ではスタート
謎のビョーゲンズによって、自分達の住んでる世界とは別の世界へと飛ばされた二人
「それってつまり、他に選択肢が無いと言う事ですか……?」
ちゆと紅牙は結局あの後、スタッフの人達に捕まり撮影をしている最中なのだが奇妙なものなのだ
何せ、自分達の住んでいる世界がドラマ化しているのだから。
今までプリキュア として、抜剣者としてやって来た事がこの世界では全て作り物なのだ
そしてそれを、今までと同じ日常を演じろというのだ
あのちゆでさえガチガチに緊張している。その証拠に、台詞を言う度にカメラを気にして目線を向けてしまう
「カメラを見るな…」
「えっ?」
「カメラじゃないもんを見ろ!!」
紅牙もやはりカメラを気にしてしまう。
とにかくカメラ以外の物に集中しているが、その分目付きが更に怖くなりおかしな事になってゆく
「他に選択肢が無いと言う事ですか!」
紅牙に言われた通り天井を見て声を張ったのだが、緊張のあまり声が裏返ってしまった
勿論当然の如く
「カーーット!!頼むよ2人共!」
カットの連続だった
「こんな事いつまでもやってられっか!」
休憩時間までやり遂げたが、紅牙は我慢の限界を超えていた
「心苦しいですが抜け出しましょう」
2人はこっそりと抜け出した
「とは言っても、結局何処に行けばいいのか…」
「そうですね……紅牙さん」
歩く足を止めたのはちゆだった
「何かいます」
「ビョーゲンズか?」
草むらでガサゴソする何者かに身を構えると
「ちゆ〜!紅牙〜!」
何と飛び出して来たのはペギタンだった
「「ペギタン!?」」
「2人共無事で良かったペェ〜!」
「おま、一体どうやって?」
「2人がメガビョーゲンに取り込まれた瞬間に、ボクも一緒に飛び込んだんだペエ。そんな事よりこっちに来るペエ!」
ペギタンはちゆの手を引いて、ある場所へと誘う
着いた場所は少し開けた林の奥だった。そこには、何やらゲートの様なものがあった
「ボクもさっき見つけたペエ。多分アレが帰り道だと思うペエ」
「よっしゃ!それなら早いとこ帰るぞ!」
紅牙がそのゲートに手を伸ばそうとする時、上空からこの世界に送り込んだメガビョーゲンが降って来た
「うわっ!」
「紅牙さん!」
「メガビョーゲン!」
「ビックリした〜!マジビックリしたんだけど!!」
メガビョーゲンはゲートを守る様に立ち塞がり、ちゆ達を帰さない様にする
「番人って訳か」
「ちゆ!」
「ええ、ペギタン!」
「スタート!」
「プリキュア ・オペレーション!」
「「交わる二つの流れ!」」
「キュアフォンテーヌ!」
「ペエ!」
「抜剣覚醒!」
「燃やし尽くせ!
「速攻でカタをつけるぞ!」
「メガビョーゲン!」
「ハァ!」
メガビョーゲンが電撃を放つが、対抗して不滅の炎の炎の斬撃波で相殺する
「雨のエレメント!」
エレメントの力を得たエネルギー弾を連射で撃ち放つ
「メガビョーゲン如き一瞬で蹂躙してやる!」
「絶剣覚醒!──
「絶・覚醒剣!──希望満開+炎帝業火!!」
「ヒーリングッバ〜イ」
2本の魔剣で同時に切り刻み、メガビョーゲンを浄化してみせた
「急いで戻る…がはっ!?」
今度はゲートの中から突如として、紫のエネルギー弾が飛び出して紅牙を吹き飛ばした
「この…」
「一体何が?」
「「帰さないよ」」
ゲートから出て来たのは双子と思われる男女2人組。
そして、その姿は紛れも無いビョーゲンズだった
「ワタシ、カユイナ」
「ボクは弟のイタイナー」
「双子のビョーゲンズペエ!?」
「2対2…だが舐めるなよ。こっちは結婚前提で付き合ってるんだ。連携なら誰にも負けねぇよ」
フォンテーヌは一瞬ポカンとした表情をしたが、みるみると赤面して大声を出す
「けけけ結婚とか今関係無いですよね!?」
だが双子ビョーゲンズは口を揃えて言う
「「気持ち悪〜」」
それを言われた紅牙が石化したかの如く固まり、思わず魔剣を落としてまう
「ふざけんな!!俺の嫁を馬鹿にする奴は蹂躙してやる!!
「恥ずかしいからもう喋らないで下さい///」
「紅牙は正直ペエ。まぁそこが長所だけど……ぷにシールド!!」
話してる最中にも関わらず、カユイナがフォンテーヌへ攻撃して来た
「クッ…!」
「まさか、最後まで喋り終わるまで待ってくれると思った?残念!ワタシ、待つのって嫌なのだよね〜!」
「だよね〜!」
「この野郎!」
紅牙がカユイナに切り掛かる
「ッ!」
(奴は右手で祝福の希望を受け止めた後、右の回し蹴りで反撃して来る!)
カユイナの筋肉の動きで全て先読みした。それに備え、攻撃のモーションに入りながらも紅牙は次の攻撃動作を考える
(受け止める瞬間を狙って切り込む軌道をズラせば!)
だがしかし
「アハ!」
カユイナが繰り出したのは魔剣を止める手では無く、後に出す動作の回し蹴りだった
祝福の希望を弾き返された。それだけなら良いが、完全に動きを先読みしていたのだ。なのにそれとは別の攻撃を繰り出した事により、一瞬紅牙の動きが止まる
「「アハハ!!」」
「グッ…!」
カユイナの背後に潜んでいたイタイナーのダブル攻撃で、紅牙は大きく仰け反った
「姉ちゃん大した事ないね」
「そうねイタイナー。アハ!」
更に挑発までしてきた。紅牙が頭に血が昇りそうな自分を押し殺す
「紅牙さん、わたし達も一緒に」
「それに今は外に出る事が最優先ペエ」
「そうだな。目の前の目的は此処からの脱出だ」
紅牙とフォンテーヌは同時に飛び出した
「アハハ!特攻なのね!」
「特攻特攻!」
「折角だから脳の奥まで…骨の髄まで蝕んであげる!!」
「あげるあげる!」
カユイナとイタイナーも身構える
「ハァ!」
「水のエレメント!」
紅牙とフォンテーヌの攻撃はカユイナ達の足元に放たれる
((今だ!))
2人の狙いは視界を遮り、その隙にゲートに飛び込む作戦だった
「言ったよね?帰さないよって」
「て!」
ゲートまで手を伸ばせば届く距離の所で、2人は襟首を掴まれ後方へと投げ飛ばされた
「う…!」
「キャアッ!」
「もう飽きちゃった」
「ちゃった」
カユイナとイタイナーはゲートに足を踏み入れる
「待って!」
「もう一生そこで暮らせば〜?」
「せば〜?」
フォンテーヌが手を伸ばしたが、直前でゲートは閉じられてしまった
カユイナとイタイナーは元の世界へと帰れたが、紅牙とフォンテーヌは残ったまま
唯一の帰還方法を失った
「紅牙さんどうすれば…」
「…ひとつだけ手はある」
「本当ペエ!?」
「ああ、一か八かの賭けになるが」
紅牙が不滅の炎を引っ込めて、祝福の希望だけを留める
「フゥ……ッ!!!」
その時、目の前に救い切り開く虹霓と善なる天威が現れた
「蒼咲さんと天道さんの剣?何で?」
「さぁ頼むぜ。一か八かの合体だ!」
「え、あ合体ですか!?」
「心剣覚醒!」
「我が名の下に!悠久の絆──エルフィグラン!!」
それは蓮花の真剣覚醒と同じだった。しかし、これは絶剣での覚醒。
揺るぎなき曙光とは別の意味で、比較にならない程の力を有している
「フォンテーヌ、俺にしがみついてろ!」
「は、はい!!」
悠久の絆からとてつもないパワーを放出しながら、刀身に纏ってゆく
「心・覚醒剣!」
「心眼開闢!」
「きゃあ!!」
「ペエェ!!」
縦に大きく振り翳すと、空間に大きなヒビが入った
「よし開いた!出るぞ!」
紅牙はフォンテーヌを抱いたままヒビ割れたゲートへ飛び込んだ
////////
「邪魔者は居なくなったね」
「ね!」
「それじゃあこの街を蝕むよ!」
空に手を翳して、街全体へナノビョーゲンを撒き散らすその時、後ろから大きな衝撃と同時に空間に小さなゲートが開いた
「帰った!」
「やりましたね!」
「ペエ!」
「…どうやって帰って来たの?」
「簡単な話だ。空間をぶった斬ったまでだ」
誇らしげに掲げる悠久の絆に、カユイナは怒り心頭だった。
しかし、すぐさま落ち着きを取り戻す
「イタイナー……あの剣を壊すよ」
「は〜い!壊す壊す!アハハッ!」
「壊せるもんなら壊して──」
余裕が油断の表れ。手に持っていた筈の悠久の絆は、何故か手から離れて地面に突き刺さっていた
「あまり調子に乗らない事ね」
カユイナの拳が紅牙の腹に捻り込まれ、林の中へと吹っ飛ばされた
「紅牙さん!?」
「速いペエ!」
「お姉ちゃんの相手はボクだよ!」
「──ッ!」
ペギタンがぷにシールドを展開する前に、フォンテーヌも紅牙と同じ方向へと蹴り飛ばされた
「あ…く…ち、ちゆ…」
「うぅ…」
たった一撃で変身解除まで追い込まれてしまった
「今度こそ邪魔者はいなくなった。早く続きを──」
「勝手に終わらせんなよ!」
お互いに支え合って紅牙とちゆが立っていた
「この程度のピンチなんぞ、幾らでも超えて来た」
「わたし達は諦めない!!」
「ふぅ〜ん。で?この後はどうするつもり?そんな情け無い姿でワタシ達に勝てるの?」
「勝てるの?」
「言った筈だ。『連携なら誰にも負けねぇよ』ってな」
紅牙、ちゆ、ペギタンの3人は手を取り合い水色の光が3人を包み込む
「行くペエ!」
「キュアタッチ!」
「キュアフォンテーヌ パートナーフォーム!」
「抜剣覚醒!」
「交わる二つの流れ──フォルテグスル!」
新たな姿に変身したパートナーフォーム、そして紅牙は新たな魔剣を手にしていた
「何それ…そんなの聞いてない!!」
「ズルい!!」
そんな文句も最後まで聞く耳を持たず、フォンテーヌは手の平を地面に付ける事によって氷が張り、カユイナとイタイナーを氷漬けにする
「ッ!」
そして紅牙が間髪入れず、交わる二つの流れで斬り伏せる
「ギャフ!」
「ブフッ!」
「悪いが休んでる暇は無いぜ!」
交わる二つの流れの刀身がユラユラと形を変えていく。
水の様に滑らかに、自由自在に流れを変える
幾つもの流れに変えた交わる二つの流れで振り翳すと、刀身から幾つもの水で作り出された刃が一斉に吹き出す
カユイナとイタイナーは全力で避けようとするも、次々と振われる水の刃に着々と追い詰められる
「仕上げにこいつでどうだ!!」
交わる二つの流れを地面に突き刺すと、カユイナ達を取り囲む様に水面が吹き出した
「「…」」
2人が失った視界を背中合わせでカバーして警戒する
そして水面の壁からフォンテーヌが飛び出した
だがカユイナの正面
「目隠しをして正面から?アハハ!馬鹿は馬鹿らしく正直ものね!!」
回し蹴りで合わせてカウンターを仕掛ける
「アハハハ!終わりよ!!」
脚がフォンテーヌの首を捉えた瞬間
「ッ!?」
水の様に弾けた
「プ…プリキュア ァァァァァ!!!!」
カユイナが攻撃したのは、水を利用しての分身だった
もう少しで満足感に浸る事が出来そうな瞬間に、この様な小細工をされたのだ。カユイナの怒りのゲージが急上昇した
「イタイナー!!」
「う、うん!」
カユイナとイタイナーは、その場で回りながら水面の壁にエネルギー弾を乱射する
「これなら出て来れないでしょ!!」
そう思った矢先で、突然2人の前にフォンテーヌと紅牙が地面から飛び出した
水面の壁から出てきた訳でも無い。下から来たのだ。
地面を掘って来るにしても振動で分かる。だがしなかったのだ
(そんな一体……ッ!!)
フォンテーヌ達が現れた地面を良く見ると小さな水溜りが出来ていた
そして気付いた。フォンテーヌ達はその水溜りから出て来たのだと
「「ハァッ!!」」
フォンテーヌと紅牙はカユイナ達を殴り飛ばす。
不幸中の幸いか、囲まれた水面の壁からは抜け出せた
「と、思うじゃん?」
カユイナが立ち上がろうとする時、地面に氷が張られて足が凍りついて伏せた状態から動けず
「予め、フォンテーヌに氷を張らせていたのさ」
「これでようやく捕まえましたね」
フォンテーヌは紅牙が握る、交わる二つの流れに手を握る
「「これで最後!」」
息ピッタリで駆け出した交わる二つの流れを振り抜く
「覚醒剣!」
「神水流舞!」
カユイナとイタイナーの胸部を切り捨てる。
傷口からは浄化の光りが飛び散る
「何で…何でよォォォ!!私達はまだ全然楽しめてないのに…お前達2人だけ楽しみやがって!!」
「嫌だ消えたくないよ!」
「生まれ変わったら蝕んでやる。大切なものを全て蝕んで笑ってやる。復讐してやる……」
殺意の目を向けながらカユイナとイタイナーは浄化されて消えた
「「お大事に」」
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紅い夕焼けが辺りを包み込む。
展望台で2人は身を寄せ合っていた
「何ていいますか、今日は散々な目に遭いましたね…」
「これも人生ってやつだ」
「それはそれで嫌ですけどね」
「今度はちゃんと出掛けるか。その前にペギタンとも一緒に出掛けたいな」
「ボクの事は気にしなくていいから2人で出掛けたいいペエ」
「ありがとうペギタン」
交わる二つの流れは、この先も幸せな日々を過ごすのであった
戦闘はテンポ良くさせました。呆気ないのはしゃない
ここまでの拝読ありがとうございました