ヒーリングっど♥プリキュア 〜癒しの楽園物語〜   作:シロX

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そんな訳で93話後の後日談です

今回からとあるキャラ達を中心とした話を、予定2話ずつでお送りします

ではスタート!


外伝1 君と交わる新しい流れ
紅の章 もう1つのヒーリングっど♥プリキュア


あの戦いから数ヵ月の時が過ぎて、時期は6月。

すこやか市はいつもの日常へと戻りつつ、新しい明日を築いていた

 

「ちゆ、迎えに来たぞ」

 

ちゆを呼ぶのは紅牙だった

 

「今行きます!」

 

旅館前で2人は待ち合わせをしており、これから出掛けるというのだ

 

2人の関係は、やっと人前で手を繋げるくらいまで進展していた

 

「そういえば、ひなたは勉強どうなってるんだ?あれから多少なり点数は伸びただろ?」

 

「ぼちぼちですね」

 

「それにしても、いつも思うが出掛けるのが市内で良いのか?我儘言って外に行っても良いんだぞ?」

 

それを言われてクスリとちゆは微笑む

 

「ありがとうございます。でも、わたしはこれくらいが丁度良いんです」

 

「そう、なんか。なら構わないが」

 

「紅牙さんは昔と比べて優しくなりましたね」

 

「何を言ってる。俺は昔から優しかったぜ」

 

「う〜ん、そうでしょうか?」

 

これまでの事を思い出してみる限りでは、碌な事が起きてない

 

初対面で蓮花に襲ったり、自分達プリキュアにもと色々とやらかしている

 

「何でそんな怪訝な目をしている?」

 

「大丈夫です。今の紅牙さんなら皆んな受け止めてくれますよ」

 

「な〜んか馬鹿にされた気分だ」

 

「気のせいですよ」

 

そんな昔話を交えながらすこやか市を、いつも通り見て周り堪能する

 

只気ままに、思うように

 

 

 

 

 

「そろそろ昼飯でも食うか?」

 

「はい」

 

太陽も真上に差し掛かる時間帯になると、何やら騒ぎが聞こえた

 

 

「メガビョーゲン!」

 

 

「「メガビョーゲン!?」」

 

突如街の中心でメガビョーゲンが現れたのだ

 

「急いで変身してお手当てしないと…あっ」

 

「ちゆ?…あっ」

 

ちゆはパートナーであるヒーリングアニマルの、ペギタンが居ない事を気付かなかった

 

「…ちゆ、ここは俺に任せて逃げるんだ」

 

「ですが!」

 

「パートナー居ないのにどうやってお手当てするんだ?」

 

「……」

 

 

 

「抜剣覚醒!」

 

「燃やし尽くせ!不滅の炎(フォイアルディア)!」

 

 

 

紅牙は強引にちゆの背中を押してその場を離れさせよとする

 

「どうせすぐ終わる。任せろ」

 

紅牙は走り出した。しかし、任せろと言ったものの不安要素はある

 

特に一番はエレメントの居場所。メガビョーゲンの体内の何処かに居るはずなのだが、プリキュアと違い抜剣者達は探す手段を持ち合わせていない

 

「片っ端から切って探りを入れるか」

 

先ずは開幕の一撃を食らわす

 

メガビョーゲンは後ろに後退し少し体勢が崩れた

 

 

 

「覚醒剣!」

 

「炎帝業火!」

 

 

 

炎の柱がメガビョーゲンの体を貫き、螺旋の炎が体内を縦横無尽に駆け巡りエレメントの居場所を探し出す

 

「見つけた!」

 

そこへ一閃。己の体ごと貫きエレメントを助け出した

 

そしてメガビョーゲンも浄化を完了させた

 

「終わった!」

 

「紅牙さん!」

 

ちゆが走って来て紅牙に飛び付いた

 

「良かった無事で!」

 

「あの程度で俺が負けるとでも?でもありがとな」

 

改めて状況を整理する

 

突然のメガビョーゲン。恐らくそれは野生のナノビョーゲンから生まれた産物

 

ヒーリングガーデンからの別れから数ヶ月でだ。

まだ一回目の出現だから予測は立てられないが、もしこの調子でメガビョーゲンが出現してたら、とてもじゃないがすこやか市に残ってる紅牙1人だけでは対処が難しい

 

(かと言って、蓮花や紫苑にも頼る訳にもいかねぇ。のどか達だってパートナーが居ないんじゃ戦えない)

 

「わたし、それでもサポートはします」

 

「ちゆ?」

 

「戦えなくても紅牙さんのサポートは出来ます!」

 

どうやら、ちゆは紅牙の考えてる事はお見通しだった様だ

 

ちゆの言う事は嬉しいが

 

「駄目だ」

 

「わたしが、ペギタンといないから邪魔ですか?」

 

「別にそう言う意味では無い。地球をお手当てすると誓い合ったが、それはあくまで俺達人間が出来る範囲までだ」

 

「はい…」

 

「ありがとうな。ちゆ、お前なら分かってくれると思って──ッ!」

 

誰かの視線を感じた。しかも2人も

 

「紅牙さん?」

 

「ちゆ…嫌な予感がする。逃げろ」

 

「逃げろって…?」

 

「いいから早く!此処から今すぐ逃げるんだ!!」

 

紅牙が叫んだ瞬間、何処からともなく2つの影が襲った

 

「──ッ!!」

 

「紅牙さん!!」

 

血を撒き散らしながら、大きく吹き飛ばされた

 

「そんな…紅牙さん!紅牙さん!!」

 

「大声出すな!大丈夫だから」

 

そうは言うものの、左脇腹から大量の血が流れ出て、顔は青くなっていた

 

「止血しないと…」

 

「だから大丈夫だって!見た目より大した傷じゃない」

 

紅牙はすぐさま周りを警戒する。

先程襲って来た人影は恐らく身を隠してる

 

「一旦引くぞ」

 

「は、はい!」

 

ちゆの手を取り走り出そうと振り返ると

 

「メガビョーゲン!」

 

「「メガビョーゲン!?」」

 

すぐ目の前にはTVを媒体としたメガビョーゲンが待ち構えていた

 

(気付かなかった!)

 

「紅牙さん反対へ!」

 

2人が逃げようとすると、何者かから背中を押されてしまった

 

「「えっ…?」」

 

「メガ!」

 

そして2人はメガビョーゲンのTVの中へと消えて行った

 

そして、小さなひとつの影が後を追う様に飛び込んで行った

 

「落ちたね〜!」

 

「うん、落ちたよ!落ちちゃった!」

 

「他にも何か落ちたよね?」

 

「落ちた?落ちてないよ」

 

「そうなんだ。アハハ!」

 

 

 

 

 

////////

 

「「ッ!」」

 

2人は目を覚ますと、何処かの倉庫の中央で立っていた

 

「此処は何処だ?」

 

「倉庫…の様な気もします」

 

「外に出てみよ…ッ」

 

歩き出そうとしたが、出血が酷く膝をついてしまう

 

「救急箱探してみます!」

 

倉庫内を隈なく探して救急箱を持って来た

 

「傷を見せて下さい」

 

「結構グロいぞ…」

 

服を捲ると、ちゆの予想通りにとても深かった

 

「ガーゼで止血…」

 

「ちょっと待った。布で防ぐより焼いた方が早い」

 

「や、焼く!?」

 

「これもちゃんとした治療法だ」

 

「それは知っています。ですが、かなりの痛みがあると…それに火が無いです」

 

紅牙は、待ってましたと言わんばかりに不滅の炎を喚び出した

 

「自分で焼くと言ったが怖いな…」

 

炎を纏う刀身を見て流石に冷や汗をかく。

しかし、そんな事言ってる場合では無い

 

「1、2の、3!」

 

肉屋なら美味しそうな焼ける音がするが、それが人間の皮膚と思うとゾッとする

 

「〜〜〜ッッ!!!!」

 

「ひっ…!」

 

思わずめを背けてしまう

 

紅牙も紅牙だ。本当なら涙を流して大声をあげて泣きたいが、そんな情け無い姿を見せる訳にもいかない

 

とにかく声を押し殺して痛みに耐えるしか無かった

 

 

 

そして数分が経った

 

「ハァ…いっつ…!」

 

不滅の炎を肌から離すと、黒く焼け焦げていたが傷はなんとか塞ぎ止血出来た

 

「クソ!焼き過ぎた!俺はステーキか」

 

「ぷっ…!」

 

「えぇ…そこ笑う所か?」

 

「ごめんなさい。そろそろ行きましょうか」

 

丁寧に紅牙に包帯を巻き、動ける状態になって倉庫から出る

 

「眩!」

 

「うっ…!」

 

そこで2人が見た光景は不思議なものだった

 

「紅牙さんこれって…」

 

「撮影用の照明、カメラにその他諸々。何だこれは?」

 

何やらドラマの撮影でもしてるかの様に人で溢れ返り、それに使う道具は沢山目の前にあった

 

そして周りは倉庫だらけ

 

「あ、あの!」

 

ちゆは通り掛かった人に尋ねる事にした

 

「おや、紅牙さんと菜津(・・)さんではないですか」

 

「「んん??」」

 

「お2人共、そろそろ撮影が始まりますので準備お願いしますね」

 

「ちょっとちょっと!」

 

立ち去ろうとする人を紅牙は呼び止めた

 

「あのさっき、この子の事を何て呼びました?」

 

2人は聞き間違いを期待していたのだが

 

「『依田菜津』さんですよね?」

 

((やっぱり聞き間違いじゃなかったーー!!))

 

2人は余りの驚きに空いた口が塞がらなかった

 

軽く挨拶をしてその人を別れた

 

しかし問題はそこでは無かった

 

「え、お前…沢泉ちゆだよな!?」

 

「当たり前です!!」

 

「あっ」

 

何か他に手掛かりは無いかと探してると、見覚えのある展望台を目にした

 

「ちゆ、此処は一応すこやか市みたいだ」

 

「その様ですね。じゃあ、のどかやひなたも何処かに」

 

「噂をすれば何とやらだ。のどかとひなたを見つけた!」

 

のどかとひなたが2人で話してる所を見つけて、急いで2人の元へ走る

 

「助かった。お前らもあのメガビョーゲンの中に取り込まれたのか?てか、俺達は一体何をされたんだ?」

 

のどかとひなたは一度お互いを見合った後、真剣な表情でその質問に答える

 

「ビョーゲンズが、わたし達プリキュアと抜剣者をもう一つの日常に送り込んだんです。そこは、わたし達の世界と大雑把に似ていますけど、違う所は全然違うんです」

 

「やっぱりビョーゲンズの仕業なのね。それじゃあ、この世界ではプリキュアと抜剣者は存在してるの?」

 

「ううん」

 

「という事は、此処はプリキュアと抜剣者が存在しない世界に閉じ込められたって訳ね」

 

「そそ、流っ石ちゆちー!アタシなんて7回目でやっと理解したんだよ〜!」

 

「せめて送り込むなら分かりやすい所に送れよな。こんなピエロ工場に送りやがって」

 

「紅牙さん」

 

話が脱線しそうになったが、ちゆがストップを掛けてくれた

 

そして一番の問題を聞く事にした

 

「色々助かった。それよりどうやったらTVの世界…と言うよりメガビョーゲンから脱け出せる?」

 

「「…何?」」

 

「こんな所にいつまでも居られないわ」

 

「早く脱出方法を見つけるぞ」

 

とにかくちょっとでも情報が欲しい。のどかとひなたを連れ出そうとしたのだが、思わぬ返事が返って来た

 

「それアドリブ?」

 

「それとも追加の台詞ですか?聞いた事無いですけど…」

 

「台詞?」

 

「ひなた、また変な冗談言って」

 

「悪いがそんな冗談が通じる暇なんて無いんだよ」

 

「あの…2人とも大丈夫ですか?」

 

何かがおかしいと感じた

 

のどかとひなたは、手に持ってる本を持ってペラペラとページを捲って何かを確認してる

 

「ちょっと貸せ」

 

のどかの持つ本をひったくり中身を読んだ

 

そこには先程までの台詞が書かれてあった

 

「ん?…これ台本だ。のどかじゃない。さっきのパターンだ」

 

「でも、のどかそっくりですよ!」

 

「台詞合わせではないのですか?」

 

「名前は『悠木碧』と『河野ひより』だ。悠木碧だって!?」

 

見た目はのどかとひなたなのに、名前が全く別の人物だった

 

2人の頭の中は余計にこんがらがって来た

 

「もういい。じゃなあ」

 

台本をのどか…では無く悠木碧と言う人物に返して、その場を後にする

 

「依田菜津に悠木碧、河野ひより、色んな名前が出てくる」

 

「2人してアタシ達をからかったんだね!面白いからSNSのネタにするよ!」

 

ひなた…もとい河野ひよりはスマホでこの事をネット上に送信した

 

「『アタシのファンの皆んなへ、紅牙さんと菜津さんに騙された!』っと」

 

その様子を阿呆らしく紅牙は見て呟いた

 

「元の世界に戻るまで、脳みそに魔剣ぶっ刺して引っ掛け回したい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これより先、更に過酷な状況下になる事を2人はまだ知らない




すんごい展開になって参りました!

ここまでの拝読ありがとうございました!
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