War ThunderをVRでやってたら荒野に放り出されたんだが 作:COTOKITI JP
ラハマでブリャト達がワッチャワッチャしている間、ずっと遠く離れた空でまた一つの物語が動き出していた。
「ふっっざけんじゃねえぞ!!! 糞マッチングにも程があるだろ!?」
逃げ惑う一機の戦闘機、He-51とそれを追い掛ける五機の零式艦上戦闘機一一型。
運動性能以外の全てが劣っているHe-51は零戦の7.7mmにペチペチされながら雲の中を急降下中。
装甲なんてないHe-51にとっては7.7mmも充分脅威である。
オイル冷却装置にも一発被弾したらしく、エンジンが爆熱と化していた。
液冷エンジンを積む戦闘機で一番避けねばならないのは被弾だ。
高馬力な上に空気抵抗も減らせる液冷エンジンは空冷エンジンと比べて被弾に弱く、一発でも致命傷になりうる。
「チクショォオ!ドイツ空軍ツリー始めたそばからこれかよ!! こんなことになるんだったら事前に買ってた
零戦の射撃を紙一重で躱しながら雲の下へと飛び出す。
地上を埋め尽くす荒野を目にした彼は一瞬目を見開いたが頭上を掠める曳光弾に目を細め、更に回避機動を取る。
最近の異世界転移は随分と不親切なんだな!と心の中で悪態をつきつつも操縦桿は決して手放さない。
だが、零戦も諦める事無く後ろにつき続ける。
機体へのダメージは蓄積し、いつ墜ちてもおかしくない状況だ。
自らの限界を知り、死を覚悟したその時、先程まで殺す気で追って来ていた筈の零戦が突如雲の中へと引き返していった。
死を避けられたことに安堵する彼だったが、今度は自分のすぐ真下からエンジン音が聞こえてくる事に気付いた。
機体をひっくり返し、下の様子を見た彼は零戦達が引き返した理由を知った。
「おいおい……BV-238!? それも四機かよ!」
空に浮かぶそのクジラの如き巨体は四機の編隊を組み、空を悠々と飛んでいた。
◇◆◇◆◇◆◇
オッハアアアアアアアアアアアアアアア!!(クソデカヴォイス)
ラハマに着陸して早々にコーヒー豆達にデカールディスられたゾ……。
悲しいなぁ……。
確かにデカールベタベタ貼りすぎだけどエース機っぽく見える……見えない?
見えない? アッハイ。
さてと場所は変わりましてなんか会議室みたいな所に集められました。
着陸した際に出迎えてくれたネーチャン達は綺麗に整列して待機しているけど戦場を同じくするコーヒー豆達はそんな空気を談笑で見事に台無しにしています。
しかもお隣の気の強いジェリードーナツさん(惑星民にしては珍しく女性)がやたら絡んでくるんですが何かしましたかね俺……?
撃墜数? そんなのいちいち数えてるわけ無いダルルォ!?(一年近くやってて600ちょっとしか落してないだなんて口が裂けても言えない)
「ケッ、自分の撃墜数も覚えられねえのかよ。 じゃあレベルは幾つだ?」
レベルは確か……28でしたね。
前のアカウント不慮の事故で消えたし、新しいアカウント作った後も飽き性で一時期サボってたからね、しょうがないね。
あぁ……クランでチーム組んで仲良く戦ってた時が懐かしいなぁ……。
今?クラン未所属フレンド0のバリバリソロプレイヤー(という名のぼっち)ですが何か?
「……! じ、じゃあお前の空戦RBの愛機は!?」
ヌッ!急にジェリードーナツさんの表情が変わりましたね。
腹痛かな?
俺の愛機は勿論BF-109F4…………と見せかけてFw190A4ですねぇ!
ランクIIでの戦場を支えてくれたアイツには感謝しかありません。
撃墜数も覚えている限りではアレが一番多かった筈。
初めてのマウザー砲もあれですし、思い出深い機体なので今でもデッキの中にあるぞい。
「そ、そうか……やっぱりか……」
お、どうかしました?
「いや、何でもねぇ!」
「……もうすぐ町長とマダムが来る。 静かにしてくれ」
おっと、赤っぽい髪のネーチャンに怒られてしまいました。
ここは大人しく引っ込むとしましょう。
って言ったそばから来ましたね。
一人はただのオッサンと…………何だこのオバサン!?(驚愕)
航空機って結構デカールとか拘っちゃうよね。
フォッケウルフは最強だってはっきりわかんだね。