ではスタート
「お前達が何をしようともう遅い」
ネオキングビョーゲンの体からオーラを街全体へ放つと、一瞬で全て蝕まれた
「くちっ!くちっ!」
「ラテ!」
「何々!?」
「どうなってんだ!?」
ラテの急激な体調の変化、そして街の変わり様に動揺を隠せずにいる
『皆んなの街が全部泣いてるラテ…エレメントさん達もお母さん達も皆んな泣いてるラテ…』
「まさか、すこやか市全体が蝕まれたのですか?」
「そんな…けれど一体どうやって?」
こうも短時間で街全体を蝕まれるなんて予想出来なかった。その事に疑問に思ってると、シンドイーネの高笑いが聞こえる
「どう?ネオキングビョーゲン様の最高の計画は?」
「計画だと?」
「ネオキングビョーゲン様はね、グアイワルを取り込む前から仕掛けてたのよ。ご自分の一部を散りばめて、街を取り囲んで、後から一気に蝕む計画をね。その力を発動する為には、完全なる復活…いいえ、更なる進化ぎ必要だった」
「それでグアイワルとダルイゼンを!」
「ネオキングビョーゲン様のお役に立てたのだから、アイツらもきっと喜んでいるわ」
いつもならラテが感知するのだが、切り離した一部が極小のものの為今まで気付かなかった
『街の外に泣いてる声が増えてくラテ…』
「もしかして、蝕みがドンドン広がってるラビ!?」
「という事は、放っとくと地球が蝕まれちゃうペエ!」
「…なら、これ以上悠長に構えてはいられない」
ラテをその場に置いて全員飛び出して、ネオキングビョーゲンに近付く
しかし、直前にて何かにぶつかり跳ね返された
「どういう事!?」
「もう一度!」
再度アースが近付こうとするも、あと一歩の所で届かず跳ね返される
「実りのエレメント!」
「氷のエレメント!」
「雷のエレメント!」
ならばと今度はエレメントの力を借りての攻撃をするも
「「「キャアァァ!!」」」
それでも通らず、逆に四散した力がグレース達へと返ってくる
「バリアか!」
「エレメントの清らかな力が全部弾かれちゃうペエ!」
「終わりか?」
「そんな訳あるか!」
今度は蓮花が仕掛ける
「真・覚醒剣!──蒼炎翠光!!」
4つの光の波動がバリアを打ち破る為にぶつかるも
「フッ」
蚊でも振り払うかの如く簡単に手で払い除けられた
「
揺るぎなき曙光は力では絶剣に劣るも、浄化力ならヒーリングっど♥シャワーとさ程変わらない。
それなのに、こうも簡単に払い除けたのだ。ネオキングビョーゲンの力は想像を遥かに超えていた
「諦めるか!だったら切り札を出す!」
蓮花は揺るぎなき曙光を体内へ戻し、空いた掌に集中させる
以前と同じく赤黒いオーラが蓮花の手に集まり形取る
「覚醒剣!」
「薙ぎ払え!原始の魔剣!」
それは原始の魔剣。始との戦いの後、蓮花が回収して最後の切り札として残していた物だ
すぐさま必殺技の大勢に入る。強引にネオキングビョーゲンのバリアを突破する
「ヴグゥッ!!」
原始の魔剣を暴走ギリギリまで同期させて、威力を高める
腕のラインは赤く染まり、瞳は赤黒く変色する
「コレデドウダ!!」
「覚醒剣!」
「人類滅亡!!」
今までの中でも一際巨大な波動砲を解き放ち、ネオキングビョーゲンのバリアと激突する
「撃チ抜ケェェェェ!!!」
全て出し切り大きな爆発が起きる
蓮花の中では手応えはあった。その筈なのに
「…」
「クッ…」
「ニャンだと!?」
蓮花の全身全霊の一撃でさえも、ネオキングビョーゲンの張るバリアを打ち砕けなかった
そしてひとつの事実が証明された。
浄化の揺るぎなき曙光でも、力のある原始の魔剣でさえも通用しなかった
全てを出し切った。それでも無理という事は、今の蓮花にネオキングビョーゲン相手には何も出来ないのだ
「これが現代に生きる抜剣者の力か?以前の事もあるから少々危険視はしてたが……弱過ぎる」
「何だと!」
「お前、数ある存在した中で最弱のではないか?」
「──ッ!」
その言葉に絶句し、膝を突き、原始の魔剣を手放してしまう
「蓮兄!」
「最弱…俺は弱いのか?ここまで来て俺は……」
ショックを受けてしまった蓮花は、己がどれだけ未熟者だったのかここで痛感させられた
「今度は我から行くぞ」
軽く指を弾いて刃を飛ばす
グレース達はぷにシールドで対抗する
大きな爆発が起こり、土煙りが晴れると全員変身が解けて倒れていた。
たったの一撃でこの惨状。もはや絶望的
心配してラテが駆け寄るが、その前にシンドイーネが歩いて来る
「プリキュア も抜剣者もお供のヒーリングアニマルも動けない。後はアンタだけ、どうする王女様?」
シンドイーネの手がラテへと伸びる
魔の手が差し掛かろうとする直前、ラテの背後から目をくらます程の光が照らし出す
「クッ…!」
堪らずシンドイーネは、その光に弾き返された
光が収まると1匹のヒーリングアニマルが佇んでいた
それ即ち
「「「テアティーヌ様!」」」
「皆んな大丈夫ですか?」
ラビリン達以外、テアティーヌを目にするのはこれが初めてだった
テアティーヌの姿を目にしたネオキングビョーゲンは、無言のまま5つの光弾をそれぞれ放つ
しかしそれをテアティーヌは素早く全て弾いた
「以前程の機敏さは無いか」
久し振りの対面に向けてへの挨拶代わりと言った攻撃。驚く事は疎か、寧ろ勝ち誇った様に笑う
「さてはテアティーヌ、不完全な回復で慌てて駆け付けたとみえる。その程度で、更なる進化を遂げた我を浄化出来ると思ったか!?」
ネオキングビョーゲンの攻撃を弾いたとはいえ、どうやらテアティーヌはまだ完全には回復し切れてない様子
「それでも私には、果たしたい使命があります!そして、信頼する仲間がいます!」
何か策を講じてるのか、テアティーヌは街全体へ行き届く程の遠吠えを上げて光を放つ
それが合図だったのか、街の各地からも遠吠えは鳴き響く。そして光も照らし出され、展望台へと集まり、ひとつのドームを作り出した
「あれは……う、動けぬ」
「仲間達の力で結界を張りました」
ヒーリングアニマル達の協力で蝕みの進行、そしてネオキングビョーゲンの動きも鈍らせる事に成功した
「皆さん、今の内にネオキングビョーゲンを浄化する手立てを」
「させないわ!」
しかし、先程吹き飛ばされたシンドイーネが戻り蓮花達を見下ろす
「その前に私が倒してやるわ!」
「皆んな変身するラビ!」
のどか達は変身しようとするも、さっきやられたダメージが残っており立ち上がる事も困難であった。
蓮花に至っては、ネオキングビョーゲンに言われた言葉に未だ立ち直れていなかった
唯一アスミだけが立てたものの、1人ではどうする事も出来ない
「あららもう終わり?まあそれでも手加減は無しよ!」
「いけない!」
シンドイーネが襲い掛かる寸前、アスミは風を巻き起こして全員を結界の外へとワープさせた
「逃がさないんだから!」
シンドイーネも後を追う様に消えた
残ったのは、未だ両者一歩も動かず対峙するテアティーヌとネオキングビョーゲンのみ
////////
「此処は?」
「わたくしの力で、まだ蝕まれて無い場所までお連れしました」
ふと後ろを振り返ると、結界で覆われてる展望台が見えた
「テアティーヌ様達が頑張ってくれてる内に早く浄化しなきゃラビ!」
「だが、あの鉄壁のバリアを突破しないとネオキングビョーゲンはビクともしないぜ」
「わたくし、考えたのですが…」
そこでひとつの案を言う
「グアイワル達はメガパーツ、そしてネオキングビョーゲンはグアイワル達を取り込んでいました。つまり、ビョーゲンズにはビョーゲンズの力を吸収する性質があるということです」
「「うんうん」」
「う、うん」
「という事は、ビョーゲンズの力と一緒にわたくし達の技を放てばバリアの向こうに届くのではないですか?」
「…確かにそれなら可能だと思うだけど、そのビョーゲンズの力を誰が持つと言うんだ?誰もそんな力持ってないぞ」
そうなのだ。ビョーゲンズの力を誰も持っていないのが一番の問題
この案も没となりそうだったのだが
「それなら問題はありません。わたくしの中にビョーゲンズを宿すのです」
それを聞いた全員が衝撃を受ける
そんなの誰も賛成する者などいない。特に彼女は
「駄目だよ!そんなの駄目危ないよ!」
唯一その痛みと恐怖を知っているのどかが止めに入る
「アスミちゃんに…ううん、誰にもあんな苦しい思いさせたくない!駄目!絶対駄目!」
『アスミは大好きで大切なパートナーラテ。どうなるか分からないラテ。危ない事して欲しくないラテ』
ラテもそれを危険視して説得する
「ラテありがとうございます」
ラテの言葉を聞いて、思い止まったと安堵していたがそれは間違いだった
「ですが、今回ばかりはわたくしの決意は変わりません。例え、ラテの思いに背く事になったとしても」
初めてラテとは違う、自分の意思での気持ちとその答え
「もう一度考え直せ!何かもっと良いアイディアが……そうだ、俺が頑張る。俺が頑張るから!」
蓮花はそんな危ない事をさせない為に必死になる
「俺の魔剣の力を全て出し切る。今度は制御出来る範囲内ではない。伐剣者になって上で全力を出し切れば!!」
しかし、アスミは首を縦に振らない。寧ろ横に振る
「何で…」
「その後はどうなさるのですか?」
「その後?」
「リスクがあまりにも大き過ぎます」
浄化の力ではない。純粋な暴力の力である伐剣者になれば……その可能性はある
あるのだが
「それは確実なものなのですか?」
「多分……でも──」
「『多分』では駄目なのです。それに、例え突破出来たとしても伐剣者となった蓮花は誰が止めるのですか?」
「…」
「闇雲に力を使えば危険なのは蓮花自身がご存知の筈です」
ぐぅの音も出ない。
下手をしたらネオキングビョーゲンだけではなく、暴走する蓮花まで相手をしなければならない。そうなったらお手当ての騒ぎどころではない
「…俺の力はもう何一つ通用しない。今更手段を選んでいられない」
「のどか達が悲しみます」
「今のアスミには言われたくない」
ピリピリとした空気が漂う。
誰も犠牲を望んでいない。しかし仕方ない事なのだ。誰かが犠牲にならない限り到底今の状態では勝てない
「わたくしには大切なものが増えたのです。ラテだけでは無く、皆さんの事も、この街の事も」
大切なものが増えれば守りたいものも必然的に増えてしまう
「ラテも、皆さんの事も人間界そのものを守りたい。欲張りたいのです」
「…っ」
「やってみれば何かが変わるかも知れないでしょう?失敗を恐れ過ぎては駄目です」
「…」
「何があってもお手当てをする。紅牙や紫苑もそれを望んでいます」
「クッ…」
「皆さんと過ごして重ねて来た経験が、今のわたくしを作っているのです」
「アスミちゃん…」
アスミの言う言葉には、今まで自分が経験し学んで来た出来事だ
「どんなに反対されてもわたくしは実行します。わたくしの心も、体もわたくしのものですから!」
『…分かったラテ。本当は、王女のラテが決めなきゃいけなかったラテ。ママ達もあんなに頑張ってるラテ。甘えてちゃダメラテ。アスミ1人にしないラテ。ラテも一緒に頑張るラテ!』
「ラテ…!ありがとうございます」
アスミの揺るぎない決意を尊重し、ラテもそれを受け入れる。そして受け入れた上で、自分自身も頑張ると
「こんな所に居たのね」
話が纏まり始めた時、シンドイーネがとうとう追い付いて来た
「二度とネオキングビョーゲン様には近づけさせない。私がこの場で倒してあげるわ!」
「皆さん!」
「「「「スタート!」」」」
「「「「プリキュア ・オペレーション!」」」」
「「重なる二つの花!」」
「キュアグレース!」
「ラビ!」
「「交わる二つの流れ!」」
「キュアフォンテーヌ!」
「ペエ!」
「「溶け合う二つの光!」」
「キュアスパークル!」
「ニャ!」
「「時を経て繋がる二つの風!」」
「キュアアース!」
「ワン!」
「「「地球をお手当!」」」
「「「「ヒーリングっど♥プリキュア!」」」」
「絶剣覚醒!」
「切り拓け!
「シンドイーネが持ってるメガパーツを手に入れます!」
「分かった!」
「OK!」
「サポートするわ!」
「隙を作る!」
シンドイーネを浄化するのも大切だが、今はアースにビョーゲンズの力を手に入れて貰う為、持っているだろうメガパーツの奪取を優先とする
「何?メガパーツが欲しいの?」
シンドイーネはその場で高くジャンプして、奪い取ろうとする5人を避ける
「あげる訳ないでしょ!!」
唯一にして最後のメガパーツを、シンドイーネは自身に使い更なる進化を果たした
「メガパーツが!」
「まだです!浄化すれば何とかなります!」
アースのその言葉を信じて作戦変更。早急にシンドイーネを浄化する事を専念する
5人は跳び上がり一斉攻撃を仕掛けようとする
「「キャア!」」
しかし、両手から放ったエネルギー弾でフォンテーヌとスパークルが直撃
正面から迫るグレースにも、直接ダメージを与える為降下しながら近付く
「ッ!」
ラビリンがぷにシールドで防御するも、シンドイーネの力と重力には逆らえず防御しながら落下する
それを助けようとアースは背後から近付こうとするも、空いてる左手からエネルギー弾を放ち牽制する
「キャア!」
グレースはなす術もなく地面へ叩き付けられる
グレースを地面に叩き付けた勢いを利用し、アースの真上を陣取った
そして両手からエネルギーを放射し、得た推進力でアースを蹴り飛ばした
「ぁ…」
「アース!」
「ハァッ!」
「うぐぁ!」
アースを倒した後、軌道を変えて蓮花にも蹴り付ける
戦況は劣勢
多種多様の攻撃方法、そしてスピード自慢のスパークルでさえも捉えるのが難しい程の機動力
キンググアイワルやダルイゼンと同じく苦戦を強いられる
「クッ、どうすれば!」
「それならアタシ良い案があるよ!」
「どんな?」
スパークルは結界内に居るネオキングビョーゲンを指差して叫んだ
「あー!あんな所にキングビョーゲン!」
「えぇ…」
「引っ掛かる訳無いでしょグアイワルじゃあるまいし!!」
当然と言えば当然の結果
蓮花は苦笑いし、シンドイーネは怒り出す
「てゆうか、キングビョーゲンじゃなくて
スパークルに対して怒ってると、隙を突いて背後からグレース、フォンテーヌ、アースがエレメントボトルをセットして技を繰り出す
「音のエレメント!」
「雨のエレメント!」
「葉っぱのエレメント!」
「しまった…がぁ!」
技は決まり最大のチャンスが生まれた
「ありがとうスパークル!」
「俺、偶にスパークルって凄いなぁ〜って感心する」
「嘘!本当に?ありがと〜!」
「「「「ヒーリングっどアロー!」」」」
「「「「ヒーリングアニマルパワー全開!」」」」
『キュン!』
「「「「アメイジングお手当て!準備OK♥」」」」
「「「「OK!」」」」
「「「「プリキュア !ファイナル!ヒーリングっど♥シャワー!」」」」
「こ、これくらいで…」
シンドイーネもダルイゼンと同じく、ヒーリングっど♥シャワーを受けても尚浄化し切れなかった
「わぁん!わん!わぁん!」
「ラテ様?」
ラテが何かを必死に伝えようとしてる
「わん!おあしすラテ!」
「ッ…皆さん、ヒーリングオアシスを!」
「「「うん!」」」
「「「トリプルハートチャージ!」」」
「届け!」
「癒しの!」
「パワー!」
「「「プリキュア !ヒーリングオアシス!」」」
「ヒーリングッバ〜イ」
完璧な浄化まではせずナノビョーゲンサイズまで浄化後、すぐさまアースは自分の体内へと取り込ませた
「平気か?」
「少し違和感の様なものは感じますが、問題無く動けそうです」
内容は違ったが結果は変わらず成功した
「ありがとうございます。ラテが一生懸命伝えてくれたお陰です」
「それじゃあやるか」
「わたし達の街を」
「地球を」
「「「「「お手当てしに!!」」」」」
プリキュア と抜剣者、全てを終わらせる為に最後のお手当てを始める
連チャンの浄化技はエグく感じました。そしてアース後ろ姿がとてもシュールだった
次回で決着つきそうですね。一気に詰め込みます
ここまでの拝読ありがとうございました