【休載】生きたければ飯を食え Ver鬼滅の刃 作:混沌の魔法使い
メニュー7 梅ちゃんの茶会
蓄音機から流れるクラシック音楽、そしてそのクラシック音楽に似合う西洋風の部屋にカワサキと無惨の姿はあった。
「うむ、美味い」
鉄皿の上の分厚い血の滴るレアステーキを切り分け満足そうに頬張った無惨はそのまま赤ワインのグラスに手を伸ばす。
「美味いって言うのは良いけどさ、一々この部屋使うかね?」
「雰囲気が大事と言ったのはお前だ」
「さいですか……」
物を食べるにはそれを最大限に生かす部屋や音楽があると言う話を聞いた無惨。そして次の日には洋食、和食、中華、そしてスイーツの4種類を食べる専用の部屋が無限城内部に作られた。勿論それを知ったカワサキの目が死んだのは言うまでも無い。
「鉄皿で好きな焼き加減にすると言うのは実に良い」
「そうだな」
2人で並んでステーキを切り分け、鉄皿に肉を押し付け自分の好きな焼き加減に整える。と言っても殆ど無惨はレアのままであり、焼き加減を整えているのはカワサキ位の物だ。
「ほい、バターロール」
「ああ、ありがとう」
ステーキが半分ほど消えた所でバターロールを差し出すカワサキ、無惨は慣れた手付きでバターロールを切り、ステーキを間に挟む。
「鬼殺隊だが、やはりあの者が率いている。産屋敷だ」
「ああ……お前の子孫って言う」
「正確には鬼舞辻家だがな、以前私とお前が助けたあの童だ」
医者の鬼が追い回している一家を助けた事があった……と思うとカワサキは呟いた。無惨ほど記憶力がいい訳ではないカワサキはうろ覚えだったが、無惨に似た子供がいたなあ程度には覚えている。
「医者は無惨を名乗っているが、産屋敷が訂正する事で、医者の鬼、そして私達が別物と言うことが鬼殺隊に理解され始めている」
「じゃあそろそろか?」
「そこはまだ考えている段階だ」
鬼と鬼同士の争いは基本的に不毛だ。どちらも再生するからだ、だが医者の鬼と無惨達の違いはカワサキの料理による常時ステータスにバフ、そして特殊な血鬼術の開眼にあった。
「まぁもう少し段階的に考えよう。焦る事は無い、それに今はまだ先にやる事がある」
「縁壱と巌勝の事だな」
今無限城にいる2人の事ではない、縁壱は自身の日の呼吸を炭売りの一家に伝授し、巌勝は月の呼吸を伝授した訳ではないが、その子孫は生きている。医者に手痛い反撃をした2人を医者は恨んでいるに違いないので、その前に保護ないし、護衛をつけることを最優先にするべきだと無惨とカワサキは考えていた。
「鬼殺隊の戦力強化は急務だ」
「喰われると大変だからな」
鬼殺隊が納めている呼吸と鍛え上げられた肉体は栄養価が極めて高い、それが柱とかいう鬼殺隊の最大戦力ならば尚のことだ。あの巌勝が医者の鬼を逃がしたらしいが、近くに柱の物と思われる腕と日輪刀が落ちていたから上位の医者の鬼は柱もしくはかなり階級の高い鬼殺隊を狙って襲撃しているかもしれないという事が判明した。
「下手をすればこちらの戦力を超える」
「それは防がないとな」
無惨達の陣営の鬼は医者の鬼に引けを取らないが、鬼と言う性質上人肉、そして血液により肉体を強化するというものは切っても切れない事だ。それをカワサキの料理で補っているとは言え、純粋な地力では医者の鬼に劣るというのが現実だ。鬼殺隊が医者の鬼にとって上質な餌として狙われ続ければその内に追い抜かれる事を無惨とカワサキは危惧していた。
「あの、今いいでしょうか?」
ノックの音が響き少女の声がしたので、無惨とカワサキはナプキンで口を拭い入出許可を出す。
「失礼します。あの無惨様、部屋の御使用の許可が欲しいです」
「どの部屋だ?」
「あの茶会の部屋を……」
梅がもじもじと言う。その手にある本を見てカワサキは苦笑した。
「そうか、茶会のシーンがある漫画を見たのか」
「っはい! そのとても楽しそうで」
無惨はやや渋い顔をしたが、カワサキは良いじゃないかと笑った。
「茶会の菓子は用意してやろう。だけど、1人じゃ面白くないだろう?梅は招待状を書くといい」
「はいッ!ありがとうございます」
招待状を書くのに自身の兄である妓夫太郎に助けを求めるんだろうなと微笑ましい物を見るような視線をして見送る。
「あまり甘やかすなよ」
「んーほら、駄目な子?いやあほな子ほど可愛いって言うだろ?どうも甘やかしちゃうんだよな」
本人はかなりの癇癪持ちではあるが、それでも根は素直だから甘やかしちゃうんだよなと苦笑し、カワサキは梅がやりたいと言う茶会の為にその場を後にするのだった。
「お、お兄ちゃん……字があ」
「あーあー、しゃねえなああ。ほれ、落ち着いて、ゆっくり書きなぁぁ?」
「う、うん。が、頑張る……」
そしてカワサキと無惨の予想通り、梅は茶会の招待状の文を妓夫太郎に考えてもらい、それを便箋に半分泣きそうになりながら必死に書いているのだった……。
梅が悪戦苦闘しながら招待状を書いている中。カワサキは厨房で茶会の菓子作りを始めていた。確かに元々菓子作りはカワサキの専門で無いが、1000年近い時間があれば苦手だった物もある程度は形になってくるのは当然の事だった。
「梅が呼ぶとなると……零余子と珠世さんと鳴女……後は蛍火と朝日くらいかな?」
無限城にいる鬼の女は決して少なくないが、梅と仲が良い鬼となるとそれほど数は多くない。基本的に素直な性格だが、癇癪持ちであり人に好かれるか、嫌われるかが両極端な梅の事だから茶会に参加してくれるのは10人前後くらいだと予測し菓子の準備を始める事にした。
「子供の鬼に配る分も考えておくか」
茶会に使う分だけじゃない、子供の鬼のおやつの時間に出す分も作っておくべきだと考えながら、カワサキはバターを常温に戻している間に薄力粉をふるいに掛け、それとは別にココアパウダーと薄力粉を混ぜた物をふるいに掛け生地の準備を行う。
「まぁ、これが何かのきっかけになれば良いが……」
梅の世界は基本的に自身と妓夫太郎だけで完結している。その世界が少しでも広がればいいなと思いながらボウルの中に常温に戻ったバターを入れ泡立て機で混ぜ合わせる。
「粉砂糖をいれてっと」
クリーム状になったバターに粉砂糖を加え白っぽくなるまで混ぜ合わせ、溶き卵とバニラエッセンスを加えて混ぜ合わせたら、ふるった薄力粉とココアと薄力粉をふるった物と混ぜ合わせプレーン生地とココア生地の2種類を作る。
「渦巻きと市松模様の2つで丁度良いだろう」
クッキーは数を作れるのでこれで十分だろう。後は茶会と言うのにクッキーだけって言うんじゃあ味気ないな。
「ほっと」
中くらいのボウルに卵白と砂糖と入れて混ぜ合わせメレンゲを作り、卵白と分けた卵黄の残りに砂糖を混ぜ合わせ、泡立て機を持ち上げたときにリボン状になるようになったらメレンゲと混ぜ合わせ、メレンゲを潰さないように軽く混ぜ合わせたら小麦粉を加えさっくりと混ぜ合わせる。最初に作ったバターを溶かした牛乳に、ケーキの生地を少量加えてよく混ぜ合わせたら生地に混ぜ込む。
「良し、完璧だ」
型の中に今仕上げた生地を流し入れてオーブンの中に入れる。
「さてと、あとは……」
茶会をやるんだから綺麗な茶器が必要だな。俺はそう考え、無限城の一角に配置してある俺の特別仕様のグリーンシークレットハウスの倉庫の中にあるアイテムを持ち出してくるかと思い、グリーンシークレットハウスに向かったのだが……
「あ」
「てめえ、童磨ぁッ!また鍵壊しやがったな!」
「だってこれ面白いからッ!ごめんなさーい!!」
「待てええ!そいつを持ち出すなあッ!!」
ぺロロンチーノとぶくぶく茶釜の趣味の男の娘とかの本を大量に抱えて走り出す童磨を追いかけたのだが、身体能力の差で負け逃げ切られてしまった。
「……俺、知らん」
多分被害が向くであろう巌勝にはそれとなく忠告しておこうと思い、俺は本来の目的である茶器を探す作業に戻るのだった……。
『今日のおやつ時に茶会を行うわ。天守閣の茶会部屋で待ってます 謝花梅』
梅らしい手紙だと苦笑し白髪に赤目の鬼の少女「零余子」は茶会部屋に足を向けていた。
「あら、零余子さんもですか」
「珠世さんも……後は……「私です」ふあっ!?」
べんと言う音と共に現れた鳴女に変な声が出た。突然現れるし、気配があんまり無いから鳴女って怖いのよねと思っていると朝日と手を繋いで蛍火も姿を見せた。
「おお! 随分と大所帯だな! 結構結構」
古臭い口調の鬼の少女が鞠を抱えてやってきた。
「あら、朱紗丸さん。珍しいですね」
「うむ、最近梅と鞠で遊ぶようになったのじゃ」
子守をしている短い黒髪と古臭い口調で男を思わせるが、柔らかい視線と声質の朱紗丸までがやってきた事に私達は驚いた。
「カワサキさんのお菓子が楽しみ」
「うん、そうだね。でもさっきからそれしか言わないね」
「?」
「くっかわ……ッ!」
相変わらず変態が変態行動をしている……子供だけじゃなくて肉体が大人でも、精神が子供なら食ってしまおうとする朝日はあまりに危険だと思う。
「来てくれたのね! ほら早く早く!!」
茶会部屋から顔を出した梅が急かすように言うので私達も茶会部屋に入る。白い壁と紅い絨毯、そしておしゃれな白いレースのカーテンと言う作りの部屋に思わず溜め息が出た。
「前は日本庭園でしたが……今回はデザインを変えたのですね?」
「西洋茶会らしいから」
あんまり茶会部屋に入った事の無い私と朱紗丸は元からこんな部屋だと思っていたんだけど、前は日本庭園だったらしい。本当に鳴女の血鬼術は凄いわねと思いながら椅子を引いてその上に腰掛ける。
(ふわふわしてる)
腰を下ろすと同時に感じたあまりに柔らかい感触に驚いた。西洋の椅子と言うのはこんなにも柔らかいのかと……普段は座布団とかだから余計にそう思う。
「……尻が落ち着かんのう……」
「ふわふわ♪」
朱紗丸は顔を顰め、蛍火は喜んでいる。これはそう簡単には慣れそうに無いかな……。
「カワサキさんにお茶の淹れ方を教えてもらった」
ふんすっと胸を張り梅が全員分の紅茶を入れてくれる。それをすぐ口にしようとすると珠世に止められた。
「紅茶は日本のお茶と違いますからね、飲んでみて口に合わなければ砂糖とミルクをですよね?梅さん」
「あ、う、うん!そう!!」
忘れてたわね……淹れる事だけに集中していた梅に呆れながら一口飲んで、すぐに砂糖とミルクを入れた。なに、この渋いって言うか、香りは凄くいいのにあんまり味がしないお茶……緑茶とかほうじ茶と全然違うんだけど。
「ん、甘くて美味しいわね」
「……うええ……」
「ほら、蛍火にも砂糖とミルクを入れてあげるわよ」
「……美味しい!」
砂糖とミルク入りの紅茶を見て満面の笑みの蛍火。嬉しそうだからいいけど、変態が鼻を押さえているの見ると嫌な気分になるわね……。
「お菓子は好きなのを食べていいからね!」
クッキーを取り皿に取りながら言う梅は言うが早くクッキーを口にしている。
「ふふ、では私も」
「お洒落ですね」
白と黒の渦巻きと市松模様、そして黄色と黒の2種類のクッキーとクッキーだけでも4種類、それとショートケーキとチーズケーキまで置かれている。
「私はケーキにしよう」
「私はこれじゃな、煎餅に似ておる」
クッキーを煎餅と言った朱紗丸に全然似てないわよと思いながらショートケーキを皿に取る。ケーキなんて誕生日の時にしか食べれないから、これは実に嬉しい。
「蛍火は?」
「クッキー!」
「はいはい」
普通にしてればあの変態も面倒見がいいんだけど、なんであんな病的に年下の男の子と女の子に好意を向けるのか理解出来ないわね。
「塩辛くないッ!? こんな煎餅があるのかッ!?」
「朱紗丸あんたクッキーって知ってる?」
「知らんッ!」
どやあっとしてる朱紗丸に呆れる梅を見ながらフォークでケーキを1口分切る。
「んー美味しい♪」
ふんわりと柔らかいスポンジと甘すぎない生クリーム、そして中に挟まれている苺の酸味と甘み。どれをとっても美味しい。
「本当ですね。ショートケーキは美味しいです」
無表情で同意されても反応しにくいんだけど……口調が柔らかいから美味しいって思ってるのよね? 多分。鳴女は無表情すぎて美味しいと感じているのかそうじゃないのかが判りにく過ぎる。
「お兄ちゃんも一緒って言ったけど、そりゃあ駄目だって言われちゃったの」
「いや、それはそうだと思いますよ?」
「何で?」
「……どうしましょう、なんて説明すればいいんでしょうか?」
梅のお兄ちゃん大好きは困った物ね。フォークを皿の上において紅茶を口にする。
「梅が妓夫太郎に何か贈り物する時に妓夫太郎がいたら驚きが無くなるでしょう?」
「……あ、そうだった、最初それを話そうと思っていたんだ」
……アホの子が過ぎる……ッ! でもこんな梅と友達と思っている私もアホなんだろうなあと思いながらお菓子を口にしながら、梅の相談に耳を傾けるのだった……。
梅さんに招待された茶会を見て私は笑みを浮かべた。そのあまりに姦しく、そして楽しそうな光景に頬が緩んでしまう。
「……美味い! なんだこれ!? なんだこれッ!?」
「おいひい♪」
朱紗丸さんがショートケーキに驚きながらも、美味しそうにケーキを頬張り。その隣で蛍火さんがチーズケーキを食べて幸せそうにしている。
「とても楽しそうですね」
「そうですね」
バターがたっぷり練りこまれたクッキーとストレートのダージリンを口にし、鳴女さんと微笑む。私と鳴女さんだけが年上だからか、梅さん達が年の離れた妹のように思えて可愛くて仕方ない。
「……ちょっと累に持って帰ろうかな」
「それでクッキーが欲しければとでもやるの?」
「そうそう……って違うわよ!?」
「説得力皆無ね。変態」
「なんで?」
「「「鼻血」」」
「えっ、嘘ッ!?」
……比較的常識人のはずなんですけどね……なんであんなに病的に年下に執着するんでしょうか……。
「ん、美味しいですね。檸檬の香りがいいです」
「チーズ美味しい」
チーズケーキの檸檬の香りとチーズの濃厚な旨みは砂糖やミルクを入れていない紅茶と実に良く合う。
「珠世と鳴女はしょーとけーきを食べないの?」
「いえ、今から頂きますよ」
「じゃあ私が取ってあげるから感謝しなさいよ。後ね、朝日はお菓子持って帰らなくていいから。カワサキさんが子供鬼にもちゃんとケーキとかを配ってるからね」
ふふ、口は悪いですが、結構彼女は面倒見がいいですね。私に取り分けてくれたショートケーキを受け取り、彼女も成長していると思うと微笑ましいと思うのと同時に、いつか兄離れをして妓夫太郎さんを悲しませてしまいそうですね。私はそんなことを考えながら、甘さ控えめの生クリームによって純白に彩られたショートケーキを口に運ぶ。
「美味しい? まぁ、あたしが作った訳じゃないんだけど……」
「ふふ、でも梅さんが考えなかったら、こうしてお茶会は出来ませんでしたよ」
カワサキさんに負担をかけることになってしまいましたが、こうして楽しい時間を過ごす事が出来たのは梅さんのお陰ですというと、梅さんはそっぽを向いてしまう、特殊な幼年期を過ごした梅さんは人の好意に慣れていない。だけどそれでも、こうして皆の事を考えていると言うのは、少しずつ精神面も成長していると言う証だと思いますね。
「やっぱり茶会は楽しいわ。またやりたいわね」
お菓子と紅茶が無くなったことでお茶会は終わりを告げましたが、本当に楽しい半刻でした。
「うむ、またやろう。今度は饅頭がいいなあ」
「え、じゃあ私苺大福がいい!」
今終わったばかりなのにもう次の事を話している梅さん達。本当に楽しそうでまた誘ってくださいねと声を掛けて研究室に足を向ける。
「珠世様、気分転換が出来ましたか?」
「ええ、ありがとう愈史郎」
最初は茶会の誘いを断ろうと思ったのですが、愈史郎に行くべきだと言われて部屋を追い出されましたが、愈史郎の言う通り参加してよかったと思う。
「あまり研究続きでは良い成果も出ません。食事と息抜きも大事にしてください」
「はい、気をつけますね。愈史郎」
「そうしてください、俺は貴女に元気で過ごして欲しいですから」
穏やかに笑う愈史郎にありがとうと告げて、研究作業を再開する。鬼を人に戻す、鬼を弱体化させる薬。それはきっと今後必ず必要になる、早く、1日でも早く形にして天津によって作られる悲劇の連鎖を断ち切ってみせる。私はそう心に誓い、薬の研究を再開する。そしてこの日の研究は茶会のお陰か、今までの作業よりも遥かに集中して行う事が出来たのだった……。
無限城ひそひそ噂話
「え?また茶会をやりたいからお菓子?んー作ってやりたいのは山々だけどなあ……俺もそう暇じゃ無いし……いやいや、そんな泣きそうな顔をするなよ。んっーお、そうだそうだ、ほれ、これやるよ」
「なにこれ?本?」
「そ、お菓子のレシピ本。俺の前に使っていた厨房、それを使えるようにしておくから。その本を見て自分達で作ってみるのはどうだ?梅はパンケーキは上手く焼けるだろ?だから色々と試してみるといい」
自分で作るという発想が無かった梅だが、こうしてレシピ本をもらえれば出来るかもしれないという考えが頭の中に浮かんだ。
「ありがとう!頑張ってみる!」
レシピ本を胸の中に抱えて走っていく梅を見送り、カワサキは再び夕食の準備を再開するのだった。
「自分達で菓子か……」
「え、何それ面白そう」
「厨使って良いの?じゃあ私もやるー」
「あの、私もいいですか?」
そして梅がカワサキから貰った菓子のレシピ本があるならと梅は無限城にいるほとんどの女鬼を抱きこみ、お菓子作りを始めるのだが、
まさかレシピ本1冊でそんなことになるなんてカワサキは夢にも思っていないのだった。
「あの私は」
「「「「お前は帰れ、台所クラッシャー」」」
「……はい」
縁壱も仲間入りしたかったが、カワサキでさえも匙を投げた縁壱を仲間に入れようと言う猛者はおらず、最後まで言い切る事無く追い返されていた。
「何か平和だ」
「詳しくは知らんが、何かやっているそうだぞ?」
「そうか。襲われないと言うのは良いなあ」
「病み過ぎだろ。大丈夫か?」
「いかんな、雨だ」
「……何か貰って来てやるよ」
そしてメンタルブレイクした縁壱は暫くの間巌勝を追い回す事を止め、巌勝は少ない平穏を心から楽しんでいるのだった……。
メニュー8 オムライスへ続く
今回は「黒狼@紅蓮団」様と「猫の宅急便」様のリクエストで茶会とショートケーキでお送りしました。無限城での茶会は今後定期的にイベントとして組み入れて行こうと思います。次回は子供鬼と零余子でお送りしたいと思います。そして次回のひそひそ話には意外な原作キャラも1人出したいですね。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
カワサキさんがオラリオにいるのは……
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間違っている
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間違っていない