ん?丸田?聖女?鉄拳?
うっ、頭が……
本編ドゾー
文化祭が明日に迫った金曜日の夜。文化祭の準備も最終段階になり、私も最後まで手伝いをする羽目になってしまった。時間も時間だから、病院に行くのは明日の朝一ね。正直に言って、華那に寂しい思いさせているのだから、心苦しいわね……。
「ただいま……」
「姉さんお帰り!」
玄関の扉を開けると、
「姉さん?姉さーん?」
「華那、どうして!?」
私の顔の前で右手を左右に振る華那。その華那に対して、私はなんとか振り絞って出した言葉がそれだった。まさか本当の病状を知って、治療を止めたんじゃ――
「えへへ。ここ数日、体調良かったから、
と、悪戯が成功して笑みを浮かべる子供のような表情をしている華那を優しく抱きしめる私。良かったわ。でも、華那……今、普通に歩けるのかしら?私はそれが不安だった。治療を始めてから、まともに歩けるような状態じゃなかった華那を心配するのは当たり前。
華那は私にそれを問われて、右手で頬を掻きながら
「先生の指示で、松葉杖と車椅子の両方持ってきたよ」
「だと思ったわ……」
なら、明日の文化祭。私は華那と一緒に回らないといけないわね。となると、クラスメイト達には悪いけれども――と考えていると
「あ、明日はね、沙綾が一緒に回ってくれるって言うから、姉さんは姉さんで、きちんと自分の役割やらなきゃダメだよ?私の『付き添いだー』って言って、クラスの出し物とかやらないは無しだよ。きちんとやらなきゃダメだよ?」
「……分かっているわ」
「ホントー?」
笑いながら言う華那だけれども、疲れた様子に見えたので、私は華那の右手を取って自分の肩に回す。華那は驚いた様子を見せたけれど、すぐに俯いて
「あはは……姉さんには敵わないなぁ……いつから気付いていたの?」
弱々しい声で私に問いかけてきた。本当なら抱っこしたい所だったけれども、私も荷物を持っているので、肩を貸すぐらいしかできない。でも、すぐにソファーで休ませないといけないわね。
「最初は分からなかったわ。でも、松葉杖と車椅子を両方持ってきたと言った時ね。上手く表情を誤魔化したつもりだったようだけれども、疲れが出ていたわよ」
「あはは……姉さんよく見ているね」
ゆっくり、無理をさせない程度にリビングに向かい、華那を座らせる。華那はしばらく天井を見上げていた。そして、天井を見上げたまま
「本当なら……文化祭行くのは一度反対されたの」
ポツリと呟くように私に話す華那。私はやはりという気持ちの方が強く、何も言えなかった。ついこの前まで、横になるのすらつらい状況だったのに、たった二日三日、体調が良くなった程度で、一時帰宅を許してもらえるほど状況はよくないはずだもの。
「でも、無理しないって約束したのはほんとだよ?しかも明日の夕方までって時間も決めて、文化祭に出てもいいって許可は出たんだよ」
「ええ。分かっているわ。無断で病院抜け出していたら、今頃大騒ぎよ」
「そうだよね」と、苦笑いを浮かべる華那。間違いなくKMKのメンバーが大騒ぎしていたはずよ。……流石にKMKの存在については華那には言わないわ。何を言われたものか分かったものじゃないわ。それで、華那。明日は山吹さんに頼んだわけね?
「頼んだというか……その場で聞かれちゃったというか……」
「分かったわ。たまたま、見舞いに来ていた山吹さんが、先生との会話を聞いてしまった訳ね?」
口ごもる華那だったけれども、私の言葉に素直に頷く。それで山吹さんが無理させないように監視を兼ねて、一緒に行動するという訳ね。え、なんですって?Poppin’Party全員が華那と一緒に行動するですって?……不安しかないわね。
「あはは……正直、私も不安しかないよ」
苦笑いの華那に、私は右手を額に当てて、盛大に溜息を吐いたのだった。お願いだから、無理はさせないで頂戴。特に戸山さんと市ヶ谷さん――
――その頃――
「へっくし!」
「おいおい、香澄。風邪か?」
「うーん……体調は万全だから、誰か噂してるんじゃないかな?」
「バッカ。お前の噂するやつなんている訳ないだろ」
「あ、有咲ひっどーい!!」
「だぁぁぁ引っ付くんじゃねぇぇぇぇ!!」
――今日も、市ヶ谷家は平常運転です――
一時帰宅をした翌日。姉さんは準備があるそうで、何度も私に無理をしないようにと念を押してから学校に向かった。それからしばらくしてから、玄関に設置されているチャイムが鳴ったのはいいのだけれど、既に家の中にまで香澄ちゃんと有咲ちゃん、おたえちゃんの声が聞こえてきていて、誰が来たのかすぐにわかって、私は小さく笑ってしまった。
「おはよう。みんな」
「おはよう華那!体調はどう!?」
「ばっ香澄!!お前、朝からうるせぇんだよ!!」
「という、有咲も十分に五月蠅いのでした」
「おたえは黙って……って、今『うるさい』って漢字で言っただろ!?」
「あ、有咲ちゃん。近所迷惑になるよ?」
「華那……無理はダメだからね?」
と、凄まじい勢いで会話が続いていて、私が入る余地が無い。相変わらずだね、ポピパの皆は。それと、沙綾。もちろん分かっているし、沙綾が止めてくれるでしょ?と、笑みを浮かべながら言うと、どこか呆れた表情になる沙綾。むう。呆れなくてもいいじゃない。そんな会話をしつつ、私は車椅子に乗せられて、学校へ向かう。いや、最初は松葉杖で行こうと思ったんですよ?でも――
「はいはい。華那さっさと座った座った」
「ねえねえ有咲。車椅子、押すのは順番でいい?」
「それでいいんじゃねぇか?」
「私の次はおっちゃんだね」
「おたえちゃん、さすがにうさぎのおっちゃんは運転できないと思うよ?」
という流れで、あっという間に私は車椅子に乗せられたのでした。松葉杖はおたえちゃんがしっかり持ってきてくれているので、車椅子が使えない所は松葉杖の出番だね。と言っても、階段で使うのは不安しかないけれど、松葉杖を使うしかない。そう思いつつ、皆と会話しながら学校へ向かう。
途中途中で、車椅子に乗っているせいからか、奇異の目で見られているように思えたけれど、皆がいてくれたおかげで、それを気にする事なく会話をする事が出来た。でもね沙綾……、そういう目で見た人を睨むのは止めてね?可愛い顔が台無しだよ?あの、りみりんもだからね?睨むというか、私、怒っていますって表情で見ていたでしょ……。
「だって、華那ちゃんの事を見世物のように見ていたから……」
「りみちゃん。車椅子に乗って、これだけワイワイやっていたら注目もされるって」
苦笑いを浮かべながら、怒っているりみちゃんを宥める。で、沙綾。反省は?
「してないよ?」
「そこは嘘でもいいから『反省している』って言って欲しかったなぁ!?」
あっけらかんと言ってのける沙綾に、私がツッコミを入れたのは悪くない。悪くないよね?有咲?
「そこであたしに話しを振るんじゃねぇ!!」
最後の締めは有咲にやってもらいました。それで笑いが起きて、さっきまでの凄い重い雰囲気はどこか飛んでいった。うんうん。やっぱり笑っているのが、ポピパの皆らしくていいとおもう。とくに、私のせいで暗い表情とかさせたくない。
その後も、皆で私が入院している間の事を面白おかしく話してくれたので、会話が止まる事は無かった。そして、学校に到着した時に少し問題が起きた。
「うわ、凄い人ー」
「うげっ……この中、入るのかよ……」
歓声にも似た声を上げる香澄ちゃんに対し、うんざりした様子の有咲。うん。これは私も予想外。これだと、車椅子で移動するのは迷惑になりそうだね。どうしたものか――と、ポピパの皆と話し合っていると、私の担任である上条先生の姿が見えた。あれ?こっちに向かって来ている?どしたんだろ?
「上条先生、おはようございます」
「おはよう。湊妹、
車椅子に乗ったままだったけれど、きちんと上条先生に挨拶する。先生も右手で頭を掻きながら挨拶を返してくれたけれど、どこか複雑そうな表情を浮かべているようにも見えたけれど、すぐにいつも通りの気怠そうな表情になると
「湊姉から来るという話しは聞いているわ。
「あ、はい」
「あの!私達もいいですか!」
「おい、香澄!」
私と先生の会話のタイミングを見計らって、香澄ちゃんが右手を挙げて先生に質問する形で聞いた。それを咎めるような声を上げる有咲。有咲、香澄ちゃんだからそこは諦めなよ……。
「ああ、話しは聞いているわ。今日一日、湊妹の事をお願いね」
「はい!!」
先生からの許可を得て、凄く嬉しそうな表情を浮かべているであろう香澄ちゃん。いや、元気なのはいいのだけれども……。いえ、もう何も言いません。先生が先導してくれたお陰で、スムーズに学校内に入る事が出来た。
既に、各クラスの催しは始まっていて、教室前で呼び込みしている子達や、パンフレットを配っている子達もいた。で、我がクラスは――と、見て全員で固まった。い、いや。私がいない間に、どこをどうしたらそういう結論に至ったのだろう?
「な、なあ……あれって……メイド……だよな?」
「どこをどう見てもメイドだね」
「う、うん……メイドさんだよね」
「すっごい!羽丘ってこんなにクオリティ高いんだ!」
「凄いねぇ……あれ、華那?どうしたの、頭抱えて」
メイドさんの着ている服のクオリティに、驚きをみせるポピパのメンツ。車椅子に乗った状態で頭を抱えていた私に気付いた沙綾が声をかけてきた。あのね……あそこ、うちのクラスなんだ。
「……華那。その……なんだ。ドンマイ?」
「あ、華那ちゃんだ!!って、車椅子!?」
私の肩に手を置いて、慰める(?)有咲。その直後。教室の前でお客さんを呼び込んでいたクラスメイトが私に気付いた。その言葉と共に、教室から一斉にクラスメイトが出てきて、あっという間に私は囲まれて――
「華那ちゃん、大丈夫なの!?」
「ちょっと、入院してるんじゃないの!?しかも車椅子って!?」
「華那さん!大丈夫でしたか!え、私?ええ、もうそりゃもう万全ですよ!今日なんて絶好調でコフッ!?」
「あぁ!?また沖野さんが吐血したぁぁぁぁ!?」
「あー……沖の字はほうっておけ。で、華那の字。本当に大丈夫なのか?」
と、凄い勢いで話しかけてくるもんだから、応えようにも応えられない状況。というか、沖野ちゃんまた吐血しているし……。これで健康体って言うのだから……嘘でしょ?
ポピパの皆も凄まじい勢いにポカンとしているし。どれから応えようかと思った時に、教室から蘭ちゃんが出てきた。もちろん蘭ちゃんもメイドふ――
「皆、何やってるの。接客して……それに来てくれた華那も困惑してるじゃん」
「蘭ちゃん、ごめーん。今戻るー」
「はーい」
「やだ!華那ちゃんは私の物――キャン!?」
「馬鹿言ってんじゃないわよ。殴るわよ?」
「いや、それもう殴ってる……」
「ほら、仕事するよニート」
「まだニートじゃにゃぁぁぁぁぁ」
「あれ、猫じゃね?」
「ほれ、沖の字。仕事するぞい」
「いなくなってしまった……沖野……奏恵の事……忘れないでくだ……コフッ……」
「とりあえず、口に沢庵でも詰めておくかの」
蘭ちゃんの言葉で続々と教室に戻っていく。引き摺られていく子もいたけれど、見なかった事にしよう。そうしよう。
「華那のクラスって……面白い子ばっかだね」
少し疲れた表情の沙綾。私も怒涛の勢いに疲れた表情を浮かべながら同意する。
「凄い勢いだったね!私も負けないようにしないと!」
「お前は今でも十分だ……」
「香澄ちゃん元気だね」
「で、なんで蘭は着物?」
香澄ちゃんがやる気出しているみたいだけれど、それは置いといて……。おたえちゃんが蘭ちゃんだけが着物姿な事を聞いていた。というか、この場にいる全員どうして着物?って思っているから、代表として聞いてくれるのはありがたい。
「あたし……華道やってるじゃん。それで『蘭ちゃん!ちょっと普通のメイド喫茶との違い見せるために着物で!!』って、新井さん達が言いだして……」
「それは……なんて言っていいのやら……」
どこか遠い目をしながら話す蘭ちゃん。きっと、蘭ちゃんもメイド服着たかったんだろうとね。みんなと一緒じゃないから不安なんだろうと思う。蘭ちゃんの案内で私達が教室に入ると、なぜか私だけ連行されてあっという間にメイド服に着せ替えられたのでした。って、なんで私の寸法知っているの!?
「え、お姉さんに聞いたら教えてくれたよ?」
「姉さん、何やってるの!?」
私の疑問は簡単に解決したのだけれども、後で姉さん説教しなきゃね。そう心に決めた瞬間だった。
正直、今日の華那の様子は少しおかしいと私は思っていた。だって、一つ一つの事を大切にしたい――そんな風に見えた。ただ、香澄達はそう見えてないようで、体調良くてよかったねと話している。きっと、華那との付き合いが長いから分かったのだと思う。
でも、どうしてそんな風に振る舞うの、華那?そんな疑問を抱いていたのだけれど、華那がメイド服に着せ替えられて、車椅子に乗ったままレジ打ち入る。私達も何か手伝おうかと蘭に伝えたのだけれど
「華那が無理しないか見ていてくれるだけでいいよ」
と、言われてしまい、レジで待機している華那の所へ行ったら、知らない男性に何か言われていて、華那が困惑した表情――というか、今にも泣きそうなんだけど、何かあった、華那!?
「なんでお前だけ車椅子なんだ!そんなんだから最近の若いやつは根性が――」
華那の状態を知らない、男性が華那に対して凄い怒声にも似た声で、華那に絡んでいる。流石に私も怒りを覚えてしまい、反論しようとした時だった。
「ねえ、そこの人。ちょっとこっち来てもらっていいかしら?」
「あ!?今俺はコイツに――」
男性の肩を叩いたのは、何故か修道服を着た女性。しかも顔は怒ってる。その表情を見て、さっきまで怒っていた男性の表情が一瞬で青ざめた。
「ま、丸田先生」
先生!?え、先生がこんなふくそうしてみて回っているの!?と、私達全員が驚きの声を上げたのは必然だと思う。
「湊。よく泣かなかったわね。いくら、状況を知らないとは言えど、言っていい事と言っちゃいけない事あるぐらい……大人なんだから分かるわよね?……本当、こんな奴が入ってくるから、私の仕事が多くなるのよ。主も嘆いているわ」
と、言いながら喚く男性の首根っこを捕まえて、引き摺って行く丸田先生と呼ばれた女性。いや腕力凄い!?その後、廊下の奥の方から「悔い改めろっての!」やら「鉄拳聖裁!」などの声が聞こえてきた気がしたけれど、気のせいと思いたい。うん。
「……丸田先生、怒ると怖いんだよね……流石、風紀委員会の顧問教師だよね」
「あ、あはは……気を付けよ……」
「いや、華那。それで済む話しじゃないよな!?暴力振るってるよな、あれ!?」
「有咲……深く考えちゃダメだよ?」
「華那ちゃん、諦めてない?」
「そうだよね。ウサギは可愛い」
「いや、おたえ……ウサギ関係ないから」
後はいつも通りの流れになったけれど、本当に羽丘の先生達もこういう行事ごとにノリノリなのにはびっくりした。え?丸田先生ぐらいなの?そんな話しをしつつ、華那と一緒にレジ打ちをしていく。
途中、友希那先輩のクラスの出し物を見に行きたいと言っていた華那。それを蘭に伝えたら、クラスの全員が華那はもう仕事終了という事にしてくれて、後はゆっくり文化祭回っていいという話しになった。本当、皆から愛されてるね、華那。
「うーん……愛されているのか、オモチャにされているのか……ちょっと複雑なところでもあるかな?」
と、メイド服のまま、車椅子に乗って移動している華那は複雑そうな表情を浮かべていた。でも、みんな心配しているのは間違いないよ。そう私が言うと、どこか儚げな笑みを浮かべたのだった。どうしてそんな笑みを?そう聞きたかったけれど、すぐに楽しそうな表情を浮かべていたから、問う事は出来なかった。
「あ、華那ちゃんだ!って、車椅子!?ギャピ!?」
「ミカ五月蠅い!で、華那。大丈夫なの?話しはこっちも聞いてるよ」
友希那先輩のクラスへ行く途中、この前の演奏会で、華那と一緒に演奏した吹奏楽部の植松さんと明石さんに出会った。のだけれど、植松さんが明石さんに鉄拳制裁されていて、私達は固まるしかなかった。
「あ、アハハ。だいじょぶです。ここ数日は体調良いんです」
「そっか……無理は禁物だからね。いい?」
と、優しく華那の頭を撫でる明石さん。その横でフラフラと立ち上がる植松さん。凄い鈍い音してたけれど、この二人にとってこのやり取りはいつもの事らしい。あー……つまり、香澄と有咲のやり取りみたいなものかと勝手に納得していると
「あ!そうだ。華那ちゃんちょっと待ってて!」
「え?あ、はい?」
何か思い出したのか、両手を合わせて、どこかに走って行ってしまった植松さん。しばらく、明石さんと皆で話していると、CDケースを持ってきた。なんだろう?そう思っている私の前で、植松さんが華那にそのケースを渡した。
「はい、これ!この間の演奏会の映像!」
「え?……あ、ありがとうございます!」
受け取った華那は、一瞬驚いた表情を浮かべていたけれど、すぐに満面の笑みで感謝を伝えていた。いいなぁ。それ私も欲しいな……無理だと思うけれど。チラリと表紙を見たら、きちんと表紙まで作られていた。ギターを演奏している華那と、指揮棒を振るっている植松さんが中央に写っていて、その背後にステージ全体の写真が写っている構図。
裏も見せてもらったら、演奏曲もきちんと表記されていたのもそうだけれど、演奏していた時の、ステージ風景がいくつもあって、これプロのライブ映像ディスクじゃない?ってぐらいの出来だった。え?中には華那と吹奏楽部、一人一人きちんとプロフィール書かれてる?売り物ですよね?
そんな話題で盛り上がっていると、友希那先輩とリサさんも合流して、皆で話しながら色んなクラスの出し物を見て回ったのだった。ただ、友希那先輩もリサさんも、華那のメイド服姿を見て驚いていた。どうしてそうなったのかを説明したら、納得していた。あのクラスなら仕方ないわね――って。
最後に、華那のクラスに戻ると、写真を撮るという話しになって、私達も一緒にと言われるがまま、車椅子に乗った華那と、着物姿の蘭、そして私達を中心にして集合写真を撮ったのだった。
文化祭も無事に終わって、私と華那は病院に来ていた。本当は皆で――と、言いたい所だったのだけれど、病院に迷惑になるとの判断で私になった。病院に着くまでの間も、華那と会話をする。今日楽しかった事、驚いた事とか色々と話していた。でも、なんでだろう。華那の目がどこか遠い所を見ているような……そんな気がする。
病室に戻ってきて、華那がベッドに座って
「ねえ、沙綾……お願いがあるんだ」
突然の言葉に、私は嫌な予感しかしなかった。今日一日の華那の様子が気になっていたから。華那は病室に備え付けてある、テレビのある棚から
「これ、
「華那、ふざけないで!」
笑みを浮かべながら言う華那に、私は怒鳴ってしまった。そんな事、華那の口からは聞きたくなかったし、どうして今、それを私に預けようとするの!?華那は小さく微笑んで
「ごめん……でも、
「なんで……なんで……諦めちゃダメだよ華那。だって初期なんだか――」
華那の行動に、私は理解できなかった。だって、諦めないって言った言葉は嘘だったの?それに、
「ごめんね、沙綾。私ね……本当は
シリアスさん「え?シリアス無いと思った?残念あるんです」
読者の皆様「ヤメレ」
シリアスさん「大臣!?」