【休載】生きたければ飯を食え Ver鬼滅の刃   作:混沌の魔法使い

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メニュー26 カワサキ・ブートキャンプ(行冥) その1

メニュー26 カワサキ・ブートキャンプ(行冥) その1

 

鬼殺隊の歴史は1つの時期から大きく変わる事になる。それは槇寿朗が自分が助けた人達の激励によって、その魂をより激しく、より熱く燃やし始めた頃だと育手や引退した甲の隊士達は口々に言う。しかし、それに槇寿朗が関係しているかというとそうではなく……カワサキが鬼殺隊の方針に口だしし始めた頃が鬼殺隊の大きな転換期となっている。

 

「邪魔するぞ」

 

柱合会議の場に突然現れ、ずかずかと耀哉に近づくカワサキに槇寿朗を初め、柱は当初全く動く事ができなかった。

 

「料理人の分際で! 柱合会議に割り込む「黙れ」ッ!」

 

血の気の多い当代の風柱がカワサキに掴みかかったが、黙れ。その一言で黙り込み、その場にへたり込んだ。その姿を見て、槇寿朗はある事に気付いた。

 

(怒っている?)

 

普段笑顔を絶やさないカワサキが怒っている。それを感じ取り、何かあったのだと悟り浮かしかけた腰を再び戻す。止めるにしろ、何にしろ、まずカワサキの話を聞かなければならないと判断したのだ。

 

「カワサキ。どうかしたのかい?」

 

「どうかしたも何もねえよ。なぁ、耀哉よ……俺はあんたにスープを作って、身体の体質の改善をしてるよな?」

 

「うん。そうだね、カワサキのお陰で最近は軽く走れるようになってとても嬉しいよ」

 

確認と言いたげに尋ねるカワサキに耀哉もその通りだと認め返事を返した。

 

「そうだ。食事って言うのは身体を作る為に必要不可欠な事だ。だがな、育手によって絶食させられてふらふらになっている子供がいるって言うのはどういうことなんだ?」

 

「……それはどういう事かな?」

 

「市場に買いに行ったら子供が窃盗をしてたんだよ。それが大人が何人も捕まえようとしても捕まえきれないほどに、すばしっこくて、そして力も強かった。杏寿朗は全集中の呼吸だと言って、追いかけて取り押さえてくれた。そしたらよ、泣きながら言うんだよ。もう4日も何も食べてないと、未熟なお前に飯を食う資格はないって育手が飯を食わせてくれないって泣いていうんだよ。こいつは、どういうことだ? なぁ? 俺に教えてくれよ」

 

完全に目が据わっているカワサキ。なにを怒っているのか……それが判ったのだ。産屋敷は育手に十分な金を渡している、子供達を隊士に育て上げる為だ。だがその中には給金を着服する育手も少なからず存在する――カワサキが見たのはその類なのだろう。

 

「その子供は?」

 

「槇寿朗の家につれて帰って休ませてる。あんなに身体が衰弱していたら飯も食わせられない」

 

その子供を保護していると聞いて耀哉は安堵の溜め息を吐いた。

 

「申し訳ない。私の監視不行き届きだ。育手に関しては1度査察を行う事にしよう」

 

「お、お館様、何を料理人如きに頭を下げているのですか!? 飯など1食、2食食わなくても問題などあるわけありません。私は現に弟子と継子にそのようにして指導をしております!」

 

「おう、言ったな。てめえ、どれだけ食事が身体を作る上で大きな要因になってるか、1から10まで全部説明してやろうか? ああッ!」

 

「大体料理人如きがこの場にいるのがおかしいッ! これは槇寿朗の責任「彼は私が頼んで、鬼殺隊に留まってくれている人だ。それ以上は止めてもらおうかな?」

 

槇寿朗の責任だと声を高らかに言おうとした岩柱が息を呑んだ。それほどまでに、耀哉の声には強い力が込められていた。

 

「良いだろう料理がどれだけ大事か、お前に教えてやる。2ヶ月……2ヶ月で俺はお前に匹敵する隊士を育てる。もしもその隊士がお前に勝ったら、俺に謝れ、自分が浅はかな考えをしていたと、そして弟子と継子に謝れ」

 

「なら俺が勝ったらお前はどうする? 謝る程度では許さん……「この指、全部切り落としてやる。俺自身の包丁で」良いだろう、乗った」

 

包丁を畳みに突きたて料理人としての命を賭けるというカワサキには流石の槇寿朗も声を荒げた。

 

「カワサキ、お前は何を!」

 

「前から思っていた。根性論も良いだろう、努力すれば結果が出るというのも良いだろう。だがな、適切な鍛錬と食事で俺はそれを全て凌駕してやる。俺は食事で鬼殺隊を変えてやるさ」

 

耀哉と槇寿朗の静止が入っても、カワサキと岩柱の間での勝負が成立してしまい、カワサキが隊士を1人選び、その1人の隊士をカワサキの言う食事と効率的なトレーニングで1ヵ月鍛え、他の隊士の予定などの調整でさらに1ヵ月、特訓のと合わせて今から2ヵ月後に岩柱と戦う事になった。岩柱が敗れれば、カワサキの考え方を認め岩柱が謝罪し、もしカワサキが敗れれば、指を全て切り落とすと言う条件での勝負が決まってしまった。食事と効率的なトレーニングによる肉体改造でどれだけ人が変わるかと言うのを1人の隊士によって証明する事となり、その1人の隊士としてカワサキが選んだのは、岩柱と同じ岩の呼吸を扱う、盲目の隊士……「悲鳴嶼行冥」なのだった……。

 

 

 

 

 

カワサキ殿が岩柱とある勝負をすると宣言し、私を指名したと聞いて3日を掛けて隠によってカワサキ殿の屋敷にへと連れて来られていた。

 

「すまないな、行冥。俺のプライドのせいで、お前に迷惑をかける」

 

「いえ、それに私も話を聞いて許せないと思いましたので、私もご協力します」

 

子供に正座させ、その前で食事を見せ付けるように食べていた等の話を聞けば、私も許せる物ではない。盲目で非力な身であれど、カワサキ殿に協力する事を決めたのだ。

 

「しかし、2ヶ月で柱に匹敵するほどに強くなることなど可能なのでしょうか?」

 

「出来る。だけど、それは凄まじく辛い。お前に相談もしないで決めて、本当に申し訳ない」

 

「いえ、どんな事でも私はやり遂げましょう。まず、私は何をすれば良いのでしょうか?」

 

どんなに過酷な鍛錬でもやり遂げる。そう決意をして尋ねるとカワサキ殿は信じられない言葉を私に向かって口にした。

 

「1日6食食べてもらう、そして有酸素トレーニングと、筋肉トレーニング。呼吸に関しては槇寿朗が見てくれる手筈になっている」

 

6食食べろと言う信じられない言葉、そして私は知ることになる。この世で1番辛いのは鍛錬などではない、生きる為に必要な食事が辛いと思う信じられない体験をする事となるのだった……。

 

「今日は来てくれたばかりだから、効率よく身体を鍛える方法を説明する。まずは大きな筋肉を効率的に鍛える事だ」

 

「大きな……筋肉ですか?」

 

「そうだ。と言っても、行冥は目が見えないから身体に触れながら説明する」

 

カワサキ殿はそう言うと着物ごしに私の身体に触れた。

 

「まずは大腿四頭筋――足の筋肉になる、腿と脹脛がとかだな。次に大胸筋、これは胸の筋肉だ。そして広背筋――背中の筋肉、次に上腕二頭筋、その名の通り腕の筋肉。尻の筋肉、最後に腹筋は判るな?」

 

「そ、そんなにも種類があるのですか?」

 

「細かく言うともっと分類があるが、武器を振るう事を前提に考えるとそこら辺の筋肉が必要になる。これらを効率的に鍛えながら、有酸素運動を行い、肺活量を鍛えながら体力をつける。何か今の段階で質問は?」

 

「い、いえ、特にはありません……と言うか……判りません、全てカワサキ殿にお任せします」

 

余りにも専門的な話しすぎて私には何がなんだか判らない。全てカワサキ殿にお任せしますと言うと、カワサキ殿が苦笑いする声が聞こえた。

 

「そっか、すまなかったな。最後に俺が気になっているんだが……行冥、お前、肉とか魚大丈夫か?」

 

「……鬼殺隊に入ると決めた時。私は僧侶である事と決別しました」

 

「ん、判った。肉や魚を食べて身体をでっかくするぞ――1ヶ月。1ヶ月で身体の基本の筋肉を鍛えて、身体をでかくする。2ヶ月でお前は柱になれる」

 

柱……鬼殺隊の最高の位。盲目の私がそこに至れるとは思えない、だがカワサキ殿がここまで言ってくれるのと、恩人の指を失わせない為に私は努力する事を決めた。

 

「よろしくお願いします」

 

「ああ、こちらこそよろしくな」

 

カワサキ殿が手を差し出してくる気配を感じ、その手を握り返す。この日から鬼殺隊での西洋式鍛錬を取り入れた初めての隊士としての私の訓練が幕を開けるのだった……。

 

 

 

 

朝――まだ鶏が鳴き始める前に起きて、大釜で白米を大量に炊き始める。行冥の訓練を始めて1週間……乾いた土地に水が染みこむように行冥は俺のトレーニングの知識を吸収し、俺の想定よりも早く身体が大きくなり始めていた。今まで子供達に譲り、質素な食事をしていたが、元から行冥には身体が大きくなる才能があったようだ。

 

「よっ、ほっ、とっと」

 

炊き上がると同時にかき混ぜて、熱々の飯で塩握りを作る。その数約10個、しかし決して小さい訳ではない。それ1つ1つが子供の顔と同じくらいの巨大な握り飯だ。それを作り終え、竹の葉で包んでいると行冥が起きてくる。

 

「おはようございます」

 

「はい、おはよう。ん、これ握り飯、時間もセットするぞ?」

 

竹の葉で包んだ握り飯を渡し、1時間30分にタイマーをセットして、行冥の隊服のポケットの中に入れる。

 

「では行って来ます」

 

「おう、帰って来たら朝飯だ。走り出す前に握り飯1個食っとけよ」

 

判りましたと返事を返す行冥を見送り、俺はそのまま朝食と昼食の仕込みを始める。

 

「今日は鮭の塩焼きと味噌汁とゆで卵とサラダ、昼は竜田揚げにするか」

 

あの握り飯は朝飯ではなく、訓練の前の軽いエネルギー補給だ。重り付きのリストバンドとレッグバンド、そして自身の獲物である斧を2振り背負って行冥は15キロ山の中を走りこむ。酸素が薄く、重りもあると言う非常に過酷な有酸素だ。だがそれで終わりではなく、山頂付近で全集集の呼吸なしで肺に強い負荷を掛けながら型の復習を行い、また走って戻ってくる。これが行冥の鍛錬だ、10キロマラソンの成人男性の平均的なタイムが1時間と考えるとこれは相当なタイムだ。

 

「……驚かされるよ、本当に」

 

最初の2日は4時間、3日目には3時間、4日目には2時間……そして5日目には1時間30分。無理しなくていいと言ったら行冥はしれっとした顔でこの山の構造は覚えたのでもっと早く出来ると言ったのだ。最初に時間が掛かったのは山の樹木の位置などを覚えていたからで、もう今は全力で走っても木に当たる事無く走りきれると自信に満ちた顔で言われたのは流石に驚いた。

 

「金メダルも夢じゃないな」

 

行冥の身体能力は呼吸無しでも規格外の数値だ。それこそ、オリンピックに出ても金メダルを余裕で取れるほどの圧倒的な身体能力がある。

 

「もっとカロリーを上げても良いかもな」

 

今は3000キロカロリーで調整しているが、3500キロ……いや、4000まで上げても行冥なら平気かもしれない。そんなことを考えながら3羽の鶏腿肉を切り分けて、醤油、みりん、料理酒、しょうがの絞り汁を混ぜたタレに漬け込んでアイテムボックスから取り出した冷蔵庫の中で冷やしておく。行冥は目が見えないからユグドラシルのアイテムを使いまくってるけど……実際は大丈夫かな? と不安はある。目が見えない分行冥の勘は鋭く、多分俺が人間ではないことも直感的に感じ取ってそうなんだよな……。

 

「今戻りました」

 

「お帰り。井戸水で汗を流して来い、その間に朝食の準備をしておくから」

 

「はい、ありがとうございます」

 

滝の様な汗を流しながらも息は切れていない。昨日は息が切れていたが……それすらも無くなっていると思うと俺は背中に寒い物を感じた。1週間でこれ……2ヵ月後にはどれほど行冥が鍛え上げられているかが俺には全く想像がつかないのだった。

 

「はい、テンポが速い。もっとゆっくり」

 

「っは……いっ!」

 

朝食の後はダンベルを用いたウェイトトレーニング。瞬発的に筋肉を使うのではなく、ゆっくりと5秒ほど時間を掛けて両手に持った20キロのバーベルを上げて、降ろさせる。流石の行冥も辛そうだが、それでもダンベルを落とす気配は微塵もない。

 

「終わり、次だ」

 

「……ふっふっ……はいッ!」

 

ダンベルを地面において、横になった行冥が両腕を頭の後で組んで上半身を起す。

 

「辛くてもゆっくりだ、勢い良くやるな」

 

「っはいッ!」

 

シットアップで腹筋周りを鍛える。これも時間を掛けて、ゆっくりと行なわせる。

 

「……98……99……100」

 

「よし、次だ」

 

上半身を上げたままの行冥の腹に5キロほどのメディスンボールを投げつける。これは筋力は関係ないが、痛みを受けた瞬間に瞬間的に筋肉を固くして、敵の攻撃に備える訓練だ。

 

「むっ! ぐっ!」

 

「後20回だ。我慢しろよ」

 

「はいッ!」

 

庭に重い音が響く、目が見えない行冥は俺がボールを振りかぶっている姿など見えず、当たった瞬間に筋肉を締め上げている。瞬間的な防御力と致命傷になりえる腹を守る癖をつけるのは重要な事だ。

 

「うし、休憩」

 

「はい、はっ……はっ……ふー」

 

息を整えている行冥を見ながら豆乳の中にきなこを入れてかき混ぜる。本当はプロティンがいいんだけど……流石に大正時代でプロテインはやりすぎだろうという事で、豆乳に黒砂糖ときな粉を混ぜた物を準備した。

 

「ほい、黒砂糖きな粉豆乳」

 

「あ、ありがとうございます。最初は少し苦手でしたが、馴れてくるとこれも美味いものですね」

 

「味に癖はあるが、豆乳は高タンパクで低カロリーだから筋肉を作るのに最適だし、きな粉は鉄分やカルシウムが豊富でこれもまた身体にいい、黒砂糖は当然糖分だが、それに加えてビタミンB1とナイアシンが含まれているので疲労回復効果もある」

 

「は、はっは……何を言っておられるのか私にはさっぱりと判りません」

 

「まぁあれだ、凄く身体に良いってことだ」

 

大正時代の人間には判らないかと苦笑し座り込んで喉を鳴らしながら黒砂糖きな粉豆乳を飲み干す行冥に苦笑いを浮かべる。ハードなトレーニングだから水分を失い過ぎないように様子を見る事と身体に必要な栄養素を取り入れる事が何よりも大切だ。

 

「そろそろ昼食の時間だな。軽く座禅でもして、息を整えておけ」

 

「……ふー、はいッ!」

 

行冥の気合の入った返事を聞きながら厨に足を向けて昼食の準備をする。朝漬け込んでおいた鶏肉を取り出して片栗粉を塗す。あんまり多いと粉っぽいくなるので余分な片栗粉を払い、少なめの高温の油で揚げる。表面がからっとして来たら鍋から上げて、キャベツの上に盛り付ける。

 

「味噌汁と漬物で行くか」

 

カロリーで言えば竜田揚げで十分すぎるほどだ。後は余分な物を出さず、竜田揚げを盛り付けた大皿と丼に入れた野菜たっぷりの味噌汁。そして御櫃を準備して広間に足を向けるのだった。

 

 

 

カワサキ殿の訓練は地味だが非常に厳しい、西洋式の鍛錬と聞いたが全身が悲鳴を上げるほどの鍛錬だ。だがその鍛錬が己を強くし、恩人を救い、そして子供達を守る力となるのならば、その鍛錬も全く苦しくなどはない。

 

「お待たせ、今日は鶏肉の竜田揚げだ。こことここにおくぞ」

 

机の上に料理が置かれる音と皿を叩く音がする。盲目の私が料理の位置を把握出来るようにと言うカワサキ殿の気遣いである。

 

「いただきます」

 

「召し上がれ」

 

箸を手に取り、丼を持ち上げる。ずっしりと重いそれは最初は驚いたが、もうこの重さにもなれたものだ。

 

「……」

 

右手におかず、左手に味噌汁、これもいつもの位置なので箸でおかずの皿を探し……竜田揚げとやらをつまみ上げる。

 

(重い。かなりの大きさだ)

 

鶏肉は貴重品だが、箸から伝わってくる重さでその大きさが判る。口を開けて竜田揚げに齧りついた、サクリッと言う小気味いい音と共に鶏肉を噛み切り、噛み締めると口の中に上質な脂が口の中一杯に広がる。

 

「美味しいです」

 

「それは良かった」

 

歯を跳ね返す強い弾力、だがそれは決して固い訳ではなく、程よい弾力がある。味付けは醤油と酒、それとしょうがなのだろう。鼻に抜けるしょうがと醤油の香りが食欲をそそる。

 

「あむっ、あむっ」

 

竜田揚げを1口齧り、米は大きく取って口の中に入れる。炊きたての米の甘さと熱さ……それによって竜田揚げの味をよりはっきりと私に味合わせてくれる。

 

「んぐんぐ、がっがっ!!!」

 

食べ始めれば身体の中に熱が生まれ、その熱に突き動かされるように箸の動き、そして下品ではあるが食べる音が激しくなる。竜田揚げの味はしっかりと腿肉全体に染みており、その味が箸を休ませてくれない。

 

「行冥。丼」

 

「あ……すいません」

 

飯を取ろうとしてない事に気付き、カワサキ殿の声を聞いて空の丼を渡す。

 

「気に入ったか?」

 

「はい、とても、とても美味しいです」

 

食事の回数が多いのは辛い、だが食べて食べて身体を大きくする。そして大きくなった身体で守りたいと願う者すべてを守り……そして鬼舞辻無惨を倒す。その熱意がより強くなる、しかし今は何よりも恩人であるカワサキ殿を救う為に柱を倒す事が私の目標である。

 

「ふーふーずずう」

 

飯がよそわれている間に味噌汁を啜り、口の中をさっぱりとさせる。白味噌の柔らかい味と野菜の旨みが溶け出した味噌汁は実に絶品だ、具材もたっぷりでこれだけで飯を食うことも可能だろう。

 

(出来ればそれはしたくないがな)

 

美味いおかずがあるのに、味噌汁で飯を食うなんて真似はしたくないので豆腐や人参、ネギと言う具材を食べながら飯を待つ。

 

「はい、お待たせ」

 

「ありがとうございます」

 

先程よりもずしりと重い丼――だが、この竜田揚げがあれば何杯でも飯を食えそうだ。

 

「御櫃、もう一個追加するか?」

 

「いえ、流石にそこまでは……」

 

幾らでも食えると思ったのがカワサキ殿に伝わったのからかうように言うカワサキ殿に肩を竦める。御櫃1つでも目一杯なのに、2つめは流石に無理だと笑い、私は竜田揚げを頬張り炊き立ての白米を口に運ぶのだった……。

 

 

 

メニュー27 カワサキ・ブートキャンプ(行冥) その2へ続く

 

 




筋肉を鍛え、飯を食い行冥さん超進化中。どこまで進化するのかを楽しみにしていてください、次回はコンビニ弁当様のリクエストでジャンバラヤで行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。

カワサキさんがオラリオにいるのは……

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