【休載】生きたければ飯を食え Ver鬼滅の刃 作:混沌の魔法使い
メニュー27 童磨の大失態
無限城の一角に配置されているカワサキのグリーンシークレットハウスには小さな鍵が掛けられているだけで、鬼の力なら簡単に破壊出来る。と言ってもカワサキの私室に等しいので、侵入する者は殆どおらず童磨がたまにペロロンチーノ達が持っていた本を持ち出す程度なのでカワサキには実害がないので放置していたが、今回はばかりはそうではなかった。
「おいおいおい! あいつとんでもない物をッ! やばいやばいッ!!!」
今回は書物ではなく、アイテムガチャのはずれを詰め込んである部屋からある物を持ち出した童磨だったが、カワサキは無くなっている物を見て血相を変えて走り出した。
「カワサキ? どうかしたのか?」
「巌勝! 子供達を無限城から退避させろッ! 大変な事になるぞッ!」
「大変な事とは?」
「童磨の奴缶詰を勝手に持ち出しやがった! それ自体は良いんだが、とんでもない物まで持って行ってるんだよ!」
慌てた様子で無限城の廊下を駆けるカワサキと並走する巌勝はその顔を見て、ただ事ではないとすぐに悟った。
「しかし缶詰なら自由に持ち出していいと」
「普通の缶詰ならな! よりによってあいつ鍵付きの箱の中のを持ち出しやがった!」
高級だから、美味いからと言う理由で隠しているのではない。ガチでやばい、危険すぎる缶詰だから隠しておいたと言うカワサキに巌勝は驚いた。
「何故そんな缶詰を、処理すればよかったのではないか?」
「ちゃんと処理すれば美味いんだよ! ちゃんと処理すればッ!」
「それは何の缶詰なんだ?」
「ニシンの塩漬けにして発酵させたやつ!! シュールストレミングって奴だ!」
童磨が持ち出した缶詰を開けさせてはいけない。そう叫んで食堂に飛び込んだカワサキと巌勝。
「じゃーん、カワサキ様の部屋から持ち出した缶詰! なんか凄くない? きっと美味しいから隠してたんだ。開けるねー」
「やめろーーーーーーッ!!!!」
カワサキの必死の叫び声も届かず、童磨は缶きりで缶詰を空けた……開けてしまった。
「っぎゃああああーッ! 目がッ! 目がああああッ!!!」
「おえええッ!!!」
「おろろろろろろろッ!!」
「臭い! 臭いあああああああああーーーッ!!!」
「……げふう……」
阿鼻叫喚の地獄絵図。幸いなのは子供鬼がいなかった事だが、食事時で食堂に集まっていた大人鬼が全滅した。
「ぐえええ……こ、こいつはやべえ……おい、巌勝大丈夫か? 巌勝?」
「……」
「き、気絶してる!? おい! 巌勝ッ!! 誰か、誰かああああーーッ!!」
シュールストレミングの破壊力に無限城の最大戦力がほぼ壊滅した……匂いに耐性のあるカワサキの叫び声で何事かとどんどん集まってくるが……
「うおえ……」
「げぶう……」
「ああああああーーーッ! た、大変な事にいいいいいーーーーッ!?」
集まってきた連中が皆泡を吹いて倒れていく地獄絵図にカワサキの悲壮感に溢れた悲鳴が上がるのだった……。
鳴女の血鬼術によって私達の意識を刈り取った恐怖の缶詰は取り除かれた。この時間違いなく鳴女は英雄だっただろう……、何せ戦闘力とか関係なしで全員行動不能になる。あんな恐ろしい物がこの世に存在しているなんて私は想像もしなかった。
「この馬鹿を吊るし上げろッ!」
「あのシュールなんとかの液体の中に漬け込んでやる!」
「わさびだ! わさび持って来い! 鼻の中に詰め込んでやるッ!」
この未曾有の大惨事を起した童磨は簀巻きにされて当然吊るし上げされる事になったのだが、その前に全員にもみくちゃにされていた。
「俺だって知らなかったんだよ! あんな劇物ううう! 唐辛子! 唐辛子を目にすり込むのはやめてッ!! んあああああーーッ!?」
断末魔の叫びを上げているが完全無視だ。この後は子供鬼達に遊び道具として、好きにしていいと言っているので元気溢れる累達によって刑は執行されるだろう。
「カワサキ。ああいう劇物は捨てておけ」
「いや、ちゃんと処理すればある程度は食べれるんだ。あれは水の中であけて、そのまま水の中で晒して臭みを取るんだ」
カワサキが懇切丁寧に食べ方を説明してくれるが、匂いを嗅いだだけで鬼である私達が気絶するのだ。それを知って、食べ物として出されても絶対に食べない。
「出すなよ」
「いやでもな」
「「「「出すな」」」」
「……はい」
私だけではなく、あの悪魔の缶詰を出そうとしているのを知った鳴女達でさえも強い口調で出すなと命じた。それには流石のカワサキも無理だと判断したのかしょんぼりとした様子で返事を返したが、本当にあんな劇物は2度と出してもらっては困る。
「でも無惨様。あれの破壊力は凄まじい物がありました、あれを武器として併用出来れば」
「全員全滅するつもりか?」
血鬼術でさえもその効果を半減させる劇物を武器として運用するのは危険すぎる。
「一応食べ物なんだが?」
「黙れ、あれは毒だ、兵器だ、存在する事も許されないものだ」
あんな危険すぎる物はこの世の中に存在してはいけない。全てこの世から消し去るべきだ。
「賛成」
「賛成」
「カワサキさん、2度とあんな物を出さないでください」
「危険だからよぉ、止めてくれ。梅が泣いたまま布団から出てこねぇんだ」
「狛治さんも、本気で泣いていたので止めて下さいね?」
私だけではなく全員に駄目と言われればカワサキも降参するしかないのか、判ったと落胆した様子で頷いた。
「足にロープを巻けッ!」
「藁持ってきたよー」
「でかしたッ! 童磨を炙ってやるぜ!」
「やだ、俺処刑されるのッ!?」
童磨の処刑準備が着実に進む中。カワサキは無惨達に連れられ、グリーンシークレットハウスの危険物処理に連行されていた。
「これは?」
「えっとなんだったっけかな? 世界一甘いグラブジャムとか言う……」
「処分ッ!」
「ああッ!!!」
「これは?」
「シュールストレミングよりは臭くないけど、凄い匂いの……」
「処分ッ!! こんな危険な物を後生大事に持っているな!!」
「この赤いのは果物ですか?」
「ああ、世界一辛いとか言う」
「処分だッ!」
「なっ!? 後生だ! それだけは駄目だぞッ!!」
「ええい放せッ! こんな危険な物は処分だッ!!」
「それだけは駄目だッ!!」
「駄目ですよ! なんでそんなに世界一辛いものとかに拘るんですか!」
「ほどほど、程ほどでいいんです!」
「止めろぉ!」
カワサキが貯蔵していた食糧や調味料を処分しようとする無惨と、それを止めようとするが拘束されているカワサキは目の前で処分されていく調味料や缶詰に涙する事しか出来なかった……。
「げほ、ごほ! 目がぁ!!」
「もっと薪もってこい、こいつが号泣するまで燻るのをやめないぞ」
カワサキが号泣している頃、童磨も燻され、苦悶の叫び声を上げているのだった……。
メニュー28 かき氷へ続く
今回はギャグテイストなので短めでした。カワサキが所持する危険物質と童磨処刑って感じですね。箸休めという感じで偶にこういう話を書いてみるのも面白かったです。次回は果物を使った、高級かき氷を書いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
カワサキさんがオラリオにいるのは……
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間違っている
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間違っていない