ではスタート
「……」
「…ゆ」
「……」
「…い……」
「…」
「オイちゆ!!」
紅牙が大きな声で呼び掛けて、ちゆハッとなる
「な、何ですか?」
「青」
歩道を渡りたかったのだが、ちゆがボーっとしておりそれを逃してしまった
「え、あ…すみません」
「どうしたんだ?やけに元気が無い様に見えるが」
「あの…聞いてくれますか?」
落ち着ける場所を探していつもの海辺へと足を運んだ
「なるほどな。ハイジャンプか旅館の女将、どちらかを選べばどっちかは諦めなければならない」
「とうじが『旅館の方は任せて!』と言っていたのですが、小さい頃から女将はわたしがやるものだと思っていたから…」
ちゆは悩んでいた。大好きなハイジャンプと女将と。
今まで当たり前にしていた事が、急にどちらかしか選べないという何とも酷な選択を迫られている
「でもハイジャンプで世界にも行きたい!けれど、それだと旅館の方は…」
「だよな。辞めるには勿体無い才能だ」
「わたしはどうすれば……」
三角座りで顔を埋めて葛藤する。後悔はしたくない。けれどどちらを選んでも後悔しかない
「いいな。その本気で悩める程夢中になれるものがあって」
「鬼麿さんだって、将来は先生になりたいと言っていたじゃないですか。わたしなんて中途半端ですよ…」
「…全くどいつもコイツも」
「鬼麿さん?」
紅牙は少々苛立ちながらも、ちゆに優しげな目で見つめる
「俺、その夢はもう諦めた。てか辞めた」
「ええ!?」
「俺の夢はお前と付き合い始めてから変わった。どんな道を選ぼうとお前の隣に居る。ハイジャンプをやろうが女将をやろうが。お前を支えてやる」
「そんな…。わたしの為に自分の夢を捨てるなんて駄目ですよ!!」
「俺の夢はお前の夢なんだよ」
紅牙は優しくちゆにキスをした
「ッ!?///」
いきなりの行動でちゆは慌てふためく
「それだけだ。大した事言えなくて悪いな。でも、俺よりももっと適任な奴がお前の道を示してくれるだろう」
手を振りながら浜辺を後にすると、入れ違いでペギタンがやって来た
「ちゆ〜!」
「ペギタン?」
「ボク、ちゆがどうしたらいいか分かったペエ」
ペギタンもちゆの事が気になって仕方なかった。そしてペギタンも考え、遂にちゆの悩みの解決策を持って来た
「両方好きなんだからどっちもやっちゃえば良いペエ。ちゆなら出来るペエ」
「…」
「ボクは頑張るちゆをずっと見てきたペエ。ハイジャンも女将修行もそれにプリキュア でもペエ。どれも手を抜いたりしないで、全部頑張ってたちゆなら絶対出来るペエ!」
ちゆの心を動かすには後もう一押し。そして、その心を動かす決めてとなる言葉をかける
「それでも、まだ勇気が足りないならボクのを分けてあげるペエ」
「ッ!」
その言葉は初めてペギタンと出会った時の言葉
「そう…そうよね!わたしはずっとチャレンジして来た。ハイジャンも旅館の仕事も。わたしやりたい事全部やる!どっちも大切で大好きなんだもの!」
「ペエ!」
「ありがとうペギタン」
「フッ」
少し遠くで紅牙が2人の様子を見守っていた。ペギタンが来る事は最初から分かっていたらしい
(鬼麿さんもありがとうございます)
次回こそは日常回書きます。予定としては4話分ですけど、その4話分で日常回は終わります
ではここまでの拝読ありがとうございました