ではスタートです
今日も元気にひなたの所の店で皆んなは集まっていた。蓮花を除いて
「ニャトランてば、ラテ様のお世話をサボるなんて!」
どうやらラビリンは、ニャトランが来なかった事に腹を立てていた
「部屋にも居ないし何処に行ったんだろ?」
パートナーであるひなたも、ニャトランが何処へ行ったのかも分からずじまいだった
「何かあったのかなぁ?」
「案外、ひょっこり帰って来たりしてな…ってひなたアレ」
紅牙が指差す方には、お客なのか女性がクリニック前に立っていた
「こんにちは〜!今開いてますよ!」
「あの、病院の方?」
「はい!パパが院長やってます!平光ひなたです!」
「先日引っ越して来た『日下織江』です。実は店の前で怪我をしてるこの子を拾って」
織江の手の中にはニャトランがいた
「ニャトラン!?」
「飼い主さんですか?良かった。簡単には手当てはしたんですけど心配で…」
怪我をしたと聞くが、当の本人は何か幸せそうな表情と言ったところだ。
心配してたひなたは、安心の表情では無く何とも言えない表情となっていた。後から来た紅牙達も同じ反応をする
その後は保護して織江は帰って行った
「一体どうなってるラビ!」
「怪我したって織江さん言ってたけど大丈夫なの?」
「大丈夫……いやダメだ…」
「「「えぇ!?」」」
「またしょうもない事だな。俺は帰る」
「駄目です」
1人帰ろうとする紅牙の耳を、ちゆが引っ張り引き止める
「こんなの初めてなんだ。あの人を見た瞬間。心にズッキュン来ちゃったんだよ!」
のどかにラビリン達5人は、背中を向けてヒソヒソと話し出す
「ズッキュンってどう言う意味かな?」
「多分、キュンよりずっとキュンって事じゃないかしら?」
「馬鹿2人共。こういう時のズッキュンってのはな──」
「プリキュア は心の肉球にキュンと来た人と組むラビ!」
「つまり、キュンよりズッキュンの人と…」
「おいお前らな…」
紅牙の話を一切聞こうとしない4人に呆れる
「「「「パートナー交代!?」」」」
「俺の話を聞けよ!?」
勝手に膨らます妄想に紅牙は振り回されつつある
「そりゃズッキュン来ちゃうよね〜!織江さんと仲良くなれるといいね!」
「だよなぁ〜!」
「「まさかの応援ラビ!(ペエ!)」」
ひなたの予想外の行動に驚きの連続。本当にパートナー交代の危機に焦りを感じ始める
「会いに行こっか!手当てして貰ったお礼しなきゃ!で、お近付きになっちゃお!」
「ラビリン達も行くラビ!」
「行くペエちゆ!」
「そうね!」
「俺は面倒だから…痛ででで!!」
紅牙を引っ張りながら織江が経営する店へと向かう
「いらっしゃいませ〜…さっきの!」
「こんにちは!ちゃんとお礼を言いたくて来ちゃいました!」
ニャトランはというと、ひなたのフードの中に隠れてしまっている
「こ、心の準備が!」
「何やってんだよ…」
「あの、此処は何のお店なんですか?」
「アロマショップなの。アロマオイルやアロマキャンドル。香りを扱うお店ね」
織江は試しに、紅牙達にその香りを体験して貰うことに
「ふわぁ〜!」
「何だかスッキリするわね!」
「香りには人を癒す効果があるの。気分や目的によって香りを使い分けると良いわ」
「キャンドルもあるんですよね?」
「あるわよ」
紅牙の言葉に、わざわざアロマキャンドルまで点けてくれた
「そうなんですね!……織江さん?」
のどかは、キャンドルの火を見つめる織江の様子が変と思い声を掛ける
「な、何でもないわ!」
織江は誤魔化した。のどかもそれ以上は聞かない様にした
「おいひなた」
隠れてたニャトランがひなたに部屋の奥を見るように仕向ける
「うわっ!?段ボールの山!」
奥には未だに未開封の段ボールが幾つも積み重なっていた。開店したばかりらしく、片付けが全然終わって無いのが原因
「手伝うぜ!」
「わわわっ!?」
「今の声は?」
ニャトランが大声で言ったせいか織江にも聞こえてたらしい。それをひなたがフードで隠し通す
「お、俺です!て、手伝うぜ!」
紅牙もフォローに入り何とか誤魔化しきれた
「で、でも…」
「1人じゃこの量は大変ですよ。手伝わせて下さい」
のどかとちゆも手伝いに賛成で、全員で取り掛かる事になった
しかしながら利用も多く、全員で手伝ってるとはいえ中々終わらない
「まだこんな…」
「大丈夫か?」
「ありがとう紅兄」
バテルひなたに心配の声を掛けてる。その横では、ニャトランが小さな体で段ボールを運んでる姿を目にする
「無理しない方がいいペエ…」
「見つかったら大変ラビ」
「それでも手伝いたいんだよ!」
織江の為にという原動力でニャトランを駆り立てる。そんなパートナーの姿を見て、ひなたももう一踏ん張りする
片付けは順調に進み、店内はより綺麗に仕上がった
「綺麗になったはいいが、時間も経ってるのに客が来ないな」
「そういえば、わたし達が来てから他のお客さんを一度も見てないわね」
開店したばかりの事もあるが、ここまで来ないのは些か問題である
「じゃあ宣伝しよ!こんな素敵なお店知ってもらわなくちゃ損だよ!」
「宣伝なら…呼び掛け?」
「へいらっしゃい!…って違うし!こうゆう時はチラシを作って配る!」
「それなら、宣伝用チラシが入った段ボールもあったわね!」
「確かにあるけど、配るところまでは手が回らなくて…」
「手ならここにあるから任せて!」
そんな訳で次の手伝いはチラシ配り
町中を歩き、配り、貼り付けてアピールを掛けまくる
それからチラシも全て配り終えて、ひと段落する為足湯に浸かって足の疲れを癒す
ただ、ニャトランがまだ不満そうにしていた
「チラシ配りオレも手伝いたかった…」
「一緒に周ってくれたじゃない」
「もっとちゃんと織江さんの役に立ちたいんだ」
「一途なもんだな」
まだ役に立ちたいと願うニャトランに、ひなたがある提案をする
場所を移動し、ひなたの部屋へとお邪魔する事になった。
そこでは、ひなたの案でビーズでお店を飾ろうというアイディアだった
「よし、頑張る!」
気合いを入れてビーズ作りに励む
「ニャトラン一生懸命だね」
「そうね、ちょっと心配になるくらい…」
「恋は盲目ってやつだな」
そしてビーズ作りとは別に、ニャトランは織江の為だけに作ったビーズを完成させていた
「オレ、これを渡して気持ちを伝えるんだ!」
「気持ちって…!」
ラビリンは最悪な未来を想像してしまう。ニャトランのパートナーが、ひなたから織江になるという想像を
「どうしたらいいペエ?」
「こうゆうのは当人達が決める事だから」
「イイじゃんイイじゃん!応援してるよニャトラン!」
まさかの了承を得た。こうなった以上誰も止められない
あるとすれば
「恋に敗れる事を祈るしかないな。そん時は大爆笑してやる」
「はい、最低ですね」
準備を整えて織江が居るアロマショップへ
「喜んでもらえるかな?」
「気持ちめちゃ込めたし大丈夫だよ!」
だがその道中でラテの体調が急変する
『いい香りの炎さんが泣いてるラテ…』
「いい香り…もしかして!」
思い当たる節はある。急いで織江が居るアロマショップへ急いだ
////////
アロマショップに着くと、キャンドルをモチーフにしたメガビョーゲンが暴れていた
ひなたは織江に渡す荷物をベンチに置いて変身する
「紅兄、蓮兄は来ると思う?」
「分からん。連絡はしたがアイツ全然出ねぇ」
「わたし達だけで頑張ろう!」
「「「スタート!」」」
「「「プリキュア ・オペレーション!」」」
「「重なる二つの花!」」
「キュアグレース!」
「ラビ!」
「「交わる二つの流れ!」」
「キュアフォンテーヌ!」
「ペエ!」
「「溶け合う二つの光!」」
「キュアスパークル!」
「ニャ!」
「「「地球をお手当!」」」
「「「ヒーリングっど♥プリキュア!」」」
「抜剣覚醒!」
「蹂躙しろ!
「ちょっと!何してくれちゃってんの!」
「お!プリキュア ち〜っす!あれあれ?今日は何か1人少ない気が?」
メガビョーゲンの近くにはバテテモーダが居た
「バテテモーダこんにゃろう!」
「これ以上好きにさせないよ!」
「メガ!メガ!」
4人で一気に攻めるも、メガビョーゲンが吐き出すロウによって近付けないでいる
「近付けない!」
「んじゃ、こっちから近付いてあげるっすよ」
「フォンテーヌ!」
フォンテーヌに接近するバテテモーダに、紅牙は庇う様に前へと躍り出るも
「がっ!」
「あぁっ!」
バテテモーダの蹴りに飛ばされ、庇ったフォンテーヌごと吹き飛ばされる
「フォンテーヌ!紅牙さん!」
「よそ見しな〜い!」
いつの間にかグレースの背後へと近付き、鋭い爪でグレースを引っ掻く
「にゃろ!」
けれど、すぐさまスパークルが牽制に入りグレースを抱えて距離を置く
「いいねいいね、やっぱり戦うのは楽しいっすね〜」
「やっぱり強い!」
今度はロウソクを使っての遠距離攻撃。ジャンプして避けるも、その流れ弾が先程ベンチに置いた荷物へ飛んでゆく
「やばっ!」
スパークルは急いでベンチの方へ走り飛び込む
「キャアッ!」
間一髪の所で荷物は無事だったがスパークルへのダメージは酷いものだった
「「「スパークル!」」」
倒れたスパークルに駆け寄ろうとするもバテテモーダが立ちはだかる
「ダメダメ!よそ見ダメェ!」
「クソッ!暴君蹂躙!」
「スパークル!」
「だいじょび、だいじょべ。ほら、ニャトランの大切な物無事だったよ」
「でも、スパークルが大丈夫じゃ無いニャ!」
スパークルが身を挺して守った荷物は無傷。でも、それよりもスパークルの身を案ずる
「へへ…ニャトラン、アタシに言ってくれたじゃん?プリキュア になる時、好きなものや大切なものを守るんだよって。守りたいんだニャトランの気持ち」
「あっ…」
「アタシはさぁ、ひとつの事に集中するのって苦手じゃん?だから何かを特別に好きってのを分かんないんだ。でも、ニャトランの特別な好きを守る事が出来る」
ひとつの事に夢中にはならないけど、その夢中になっているニャトランを守る事が出来る。スパークルはそう伝える
「それがすっごく嬉しいの!だって、一生懸命のニャトランカッコ良かったもん!」
一生懸命の姿を見て嬉しくてしょうがなかった。そんなニャトランを今日は応援したいから。だから頑張れる
そしてそれはニャトランも同じだった
「カッコイイのはスパークルニャ!今日だっていっぱいアイディア出して、ひとつの事に満足しないでズンズン進むスゲェヤツだと思ってたニャ!」
「やった!アタシ達両思いじゃん!」
「あったり前だぜ!
2人の気持ちが通じ、その笑顔はフォンテーヌにも見えていた
「両思いってそうゆう使い方で合ってるペエ?」
「いいんじゃないかしら?あの2人の間では、ちゃんと通じ合ってあるようだから」
スパークルは気を取り直して立とうとするが
「何これ?抜けない!」
スパークルの両脚に、メガビョーゲンが放ったロウが固まって身動きが取れないでいた
「メガ!」
「ヤバい!メガビョーゲンが!」
動けない事をチャンスと思い、メガビョーゲンの目がこちらへ向けられる
「メガァ!」
またもロウソクの弾がスパークルへ発射された
「「うわあぁぁ!!」」
大きな土煙りを上げる。直撃した
「1人脱落〜……ん?」
だが晴れるとそこには、蓮花が
「ようやくおでましっすか!んじゃ!」
バテテモーダが走り出す
「楽しませてもらおうか!」
力を込められた膝蹴りが炸裂……かと思いきや、蓮花はそれを片手で受け止めていた
「なっ!?」
「…賢帝解放」
蓮花は、ゼロ距離からの賢帝解放でバテテモーダを吹き飛ばした
「うぐっ…前より力が上がってる。楽しくなって来たっす!」
「今度は決め…くっ…!」
蓮花は右腕を抑えて蹲る
「蓮花のヤツまさか!」
蓮花の腕をよく見ると、碧の賢帝の侵食が進み腕全体が同期していた
「くっ…フォンテーヌ!雨だ!雨のエレメントボトルを使うんだ!」
「え、あ、はい!」
少々困惑したが言われた通り雨のエレメントボトルをセットする
「雨のエレメント!」
水色の水流が空へと流れ、それが空を曇にして雨を降らせた
それにより、ロウソクの火が全て消えてメガビョーゲンが弱まる。更に、固まっていたロウも溶けて砕け散る
「火が消えて弱まったんだ!」
「グレース今ラビ!」
「「キュアスキャン!」」
「火のエレメントさんラビ!」
「皆んなミラクルヒーリングボトルニャ!」
「「「トリプルハートチャージ!」」」
「届け!」
「癒しの!」
「パワー!」
「「「プリキュア !ヒーリングオアシス!」」」
「ヒーリングッバ〜イ」
「「「お大事に」」」
「いいとこまで行ったんすけどねぇ〜。ま、今回は紫苑嬢に朗報っすね!」
////////
『ありがとう!私はもう大丈夫です!』
「あの、ラテ様の元気が戻らないので力を分けて貰えませんかラビ」
『勿論です』
そしてひなたの手に火のエレメントボトルが現れる
「ありがとうペエ!」
火のエレメントボトルを使ってラテはすっかり元気になる
ただ、ここでひとつの問題が発生する
「…」
蓮花が何も言わずに帰ろうとする
「待ちやがれ。あれはどうゆう事だ?」
それを紅牙が引き止める。そして先程の姿について問い質す
「…何が?」
「誤魔化すな!何だよあの腕は!?碧の賢帝に…魔剣に魂を売るつもりか!?…それとも暴走前提でやっているのか?」
「……」
「ねぇ蓮兄答えて?」
黙る蓮花にひなたも心配して優しく声を掛ける
「化け物だっていい。皆んなを守れる…お手当て出来る力が必要なんだ。ちゃんと制御出来てる」
「出来る出来無いの問題じゃない!どうしてそうするんだ?お前だって魔剣の恐ろしさぐらい知ってるだろ!」
「くっ…!知ってるよ!!」
蓮花らしくも無く声を荒げてのどか達をビクつかせる
「好きで剣の力を暴走させてる訳じゃない!強くなる為だ!」
「強さだけを追い求めて何になる!破滅の道を進む事になるぞ!!アイツらの顔を見ろ!!」
目を向ければ、のどか達は心配の目で蓮花を見ていた。そして密かに恐怖の色も窺える
「このままだと紫苑の思う壺だ!お前は言いなりじゃないか!」
「ッ!…うるさい!!」
耐え兼ねた蓮花は紅牙を殴り飛ばす
「鬼麿さん!」
「蓮花さん何で!?」
「蓮兄!やめてよ!」
紅牙はちゆの肩を借りて起き上がり殴られた頬を撫でる。口からは血が流れ出ていた
「次暴走したら最後だぞ…俺はお前を────絶対殺す!!」
蓮花は何も言わずに立ち去った
そして、蓮花の中で何かひび割れた様な音がした
////////
蓮花とのいざこざが終わってすぐの事。織江が紅牙達の事を心配して急いで戻って来た
「大丈夫でしたか?」
「アタシ達は全然。それで…」
ひなたが荷物を渡そうとする時
「やぁ!ちゆちゃん!ひなたちゃん!」
織江の後ろから1人の男性が走って来た。その男性はちゆとひなたの事を知ってるようだ
「知り合いか?」
「日下さん家の『炎』さんよ」
「今隣町で働いてて!」
「実は、結婚を機に戻って来たんだ」
「「「「結婚!?」」」」
「え゛!?」
紅牙達も驚いたが、それと同時にニャトランがショックを受ける
「あっ!」
そこでのどかは思い出す。何故織江がアロマキャンドルの炎を見て様子がおかしかったのかを
「そうゆう事だったんだ」
2人の邪魔をしてはいけないと思い、紅牙達はその場を離れる事にした
そしてひなたの家の前のカフェでニャトランを慰めていた
「いいんだ。織江さんの心からの笑顔を見られたから…俺はそれで──」
言い掛けるニャトランにひなたがジュースを差し出す
「グミマシマシにしたよ!これでアゲアゲになろ!」
「ひ゛な゛た゛〜!」
悲しむニャトランを優しくひなたは撫でて落ち着かせる
「ハハハッ!マジでフラれやがった!俺の言った通りだな!てか哲也さんの時もそうだが、この町はリア充ばっかだな!傑作傑作!」
「鬼麿さん…」
「俺達もいつかなれるといいなちゆ!」
「な、何でそこでわたしが出るんですか!?」
「前言ったろ!」
「前?……〜っ!///」
ちゆは、少し前に出掛けた事のやり取りを思い出して顔を赤くした
「そう言えばのどかは、スパークル交代の事心配していなかったラビ?」
「2人なら大丈夫って信じてたもん!」
のどかの笑顔で終わると思いきや
「ラテどうしたの!?」
「くぅ〜ん…」
お手当てを無事終わって元気になったラテだが、またも体調を崩す
そして、蓮花にも最悪の運命が待ち受ける
脱線はしない様に気を付けてるけど、このままだと危ない気が…
ここまでの拝読ありがとうございました