ありふれてはならない職業で世界最強(旧:憑依転生した俺、チートでがんばるぞい!!)   作:覇王風神刃

5 / 9
演技が大変

二週間後~

 

現在、彼は訓練の休憩時間を利用して王立図書館にて調べ物をしている

その手には〝北大陸魔物大図鑑〟というなんの捻りもないタイトル通りの巨大な図鑑があった

 

なぜ、そんな本を読んでいるのか。それは、この二週間の訓練で、成長するどころか役立たずぶりがより明らかになっただけだったからだ……

 

ていうのは冗談で~

 

力をごまかすのが大変だからだ

それと、めんどくさい……というのもあった

 

そんなわけで、彼は、しばらく図鑑を眺めていたのだが……突如、「はぁ~」と溜息を吐いて机の上に図鑑を放り投げた。ドスンッという重い音が響き、偶然通りかかった司書が物凄い形相でハジメを睨む。

 

ビクッとなりつつ、彼は急いで謝罪した。「次はねぇぞ、コラッ!」という無言の睨みを頂いてなんとか見逃してもらう。自分で自分に「何やってんだ」とツッコミ、再び溜息を吐いた。

 

彼はおもむろにステータスプレートを取り出し、頬杖をつきながら眺める

 

===============================

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:2

天職:錬成師・神・正体不明

筋力:11000

体力:11000

耐性:11000

敏捷:11000 

魔力:11000 

魔耐:11000 

技能:錬成・言語理解・正体不明・物質創造・魔法創造・熱光線・無限転生・創造力・隠蔽・全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・無限成長・思考速度上昇・転移・我流〈流星剣技〉・我流〈流星拳技〉・我流〈破壊拳技〉

===============================

隠蔽後

===============================

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:12

体力:12

耐性:12

敏捷:12

魔力:12

魔耐:12

技能:錬成・言語理解・我流〈流星剣技〉

===============================

 

これが、二週間みっちり訓練したハジメの成果である

「刻み過ぎだろ!」と、内心ツッコミをいれたのは言うまでもない

ちなみに光輝はというと、

 

==================================

天之河光輝 17歳 男 レベル:10

天職:勇者

筋力:200

体力:200

耐性:200

敏捷:200

魔力:200

魔耐:200

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読

高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

==================================

 

(雑魚いな~)

 

 

因みに、

魔法適性とはどういうものか

この世界における魔法の概念を少し説明しよう

 

トータスにおける魔法は、体内の魔力を詠唱により魔法陣に注ぎ込み、

魔法陣に組み込まれた式通りの魔法が発動するというプロセスを経る

魔力を直接操作することはできず、

どのような効果の魔法を使うかによって正しく魔法陣を構築しなければならない

 

そして、詠唱の長さに比例して流し込める魔力は多くなり、

魔力量に比例して威力や効果も上がっていく

また、効果の複雑さや規模に比例して魔法陣に書き込む式も多くなる

それは必然的に魔法陣自体も大きくなるということに繋がる

 

例えば、RPG等で定番の〝火球〟を直進で放つだけでも、

一般に直径十センチほどの魔法陣が必要になる。基本は、属性・威力・射程・範囲・魔力吸収(体内から魔力を吸い取る)の式が必要で、

後は誘導性や持続時間等付加要素が付く度に式を加えていき魔法陣が大きくなるということだ

 

しかし、この原則にも例外がある

それが適性だ

 

適性とは、言ってみれば体質によりどれくらい式を省略できるかという問題である

例えば、

火属性の適性があれば、式に属性を書き込む必要はなく、

その分式を小さくできると言った具合だ

 

この省略はイメージによって補完される

式を書き込む必要がない代わりに、

詠唱時に火をイメージすることで魔法に火属性が付加されるのである

 

大抵の人間はなんらかの適性を持っているため、

上記の直径十センチ以下が平均であるのだが、

適性のない人の場合、

基本五式に加え速度や弾道・拡散率・収束率等事細かに式を書かなければいけない

 

そのため、

〝火球〟一発放つのに直径二メートル近い魔法陣を必要としてしまい、

実戦では全く使える代物ではないのだ

 

ちなみに、魔法陣は一般には特殊な紙を使った使い捨てタイプか、

鉱物に刻むタイプの二つがある。前者は、

バリエーションは豊かになるが一回の使い捨てで威力も落ちる

後者は嵩張るので種類は持てないが、

何度でも使えて威力も十全というメリット・デメリットがある

イシュタル達神官が持っていた錫杖は後者だ

 

ここにいても詰まんないし、

いっそ、旅にでも出てしまおうかと、

図書館の窓から見える青空をボーと眺めながら思う

大分末期である

 

彼は行くならどこに行こうかと、

ここ二週間誰よりも頑張った座学知識を頭の中に展開しながら物思いに耽り始めた

 

亜人に会いたいな~

えへ、えへへへへへへへ……と

失礼した

 

ただ、亜人族は被差別種族であり、

基本的に大陸東側に南北に渡って広がる【ハルツェナ樹海】の深部に引き篭っている

なぜ差別されているのかというと彼等が一切魔力を持っていないからだ

 

理由がしょうもないな~

はあ……

モフモフしたいな~

 

実は彼はモフナーであった

 

おい!!

 

そして、この魔人族は、全員が高い魔法適性を持っており、

人間族より遥かに短い詠唱と小さな魔法陣で強力な魔法を繰り出すらしい

数は少ないが、

南大陸中央にある魔人の王国ガーランドでは、

子供まで相当強力な攻撃魔法を放てるようで、

ある意味、国民総戦士の国と言えるかもしれない

 

あと、

七大迷宮とは、

この世界における有数の危険地帯をいう

 

ハイリヒ王国の南西、グリューエン大砂漠の間にある【オルクス大迷宮】と先程の【ハルツェナ樹海】もこれに含まれる

 

七大迷宮でありながらなぜ三つかというと、

他は古い文献などからその存在は信じられているのだが詳しい場所が不明で未だ確認はされていないからだ

 

一応、目星は付けられていて、大陸を南北に分断する【ライセン大峡谷】や、

南大陸の【シュネー雪原】の奥地にある【氷雪洞窟】がそうではないかと言われている

 

行きたいな……

滅茶苦茶行きたい

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

訓練施設に到着すると既に何人もの生徒達がやって来て談笑したり自主練したりしていた。どうやら案外早く着いたようである。ハジメは、自主練でもして待つかと、支給された西洋風の細身の剣を取り出した

 

ひさしぶりに本気でやるか?

でも、

ここだとダメだしな~

 

と、その時、唐突に後ろから衝撃を受けて彼はたたらを踏んだ

なんとか転倒は免れたものの抜き身の剣を目の前にして冷や汗が噴き出る(ミスったりはしないが、反射的に斬っちゃったらどうしよう……という意味だ)

顔をしかめながら背後を振り返ったハジメは予想通りの面子に心底うんざりした表情をした

 

……いっそのことあそこを斬ってやろうか?(どことは言わない)

 

そこにいたのは、

檜山大介率いる小悪党四人組(ハジメ命名)である

訓練が始まってからというもの、

ことあるごとにハジメにちょっかいをかけてくるのだ

彼が訓練をめんどくさく感じる半分の理由である

 

「よぉ、南雲。なにしてんの? お前が剣持っても意味ないだろが。マジ無能なんだしよ~」

「ちょっ、檜山言い過ぎ! いくら本当だからってさ~、ギャハハハ」

「なんで毎回訓練に出てくるわけ? 俺なら恥ずかしくて無理だわ! ヒヒヒ」

「なぁ、大介。こいつさぁ、なんかもう哀れだから、俺らで稽古つけてやんね?」

 

一体なにがそんなに面白いのかニヤニヤ、

ゲラゲラと笑う檜山達

 

……お前ら共々剣技で斬り殺してやろうか?

本気で調子乗りすぎだろ

 

「あぁ? おいおい、信治、お前マジ優し過ぎじゃね? まぁ、俺も優しいし? 稽古つけてやってもいいけどさぁ~」

「おお、いいじゃん。俺ら超優しいじゃん。無能のために時間使ってやるとかさ~。南雲~感謝しろよ?」

 

無能どころかお前らよりもチートなんですが……

 

そんなことを言いながら馴れ馴れしく肩を組み人目につかない方へ連行していく檜山達

それにクラスメイト達は気がついたようだが見て見ぬふりをする

 

はあ……

めんどくせぇ……

試しに聞いてみるか

 

「いや、一人でするから大丈夫だって。僕のことは放っておいてくれていいからさ」

 

「はぁ? 俺らがわざわざ無能のお前を鍛えてやろうってのに何言ってんの? マジ有り得ないんだけど。お前はただ、ありがとうございますって言ってればいいんだよ!」

 

うん、

知ってた

だってお前らだもん

あの~、斬っていいですか?

 

そう言って、脇腹を殴る檜山。俺は「ぐっ」と痛みに顔をしかめながら呻く……

 

 

 

ふりをした

全然痛くない……

マジで

というか、とっさに演技できてよかった……

 

檜山達も段々暴力にためらいを覚えなくなってきているようだ

思春期男子がいきなり大きな力を得れば溺れるのは仕方ないこととはいえ、

その矛先を向けられては堪ったものではない

 

演技が大変だからやめてくれ……

本当に……

あと、あまり攻撃しないでくれ……

癖で反撃しちゃいそうだから……

 

やがて、訓練施設からは死角になっている人気のない場所に来ると、

檜山はハジメを突き飛ばした

 

あぶねえな

これだからバカは……

 

「ほら、さっさと立てよ。楽しい訓練の時間だぞ?」

 

わーい

楽しみだなあ~(棒)

 

檜山、中野、斎藤、近藤の四人がハジメを取り囲む。彼は悔しさに(内心爆笑している)唇を噛み締めながら立ち上がった

 

こ、こんな感じでいいのかな?

演技むずすぎて泣きそう……

 

「ぐぁ!?」

 

その瞬間、背後から背中を強打された

近藤が剣の鞘で殴ったのだ

悲鳴を上げ前のめりに倒れるハジメに、

更に追撃が加わる

 

こっちは大変なんだよ(演技が)

うん

……いつか仕返ししよう

 

「ほら、なに寝てんだよ? 焦げるぞ~。ここに焼撃を望む――〝火球〟」

 

中野が火属性魔法〝火球〟を放つ

倒れた直後であることと背中の痛み(痛いお♥)で直ぐに起き上がることができない彼は、

ゴロゴロと必死に転がりなんとか避ける(避けた方がいいかな?)

だがそれを見計らったように、

今度は斎藤が魔法を放った

 

「ここに風撃を望む――〝風球〟」

 

風の塊が立ち上がりかけたハジメの腹部に直撃し、

ハジメは仰向けに吹き飛ばされた

「オエッ」と胃液を吐きながら蹲る(唾です)

 

魔法自体は一小節の下級魔法だ。

それでもプロボクサーに殴られるくらいの威力はある

それは、彼等の適性の高さと魔法陣が刻まれた媒介が国から支給されたアーティファクトであることが原因だ(全然痛くないが……)

 

「ちょ、マジ弱すぎ。南雲さぁ~、マジやる気あんの?」

 

殺る気?

ありますよ!!

ていうか、殺っていいんだったら喜んで!!

 

そう言って、蹲る彼の腹に蹴りを入れる檜山

ハジメは込み上げる嘔吐感(笑い過ぎて死にそう)を抑えるので精一杯だ

 

その後もしばらく、稽古という名のリンチが続く(?)

彼は痛み(笑い過ぎてお腹痛いww)に耐えながらなぜ自分だけ弱いのかと悔しさ(自分だけが強すぎてどうしよう)に奥歯を噛み締める

本来なら敵わないまでも反撃くらいすべきかもしれない

 

それをした場合、

あいつら死ぬからな……

でも、いずれ殺そう

 

そろそろ痛み(笑い過ぎて)が耐え難くなってきた頃、突然、怒りに満ちた女の子の声が響いた

 

「何やってるの!?」

 

その声に「やべっ」という顔をする檜山達

それはそうだろう

その女の子は檜山達が惚れている香織だったのだから

香織だけでなく雫や糞勇者、覚えてないやつもいる(最後誰?)

 

「いや、誤解しないで欲しいんだけど、俺達、南雲の特訓に付き合ってただけで……」

 

「南雲くん!」

 

檜山の弁明を無視して、

香織は、(笑い過ぎて)ゲホッゲホッと咳き込み蹲る彼に駆け寄る

彼の様子を見た瞬間、檜山達のことは頭から消えたようである

 

「特訓ね。それにしては随分と一方的みたいだけど?」

 

「いや、それは……」

 

「言い訳はいい。いくら南雲が戦闘に向かないからって、同じクラスの仲間だ。二度とこういうことはするべきじゃない」

 

「くっだらねぇことする暇があるなら、自分を鍛えろっての」

 

(。´・ω・)ん?

この世界に来る前は滅茶苦茶鍛えてたけど……

 

三者三様に言い募られ、

檜山達は誤魔化し笑いをしながらそそくさと立ち去った

香織の治癒魔法により彼が徐々に癒されていく(自分で作った傷)

 

「あ、ありがとう。白崎さん。助かったよ」

 

ありがとう!!

マイエンジェル!!

 

苦笑いする彼に香織は泣きそうな顔でブンブンと首を振る

 

可愛い……

 

「いつもあんなことされてたの? それなら、私が……」

 

大丈夫でありまーす

 

何やら怒りの形相で檜山達が去った方を睨む香織を、彼は慌てて止める

 

「いや、そんないつもってわけじゃないから! 大丈夫だから、ホント気にしないで!」

 

「でも……」

 

そんな顔をしたら、折角のかわいい顔が……」

 

あ、声に出てた~!?!?!?!?!?!?!?

ヤバイ

めっちゃ顔真っ赤やん!!

 

「な、南雲君、何かあれば遠慮なく言ってちょうだい。香織もその方が納得するわ」

 

苦笑いしながら雫が言う。それにも礼を言う彼

しかし、そこで水を差すのが糞勇者クオリティー

 

「だが、南雲自身ももっと努力すべきだ。弱さを言い訳にしていては強くなれないだろう? 聞けば、訓練のないときは図書館で読書に耽っているそうじゃないか。俺なら少しでも強くなるために空いている時間も鍛錬にあてるよ。南雲も、もう少し真面目になった方がいい。檜山達も、南雲の不真面目さをどうにかしようとしたのかもしれないだろ?」

 

何をどう解釈すればそうなるのか

彼は半ば呆然としながら、

ああ確かに天之河は基本的に性善説で人の行動を解釈する奴だったと苦笑いする

 

天之河の思考パターンは、

基本的に人間はそう悪いことはしない

そう見える何かをしたのなら相応の理由があるはず

もしかしたら相手の方に原因があるのかもしれない!

という過程を経るのである

 

はあ……

めんどくせえ

 

しかも、光輝の言葉には本気で悪意がない

真剣に彼を思って忠告しているのだ

彼は既に誤解を解く気力が萎えている

ここまで自分の思考というか正義感に疑問を抱かない人間には何を言っても無駄だろうと

 

それがわかっているのか雫が手で顔を覆いながら溜息を吐き、

ハジメに小さく謝罪する

 

「ごめんなさいね? 光輝も悪気があるわけじゃないのよ」

 

「アハハ、うん、分かってるから大丈夫」

 

あはは、まあつい、グサッといっても問題ないよね

 

「ほら、もう訓練が始まるよ。行こう?」

 

彼に促され一行は訓練施設に戻る

香織はずっと顔が真っ赤だったがハジメは気がつかない振りをした

 

マジで可愛い、天使

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

訓練が終了した後、

いつもなら夕食の時間まで自由時間となるのだが、

今回はメルド団長から伝えることがあると引き止められた

何事かと注目する生徒達に、メルド団長は野太い声で告げる

 

「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ! まぁ、要するに気合入れろってことだ! 今日はゆっくり休めよ! では、解散!」

 

え?いけるのか

よっしゃああああああああ!!

 

そう言って伝えることだけ伝えるとさっさと行ってしまった

ざわざわと喧騒に包まれる生徒達の最後尾でハジメは天を仰ぐ

 

楽しみだなぁ

スキルを追加していいですか? 追加したいと思ってるスキルは(無限魔力・魔神化)二つです

  • いいよ~ 
  • 駄目です
  • 無限魔力は要らない(魔神化は要る)
  • 魔神化要らない(無限魔力はいる)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。