では本編をどうぞ!
「緊急ミーティング?」
ラビリンに言われて、何故か緊急ミーティングをする羽目になった。
ここ最近、蓮花の家に集まる事も多くなり今回も皆んな家にお邪魔している
「そんなまどろっこしいのやってられるか!」
「じゃあ紅牙は外で遊んで来たら?はいお金。大切に使うんだよ」
「よっしゃ!これでゲーセンで…って違うだろ!?俺は子供か!!」
「皆んな、美味しい紅茶と茶菓子があるから」
「話聞けや!!」
「真面目に聞くラビ!」
一度ラビリンは咳き込み、前回の戦闘について振り返る。
話しの議題は、成長するメガビョーゲンに対してどう対応するか
「単純な話、早いとこ片付ければいいだろ」
「それが前回出来なかったから話し合ってるんだよ」
「そんなの気合いの問題だろ?ガッ!とやってズバッとすれば!」
「鬼麿さん、もう喋らないで下さい。話が全然進みません」
「畜生…」
部屋の隅で三角座りしてしょぼくれる紅牙を無視して話しを戻す
「でもさ、この前3人で出した技……あ、え〜と何だっけ?」
「プリキュア !ヒーリングオアシス?」
「そうそれ!あれで、メガビョーゲンをドーン!って浄化したじゃん!」
「その技のポイントは?」
「3人揃って出す事よね?」
「成る程、そういう事か」
蓮花は話しの流れで、ラビリン達の言いたい事がハッキリした
「もしかして、チームワークを高めて欲しいの?」
「話が早いペエ。だから…特訓しかないのかなって事になったペエ…」
「「特訓!!」」
その言葉にひなたと、隅っこに居た紅牙が食い付いた
「名付けて『プリキュア ・チームビルディング大作戦』ラビ!」
「ふわあ〜!大作戦!特訓なんてわたし初めて!」
「練習はともかく特訓は誰だって初めてなんじゃないかな…?」
初めてに興奮するのどかに対して、蓮花は苦笑いしか出なかった
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一方、時を同じくして
ビョーゲンキングダムでは、キングビョーゲンに呼び出された幹部達と紫苑が集まっていた
『合わせたい者がいる』
後ろから靴音が聞こえて来た。4人は振り返ると見た事も無い奴が居た
左耳のピアスに、金髪を持つヤンキーのような格好をしたネズミの様な獣人が居た。そして手には、布で覆い尽くされた長い棒状の物を持っていた
「ちーっす!キングビョーゲン様只今参上っす!」
『来たか、バテテモーダ』
登場早々にバテテモーダは丁寧に一人一人挨拶する
「ども〜!ダルイゼン兄貴!」
「兄貴…」
「随分とお調子者ね」
「そこはその〜、急成長の注目若手って事で大目に見て下さいな〜。ねっ、シンドイーネ姐さん!」
「アンタに姐さん呼ばわりされる覚えはないわよ!」
「呼ばせて下さいな〜!二面麗しいかな〜!シンドイーネ姐さんの類稀なる美貌!」
嫌がってたシンドイーネが軽く丸め込まれる
「輝かしいかな!グアイワル先輩の明晰なる頭脳!」
「シンドイーネもグアイワルも丸め込まれてどうするの」
「これはこれは!最強の適格者である紫苑嬢!」
「はぁ…」
「誇らしいかな!ダルイゼン兄貴の沈着にして冷静なるハート!」
ダルイゼンを「兄貴」、シンドイーネを「姐さん」、グアイワルを「先輩」、紫苑を「嬢」と呼び慕う
「御四名様の活躍は、こ〜んな小さい頃からよ〜く知ってます!自分も、御四名様の様にバリバリ地球を蝕みたいっすよ〜」
『ではバテテモーダ行くが良い!』
早くも出撃の許可を得られて思わず感動する
「御四名様、先ずはこのバテテモーダの初舞台!特とご笑覧あれ!…っと前に!」
出撃する前にバテテモーダは紫苑へと近づく
「紫苑嬢これを!」
「これは何?」
バテテモーダは先程から持っていた物を紫苑に手渡す
「魔剣を持つ紫苑嬢の方が詳しいかと!…『原始の魔剣』」
「っ!?」
「では!行って参ります!」
紫苑に渡して改めて出撃した
「これがあの原始の魔剣…!」
布を取ると、刀の様な形状をして柄頭から切っ先まで全て骨だけで作られた魔剣。だが、所々ヒビが入っており今にも折れそうな状態
「知ってるのか?」
「全ての魔剣の始まり。この魔剣から色んな魔剣が派生していったのよ。だけど…」
紫苑はまた布を被せて仕舞い込む
「駄目ね、力を全く感じ無い。これじゃあ只の骨よ」
「使わないの?」
「使えないのよ。…この剣どうしたものか」
////////
蓮花達が特訓する場所として来たのは、人目の付かない採石場だった
「此処で特訓するの?」
「滝に打たれるとかじゃなくて?」
「階段を兎跳びで登ったり?」
「綱渡りとかしないよね?」
「それだと個人の特訓になっちゃうよ」
それぞれの思い浮かんだものは全て違ってたらしい
「チームワークを強くすると言ったラビ!」
「テーマは以心伝心ペエ!」
「心と心を伝え合うラビ」
「テレパシーを使える様になるって事?いやそれ無理ゲー!!」
「違うニャ!言葉が無くても、お互いの考えてる事が分かれば連携が取りやすいだろ?」
そんな訳で一度ラビリンとニャトランで手本を見せてもらう
2人は大きく体で何かを伝え合ってから、お互いに向かい合って走り出した。そして見事にラビリンは下を転がり、ニャトランはそれを飛び越える形でぶつからず成功した
「心が通じ合ってる感じするする!」
更にもう一度ラビリンとニャトランが見せ付けるのだが、今度は今度はお互いに飛んでしまい頭同士でぶつかる
「「いっ〜た〜…」」
「最初の時点で辞めておけば好印象で終わっのによ…」
起き上がった2人は喧嘩をし始める始末
「ま、まぁこの様な事にならない様しっかりと特訓するペエ」
「どうやって?」
「ジェスチャーゲームペエ」
という訳で最初の特訓はジェスチャーゲーム
先行はちゆからなのだが
「ほっ!んっ!…う〜ん!」
「しっかり見て考えれば分かるラビ!」
4人が考える中でひなたが先に答える
「はい!『オッス!俺、沢泉ちゆ!温泉だ〜いすき!』」
「ハズレ!」
「ちゆは『俺』とか言わないペエ!」
次はのどか
「はい!『こんにちは。わたし、沢泉ちゆです。温泉だ〜いすき!』」
「ハズレ!」
「自己紹介から離れてラビ」
「答えは何かな?」
「今のは『右側を攻めて!わたしがビョーゲンズを引き付ける』だったっペエ」
「うぇ〜…それ全然伝わんないし〜」
誰一人としてちゆのジェスチャーは伝わらなかった
更に引き続き、今度はお題で出される動物の真似をするのだが
「ふわぁ…全然合わないね」
「でも皆んなバッチリ可愛いく撮れたよ」
「撮ってくれたの?見して見して!」
3人は休憩しながら蓮花が撮った写真を観始める
「こうなったら…蓮花!紅牙!2人はどうなのラビ!」
「何で俺達まで…」
「う〜ん…」
蓮花と紅牙は家での生活を思い出してみる
『──蓮花』
『──はい』
『──ん』
『──紅牙』
『──ありがとな』
思い出したのは二つ。お互いが体ごと背を向けてる状態で物の受け渡しが出来たり、一度も口に出して無い筈なのに、欲しい物を買って来てくれたりの事だった
「「別に大した事は…」」
「「「凄すぎるラビ…(ペエ)(ニャ)」」」
蓮花達とのどか達の差に心配して、ラビリン達はヒーリングルームバックの中に入って行った
ラビリン達は連携に繋がるものを探っていた
「ドミノ倒し。チームワークと忍耐力の強化に有効かも知れないラビ」
「ラビリン、本当にこれでいいペエ?」
「確かに、ひなたたち疲れてたよな」
「こんな事続けてて、逆に3人の気持ちがバラバラになっちゃったら…」
チームワークを高める特訓に失敗し続けると、逆にそれを気にして乱してしまう恐れがある。そんな不安に駆られる
「分かってるラビ!」
だけどそんな事はラビリンも百も承知
「本当は、プリキュア の手を借りずにラビリンたちだけで地球のお手当てが出来れば…それが一番ラビ。だけど…」
「俺たちだけじゃビョーゲンズを浄化出来ない…」
「それに、この前の強くなったメガビョーゲンと戦った時、3人共ボロボロで…苦しそうで…あんな辛そうな目にもう合わせたく無いラビ」
ラビリンののどか達に対する気持ちは美しい。そして自分達の無力な事も。それ故に、特訓で失敗し続けるのどか達に焦りを感じていた
「その通りペエ。ごめんラビリン!」
「良し!先ずは3人の事を励まそう!絶対に出来るって!」
そんな思いやりの気持ちが伝わったのか、ペギタンとニャトランはラビリンを元気付けて、もう一度皆んなで挑戦する事を決める
再び皆んなの所へと戻ると
「ちょっと蓮兄くすぐったいよ〜!」
「じっとしててね」
「蓮花さん!今度はわたしがやります!」
「ちゆ、いつも思うがお前…」
「何ですか?」
「うなじと肩出してエロいな」
5人はそれぞれで背中文字ゲームで笑い遊んでいた。蓮花、のどか、ひなたは楽しくやってる反面、ちゆは紅牙に十字固めを決めてお怒りのご様子だった
「緊張感ゼロペエ…」
「大丈夫かニャ…?」
「不安しかないラビ…」
5人の様子に更に不安が降り積もる
「クチュン!」
「ラテ!?」
ラテがくしゃみをして体調が悪くなる。ビョーゲンズが現れた証拠だ
『大っきな車さんの中で、小っちゃな石さんが泣いてるラテ』
急いでビョーゲンズが居ると思われる場所へ走り出す
そこではショベルカーの姿で暴れるメガビョーゲンを発見した
「皆んな!」
「「うん!」」
「いつでもいけるよ」
「やってやる!」
「「「スタート!」」」
「「「プリキュア ・オペレーション!」」」
「「重なる二つの花!」」
「キュアグレース!」
「ラビ!」
「「交わる二つの流れ!」」
「キュアフォンテーヌ!」
「ペエ!」
「「溶け合う二つの光!」」
「キュアスパークル!」
「ニャ!」
「「「地球をお手当!」」」
「「「ヒーリングっど♥プリキュア!」」」
「「抜剣覚醒!」」
「来い!
「蹂躙しろ!
「「「ハアァァ!」」」
グレース達は上からの攻撃でメガビョーゲンの体勢を崩そうとするが
「「「きゃあ!?」」」
何者が割って入りグレース達を跳ね除けた
「何だ今のは?」
「如何やら新手の様だな」
「ちぃーっす!アンタ達がプリキュア と碧の賢帝と紅の暴君の適格者っすか!初めてまっして〜!」
「だ、誰ニャ?」
「あんな奴、俺が居た時にはいなかった」
見た事も無い敵に動揺する
「はいはいは〜い!自己紹介しまっす!自分、この度ビョーゲンズ注目若手として新登場したバテテモーダっす!」
「バテテモーダ?」
「しくよろプリキュア に適格者!そして多分さよなら。だって自分、アンタらに負ける気がしないんで」
「馬鹿が舐めやがって!蓮花行くぞ!」
「ああ!」
「勇ましいけどやっぱ負ける気しないっすわ。何故って?自分強いから」
「その余裕いつまで続くかな!」
「蹂躙してやる!」
「バテテモーダオンステージ開幕!」
飛び出す蓮花と紅牙に、バテテモーダは2人の間をすり抜けてグレース達へ突撃した
「「何!?」」
「自分から戦うなんて…!」
今までの敵とは違い自ら戦いに来る敵に焦る
「だってさ、見てるだけなんてつまんないっしょ!」
グレースを飛び越えて、壁に着地してからスパークルへと攻撃に向かう
「やっぱ自分から盛り上げていかないと!」
「クッ…!」
スパークルへ数度攻撃を加えて後退するが、フォンテーヌがそこへ駆ける
「おほ〜!楽しい楽しい!良いね〜!」
「はぁ!」
「思った以上にパワーあるっすね!でも」
「てやぁ!」
フォンテーヌとスパークルの拳を受け止める
「効かない!何故って?自分の方が…強いから!!」
「「きゃあぁ!!」」
「スパークル!フォンテーヌ!」
簡単に攻撃を凌いだだけじゃなく、それを容易く弾いて逆にフォンテーヌ達を吹き飛ばした
「あらら〜、もうちょっと盛り上げていこうよ」
余裕シャクシャクなバテテモーダ。無視された蓮花と紅牙も囲い込み攻撃を仕掛ける
「悪いけど盛り上げるつもりは無い!」
「さっきからベラベラとうるせぇーんだよ!このネズミ野郎!」
「今度はそう来たっすか!」
適格者2人による連続連携攻撃。それでも息の合った連携も、アクロバットな動きで全て避けられた
「「クッ…!」」
手こずってるその隙にもメガビョーゲンは地球を蝕んでいる
「チッ…放置し過ぎた。おいグレース!」
「「キュアスキャン!」」
キュアスキャンで宝石のエレメントを見つけ出した。すぐさま助ける為にグレースは走り出すが
「はぁぁ!」
「い〜れて!」
「あぁ!!」
「グレース!」
走るグレースにバテテモーダが横槍を入れられて吹き飛んだが、蓮花がグレースを体で受け止めクッションとなる
「グレース、蓮花しっかりするラビ!」
「なんて戦闘力…」
「紫苑嬢が言ってた通りっすね」
「紫苑…」
紫苑の名を聞いて蓮花は反応する
「弱いから守り切れず、捨てられる。本当に…無様っすね」
「「っ!!」」
採石場に碧と紅の光の柱が立った
「クヒッ!あまり調子に乗んじゃねぇーよ…」
「碧の賢帝!」
「紅の暴君!」
「盛り上がって来た〜!」
力を上げる2人だがグレース達はそれを止める
「蓮花さん待って下さい!」
「鬼麿さん!」
「紅兄!それは駄目だって!」
2人はグレース達の言葉で落ち着きを取り戻す。深呼吸して心を穏やかにさせる
「…ありがとう。頭に血が上って」
「ヒヤッとしたラビ」
「もう一度、今度は皆んなで!」
「はい!フォンテーヌ!スパークル!」
前回の二の舞にならない様、今度は全員でバテテモーダに立ち向かう
「せいやぁ!」
「っ!けどまだまだ!」
先程より力の込めて蹴りにバテテモーダは一瞬動揺する
「はっ!」
「おほ!ちょい強め!」
グレース、フォンテーヌと続き
「うおりゃ!」
スパークルのかかと落とし。全てガードされたが、3人の連携が機能し始めてる
「何回やっても──」
「それで終わりじゃないよ!」
「っ!?」
今度は蓮花と紅牙。2人は剣の力を高める
「皆んなの健康は、俺達が守る!」
「この技で蹂躙してやる!」
「「覚醒剣!」」
「賢帝解放!」
「暴君蹂躙!」
碧の賢帝の波動で宙へ飛ばされ、無防備になった状態からの紅の暴君で斬り伏せる
「ホギャーー!?」
斬り伏せられて、メガビョーゲンとぶつかり横転した。これでメガビョーゲンは動けない
「やべっ!」
「今だよ!」
「皆んな、ミラクルヒーリングボトルラビ!」
「「「トリプルハートチャージ!」」」
「届け!」
「癒しの!」
「パワー!」
「「「プリキュア !ヒーリングオアシス!」」」
「ヒーリングッバ〜イ」
「「「お大事に」」」
「アハハ!良いじゃん良いじゃん!強いじゃん!」
メガビョーゲンが浄化されて負けてしまったというのに、バテテモーダは笑い拍手して敵であるプリキュア を褒め称える
「笑ってる。何なのアイツ?」
「フハハッ!負けたのは自分じゃないんで、メガビョーゲンなんで。ま、今日はこれで引き上げるっす」
「それが賢明だな」
「それにしても、戦うのって超楽しいわ」
「戦うのが…楽しい?」
これまでの相手とは一味違う。地球を蝕むより戦う事に快感を得ている
「勝ったと思って油断しない方が良いっすよ。注目若手新人、自分で終わりじゃ無いかも知れないよ?」
「何ですって!?」
「この前、アンタらが手こずったメガビョーゲンの事覚えてるすか?自分、アイツから生まれたんすよね」
「生まれたって!?」
「新人レギュラービョーゲンズバテテモーダ爆誕訳っす!」
そして律儀にお辞儀をして退散して行った
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「バテテモーダ…強かった…凄く…」
「うん…」
(ひなた?)
今回もお手当てを成功したが、新たな敵に未だにひなたの心は揺れ動いていた
「それでも俺達が勝った」
「うん!皆んなで力を合わせれば大丈夫!」
「ええ!鬼麿さんの言う通り、今日だって力を合わせてメガビョーゲンを浄化出来たもの!」
「そうだな!皆んなぴったり息が合ってた!」
「特訓なんてしなくても大丈夫だったペエ!」
「まぁ、ラビリンは最初からそう思ってたラビ!」
強い敵が現れた今日でも、ちゃんと撃退出来た事に皆んな楽観的になる
それでも
「ひなた、大丈夫?」
「蓮兄……」
ひなたは蓮花の服を掴む。その手は少し震えてた
(ひなた…)
まだ1人、ひなただけは不安を隠し切れ無かった
紅牙のキャラが初登場時と今と比べたら凄い温度差。だけど発案から逸れて無いので大丈夫!
ここまでの拝読ありがとうございました!