ヒーリングっど♥プリキュア 〜癒しの楽園物語〜   作:シロX

94 / 120
この小説でも一位二位を争う程強くなった紅牙

どうなる!?

ではスタート!


第76話 刹那の思い出、彼が手に入れた幸せの証

「絶剣覚醒!」

 

「希望をこの手に!祝福の希望(ベルフェホープ)!!」

 

 

 

「俺達の希望で、お前を蹂躙してやる」

 

とうとう完璧な形で絶剣覚醒した紅牙。

その右手には金色の絶剣が握られていた

 

「ククク…アッハハハ!少しは楽しませてくれる!!」

 

巨大な魔剣が勢いよく振り下ろされる。しかしそれを、祝福の希望を持つ右だけで受け止めた

 

そして紅牙の姿が消えた

 

「ッ!?」

 

瞬く間に始の顔面に膝蹴りを食らわした

 

(なっ…!?)

 

紅牙は一瞬で距離を詰めたのだ。それだけでは無く、先程振り下ろされた巨大な魔剣も粉々に粉砕されていた

 

だがこれは想定内。半覚醒でレンカと互角にやり合ったのだ。完全覚醒した相手に何の策も無し相手をしてる訳では無い

 

(掛かった!)

 

未だに顔に膝が減り込む中で、始は小さく指を上げる

 

それが合図で、地面からマグマの柱が紅牙を襲う……筈だった

 

「ッ!」

 

しかしそれは避けられた。紅牙はそのまま顔を踏み台にし、素早く後ろへ交代し免れたのだ

 

(馬鹿な!?憤怒爆殺で巻き起こった土煙りに隠れて仕掛けた罠だぞ!反応が速過ぎる!)

 

見破られる自信は無かった。それなのに避けられた

 

「だが!これは避けられまい!!」

 

全ての魔剣を喚び出し展開させる。数は今まで以上。避けるのは疎か防御すらも無意味な程

 

「これで…死ね!!」

 

「…」

 

連射される剣の嵐。紅牙はその嵐の中へゆっくりと歩いて向かってく

 

紅牙は剣を一本一本丁寧に躱す。掠る事も無く

 

今の紅牙は、華々しく、可憐に、踊ってる様に見える程軽やかに避ける

 

「何でだ…何で当たらん!!」

 

数の暴力では無理と判断した始は、原始の魔剣で近接戦闘に切り替えた

 

「ハァッ!」

 

「当たるか!」

 

剣の柄を使って手首に打撃を与え、一瞬動きが止まった所を身体を回転させ、勢いを付けて腹目掛けて蹴り付ける

 

「クッ…かはっ」

 

「こんなものか?」

 

「この、餓鬼の分際で!調子に乗るな!!」

 

不意を突いて背後から魔剣を速射するも、横ステップで簡単に躱した

 

「今度はこっちから行かせて貰う!」

 

紅牙は横切りで切り付ける。原始の魔剣で防ぐも、防御の上から強引に押し込む

 

「ウラァ!!」

 

「うぐっ!?……この程度で力負けするかァァァ!!」

 

始は逆にそれを跳ね返した

 

「これで!」

 

紅牙は始の動きを見る

 

そして

 

「何!?」

 

最小限の動きのみで剣を全て躱した。そして始は一つの仮説を建てた

 

(まさかと思うが、俺の動きを観察して避けているのか?)

 

その可能性は大いにある。始はそれを確信へと変える為に仕掛ける

 

「その剣の能力見極める!」

 

 

 

「覚醒剣!」

 

「幻想天命!」

 

 

 

何人にも分身し四方八方から襲い掛かる。紅牙も腰を低くして剣を構える

 

「面白い!止められるものなら止めてみろ!!」

 

囲まれて足を止めてしまう。流石の紅牙もどうしようもないと思われたが、紅牙は静かに二時の方向をの始を見据えていた

 

そして始は恐怖した

 

(そんな馬鹿な!?見破られている?絶剣覚醒状態の鋭い観察眼!もはや観察してどうこう出来るものじゃない!)

 

「そこだ!!」

 

波動の斬撃で二時の方向に居た始に食らわした。その始は本物だった

 

(まるで、未来予知だ…!)

 

確信へと変わった。紅牙は始の動きを読んで攻撃、防御をしている

 

しかし、普通の人間では相手の動きに反応してから反応する。

だが紅牙の場合、持ち前の鋭い観察眼で相手の筋肉の動き、汗の量、視線の動き、瞳孔、息遣い、視界に入るありとあらゆる情報から相手の動きを読み取っているのだ

 

その為、未来予知に近い「先読み」で紅牙はずっと交戦していた

 

(未来予知と同等の『先読み』の能力だと?それに対抗出来る魔剣は存在してない!)

 

始は斬られた腹を治療しつつ距離を置く

 

遠距離の攻撃も、ましてや近接での戦闘など先読みされて話にならない。始の攻撃は殆ど通用しない事がハッキリした

 

「お前の魔剣では俺の絶剣には敵わない。大人しく殺されろ」

 

「…原始の魔剣が全てにおいて劣ってると言いたいのか?天狗になるのもいい加減にしろ!!」

 

天高く剣を掲げて最大の波動を溜め始める

 

「お前達はこの技で一度倒された。もう一度身に染みるがいい!!」

 

「随分と見くびられたもんだ。だが丁度良い!お前を倒して俺が世界で最強という事、俺達の希望が強いと証明してやる!!」

 

紅牙も魔剣の力を最大限まで高め、腰に剣を構える

 

 

 

「絶・覚醒剣!!」

「覚醒剣!!」

 

「希望満開!!」

 

「原始超動!!」

 

 

 

金色の波動と赤黒い波動が激しく激突する

 

「うぐぅ!!」

 

僅かながら紅牙が押される

 

「無駄だ!その程度の才能など原始の魔剣の前では通用しない!!そのままくたばれ!!」

 

「俺達の力は才能だけじゃ計れない!!」

 

少しずつ紅牙が押し返し始める

 

「お前の負けだァァァァァァッッ!!」

 

紅牙の想いに祝福の希望が呼応し、原始の魔剣の波動を呑み込んだ

 

「アガぁあァァァ!!」

 

始に直撃し、地面に倒れてるところへ更に追撃を仕掛ける

 

「もう一度死にやがれェェェ!!」

 

勝敗は決した

 

始は諦めた。顔に血飛沫が飛び汚す

 

 

 

 

 

紅牙の血で

 

「ガハッ…」

 

紅牙の背後から腹に魔剣が一本貫かれていた

 

剣が引き抜かれ、左脇腹を蹴られ地面を転がる

 

「ぶはっ……お、お前…は…!」

 

「我が王…!」

 

不意打ちで襲ったのはレンカだった

 

「一連の流れを見て全て把握した。貴様の絶剣、先読みだが味方すら予測出来ない出来事ならば読み取る事は不可能。人間にしては良くした」

 

「まだ、だ!」

 

「始────終わらせろ」

 

幾つもセットされた魔剣が襲う

 

「こ…の!」

 

紅牙も先読みで魔剣を避けるが、先程貫かれた腹の傷が酷く、動きのキレを無くし剣で弾き返し始める

 

(やべぇ…翠遠の息吹(ヴェルディグリオン)が無い今傷を塞ぐ手段が見つからない。こんな事なら持っとくんだった…)

 

意識が朦朧し始めた時、左足の甲に剣が地面ごと貫いて動けなくした

 

「クソ!こんな時に!」

 

足に刺さった剣を引っこ抜いたが、急に紅牙の周りに影が満ちる

 

何事かと思い空を見上げると

 

「あ…」

 

原始の魔剣で喚び出された魔剣が空を覆っていた

 

始も一連の戦闘で加減などせず、喚び出せる剣を全て喚び出した

 

「褒めてやろう。しかし、僅かながら届かなかったな。鬼麿紅牙」

 

魔剣の雨が降り注ぎ、紅牙の体中魔剣が貫いてく。

大量の鮮血がガーベラの花畑に散りばめられ、辺りを赤く染め上げる

 

「眠れ、現代に生きる抜剣者よ」

 

串刺しになった体は血に染まり、力無く前へと倒れた

 

「逃げた奴らを追う」

 

「はい」

 

その場を立ち去ろうとする時

 

「ま…ちやが、れ……」

 

大量の血を流しながら、紅牙は立ち上がる

 

「終わってねぇ……まだ、終わってねぇぞ!!」

 

「脆弱と思っていたが……改めよう。お前は確かに強い。よって、我が直々に葬ってやる」

 

「俺は…俺達は…ガハッ……」

 

よろめきながらも、祝福の希望を引き摺って行く

 

(悪い皆んな…俺、もう駄目みたいだ…)

 

負ける事を認めた訳じゃない。自分はここで死ぬというのが分かっての言葉だ

 

(だけど希望は…託した…はぁ……悔いは無い)

 

原始の魔剣が喉に突き付けられる

 

(楽しかったぜ…!)

 

目を閉じると瞼の裏には呆れてしまう程の日常が蘇る

 

(ちゆ…俺の愛しくて、大切な人。強く生きろよ)

 

「じゃあな。紅牙!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(お前達との馬鹿騒ぎ、幸せだったぜ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は残りを追え。我が処理をする」

 

「分かりました」

 

始は蓮花達を追う為すぐさますこやか市へ向かった

 

「餞別だ。埋葬は我がする」

 

レンカは、頭部と頭部を無くした体を抱えながら埋葬する場所を探し始めた

 

 

 

 

 

////////

 

場所は変わって展望台。アスミのワープで蓮花達はそこへ逃げ出したのだ

 

蓮花は、ちゆに渡された翠遠の息吹で皆んなを治療していた

 

「ラビリンで最後……はい、治ったよ」

 

「ありがとうラビ」

 

治療する蓮花達より離れて、ちゆは紅牙の帰りを待っていた

 

「ちゆちゃん」

 

「のどか…」

 

「大丈夫だよ。だって紅牙さんは強いんだもん!心配する必要はないよ!」

 

「ありがとうのどか」

 

のどかに元気付けられ、ちゆは皆んなの元へ戻る

 

そして遠くから人影が歩いて来るのが見えた

 

「ちゆちゃん!帰って来たよ!」

 

「本当だ!お〜い!紅兄〜!!」

 

「いや待ってひなたちゃん、紅牙じゃないわ」

 

全員がその人影を見て、姿がちゃんと視認出来るまで近付いて来て知った

 

「探したぜ。蓮花」

 

「何で…?」

 

誰もが紅牙の帰りを待ち侘びていた。だけどそれは違った。やって来たのは始だった

 

「何で貴方が?お、鬼麿さんは…?」

 

「アイツなら死んだ」

 

「嘘よ…」

 

「なら教えてやろう。アイツの最後、俺の剣で頭と胴体を切り捨てた。これでどうだ?」

 

ちゆはその場で崩れ落ち、現実を突き付けられて絶望する

 

「そんな…だってまだ、まだわたしは……」

 

「これが戦いだ。プリキュア 」

 

「ああ、あぁ……ウワァァァァァァァ!!!」

 

「ちゆちゃん!」

 

「ちゆちー…」

 

「ちゆ」

 

「鬼麿さん!鬼麿さん!……嫌!嫌!…鬼麿さん!!!」

 

泣き崩れるちゆをのどか達は優しく抱き合い、その悲しみを分かち合う

 

その悲痛な叫びは、全員の耳にいつまでも木霊する。

そして何処から来たのか、ガーベラの花がちゆの頭にひらひらと落ちる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紅牙さん……」




祝福の希望の能力は「先読み」でした。紅牙だからこそ、未来予知と同等まで能力を引き出せた

なのだが、ここで紅牙は退場です。この小説始まる前から、紅牙はこの場面で退場させる予定でした

予定通りに進んでおります

ではここまでの拝読ありがとうございます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。