ヒーリングっど♥プリキュア 〜癒しの楽園物語〜   作:シロX

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第50話 奇跡爆誕♥蓮花とアスミの 時を経て繋がる二つの風(テルアスペレスト)

「蓮花、少しよろしいでしょうか?」

 

「何かな?」

 

アスミは本を持って蓮花と何か話していた

 

「アスミちゃん、いつも以上に蓮花さんと仲良くなってるね〜」

 

「確かにそうだけど」

 

のどか、ちゆが言うように距離がかなり近いのだ。

お互いの頬が、今にもくっつきそうな程

 

「あんなにアスミって蓮花と仲良かったラビ?」

 

「でもでも!見てるこっちとしては美味しいよ!!」

 

「相変わらず紫苑は興奮してるな〜」

 

しかしながら、そんな2人の様子を見て不機嫌な人がいる

 

「……距離が近い」

 

ひなただ

 

「そうだ!折角2人が仲良くしてる事だし、一緒に出掛けてみるのはどう?」

 

「まぁ!それは良い提案です!」

 

紫苑の突然の提案にアスミは賛成のご様子なのだが

 

「おい待て。最近、例の男の出没は多くなってる。今度は蓮花が襲われる危険性がある」

 

紅牙は反対意見だった

 

「いいか蓮花、俺達は狙われている。暫くは俺達3人で行動するんだ。のどか達の力を借りて撃退もいいが、これは俺達の問題だ。だから──」

 

「あの〜鬼麿さん」

 

「何だ?」

 

「2人共いません…」

 

「えぇ…」

 

いつの間にか、蓮花の手を引いてアスミが外へ連れ出していた

 

「良いわよ良いわよ!その調子よ!」

 

(紫苑の奴…まさか、な)

 

 

 

 

 

////////

 

「出て来たのはいいけど何処行くの?」

 

「何処行きましょうか?」

 

「そりゃあそうだよね…」

 

「わふ!」

 

蓮花はラテの頭を撫でながらこれから行く先を考える

 

「ま、何処でもいいか。アスミと歩けるだけでも楽しいから」

 

「わたくしも、蓮花と歩けるだけで楽しいですよ」

 

「そ、そうか?」

 

そうしてアスミは蓮花の手を握る

 

「参りましょう」

 

特に行き先は決めてはいないが歩き続ける。

適当に公園、花畑とのんびりと過ごす

 

 

 

 

 

「生きてるって感じだな」

 

「急にどうしたのですか?」

 

「いやね、こうして何にもなく歩いてるのが嬉しくてね。もし父さんが生きていたら、こんな何気ない日常を過ごしていたのかも知れない…」

 

「ですが、過去があって今があります」

 

アスミは蓮花の前に立って励ます。

アスミも、蓮花の過去の事は紅牙と紫苑から話は聞いていた

 

「悲しい事かも知れませんが、蓮花が魔剣を持たなければわたくし達は出会う事もありません。ですから…上を向いて下さい」

 

「…はは、そんなつもりじゃなかったんだけどね」

 

「そうだ。下ばかり見られては困る」

 

良い雰囲気になりつつあるこの状況で、とある木の陰から男が話し掛けた

 

「貴方…もしかして2人を襲った奴か?」

 

「そう。フッ……大きくなったな蓮花」

 

「どうして俺の名前を?いやそれよりも、どうして紅牙達をあんな目に?何で俺達を襲う?答えろ!!」

 

自分の名前を知られていたのを動揺に、今まで引っかかっていた謎を全て曝け出す。

いつの間にか、声色も震えていた

 

「相変わらずその探究心には参る。…何故お前の名前を知ってるかって?そんなのは簡単」

 

男は陰から出て来て、その正体をとうとう現す

 

「俺がお前の────父親だから」

 

「「ッ!?」」

 

「君は初めてだね。俺は『蒼咲始』。宜しく」

 

「何で…?あの時死んだ筈…」

 

「死んださ。でも我が王と、この原始の魔剣の力によって蘇った」

 

「一度死んだ人間が生き返るなんて有り得ない!!」

 

蓮花の中ではそんな魔剣の話は聞いた事のない

 

「魔剣はその『有り得ない』事が出来る!そもそもこの世に一体何本の魔剣があると思う?……数百本だよ蓮花」

 

「だからって…」

 

「さて次は目的だな。お前達を襲った理由と関係してる。俺達は地上にいる、適格者の可能性を持つ者全てを消す。過去も現在も、そしてこれから生まれて来る未来も」

 

「何で…何でそんな事を!!」

 

「相手を根絶やし、蹂躙し、破壊し、圧倒的な力で屈服させる力。なのにお前達ときたら、魔剣には縁のゆかりも無く、真反対である浄化能力を与える。それは先代の抜剣者も同様」

 

話してる間、始は蓮花の目の前まで歩いていた。そして手を差し出す

 

「こっちに来い。そんな訳の分からないお飯事して腐るより、こちらに来て地球を蝕み、支配しよう、な?」

 

「ッ!お断りだ!」

 

その手を払い退ける

 

「例え父さんでも俺達のお手当ての邪魔をするなら──斬る!!」

 

「そうだよな。じゃなきゃ、ここまで成長しない。それなら──遠慮無く行くぞ」

 

突然、真上から4本の剣が降り注いだ

 

「アスミ!ラテ!」

 

蓮花はその反射神経で奇襲とも言える攻撃を回避した

 

「危ない…」

 

「のどか達を呼びましょう!

 

「わん!」

 

「逃すか。メガビョーゲン!」

 

今度は何も無い場所から、突然背後にエアコン型のメガビョーゲンが現れた

 

「なっ!?」

 

「まさか、原始の魔剣がただ魔剣を生成するだけの能力だけだと思うな。その魔剣の能力も全て扱える」

 

始とメガビョーゲン、挟まれてしまいアスミとラテが逃げる隙を塞いだ

 

「こうなったらやるしかない!」

 

「はい!」

 

「わん!」

 

 

 

「スタート!」

 

「プリキュア・オペレーション!」

 

 

「「時を経て繋がる二つの風!」」

 

「キュアアース!」

 

「ワン!」

 

 

「抜剣覚醒!」

 

「輝け!果てしなき蒼(ウィスタリアス)

 

 

 

変身すると同時に2人は二手に分かれて飛び出した。

蓮花は始、アースはメガビョーゲンへと仕掛ける

 

「食らえ!」

 

「ッ!」

 

果てしなき蒼と原始の魔剣が鍔迫り合う。

本来なら原始の魔剣が力は上だが、果てしなき蒼の力は所有者の心の持ち用次第で天井知らずの力を得る。そのお陰で、蓮花は何とか互角の勝負をする

 

「ハッ!クッ…!ゼアッ!!」

 

「流石だな。抜剣者となり剣の力を引き出している。しかし……」

 

始の背後から数本の魔剣がセットされ、蓮花に向けて射出される

 

「ッ!」

 

蓮花は上体を反らして躱す事に成功したものの

 

「しまっ──がはっ!」

 

大勢の悪い状態から、足を引っ掛けられてバランスを崩し、始の拳が蓮花の腹に突き刺さった

 

「実力はこっちが上。その程度で勝とうと思うなら甘いぞ!」

 

「蓮花!」

 

アースが蓮花を助ける為に動く

 

「だよな。お前達は他人の為に動く」

 

「メガビョーゲン!」

 

メガビョーゲンは、両腕のブレードをブーメランの様に飛ばしてアースを襲った

 

「ああっ!」

 

「アース!」

 

「蓮花…う、後ろ」

 

倒れるアースに駆け寄り振り返ると、始が既に剣に波動のエネルギーを溜め込み、技を放てる体勢でいた

 

 

「覚醒剣」

 

「崩洛塊土」

 

 

原始の魔剣を振りかざすと地面が崩壊し、浮き上がった岩石が2人に襲い掛かる

 

「果てしなき蒼!不滅の炎(フォイアルディア)!」

 

2本の魔剣を突き立て、結界を二重にして展開する

 

「クッ…攻撃が激し過ぎる!」

 

そして打ち付ける岩が結界を破壊し、2人はまともに直撃してしまう

 

あまりの威力の前に変身が解け、無様に倒れてる姿が始の目に映る

 

「まぁ、こんなもんだろう……?」

 

「メ、メガ!」

 

メガビョーゲンは口から何やら種2つ吐き出した

 

「ああ…メガビョーゲンの種」

 

始は、メガビョーゲンの種を掴み上げて2つとも大きな袋に詰め込んだ

 

「ついでだ」

 

更にメガビョーゲンの体を一部千切り、メガパーツの収穫もし始める

 

「わん!」

 

体調が悪い中、ラテは2人を起こそうとするが蓄積したダメージで動けないでいる

 

「ラテ、アスミ…」

 

体に鞭打って、上体を起こして立ち上がろうとする蓮花の前に始が立ちはだかる

 

「蓮花悪いな。でもこれで分かった筈だ。お前では勝てない」

 

アスミとラテに覆い被さり、2人を庇おうとした時

 

 

 

「実りのエレメント!」

 

 

 

「ッ!」

 

割って入る様に、ピンク色の光弾が放たれて辺りを土煙りで覆った

 

「蓮花さん!アスミちゃん!ラテ!」

 

グレースと紅牙は3人に駆け寄り、フォンテーヌ、スパークル、紫苑の3人は守る様に始と対峙する

 

「酷い怪我!」

 

「待ってろ、今治療してやる」

 

「ふぅ〜ん、プリキュア も来たか。まぁ、騒ぎ過ぎたってのもあるな」

 

「やっぱり貴方ですか」

 

「わんわん!」

 

剣を構える紫苑の前にラテが通さない様に吠える

 

「ラテ?」

 

「どしたの?」

 

スパークルと紫苑で聴診器で声を聴く事に

 

『あの人、蓮花のお父さんラテ』

 

「えぇ!?」

 

「でもおかしいわ。蓮花の父親は私が…」

 

「我が王によって蘇った。そんな事どうでも良いだろう?」

 

「ああ!そんな事どうでも良い!!」

 

治療を終えた紅牙が声を荒げて剣を向ける

 

「左眼の借りは今ここで殺して返す!」

 

「駄目、だ…!」

 

傷は無くなったものの体力までは回復しておらず、フラフラになりがら立ち上がる

 

「皆んなはメガビョーゲンを…」

 

「はぁ?駄目だ!」

 

「そうだよ!蓮兄は休んでで!!」

 

「嫌だ…嫌だ!嫌だ!!嫌だ!!!」

 

「蓮兄…」

 

「俺が…俺がやらないと!」

 

これは我儘だ。子供が駄々を捏ねてるのと同じだ

 

「来い!果てしな──」

 

「蓮花」

 

そっと、アスミが名を呼んで止める

 

「わたくし達の事、そんなに頼りないですか?」

 

「…そうじゃない。さっきので分かったんだ。父さんは今の俺達よりも強い。それなら、お手当てを優先に誰かが犠牲に……」

 

「それでわたくし達が『はい』と快く返事をすると思いますか?」

 

「……」

 

そんな事はとうに知っている。1番近くで、いつも一緒にお手当てして来たのだから。

でも、だからこそこれ以上巻き込めない

 

例えそれが同じ仲間であっても。抜剣者とプリキュア では戦ってる世界が違う。

プリキュア は地球をお手当てに対し、抜剣者達は命のやり取りをしているのだ

 

今まで平凡に生きていた彼女達を、自分達の勝手な都合で壊したく無い

 

「わたくし達が手を取り合えば、今この状況も打開出来ます。ですから──」

 

アスミは蓮花に手を出す

 

「共にお手当てしましょう」

 

「そうだね……そうだよね!」

 

蓮花はアスミの手を取った

 

「話は済んだ?なら、少し心が痛むが実の息子を排除する!」

 

 

「覚醒剣」

 

「豪雷旋風!」

 

 

電撃を纏った暴風が蓮花達へ襲い掛かる

 

「アスミやろう」

 

「はい」

 

「俺達の!」

 

「わたくし達の!」

 

「「お手当てを!!」」

 

瞬間、蓮花達を中心に竜巻が発生し始の放った攻撃を跳ね除けた

 

 

 

「抜剣覚醒!」

 

「舞い上がれ!時を経て繋がる二つの風──テルアスペレスト!!」

 

 

 

風のエレメントボトルが神々しく輝き、薄紫の魔剣が形を成して蓮花の手の中に収まる

 

「何なんだその剣は…!?」

 

「この剣は、俺とアスミの中で生まれた魔剣だ!!」

 

「蓮花!」

 

覚醒と同時にアスミも変身して蓮花の隣に立つ

 

「分かれてやるよ!俺達3人で父さんの相手を。アース達4人でメガビョーゲンを!」

 

「「「「うん!」」」」

 

「行くわよ!」

 

「蹂躙するぜェェ!!」

 

 

 

 

 

////////

 

「メガビョーゲン!」

 

「「ぷにシールド!」」

 

メガビョーゲンのブレードを、フォンテーヌとスパークルが2人で正面から防御し

 

「ハァッ!」

 

グレースがピンク色の光弾で攻撃

 

「参ります!ハァァッ!」

 

「メガ!?」

 

グレースの攻撃で怯んだところをすかさずアースが攻め立てる

 

「メ、メガ!メガ!メガビョーゲン!!」

 

「音のエレメント!」

 

メガビョーゲンの口から吐く風を、アースが音のエレメントボトルを使って相殺する

 

そして、その爆煙の中からグレース達3人が飛び出した

 

「葉っぱのエレメント!」

 

「氷のエレメント!」

 

「火のエレメント!」

 

 

 

 

 

「真・翠嵐疾風!」

 

ツタを張り巡らせて、その上を風を纏い突き進んで行く

 

「ウラアァァ!!」

 

「覚醒剣──烈火連斬!」

 

原始の魔剣を一振りすると、何百という炎の斬撃が降り注ぐ

 

だが紅牙は、その攻撃の嵐の中を突き進んで突破する

 

「貰った!!」

 

「ッ!」

 

突き出す翠遠の息吹(ヴェルディグリオン)を紙一重で、始は避けるが紅牙の背後に紫苑が潜んでいた

 

「だっ!?」

 

「絶・覚醒剣──天威絢爛!」

 

紅牙の頭を踏み倒して超高速の連撃を食らわす

 

「うぐぁ!?」

 

「蓮花!」

 

上空から薄紫の風を剣に宿しながら現れる

 

「クッ!覚醒剣!──賢帝解放!!」

 

碧の波動が蓮花へ放射されるが、時を経て繋がる二つの風の力で降り掛かる攻撃を風が吹き飛ばす

 

「特攻のつもりか!──暴君蹂躙!」

 

しかしそれも、風でコーティングされた蓮花の身体には刃が通らなかった

 

「そこだ!」

 

「この!」

 

風の拳が防御する始の腕に減り込み吹き飛ばされる

 

「なんて力…」

 

「メガァァ!?」

 

「メガビョーゲン!?…そういう事か」

 

吹き飛ばされて立ち、隣には倒れたメガビョーゲン。

二手に分かれての集団戦。そして、弱ったところで一気に纏めてお手当て

 

その事に気付いたがもう遅い

 

「「キュアスキャン!」」

 

「風のエレメントさんラビ!」

 

「皆んなの健康は俺達が守る!!」

 

 

 

「覚醒剣!」

 

「狂飆爆烈!!」

 

 

 

4つの竜巻を発生させ、それを始とメガビョーゲンにぶつける

 

「か、体が…!?」

 

「め、メガ…!?」

 

「終わりだ!!」

 

時を経て繋がる二つの風で竜巻事薙ぎ払うと、上下に割れ一気に弾け飛んだ。

それにより、風のエレメントもメガビョーゲンから切り離して浄化させた

 

「ヒーリングッバ〜イ」

 

「一応取りたい物は取れた。ここは一度引くべきか」

 

浄化されない始は、傷だらけの身体を気にして撤退を余儀無くする

 

 

 

 

 

////////

 

「アスミありがとう。君のお陰で勝てたよ」

 

「いえ」

 

「ったく!だからあれ程言ったろ?これからは全員で固まって──」

 

「はいはい。それは後でね」

 

説教が始まりそうな予感がし、紫苑は紅牙を連れ去った

 

「蓮兄良かったね。その…アスミンと一緒に剣が…」

 

「ああ。それにしてもひなた、元気無いけどどうしたの?」

 

「そ、そう?アタシは元気だよ!」

 

和かに笑顔で返すのだが、声は無理してるように聞こえた

 

「そう?でも、何か悩みがあったら言ってね。相談ならいつでも聞くから」

 

「うん!」

 

さっきよりも声のトーンが上がった。これで良しと思うと

 

「蓮花!」

 

「何アスミ?」

 

「帰りましょう!」

 

すぐにアスミが蓮花の手を引いて連れて行ってしまった

 

「あっ蓮兄……」

 

そしてまた下を向く

 

(ひなた…)

 

蓮花もチラッとひなたの様子を見て、また気分が下がってるのに気付いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謎に包まれてた男の正体を知った蓮花達。そして、原始の魔剣に対抗出来る新たな魔剣を手に入れた

 

またひとつ、運命の輪が回る




本来なら紫苑に持たせる剣でした。なんなら、予定外の強化です

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