「大切なものの為に犠牲となり死ぬ。今も昔も変わらない。何も」
「犠牲って…蓮兄を馬鹿にしないで!!」
「ならば今のお前の瞳に映るのは一体何だ?」
「犠牲なんかじゃない…無駄なんかじゃない!」
「それはお前から見た話。我からすれば、何も意味の無い幕切れ」
レンカはテアティーヌを一目見た後、静かに歩み寄る
「しかしながら此処で終わるのも良くは無い。それに相応しい程まで完成したというのに」
「何が言いたいの…?」
「その目は興味深い。そう、とても」
レンカは目を閉じると、瞼の裏にはあの日の出来事が蘇る
『──いいか2人共…何があっても、お手当てを頑張るんだ……大好きな皆んなの為に、健やかなる未来の為…に……』
『──分かりました…っ…最後まで諦めません!』
それは、古のプリキュア とその時代に生きた抜剣者
「そう思わないかテアティーヌ?」
「…えぇ」
「何故人間は自己犠牲を望むか?我はお前達の事を観察し、ずっとそれを考えていた。只無様、只無惨に死ぬというのに。だがやっと、やっとその答えを見出せる」
レンカは脇に抱えていた魔剣を、無造作にグレース達の足元へ投げる
「蓮花さんの…」
そしてレンカは拾ったと思われる原始の魔剣を地面へ突き立てる
「今一度問おう。何故お前達は他人の為にそこまで戦う?何故自己犠牲をする?何故なのだ?」
「そんなのもう答え言ってるじゃん──生きる為だよ」
「犠牲を否定して来たお前達が、生きる為ならば自己犠牲を肯定するというのか?」
「それを決めるのはアンタじゃない。アタシ達だよ!」
「この世には、お前達の愛する者達はいないのだぞ。それでも良いのか?愛する者達の犠牲で生きて行けるのか?」
「アタシ達はいつだって一緒だよ」
「…それが答えと言うのか。なれば──」
原始の魔剣から波動は放たれる。その波動は、蓮花と破壊された魔剣を包み込む
蓮花の腹の傷はみるみると治り、魔剣も元の形へと直ってゆく
「剣が…!」
更に、修復された
二つの剣が大きく照らし出すと、光は人の形を成してく
やがてそれは、誰もが見た人物達へと変化する
「紅牙さん!?」
「紫苑さん!?」
フォンテーヌは紅牙、グレースは紫苑を支える
「スパークル、蓮花の様子は?」
スパークルは、蓮花の様子をじっくり見ると
「嘘…生きてる……蓮兄が生き返ってる!!」
「どうして貴方が?」
「…王は民無くしては生きれない。民は王無くしては生きれない。言っただろう。相応しい程まで完成した、と」
「じゃあ、蓮兄が王様になるって事?」
「…そろそろのようだ」
レンカの体が黒く光り、粒子へと返り消えようとしている
「一度死んだ者が生き返るなど世界の理から反する行為。そして、通常なら破壊された魔剣の修復には長い時間を掛けてするもの。それを無理に通したのだ。当然の結果だ」
原始の魔剣にもヒビが入る
「これがお前達の選んだ運命。それが果たして良い運命と回るものか、今度こそ高みの見物としよう」
最期に小さく笑いその姿を粒子へと還った
そして、蓮花達と魔剣の修復に力を使ったのが負担となり原始の魔剣は砕け散った
「紫苑…さ…」
「良かっ…」
「蓮兄……」
「ぁ…」
レンカが消えると、グレース達は蓮花達を抱きながら崩れ落ちた
「わん!?」
「皆んな強張ってた緊張が解けたのでしょう。それに力も全て出し切ったのです。無理もありません」
大切な人達と隣で眠る蓮花達とのどか達。皆んな表情は笑顔で溢れていた
こんなの私が望んだ結末じゃない!!