ありふれてはならない職業で世界最強(旧:憑依転生した俺、チートでがんばるぞい!!) 作:覇王風神刃
今回も多少入れてはいるけどね
彼らは【オルクス大迷宮】の正面入口がある広場に集まっていた
まるで博物館の入場ゲートのようなしっかりした入口があり、
受付窓口まであった
制服を着たお姉さんが笑顔で迷宮への出入りをチェックしている
彼としてはもう少しジメジメしているかと思っていたのだが……
入口付近の広場には露店なども所狭しと並び建っており、
それぞれの店の店主がしのぎを削っている
後で、来るのもいいかもしれない
もちろん一人でね
浅い階層の迷宮は良い稼ぎ場所として人気があるようで人も自然と集まる
馬鹿騒ぎした者が勢いで迷宮に挑み命を散らしたり、
裏路地宜しく迷宮を犯罪の拠点とする人間も多くいたようで、
戦争を控えながら国内に問題を抱えたくないと冒険者ギルドと協力して王国が設立したのだとか
入り口ゲートの脇には素材の売買をしてくれる窓口があるので
彼は便利でいいな~っと思っていた
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迷宮の中は、
外の賑やかさとは無縁だった
縦横五メートル以上ある通路は明かりもないのに薄ぼんやり発光しており、
松明や明かりの魔法具がなくてもある程度視認が可能だ
緑光石という特殊な鉱物が多数埋まっているらしく、
【オルクス大迷宮】は、この巨大な緑光石の鉱脈を掘って出来ているらしい
一行は隊列を組みながらゾロゾロと進む
しばらく何事もなく進んでいると広間に出た
ドーム状の大きな場所で天井の高さは七、八メートル位ありそうだ
その時、物珍しげに辺りを見渡している一行の前に、
壁の隙間という隙間から灰色の毛玉が湧き出てきた
おおお!!
あれが……魔物?
「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行け!」
その言葉通り、
ラットマンと呼ばれた魔物が結構な速度で飛びかかってきた
……遅い
……………あれがすばしっこい?
遅すぎる……
前世鍛えてもらった師匠の方が何倍も速い……
灰色の体毛に赤黒い目が不気味に光る
ラットマンという名称に相応しく外見はねずみっぽいが……二足歩行で上半身がムキムキだった
八つに割れた腹筋と膨れあがった胸筋の部分だけ毛がない
まるで見せびらかすように
正面に立つ光輝達――特に前衛である雫の頬が引き攣っている
やはり、気持ち悪いらしい
そうなるわな……
うん
雫さん可哀想
……ん?
奥にもいるな
何体か
きずいてないのか?
間合いに入ったラットマンを光輝、雫、龍太郎の三人で迎撃する
その間に、香織と特に親しい女子二人、
メガネっ娘の中村恵里とロリ元気っ子の谷口鈴が詠唱を開始
魔法を発動する準備に入る。訓練通りの堅実なフォーメーションだ
糞勇者は純白に輝くバスタードソードを糞遅い速度で振るって数体をまとめて葬っている
やっぱり……
きずいてないのかな?
しょうがないね
「-----【風刃】」ボソッ
あいつらに見えないようにして、魔法を発動して、遠くにいる奴らを切り刻んだ
……きずかれてないかな?
「ん?なんだ?」
「どうしたんですか?メルドさん?」
「……いや、何でもない(気のせいか?だが……)」
あぶねー!!
バレるところだった!!
因みに、糞勇者の持つその剣はハイリヒ王国が管理するアーティファクトの一つで、
お約束に漏れず名称は〝聖剣〟である。光属性の性質が付与されており、
光源に入る敵を弱体化させると同時に自身の身体能力を自動で強化してくれるという“聖なる”というには実に嫌らしい性能を誇っている
雫は、サムライガールらしく〝剣士〟の天職持ちで刀とシャムシールの中間のような剣を抜刀術の要領で抜き放ち、一瞬で敵を切り裂いていく
その動きは洗練されていて、騎士団員をして感嘆させるほどである
雫さんにはいずれ刀術では、抜かれそうだね……
ただ、剣は負けんが
なんせ、前世からやってるんだ、そう簡単に負けるか
「「「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――〝螺炎〟」」」
「……暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――〝螺炎〟」ボソッ
螺旋状に渦巻く炎がラットマン達を吸い上げるように巻き込み燃やし尽くしていく
「キィイイッ」という断末魔の悲鳴を上げながらパラパラと降り注ぐ灰へと変わり果て絶命する
……これは、自分はやんなくてよかったかな?
今回もきずかなかったようだ
そして、ラットマン達も全滅した
「ああ~、うん、よくやったぞ! 次はお前等にもやってもらうからな、気を緩めるなよ!」
生徒の優秀さに苦笑いしながら気を抜かないよう注意するメルド団長
しかし、初めての迷宮の魔物討伐にテンションが上がるのは止められない
頬が緩む生徒達に「しょうがねぇな」とメルド団長は肩を竦めた
「それとな……今回は訓練だからいいが、
魔石の回収も念頭に置いておけよ
明らかにオーバーキルだからな?」
うん、やっぱり……
やり過ぎだったか……
メルド団長の言葉に香織達魔法支援組は、
やりすぎを自覚して思わず頬を赤らめるのだった
そこからは特に問題もなく交代しながら戦闘を繰り返し、
順調よく階層を下げて行った
いや~、楽でいいね
俺は一番下の階層に行ければいいのだが……
どうせならテンプレ的な感じで奈落に落としてくれないかな?
そんなの絶対起きないけど……
そして、一流の冒険者か否かを分けると言われている二十階層にたどり着いた
現在の迷宮最高到達階層は六十五階層らしいのだが、
それは百年以上前の冒険者がなした偉業であり、
今では超一流で四十階層越え、
二十階層を越えれば十分に一流扱いだという
簡単そうだな……
「よし、お前達。ここから先は一種類の魔物だけでなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくる。今までが楽勝だったからと言ってくれぐれも油断するなよ! 今日はこの二十階層で訓練して終了だ! 気合入れろ!」
俺も何回か倒してる……(こっそりだが)
あ、一体だけ普通に倒したな……?
騎士団員が弱った魔物を彼の方へ弾き飛ばしてきたので、
溜息を吐きながら接近し、手を突いて地面を錬成
万一にも動けないようにして、
魔物の腹部めがけて剣を突き出し串刺しにした
怠い……
もう暴れてやりたいよ~
メルドさ~ん?
イイですか?
騎士団員達は彼には全く期待していなかった
ただ、戦闘に余裕があるので所在無げに立ち尽くすハジメを構ってやるかと魔物をけしかけてみたのだ
もちろん、弱らせて
騎士団員達としては、ハジメが碌に使えもしない剣で戦うと思っていた
ところが実際は、錬成を利用して確実に動きを封じてから、
止めを刺すという騎士団員達も見たことがない戦法で確実に倒していくのだ
錬成師は鍛冶職とイコールに考えられている
故に、錬成師が実戦で錬成を利用することなどあり得なかった
暫くすると、小休止に入り、
ふと前方を見ると香織と目が合った
彼女は彼の方を見て微笑んでいる
相変わらずかわええ……
「香織、なに南雲君と見つめ合っているのよ? 迷宮の中でラブコメなんて随分と余裕じゃない?」
からかうような口調に思わず顔を赤らめる香織。怒ったように雫に反論する
「もう、雫ちゃん! 変なこと言わないで! 私はただ、南雲くん大丈夫かなって、それだけだよ!」
「それがラブコメしてるって事でしょ?」と、雫は思ったが、
これ以上言うと本格的に拗ねそうなので口を閉じる
だが、目が笑っていることは隠せず、
それを見た香織が「もうっ」と呟いてやはり拗ねてしまった
そんな様子を横目に見ていたハジメは、ふと視線を感じた
ねばつくような、負の感情がたっぷりと乗った不快な視線だ
今までも教室などで感じていた類の視線だが、それとは比べ物にならないくらい深く重い
……何となく誰だかわかるが
まあ、殺しに来るなら返り討ちにしてしまえばいいだけの話だ
そういや折角この剣作ったのにあまり使ってないな……
深々と溜息を吐く彼
香織の言っていた嫌な予感というものを、
彼もまた感じ始めていた
面倒なことになりそうだ……
ほんとに天使が言ってたように変なことが起きそうだし、嫌だの~
一行は二十階層を探索する
迷宮の各階層は数キロ四方に及び、
未知の階層では全てを探索しマッピングするのに数十人規模で半月から一ヶ月はかかるというのが普通だ
現在、四十七階層までは確実なマッピングがなされているので迷うことはない
トラップに引っかかる心配もないはずだった
二十階層の一番奥の部屋はまるで鍾乳洞のようにツララ状の壁が飛び出していたり、
溶けたりしたような複雑な地形をしていた。この先を進むと二十一階層への階段があるらしい
これで終わりかな?今日は
……暇だぅた
楽だったけど……ね
神代の転移魔法の様な便利なものは現代にはないので、
また地道に帰らなければならない
一行は、若干、弛緩した空気の中、
せり出す壁のせいで横列を組めないので縦列で進む
すると、先頭を行く光輝達やメルド団長が立ち止まった
訝しそうなクラスメイトを尻目に戦闘態勢に入る。どうやら魔物のようだ
「擬態しているぞ! 周りをよ~く注意しておけ!」
メルド団長の忠告が飛ぶ
その直後、前方でせり出していた壁が突如変色しながら起き上がった
壁と同化していた体は、今は褐色となり、
二本足で立ち上がる
そして胸を叩きドラミングを始めた。どうやらカメレオンのような擬態能力を持ったゴリラの魔物のようだ
なぜゴリラ……
ま、まさか!?
この迷宮の作者はゴリラが好きなのか?
糞勇者達が相手をするようだ
飛びかかってきたロックマウントの豪腕を熱血男が拳で弾き返す
糞勇者と雫が取り囲もうとするが、鍾乳洞的な地形のせいで足場が悪く思うように囲むことができない
人壁を抜けられないと感じたのか、
ロックマウントは後ろに下がり仰け反りながら大きく息を吸った
直後、
「グゥガガガァァァァアアアアーーーー!!」
部屋全体を震動させるような強烈な咆哮が発せられた。
「ぐっ!?」
「うわっ!?」
「きゃあ!?」
おい!!
いきなりなるから、反射的に透明な結界張っちゃったじゃねえか!!
吠えるだけかよ
ロックマウントの固有魔法“威圧の咆哮”だ
魔力を乗せた咆哮で一時的に相手を麻痺させる
俺には通用しなかったが……
周りは喰らってるな
特に糞勇者たちが
ロックマウントはその隙に突撃するかと思えばサイドステップし、
傍らにあった岩を持ち上げ香織達後衛組に向かって投げつけた
見事な砲丸投げのフォームで! 咄嗟に動けない前衛組の頭上を越えて、岩が香織達へと迫る
なんと、投げられた岩もロックマウントだったのだ
空中で見事な一回転を決めると両腕をいっぱいに広げて香織達へと迫る。その姿は、
さながらル○ンダイブだ。「か・お・り・ちゃ~ん!」という声が聞こえてきそうであるしかも、妙に目が血走り鼻息が荒い
香織も恵里も鈴も「ヒィ!」と思わず悲鳴を上げて魔法の発動を中断してしまった
しょうがないね
「防げ、【風壁】」ボソッ
風の壁に当たり堕ちた
そこを……
「こらこら、戦闘中に何やってる!」
彼が魔法でとどめを……と思っていたら
慌てて来たメルド団長がダイブ中のロックマウントを切り捨てる
香織達は、「す、すいません!」と謝るものの相当気持ち悪かったらしく、まだ、顔が青褪めていた
獲物とられた……
まあ、バレなくって良かった
視線を感じるけど気のせいだよな!!
「おい、なぐ……」
そんな様子を見てキレる若者が一人。正義感と思い込みの塊、我らが糞勇者天之河光輝である。
「貴様……よくも香織達を……許さない!」
どうやら気持ち悪さで青褪めているのを死の恐怖を感じたせいだと勘違いしたらしい
彼女達を怯えさせるなんて!
と、なんとも微妙な点で怒りをあらわにする糞勇者
それに呼応してか彼の聖剣が輝き出す
「万翔羽ばたき、天へと至れ――〝天翔閃〟!」
「ッ!?……こら、馬鹿者!」
メルド団長の声を無視して、
光輝は大上段に振りかぶった聖剣を一気に振り下ろした
その瞬間、詠唱により強烈な光を纏っていた聖剣から、
その光自体が斬撃となって放たれた
逃げ場などない
曲線を描く極太の輝く斬撃が僅かな抵抗も許さずロックマウントを縦に両断し、
更に奥の壁を破壊し尽くしてようやく止まった
相変わらずの馬鹿勇者だな……
雫さん、いつもお疲れ様です!!
パラパラと部屋の壁から破片が落ちる
「ふぅ~」と息を吐きイケメンスマイルで香織達へ振り返った光輝
香織達を怯えさせた魔物は自分が倒した
もう大丈夫だ!
と声を掛けようとして、
笑顔で迫っていたメルド団長の拳骨を食らった
「へぶぅ!?」
「この馬鹿者が。気持ちはわかるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが! 崩落でもしたらどうすんだ!」
痛そう……
多分、自分にはあまり効かないだろうけど
ただ、助かった……
メルドさんに聞かれそうになったしな
魔法のことを……
メルド団長のお叱りに「うっ」と声を詰まらせ、
バツが悪そうに謝罪する光輝。香織達が寄ってきて苦笑いしながら慰める
その時、ふと香織が崩れた壁の方に視線を向けた
「……あれ、何かな? キラキラしてる……」
その言葉に、全員が香織の指差す方へ目を向けた
そこには青白く発光する鉱物が花咲くように壁から生えていた
まるでインディコライトが内包された水晶のようである
香織を含め女子達は夢見るように、その美しい姿にうっとりした表情になった
「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい」
グランツ鉱石とは、
言わば宝石の原石みたいなものだ
特に何か効能があるわけではないが、
その涼やかで煌びやかな輝きが貴族のご婦人ご令嬢方に大人気であり、
加工して指輪・イヤリング・ペンダントなどにして贈ると大変喜ばれるらしい
求婚の際に選ばれる宝石としてもトップ三に入るとか
ただ、あれってトラップじゃね?
なんとなくだけど……
「素敵……」
香織が、メルドの簡単な説明を聞いて頬を染めながら更にうっとりとする
そして、誰にも気づかれない程度にチラリと彼に視線を向けた
もっとも、雫ともう一人だけは気がついていたが……
(。´・ω・)ん?
なぜこっち見たんだ?
俺にもらったってうれしくないだろ
それ多分あれ……
「だったら俺らで回収しようぜ!」
そう言って唐突に動き出したのは檜山だった
グランツ鉱石に向けてヒョイヒョイと崩れた壁を登っていく
それに慌てたのはメルド団長だ
「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」
しかし、檜山は聞こえないふりをして、
とうとう鉱石の場所に辿り着いてしまった
メルド団長は、止めようと檜山を追いかける
同時に騎士団員の一人がフェアスコープで鉱石の辺りを確認する
そして、一気に青褪めた
「団長! トラップです!」
「ッ!?」
しかし、メルド団長も、騎士団員の警告も一歩遅かった
檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間、
鉱石を中心に魔法陣が広がる
グランツ鉱石の輝きに魅せられて不用意に触れた者へのトラップだ
美味しい話には裏がある
世の常である
メルド団長の言葉に生徒達が急いで部屋の外に向かうが……間に合わなかった
部屋の中に光が満ち、
彼らの視界を白一色に染めると同時に一瞬の浮遊感に包まれる
転移か!?
絶対やばいやつ出てくるやん!!
これなら魔法でいけないようにすればよかった……
ハジメ達は空気が変わったのを感じた
次いで、ドスンという音と共に地面に叩きつけられた
尻の痛みに呻き声を上げながら、
ハジメは周囲を見渡す
クラスメイトのほとんどはハジメと同じように尻餅をついていたが、
メルド団長や騎士団員達、光輝達など一部の前衛職の生徒は既に立ち上がって周囲の警戒をしている
ハジメ達が転移した場所は、
巨大な石造りの橋の上だった
ざっと百メートルはありそうだ
天井も高く二十メートルはあるだろう
橋の下は川などなく、
全く何も見えない深淵の如き闇が広がっていた
まさに落ちれば奈落の底といった様子だ
橋の横幅は十メートルくらいありそうだが、
手すりどころか縁石すらなく、
足を滑らせれば掴むものもなく真っ逆さまだ
ハジメ達はその巨大な橋の中間にいた
橋の両サイドにはそれぞれ、
奥へと続く通路と上階への階段が見える
それを確認したメルド団長が、険しい表情をしながら指示を飛ばした
「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」
雷の如く轟いた号令に、わたわたと動き出す生徒達。
しかし、迷宮のトラップがこの程度で済むわけもなく、
撤退は叶わなかった
階段側の橋の入口に現れた魔法陣から大量の魔物が出現したからだ
更に、通路側にも魔法陣は出現し、
そちらからは一体の巨大な魔物が……
その時、現れた巨大な魔物を呆然と見つめるメルド団長の呻く様な呟きがやけに明瞭に響いた
――まさか……ベヒモス……なのか……
次の話で主人公が本気(?)を出します(多分)
スキルを追加していいですか? 追加したいと思ってるスキルは(無限魔力・魔神化)二つです
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いいよ~
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駄目です
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無限魔力は要らない(魔神化は要る)
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魔神化要らない(無限魔力はいる)