ではスタート!
「泊まりで勉強合宿しない?」
蒼咲家で遊んでると、蓮花がそう提案した
「勉強ってこの前したばかりだろ?」
「ひなた、勉強後の英語のテストは何点だったか覚えてるよね?」
「え〜!?紅兄の言う通りこの前したばかりだから。それに、そんなの忘れ──」
「覚えてるよね?」
目の前まで蓮花の顔が迫って来た
「まさか、もう忘れたとか言わないよね?あんな点数取ったんだよ。この先の将来何があるのか分からないんだよ。後、点数忘れたのなら俺が代わりに言ってあげようか?勿論窓を開けて大きな声で」
ひなたは怯え
「…25点です」
結局答えるしかなかった
「うん!偉い偉い!良く言えました!」
「う…うわ〜ん!れんにぃ怖いよ〜!!」
いつも以上に圧を掛ける蓮花に、ひなたは泣き出してしまった
「泣いても駄目だよ。後、のどかとちゆも参加だよ」
「「えっ!?」」
「何か問題があるの?」
自分達にも火の粉が降って来るとは思ってもみなかったので、動揺を隠せれなかった
「あ!お母さん達の許可も取らないと〜…」
(のどかっちナイス!)
「許可は取ってある」
「手を回すのが早いですね…」
「蓮花ってそういうものよ」
親公認もあり渋々受ける事となった
「でもアスミはどうするラビ?」
「そうだよ!アスミンだけ勉強しないのはズルい!」
「どうする?」
アスミはそもそも精霊なので、勉強をしなくても良いのだ。
でも、一部からは抗議の声が
「…分かった。アスミのレベルに合わせた問題も作る」
「おい作るって俺達に作らせる気じゃないよな?」
「そこは安心して。問題は全部俺が責任持って作る。紅牙達はそれをコピーしてくれれば良いから」
そして蓮花はファイルから数枚のプリントを3人に手渡す
「泊まりは土曜と日曜の1泊2日。そのプリントは金曜まで提出ね。でないと、それぞれのレベルに合わせた問題が作れないからね」
(バックれちゃおうかなぁ〜…)
勉強嫌いなひなたがそう考えるが、蓮花はそんな考えなどお見通しだった
「別に強制ではない。別にやらなくても構わないよ。でも俺は待ち続けるよ。ずっと」
柔かに笑うその表情。本気で来るまで何時間も待ち続ける気なのだ
それを見たのどか達は
(((あ、駄目だ…)))
雰囲気で察したのか逃げる事など不可能と分かり、提出期限までプリントと睨めっこする事にとなった
////////
そしてお泊まり勉強会の日
「先ずは採点したプリントを返すね」
ちゆ、のどか、ひなたの順で返すと同時に一言言う
「ちゆは良く勉強出来てるよ」
「それでも87点です。蓮花さんが作った問題少し難しかったです」
「のどかもちゆと同じ様に努力はしてる様だね」
「83点!?もう少し取れてると思ったんですけど…」
「最後にひなただけど…」
蓮花は少し怪訝な表情でプリントを返す
「28点…」
「赤点ラインは30点。前より落ちてないか?」
「蓮兄が作った問題ムズイ…」
「まぁいいよ、予想通りだから。それじゃあ、それぞれ能力に見合った人が勉強見るから」
「ちゆ…俺必要か?」
「はい。鬼麿さんの説明はとても分かりやすいので助かります」
「のどか、ここの計算はさっきやった公式を使って応用すれば解けるよ」
「あ!そういう事でしたのね!」
ちゆと紅牙、のどかと蓮花で勉強をしていく。
紫苑はひなたとアスミの勉強を見ているのだが
「勉強は楽しいですけど…」
「全然分かんない…」
「アスミちゃんは掛け算。これは何回も復唱したりして覚えるしかないわ。ひなたちゃんは……」
紫苑もひなたに苦労していた
「紫姉、何で数学なのに英語が出てくんの?」
「それは公式だから仕方ないのよ」
「え〜!?意味分かんない!」
「え、そう?それじゃあどう教えましょうか……」
紫苑でさえも頭を悩ませる程、ひなたの相手は難しい
「10時か……一度休憩しようか」
「あ゛〜終わった〜!」
「2人共ちょっと」
蓮花は、紅牙と紫苑を部屋の隅へと呼びつけた
「順調そう?」
「ちゆは問題無い」
「アスミちゃんは問題は無いけどひなたちゃんがねぇ…」
横目でひなたを見る。のどか達と楽しく団欒する姿
「お昼から講師交代。紫苑はのどかを見てくれる?」
「分かったわ。お昼ね」
「お昼からは講師を変える。のどかの担当を紫苑。ひなたは俺が引き受ける」
「え、何で何で?」
「それはね──」
「ひなたが思ったより重症だから」
「ストレートね…」
紫苑に被せて蓮花はハッキリと言い切った
「アスミはそのまま紫苑に教えて貰って」
「分かりました」
「良し!始めるよ!」
「「……」」
「「「……」」」
「ひなた、国語の問題を解くにあたって、ヒント或いは答えはその問題の真上の文に答えが出てる。その上でやってみて」
「そんな事言われても、登場人物の気持ちなんてアタシ分からないよ〜!」
「だから!それについてのヒントや答えは問題の真上の文に隠されているんだよ!」
のどか達が勉強する横で、激しく言い争う蓮花とひなた
「もっと簡単に説明してよ!」
「これ以上の説明は無い」
「れ、蓮花」
「もう少し分かりやすく説明してあげたら?」
いつも以上に厳し目の蓮花。それを見た紅牙と紫苑が助け舟を出すのだが
「…2人は黙ってて」
「「はい…」」
低いトーンで言われ、何も言えなくなった2人は泣く泣く引き下がった
「さ、邪魔者は居なくなった。再開するよ」
「悪魔だ……悪魔の使者がここに居るよ!!」
「ん、何?悪魔的なハードな内容が良いって?良いよ!」
「ちっがぁぁぁぁぁっう!!!」
そして1日が終わる。夕食も済ませ、お風呂に入ってゆっくりと時間を過ごす
ちゆ、アスミ、ヒーリングアニマル達。のどか、ひなた、紫苑と女性陣が先に分かれて湯船に浸かる
「蓮兄の勉強しんどいよ〜…」
ひなたは、湯に口をつけてブクブクと泡を立てて文句を言っていた
「のどかっちは良いよね。途中で紫姉と交代したから楽になって」
「そうかな?蓮花さんの時とあまり変わらなかったけど」
「ええ!?何それ!?何でアタシだけ厳しいの…?」
髪に伝う雫が溢れ落ちる。そして、黙っていた紫苑が口を開く
「それはひなたちゃんの為を思っての事よ」
「アタシの為?」
「事実ひなたちゃんって頭悪いじゃん。せめて全教科50点以上を目標として蓮花は計画してるのよ」
「それは分かるけど…」
「飴と鞭ってところね。甘やかしてきた分、勉強では手抜きなどしない。全部ひなたちゃんの為なのよ。それだけは分かって欲しいの」
長時間のお風呂から上がり髪を乾かして、リビングの隣の大きな和室で布団を敷いて寝る事になった
「明日も早いから寝るよ」
「…」
「珍しいね。ひなたが何も言わないなんて」
「そう?おやすみちゆちー」
////////
「う〜やばっ、寒い」
夜中睡眠途中だったが、お手洗いに行きたくて起きたひなた。用を済まして和室に戻ろうとすると、2階へと続く階段から明かりが点いてる事に気が付いた
気になって2階へと上がり、明かりが点いてる部屋を覗き込むと
(え…?)
1人書斎でペンを走らせている蓮花を見た
「何やってるの蓮兄?」
「ん?ひなた?」
ひなたが声を掛けてようやく気付き、手を止めて顔を上げた
「もう夜中の2時は過ぎてるんだよ」
「ひなたこそどうしたの?」
「アタシはトイレ。何書いてたの?」
ひなたが蓮花の隣に来て見てみると、幾つもの用紙に手書きで問題文が作られていた。それだけじゃない、ひなた達が書いたノートにも赤ペンで一言書いたり、採点もしていた
「え、コレ全部蓮兄が書いたの?」
「うん。一人一人レベルに合わせた問題をきちんと書いてね」
無言で書き続ける蓮花に少し聞いてみる事にした
「アタシ、やっぱダメな子だよね…」
「え?」
「だって、蓮兄夜遅くまでアタシ達の為にやってるのに。それに出来ないからって蓮兄に当たったりして…」
「…いや、俺も少し厳しくし過ぎたよ。ひなたは少し皆んなより遅れてるからね。俺みたいに浪人とかしたら嫌だから。結局、全部自分の為なんだよ。ごめんね」
蓮花は立ち上がってひなたの手を握る
「俺達、1人じゃあどうしようもないね。これからは2人でやって行こう?ゆっくりと」
「うん」
「寝よっか」
明かりを消して、和室へと移動して布団を被ろうとすると
「ねぇ蓮兄、一緒に寝てもいい?」
枕を持ってひなたがお願いして来た
「おいで」
ひなたは活き活きと布団の中に入るが
「う!?さ、寒い…!」
蓮花はさっき程まで書斎に居たのだ。布団の中は冷たいのだ
「こうすれば暖かいよ」
「っ///」
ひなたに抱き付いてお互いに体温を上げようとする
「ンフフッ!あったかいよ蓮兄///」
「蓮兄!今日も厳しくお願いします!!」
「ひなたどうしたのかしら?」
「分かりません」
「きっと嬉しい事があったんだよ!」
次回は何書こうか…
ではここまでの拝読ありがとうございました