へ起動させてくれた。

足を振り上げて体を浮かし、落下速度を上げるように霊力を放出する。

おっさんには防ぐ暇も与えず、その脳天へかかとを落とした。

相手の体を伝って衝撃が地面を震えさせる。

数秒の沈黙の後、おっさんがうつ伏せに倒れた。

 

「みっしょんこんぷりぃと………」

 

怖いなぁ………死んでないよね?気絶してるだけだよね?

はぁ〜………あー疲れた!帰って寝たい、てか帰る。

私おうちかえりゅ!

 

「本当にやったんですか、これ。本当に?起きてきません?」

「わからん、怖いから私離れる」

 

おっさんに背を向けた瞬間、凄まじい轟音が鳴り響いた。

その衝撃に押され、私の体は吹っ飛び天狗の里の壁へと激突した。

私が吹っ飛んだだけじゃない、その周囲の木々まで殆どのものが吹き飛んだ。

背中に強い衝撃が走る。

衝撃がおさまったあと、揺らぐ視界の中おっさんが歩みを進めてくるのが見える。

 

「やはりこんなものか、だがなかなか楽しめたぞ、雑魚どもよ」

 

足が動かない、腕も動かない。

そして喋れない、喋る気もない。

 

「これで終わりだ」

 

だって………

おっさんの振り上げた腕が、肘から先が無くなっていた。

 

「よぉ、あんたが鬼葬って奴かい、もう死にかけに見えるが強いって話だ、楽しませてくれよ?」

「貴様………宵闇の………」

「おぉ、知ってるのか、嬉しいねぇ」

 

戦闘狂は戦闘狂を呼ぶのか………赤い瞳に狂気のようなものを感じ、その殺意を向けられてない私ですら、殺されると感じてしまった。

 

「貴様と闘える日を待ち望んでいたぞ………行くぞ」

 

私の事なぞ眼中にないようで、背中にいたルーミアに向き直る。

足を踏み出し残っている拳をルーミアへと向けて放つ。

対する彼女は、避けずにそのまま顔に拳をくらった。

また吹っ飛ばされそうになる衝撃のなか、ルーミアは平然とした顔でおっさんのことを睨む。

 

「なんだ、これっぽっちか。期待して損した」

「なんだと………?ならばこれなら——」

「あーもういいよ、お疲れさん」

 

ルーミアがそう言い放ったとき、おっさんの頭は無かった。

いや、喰われていた。

 

「硬いなぁこれ」

「うわぁ………」

「ん?なんだよお前、お前も死にかけかい、どうした、狩りにでも失敗したか?」

「あぁ、うん、もうどうでもいいやぁ」

 

敵にチーターが現れたと思ったら知り合いにもっとやばいチーターがいたわ、なんなのこの世界もう嫌だ。

突然、痛みが全身に走る。

今更痛みを思い出したのか、気を保っていられそうちない。

 

「もう一回言っておくが、お前を食べるのはこのあたしだ、覚えておけ。あと名前聞いてたか?」

「………」

「ありゃ、寝てる。なんだよつまらないな。あと残ってる雑魚どもは喰っていいんだよな?ひ、ひ………」

「柊木だ、覚えなくてもいい。あと敵味方間違えないでくれよ、あと食い散らかさないでくれ」

「心配するな、あたしは食べ物は全部丸ごと頂くんだよ」

「そこのおっさんは食い散らかしてるが?」

「そいつは硬いから別」

「なんだそりゃ………はぁ………」

 

 

 

 

「なにしてんの」

「料理」

 

聞いてくれ、起きたら目の前でルーミアが焚き火で料理してたでござる、わけわかんないでござる。

 

「ほら、食べろよ」

「は?」

 

なんか焼けた肉を目の前に突き出される。

ちょっとなにやってるかわかんない。

 

「もしかして人肉じゃ………」

「馬鹿か獣肉だ馬鹿」

「二回言ったよ」

「ほら、口開けろ」

 

威圧が凄いので仕方がなく口を開けたら思いっきり突っ込まれた。

うん、うん………

程よい熱さにいい焼け具合………塩もふりかけられてる。

 

「美味しいっす」

「おうそうか、ちゃんと食えよ、喰わなきゃ体治らないぞ」

 

あら心配してくれてたの。

 

「食うとこ減るからな」

「あ、やっぱりそっちだよね知ってた」

 

腕はかろうじて動くけど足は動かない、神経のほうがやられたのか。

あとなんか色々足りない気がする。

なにが足りないって、耳とか指とか………あれ、これ左足が膝から先無いじゃん。

 

「無いところはあれだ、ここに担いで来るときに千切れた」

「人の体は大切に扱ってください。そして食べたでしょ」

「おう、そこそこだったぞ」

 

私の足をルーミアが食べてる様子………

想像してみたけど何にも感じない、特になにも思わなかった。

 

それにしても助かった、ルーミアが今日このルーミアじゃなかったら確実に私はお亡くなりになっていた。

天狗たちが戦いに勝てていたかはしらないけど。

まぁ私将来的に喰われるらしいけどねー。

そういえばどのくらい寝ていたのだろうか、体感ではそこそこ長く寝ていた気がする。

 

「ねぇ、私一体どのくらい寝て………」

「あー?」

「なぜこのタイミングでそうなるんだい」

 

ルーミアがパツキン人喰い系美女からパツキン人喰い系少女に戻ってしまった………戻った?戻ったであってるのか?これ。

もういいや知らね。

 

「私はなぜこんなところにいるのだー?」

「知らんがな」

「おぉ毛糸、血を流してるな食べていい?」

「ダメですっ!」

 

まったく、こうなったら可愛らしい少女なのに………言動以外は。

あれがどうしたらこんな少女に………妖怪だからか。

あーもー知らね、考えても意味ないよね。

この世界では常識に囚われては行けないのだよ。

それはそうと、ここはどこだろうか。

知ってそうなルーミアがこうなったからなぁ、どうしようか。

まぁまず体を動ける状態にまで戻さないと。

 

「この肉食べていい?」

「いいよ」

 

うわ、3秒で平らげたよこの子供、怖いわー最近の子怖いわー。

とにかく、体の再生に集中しておくか。

目を瞑って体の霊力と妖力を操作し始めた。

 

 

 

 

む、何かの気配。

背後から何かが近づいてくる。

 

「なんでこんなところにいんの?お前」

「知るかいな」

 

柊木さんだった。

いつもなら気配消して近づいてくるのに………疲労かな?

柊木さんも柊木さんで結構ズタボロだけど、まぁ元気そうで何よりだった。

 

「あの後どうなったの?」

「あ?あぁ、まぁそうだな、結果的にいえば勝ったよ。まぁだいたいその妖怪のおかげだが」

 

あぁ、勝ったのね、そりゃあよかった。

 

「で、なんでお前は頭かじられてんの」

「はい?」

「いや、頭」

 

頭かじられてるって………あ。

 

「おいルーミア、なに人の頭にかじりついてるんだよ」

「ひまだったから」

 

それはないだろ、暇だったら人の頭を食べようとするのはないだろ。

傷の再生に集中してて気づかなかった私も私なんだけどさ。

もう日が登っている、そろそろ行動しないとなぁ。

 

「ちょっと待ってて、後ちょっとで動けるようになる気がする」

「それはいいが………頭から血が流れてるぞ」

 

どんだけ強く噛んでたんやルーミアお前ぇ………

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