青春とは、欺瞞である。
そして、欺瞞でありながらもその青春に身を任せて謳歌しているものは果たして正義と言えるのだらうか……
学園の青春とは嘘で塗り固められたご都合主義のかたまりである
欺瞞は嘘であり悪だ
世の中に本当に正義があるなら悪は裁かれる冪だ
となると、青春を味わって無いものは正義であろう。
「結論を言おう……」
『リア充は蒸発しろ』
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「はぁ……だりぃ……なんでこんなクソ暑い中学校行かなきゃいけねぇんだよ……頭イカれてんだろ……」
初夏は始まりの6月も過ぎた頃、通常ここまで暑くなるはずのない月にも関わらず、気温は30°を超える始末……
「たく……6月からこれじゃ先が思いやられるぜ……」
そんな事をいいながらも学校へと歩を進める。
おっと、紹介が遅れたな。僕の名前は春田一日。1日って書いて『かずひ』って読むんだと。たく、めんどくさい名前にしてくれたもんだよ。
昔は喧嘩ばっかしてた僕も今では高校3年だ。まぁ、中学では学歴も悪くはない方だったからな。当たり前っちゃ当たり前か。
「よう、カズ!」
「おぉ、おはようさん、南ちゃん」
いきなり後ろから声をかけてきたこの男は南場 礼貴(みなみば らいき)
僕の中学からの連れだ。
「んで?何の用だ?」
「いやよ、さっき見生んとこの商店街で獄しょっ…極道の喧嘩があったらしいぜ?」
「たく……こんな朝っぱらからようやるわ……ほんとアホなんやろか……」
「お前は乱入してこなくてもいいのか?」
「バッキャロー!僕はもうそんな頃からは足洗ったんだよ。今は真面目な高校生だ。」
「真面目な高校生ねぇ……タバコ吸ってるやつが真面目な高校生たぁよく言えたもんだよ……」
「やかましいわ!いや、ホントのことやけど!」
「まぁ、いいわ。それより、早く行かねぇと校門しまっちまうぜ?」
「まじか!?」
そう言われて腕時計を確認すると既に予鈴まであと10分をきっていた。
「おい、南ちゃん走るぞ!」
「おう!ガッテンだ!」
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学校内……
「んじゃ、テスト返してくぞー。」
担任である河地の挨拶で出席番号順から呼ばれていく。僕は最後尾やから無論1番最後や。ちなみに南ちゃんはと言うと……これまた開始から3分足らずで呼ばれた。まぁ、背が低いし仕方ねえっちゃ仕方ねぇけど。
テストを受け取った南ちゃんが僕の横にくる。
「おい、何点やった?」
僕は努めて声のボリュームを低くして南ちゃんに問いかける
「35点やった……」
「まぁ、ギリちょん赤点は回避しやがったな。」
「おう、おら……次はお前やで。」
話すのに夢中になってた僕は次々と呼ばれていくのに気が付かず、気がつけば既に僕の番やった……
「春田……早く来い……」
河地……そんな目で見たらみんな怖がるやろが……
「うっす……」
「おら……はよォ持ってけ……」
俺は席へと戻る合間にふと点数を確認する……
「嘘やろ……28点……」
過去最低の点数を叩き出したようだ……多分、このクラス内では僕1人やろ
となると……
「あ、そうや……今回のテストで点数が50点以下やった奴。内申点マイナスするでな。あと、補習もあるさかいよろしくな。」
河地のその言葉で僕の背筋は凍りついた……
「嘘やろこんちくしょォおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」