毛玉さん今日もふわふわと   作:あぱ

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どうも、書いてた文が消えてヤケクソになった、ア○ホテルです。
今更ですが、誤字などがあればご指摘ください。


そして毛玉は名を得る

「あ、毛玉さん」

「おん?なんだお前、やっぱり見れば見るほど怪しいやつだな………」

「凍らさないでね?頼むから凍らさないでね?私まだ死にたくないから。貴方が最強でとても恐ろしい存在ってことは重々承知してるから」

「え?ふ、ふふん!あたいの強さにひれ伏して命ごいか!いいだろう今だけは見逃してやる!」

「チルノちゃんの扱い方をわかっている………やっぱり毛玉さんだ」

 

上機嫌なチルノを見てぼそっと呟いた大ちゃん。

やっぱり本人認定されていなかったか。

まぁ感覚的にはあれだもんね、消えたペットが人の姿になって帰って来た的なアレだからね。

ちょっと自分でも何言ってるかわからないですなぁ………

 

「あの、さっきはすみません。様子を見に行ったら全裸の女性がいたので………」

「あぁ、うん、まぁ誰だってそうなるよ。全然気にしなくていいよ」

「なにぃ?お前ぇ、裸を大ちゃんに見せつけて何がしたかったんだ!」

 

ちょ、言い方………私は露出狂じゃあない!というかすっぱだかだったことはもういいじゃないか!そっとしておいてあげなよ!可哀想でしょうが!私のことだけど!

 

「毛玉さん、すこし質問していいですか?」

「ん?全然いいよ。何?」

「毛玉さんはいつ妖力を得たんですか?しかもそれ、私の勘違いじゃなかったら……」

 

はい?

 

途端に自覚した。

私の中にある妖力と呼ばれるものを。

自分では気づかなかったけど、幽香さんやさとりん、こいしと同じ様な力を自分から感じる。

心当たりはある。

 

「多分………ここから飛ばされた後、ある人に出会ってさ。その人の近くにいたから、多分吸収的なことしてたんじゃない?」

「そんなことって………それにある人って………もしかしてそれ、緑色の髪で、向日葵がたくさん咲いているところに住んでいる人ですか?」

「そうだけど、知ってんの?」

「知ってるも何も、あの人はこの幻想郷で指折りの恐ろしくて強い人ですよ!?よく生きてましたね………」

 

あー………うん………

そんな噂広まっててもおかしくないよねぇ……あの人のオーラやばかったし……

強いってのは別に驚かないけど。

多分あの人に関するいろいろな噂聞いてから会ってたら多分私気絶してるわ。

無知は罪だけど、それで助かることもある。

 

「うん…まぁ、優しい人だったよ?」

「あんなお花化け物よりあたいの方が強いぞ!」

 

お花化け物……本人が聞いたら落ち込みそうだ。

私も日記読んだだけだから全てを知ってるってわけじゃあないけど。

あれ?日記読んだことバレたら、私捻り潰される?いやいや、きっと笑って許してくれるよね………

 

「じゃあ今から喧嘩売ってくれば?」

「え?いや、そそそそれは………えっと…生意気だぞ!子分のくせに!」

 

めっちゃ怯えてるし………てか子分てこと思い出したんだ、できることなら永遠に忘れていただきたかった。

イライラするだけだし。

まぁチルノに喧嘩売っても返り討ちにされそうだから我慢しておくけど。

 

「毛玉さんの妖力………あの人と全く同じ………それなのに体は霊力で作られていて………」

「やっぱり変?」

「正直に言えば、変ってどころじゃないです。最初は妖力を手に入れたからその姿になったのかと思ったのに、体自体は霊力から作られていて………」

 

どうやら私は、宙どころか世界からも浮いているようだ。

 

ってか、見ただけでそんなにわかる大ちゃんって凄くない?チルノの知能とは天と地ほどの差がありそうだ。

あと、多分私の霊力もすこしばかり変わっている……気がする。

確信は無い!ある訳ない!

最初は多分、チルノの霊力を吸収したんだ。

あの場にいた妖精の中で、一番チルノの霊力が強かった。

チルノから漏れ出た霊力を吸収して、私は体を動かせるようになった。

そしてその霊力は、チルノのものとはすこしだけ違うものになっている。

何が違うかって説明できるわけじゃないけど………比べれば違うってことくらいはわかる。

 

「ところでお前!名前はなんだ!」

「………吾輩は毛玉である。名前なんぞない」

「え?そうなの?」

「あぁ、そうか。今まで毛玉だったんだから、名前もつけてくれる相手いなかったでしょうね」

 

うん………いるにはいたよ?

もじゃ12号って名付けられたなぁ………いい思い出だよ、はは。

 

「じゃ、あたいがつけてやる!」

「えぇ、いいよ別に。今まで通り毛玉で」

「よくはないです。今毛玉さんは明らかに毛玉とは大きくかけ離れた存在。呼び方を同じにしたらいろいろと混ざって困惑しますよ」

 

うーん、そーゆーものなのか?

別に私、名前とかいらないんだけど。

 

「よし決めた!お前の名前はもじゃ鞠だ!」

「もじゃっ………ぐはっ」

「………あの、大丈夫ですか」

 

ダイジョウブジャナイデス………

もじゃはやめてくれ………もじゃだけは勘弁してくれ………鞠もなんか……やめてください。

 

「チルノちゃん、もうちょっといいの考えよう?」

「えー、じゃあまりも」

「まりも………?だぁれが年食って白髪になったス○モじゃボケエエエエエエ!!ブチ飛ばしたろかオルァン!!」

「ちょっと、落ち着いてください!どうしたんですか!」

 

まりもは無いわーまりもだけは無いわー。

この!?私が!?まりも!?ないわー!!私は毛の塊であって藻の塊じゃない!

 

「じゃあ私が考えます!それでいいですか!?」

「あ、それならいいよ」

「なんだと!?生意気だぞ!それにあたいより背が高いなんて!ずるいぞ!」

 

いや、大して変わんないと思うけど?背丈。

名前………名前かぁ。

自分で自分の名前を考えるってのは………まぁできないなぁ。

ゲームのマイユニットとかだったら割と自由につけられるけど………私は基本デフォルトネーム使ってたからなぁ。

こんなくだらないことは覚えてるのに……はぁ

 

「じゃあこれは………白珠毛糸……とか」

 

しらたまけいと………?

うん。

これ以上ないほど私の特徴を押さえて来たね。

確かに私は白い球さ。

自分で自分を髪の毛の塊みたいな扱いして来たけど、実際は犬とかその辺のふわふわとした体毛みたいな感じだ。

でも遠くから見たら、毛糸の塊に見えるかもしれない。

 

「私は別に全然それで………というかむしろそれがいいや」

「むぅ………やっぱりあたいの考えたやつの方が………でも大ちゃんが決めたんならそれでいいや」

「良かった………誰かに名前をつけるなんて初めてで………」

 

白珠毛糸かぁ………さとりんやこいし、あ、幽香さんもか。

みんな苗字あったよねぇ………なんとなく不思議だなぁ。

私の場合、白珠が苗字か。

 

「じゃあ改めて………毛糸さん、これからよろしくお願いします」

「あ、え?あ、よろしくお願いします」

 

なんの挨拶?

 

「とりあえずあれだ。元の体に戻る方法ってある?」

「元の体………あの毛玉の状態ですか。すみません私は知らなくて……」

「そっかぁ………じゃあ手探りで探していくしかな——」

「あたい知ってるぞ」

「え?」

「え?」

「え?ってなんだよ。すごく失礼」

 

いや、意外すぎて………

 

「ごめん…でチルノちゃん、その方法って?」

「簡単な話だよ、何回も何回も想像するんだってさ」

「それ、誰から聞いたの?」

「この前なんかいきなり襲って来た奴がいたから頭以外凍らしたらなんか仲良くなって、その時に聞いた」

 

意外と器用なんだね………

あと方法が私の念じまくるそれと対して変わんないんだけど。

原点にして頂点だった。

じゃあとりあえず練習だけしておきますか。

 

「てわけで毛糸!あたいと勝負しろ!」

「はぁ?なんで?嫌だけど」

「なんでだ!?」

「死にたくないから」

「ふん、ざこが」

 

はいはい雑魚ですよー。

うん?チルノちゃん?その手に持った氷の塊はなんだい?

 

「ちょ、落ち着け早まるな!!」

「そい!」

「やめ——ぐふっ」

 

額に鈍い痛みが生じ、そのまま後ろに倒れた。

その時に後頭部も痛めた。

 

「何やってるのチルノちゃん!?大丈夫ですか毛糸さん!」

「う………ここはどこ私は誰」

「そんな………記憶が……」

「もう一回投げればきっと戻るぞ」

「あー戻った!戻ったから待って!その凶器を投げないで——ぶへぁ!」

「あ、手が滑った」

 

うんそうだねー氷の塊だから手も滑るよねー。

ってか痛い、頭ぐわんぐわんする。

何か仕返しを………

もし私の霊力がチルノに近いものなのなら、それを使ってチルノのように氷を生成することが可能なのではないか?

思いつきだけどやってみる。

霊力を掌へと集め、氷になるようイメージする。

気づくとひんやりと冷たい氷の玉が手に握られていた。

 

「仕返しだオラァ!」

「な——いて!何するんだこのまりもやろう!」

「あ?………んだと誰がス○モだコルァ!!」

「ちょ、落ち着いて二人とも!」

「あたいの技真似するなよ!」

「うっせえバーカ!!」

「誰がばかだこるぁ!!」

「お?やんのかオルァン!?」

「やってやるぞ!!」

「あ、駄目だ収集つかない」

 

顔を近づけ睨み合いを始める、ってかメンチ切ってる。

 

「くらえ!目つぶし!」

「ちょ急に——いった!」

 

目があ!目がアアアアアッ!!

 

「くそったれ!鼻フックデストロイ!!」

「んがああああ!!はなが!はながああああ!いだだだだだだ!」

 

チルノの鼻の穴に私の二本の指が突き刺さり体を宙にへと浮かせる。

霊力は使っていないからチルノの重みの分が鼻へのダメージとなる。

だけど指が痛いぃ!反動ダメージが私の指にぃ!

そして腕をつねられて鼻フックを解除されてしまう。

 

「いだだ………今回は引き分けにしておいてやるぞ………」

「目がぁ………目がぁ………」

 

 

 

 

「大ちゃん、こいつずっと目が目が言ってるぞ。頭おかしいのかな」

「チルノちゃんのせいでしょ」

 

バ○ス(物理)を喰らって大体1分後、ようやく目を開けられるようになった。

 

「視界が霞んでおる………」

「なんでまりもって呼ばれたくらいで怒ってるんだよばかか」

 

イラッ………

なんでだろうね、自分でもわかんないや。

 

「まりもに親でもやられたのか?」

「そうだね、バカに私の目はやられた」

「そのばかって誰?」

 

お・ま・え

まぁ口には出さないけどねー。

 

「というかお前、力は使わないのか?」

「力?なんのこと」

「さっき大ちゃんが話してた……よ…よ……」

「妖力?」

「そう、それだ。使わないのか?さすがに力を使わないやつにあたいは本気出さないぞ」

 

あら優しい。

でも使わないのではなく、使い方が分からないのである。

さっきあるのに気づいたばっかりだからさ。

それに、もしこの妖力が本当に幽香さんのものだとしたら?

下手にぶっぱなしたら大変なことになるかもしれない。

何がかって、私の体が。

妖力を放出した反動で私の体が爆発しそうで怖い。

だって幽香さんだから。

そもそも使い方わかんないし、霊力はなぜかいけたけど。

なんだろうね、馴染むっていうのかな?

さっき考えた通り、チルノから貰ったら霊力が私の中に入って変質したのなら、それが私特有の霊力になっている。

と、思う。

所詮は書庫で読んだにわか知識よ。

 

「それはそうと、毛玉さ………毛糸さんはこれからどうするんですか?」

「え?」

「どこに行くつもりなんですか?」

 

………てっきり養ってくれるもんだと。

そんな甘い話無いよね………永遠に誰かにパラサイトして生きていきたい。

 

「………行くところないんだったらここにいたらどうです」

「ぜひ!」

「ここにいるって、どこにいるんだよ」

「そうだね………じゃあ基本私とチルノちゃんと一緒にいるってのは?」

「いいの?」

「私は構いませんよ」

「あたいも全然いいぞ」

 

いつでもやり返せるし

という呟きがチルノから聞こえたのはきっと気のせい。

 

しかしそう言ってくれるのはすごくありがたい。

野垂れ死ぬのだけはごめんです。

やっぱりさ、体を手に入れてからが私の人生のスタートなんだよ。

私は今のところ超絶な幸運で襲われたことは一回しかないけど、この先どんな危険があるかわからない。

じゃあ誰か自分に被害を及ぼさない人と一緒にいるのが一番安全だと思うんだ。

チルノはともかく。

 

「じゃあ案内するのでついて来てください」

 

この世界で住む場所を得て、そして美少女二人に囲まれるとは………

やったぜ。

さてさて、この先どうしますかなぁ。

 

 

 

 

「ここです」

 

連れてこられたのは………木に囲まれた何にもない場所。

 

「………」

「お?なんか言いたいなら好きに言っていいんだぞ?」

「いえ、結構です」

 

素敵なツリーハウスでもあるのかと思ったあたいがバカだったよ。

本当に何にもないやー。

 

「えっと、妖精って基本的には寝ないんですよ。本当に何もやることのなくなった時の最終手段って感じでですね。だから寝床も、草だけ敷いて………という」

 

この時、私は決意した。

マイホーム作ろう、と。

あったかーいわーがやーがまっているー

せきすーーーーー○はうすーー

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