ヒーリングっど♥プリキュア 〜癒しの楽園物語〜   作:シロX

67 / 120
いよいよです!

ではスタート!


第54話 大好きだよ♥2人だけの溶け合う二つの光(スパークルセウス)

レンカに敗北した蓮花達は、治療をする為に家にお邪魔するのであった

 

「ほい、治ったぞ」

 

「ありがとう」

 

見るも無惨だった背中は元通りとなった。

左腕だけを除いて

 

「切られたんじゃどうする事も出来ないな…」

 

「右だけで何とかするよ。これからの私生活がちょっと大変だけどね」

 

「気にするところそこかよ…」

 

肩から無くした左を摩りながら

 

「皆んなは?特にひなた」

 

「お前に比べたらなんて事ない。絆創膏貼って済んだ。ひなたはなぁ……」

 

蓮花の家に担ぎ込まれた時は、意識を失っていた為皆んなの容体を気にしていた。今は、自室のベッドで紅牙と2人だけ

 

紅牙はバツが悪そうにリビングへと連れて行った

 

「蓮花さん!!」

 

「もう良いのですか?」

 

「やっぱり左腕は…」

 

のどか、アスミ、ちゆが心配して駆け寄ってくれた

 

「ひなたは?」

 

3人は、部屋の隅へと顔を向けた

 

そこにはフードを深く被り、顔を見られまいと俯いて座り込むひなたの姿だった

 

そんなひなたを元気付けようと、紫苑やラビリン達が声を掛けているが全然届いてはいない様子

 

「紫苑、皆んな」

 

「蓮花…」

 

「ひなたの奴、完全に塞ぎ込んじまってよ…」

 

「2人だけで話しても良い?」

 

「…分かったペエ」

 

蓮花はひなたの前に屈んで優しく声を掛ける

 

「ひ〜なた」

 

「……」

 

「どうしたの?蹲って」

 

「……」

 

蓮花でも中々反応してくれない

 

「もしかして、この左腕を気にしてるの?」

 

「…ッ」

 

「左腕」。その言葉でやっと反応してくれた

 

「そんな事より何か食べよう。連戦続きでお腹空いてるだろうしね」

 

「………で」

 

食事の準備をしようと立つ時、ひなたがようやく口を開いてくれた

 

「…んで………何で…何で怒らないの!!!」

 

「ひ、ひなた?」

 

「アタシのせいで蓮兄の腕が……なのに何で怒らないの?何で責めないの!?」

 

自分のせいでこんな事態になったのにも関わらず、その自分を全く責めようとしない。その事に腹を立てて怒鳴り散らす

 

「怒ってよ!ねぇお願いだから!!怒って責めてよ!!!」

 

「無理だよ…」

 

「え…?」

 

「ひなたを責めるなんて…怒るなんて出来ないよ」

 

「ッ!」

 

ひなたは蓮花を突き飛ばして家から飛び出した

 

「ひなた!…追い掛ける!!」

 

蓮花はシャツを軽く羽織り、遅れて飛び出した

 

「わたし達も追い掛けるわよ!」

 

「うん!」

 

「駄目だ」

 

のどか達も追い掛けようとするも、紅牙に止められてしまう

 

「これはあの2人の問題だ」

 

「ですが!」

 

「ひなたが受け止めるしかないんだよ。まぁ、蓮花が優し過ぎてそれが余計に重荷になってはいるがな」

 

 

 

 

 

「ひなた待って!」

 

「来ないで!」

 

「…ッ!捕まえた!!」

 

走るひなたを、ようやく石橋の上で捕まえた

 

「嫌!離してよ!!」

 

「分かった!分かったから!」

 

蓮花は急いで手を離して、ひなたを落ち着かせる

 

「ひなた…」

 

「…何でそんなに優しくしてくれるの?」

 

「優しく?当たり前だよ。俺はひなたの事が好きだから」

 

「じゃあ何でアスミンばっか見るの!?」

 

ここでアスミの名前が出て来たのが不思議だった。何がどうひなたと関係するのか

 

「アタシ、蓮兄に見て貰いたくて必死になってるのに…。アタシと蓮兄の好きは全然違う!違うの!!」

 

(違う?……もしかして!)

「あのな、ひなた──」

 

「知らない!もう蓮兄の話なんて聞きたくない!!」

 

聞き耳持たず。ひなたの勝手な会話は続く

 

「もう優しくしないでよ!!でないとアタシ…っ……くるしいよぉ……」

 

我慢してたものが込み上げる

 

何もかも全部吐き出して

 

「こんな想いするなら────好きになるじゃなかった!!!」

 

「ひなた!」

 

「蓮兄なんて大嫌い!!!」

 

 

 

 

 

////////

 

ひなたは、蓮花を再度振り切って林の奥へと逃げ込んだ

 

「ハァ…ハァ……ひっぐ……あぁ…っ」

 

 

『蓮兄なんて大嫌い!!!』

 

 

「蓮兄…れんにぃ……あああァァァッ!」

 

こうするしか無かった。自分からその想いを断ち切るしか

 

好きだった彼を嫌いと言い放った。大嫌いと叫んでしまった。

ぐちゃぐちゃな感情が、ひなたの心をもっと苦しめていた

 

「蓮兄ぃ…蓮兄ぃ…!あた…っ…アタシぃ……大好きなのにっ…嫌いって……でも、アタシのせいで……っ」

 

泣きじゃくるひなたの前に、誰かが近付いて来る足音が聞こえた

 

「見つけた。プリキュア だな」

 

「ひっぐ……え?」

 

始だった

 

「我が王の命令は絶対。だが、プリキュア という存在はこの先邪魔になる可能性あるからな」

 

始は、原始の魔剣をひなたの喉元に突き付ける

 

「悪く思わないでね」

 

振り下ろされる剣。しかし、甲高い音を立てて始の手から離れた

 

「全く、本当に親不孝もんだな。蓮花」

 

寸前の所で、蓮花が魔剣を投げて弾き飛ばしたのだ

 

「偶には親孝行もサービスしてくれよな」

 

「する気は無い」

 

「はいはい、そうです…かッ!」

 

「メガビョーゲン!」

 

始が剣を拾うのと同時に、メガビョーゲンが何処からともなく現れた

 

 

 

果てしなき蒼(ウィスタリアス)!」

 

 

「…」

 

始が手を挙げると、幾つもの魔剣が空中でセットされ、メガビョーゲンも攻撃大勢に入る

 

「やれ」

 

「ッ!」

 

ひなたを中心に結界を展開し、蓮花はその攻撃を薙ぎ払う

 

「蓮兄!」

 

「ハハハッ!1人で全て捌くつもりか?しかも片手で!」

 

「ッ!」

 

魔剣を中心に弾き返すが、メガビョーゲンの相手もしなければならない。弾き返しそびれた剣は結界が守ってくれてる。だけど、結界もそう長くは持たない

 

「メガ!」

 

「クソッ!」

 

「ほらほら!」

 

剣に集中してるとメガビョーゲンが、逆にメガビョーゲンを相手にしてると剣が。どちらも疎かには出来ない

 

結界の耐久限界もそろそろ

 

「やらせるか!!」

 

結界が破れると、ひなたを庇う様に剣を構えて迎え撃つ。しかし、やはりと云うべきか全ては無理だ

 

ひなたに降り掛かる攻撃は全て防いでみせるが、自分に対する攻撃は受けきる

 

(絶対に!ひなただけは守るんだ!!)

 

己の身を犠牲してでも守りたいものがある

 

「グッ…だはっ!」

 

折角回復した体も剣で切り傷が増え、メガビョーゲンに殴られた痕が痛々しく増え続ける

 

「そうやって、また見るだけか?」

 

「あ……」

 

「良かったな。自分の代わりに傷付いてくれる人が居て」

 

「ああ……ああッ!」

 

「これで終わりだ」

 

とうとう力尽きてしまい、蓮花はその場で崩れ落ちる

 

「蓮兄!……あぁ…」

 

もう駄目だ。ひなたの心は今にも崩れ落ちる寸前

 

自分がもっとしっかりしていれば。もっとちゃんと出来ていれば

 

(もっと…ちゃんと──)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「守って…や、る……」

 

蓮花は何とか体を起き上がらせる

 

「ひなた…泣かないで……。そんな顔をされると、俺も泣いてしまうよ…」

 

「だってぇ…だってェェ!!」

 

「ひなた…君は本当に可愛いね。だから…せめて……笑顔を見せて、もっと可愛い顔を見せてよ。俺は、そんな君が────

 

 

 

 

 

大好きなんだから」

 

 

 

 

 

「アタシもぉ…アタシも本当は!」

 

蓮花は、ひなたを抱き寄せて耳元で呟く

 

「ありがとう」

 

「蓮兄…れんにぃ……っ……うわあァァァァァァ!!」

 

泣きじゃくるひなたを、只々優しく背中を撫でて包み込む

 

「ごめん蓮兄!ごめん!ごめん!!」

 

「謝るのは俺の方だよ。ずっと好きで居てくれてありがとう」

 

お互いの気持ちがやっと伝わった。大好きの気持ちがいっぱい、沢山、溢れ出る程流れ込んで来る

 

「茶番は終わったのか?なら!

 

 

 

「覚醒剣!」

 

「烈火連斬!」

 

 

 

「フッ……ッ!?」

 

放った炎の斬撃は確かに蓮花達へと向けられた。しかし、気付くと斬撃は返されて始の頬を擦り、後ろの木々を切り裂いた

 

「…何をやった?」

 

蓮花へ目を向けると、光のエレメントボトルと同じエンブレムをしたシールドが展開されていた

 

「ひなた!」

 

「蓮兄!」

 

 

 

「抜剣覚醒!」

 

「煌めけ!溶け合う二つの光──スパークルセウス!!」

 

 

 

光のエレメントボトルが神々しく輝き、蓮花とひなたの手の中に1本の魔剣が握られていた

 

その剣は、黄色に輝き日向の様に暖かいものだった

 

更には、切られて無い筈の左腕が生成されていた

 

「その腕、魔剣の波動によって作られたものか」

 

「メガビョーゲン!」

 

「もう効かないよ!」

 

蓮花は左手だけで攻撃を受け止めた

 

「メガ!?」

 

(これが魔剣によって作られた腕。今なら何でも出来る!)

 

「これならどうだ!」

 

「蓮兄右!」

 

今度は右から魔剣

 

「ひなたこっち!」

 

ひなたを抱き寄せて、溶け合う二つの光を翳すとシールドを張り剣を受け止める

 

「お返し!」

 

受け止めた剣は、そのまま始へと跳ね返した

 

「チッ!」

 

始も原始の魔剣で弾き返し距離を置く

 

「逃がさない!」

 

左腕を大きく前へ突き出すと腕が長く伸びた

 

「伸び…クソ!」

 

伸びた左腕が始の足首を掴んだ

 

「せ〜のっ!」

 

そしてメガビョーゲンの所へ投げ飛ばす

 

「皆んなの健康は俺達が守る!!」

 

「蓮兄行くよ!」

 

2人で一緒に、溶け合う二つの光を握る

 

 

 

「覚醒剣!」

 

「剣光神癒!」

 

 

 

振り下ろされた剣から、黄色に輝く波動がメガビョーゲンに突き刺さる

 

「プリキュア でないと媒体となったエレメントの場所は分からない!無駄な一撃だったな!」

 

「だったら体中診察するまでだ!」

 

波動はメガビョーゲンの体内を駆け巡り、媒体となっていた光のエレメントが飛び出た

 

「ヒーリングッバ〜イ」

 

「もうメガビョーゲンじゃ太刀打ち出来ないな。面倒になったが頃合いだな」

 

メガビョーゲンが浄化され、始もその場を立ち去った

 

 

 

 

 

////////

 

「あの…蓮兄、アタシ……」

 

「帰ろっか」

 

「あ…ぁぁ……」

 

蓮花は手を差し出す。その手にひなたは怯えながらも手を取ろうとする

 

「ひなた」

 

まだ躊躇うひなたに優しく抱き付いた

 

「大丈夫。ちゃんと伝わってるよ。ひなたの大好きの気持ち」

 

「うん…!」

 

 

 

 

 

「いつの間にか仲直りしちゃってるね」

 

少し離れた場所で、蓮花とひなたの様子を見るのどか達

 

「一件落着と言いたいけど…」

 

紫苑はアスミの方をチラリと

 

「どうかされましたか?」

 

「あ〜いや、アスミちゃん。良いのかなぁ〜って」

 

「…良いのです。御二人が笑顔なので。わたくしも何と言いますか……嬉しいのです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅い夕陽が2人の祝福を祝っていた

 

「もう蓮兄、また怪我しちゃってるよ」

 

「あはは……」

 

「ちょ!?こんなとこで倒れないでよ!?蓮兄ぃぃ〜〜!!」




結構長く引っ張りましたが、ちゃんとヒロインとくっ付きました〜!
そんでもって左腕は失った状態ですが、抜剣すれば生えてくる様にしました〜。トカゲだ〜

新しい魔剣「溶け合う二つの光」は、反射能力です。今作の主人公、守りに入ってるなぁ〜

ここまでの拝読ありがとうございました!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。