読者の皆さん「ああ、そうだシリアスさん……だから俺達は――」
シリアスさん「あれは――嘘だ」
読者の皆さん「やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
シリアスさん「え!?そこで喜ぶの!?」
あれだけ、偉そうな事言っておいて更新するこのダメ作者……。
でも、今回の話しはガイドラインには抵触しない内容だから、セーフのはず……。
私、本当にどう言えばいいかわからないんだけど……たぶんあなた達に謝罪をしないといけないと思う。
部屋には制服を着た私と、布団の中で眠ったように横になっている華那だけ。今日は華那の通夜だ。改めて華那の表情を見れば、入院前に比べてかなり痩せこけてはいるけれども、穏やかな表情を浮かべていた。
華那の頬を撫でる。冷たい感触が私の手に残る。ああ、穏やかに眠っているように見えていたけれど、やっぱり華那は――
「友希那!!」
「友希那先輩……」
と、改めて現実を受け入れるしかないと思っていた時だった。部屋にリサと山吹さんが入ってきた。立ち上がって、振り向いた瞬間、リサが私を抱きしめてきた。ちょっと、リサ。苦しいわ。
「友希那ぁ……大丈夫?本当に大丈夫?」
「ええ……大丈夫よ。だから、少し力緩めて頂戴、リサ」
「うん……」
と、私と見つめ合うような形になるリサの目には涙が浮かんでいた。私の事を心配してくれていたのだろうけれど、華那の前よ。少しは落ち着いて頂戴。
「ごめん……華那もごめんね。騒いじゃって」
と、私の横に立って華那に謝るリサ。山吹さんもそれを見てリサの隣に立って、静かに眠るように横になっている華那を見て
「華那……今にも目を覚ましそうな感じですね……」
そうポツリと呟いた。ええ。本当にね……。私はそうとしか言えなかった。実際問題、今にも目を覚まして「おはよう、姉さん」って、言い出しそうなぐらい、穏やかな表情なのだもの。
「華那……本当にお疲れ様……向こうで、アタシ達の事……見守……って……いてよね……」
「リサ……」
気丈に振る舞っていたリサだったけれど、最後は我慢できずに涙を零しながら、目を覚ます事の無い華那に語り掛けていた。リサ、無理しないでいいのよ。華那も、無理してまで、明るく振る舞って欲しいだなんて思っていないはずよ。
「うん……うん……」
私の言葉に泣きながら頷くリサを抱きしめて背中を撫でる。山吹さんは泣く事は無かったけれども、涙を堪えているように見えた。山吹さんと声をかけると、私の方を見て、小さく笑みを浮かべると
「友希那先輩。華那……本当、穏やかな表情で安心しました。きっと……いえ。絶対、私達の事見守ってくれますよ。華那、心配性だから」
「……そうね。あの子、自分の心配より
山吹さんの言葉に、私はそう答えた。最後の瞬間まで、私の心配をしていたぐらいの妹よ。きっと――存在しているか分からないけれど、天国で私達の事を心配して見守っていてくれているわね。
「友希那さん」
「友希那先輩」
そんな話しをしていたら、今度は紗夜と美竹さんがやってきた。華那に会いに来てくれたのね。代わりにお礼を言うわ。ありがとう。それと……ごめんなさいね。皆に辛い思いさせて。
「いえ……友希那さんが謝る事ではないですよ。……華那さんも、そう思っているはずです」
「そう……ですよ。華那なら、絶対にそう思っているはずです」
二人とも、沈痛な表情を浮かべながら、私にそう言ってくれた。そうね。今までなら、華那がすぐ「姉さん、謝らないでよ!」って、声を上げてみんなで笑い合えていた。でも、そんな光景は二度と起きえない。本当……傍にいなくなったのね……華那。
私が黙ったからか、四人とも下を向いて黙ってしまっていた。ああ、ごめんなさい。少し、華那のことを想っていたのよ。と、言ってから会話をする。ここ数日、学校を休んでいる私。リサが植松さんと明石さんにお願いして、授業の内容をノートにとって貰っているらしい。
「ただ……ミカのノートについては期待しない方がいいよ……」
「……でしょうね」
リサが言い難そうにそう言ってきたけれども、正直に言って失礼かもしれないけど、植松さんがきちんとノートを取っている姿が想像できないわね。それで、美竹さん。クラスの方は……そう。やっぱり皆、落ち込んでいるのね。簡単に切り替えられたらどれだけ楽だったからしね。
「今日の通夜……クラス全員来る事になってます……」
「全員?美竹さん、本気ですか?」
「え、蘭?」
申し訳なさそうに話す美竹さんに、驚きを隠せない紗夜と山吹さん。私も驚いているけれど、それだけ華那が……あの短い期間でクラスに溶け込めていたという証拠。本当……愛されているわね、華那。
そんな話しをしているうちに、そろそろ会場で最後の準備をしないといけない時間になった。四人とも華那との別れを惜しむように、会場で――と、私に言ってから部屋を出て行った。静かになった部屋で、私は華那の頬をもう一度撫でて
「華那……貴女の姉でいられたこと……誇りに思うわ。だから、ゆっくりと休みなさい。私はまだ頑張るから」
そう言って、父さんと母さんがいる会場へと向かう。会場の入口には、華那が生前使っていた、黒のエピフォンのギターと、あのレスポール・アクアブルーのギターが飾られていて、その二つのギターに挟まれるように大型のモニターが置かれていた。
流れている映像は、華那の最初で最後のオーケストラとのライブとなったライブ映像が流れていた。他にも、病院の中庭で演奏した「Brotherhood」の映像に、夏休みのライブハウスの演奏。中学時代の私と一緒にライブをしていた映像などが流れている。
これは、まりなさん達が必死になって集めてくれた映像を編集したものらしい。華那が生きていた証を多くの人に見てもらいたい――と、まりなさんは涙を浮かべながら話してくれた。その想いを無碍にする訳にいかないし、何よりも……私自身。多くの人に華那の演奏を観てもらいたかったから、会場の担当者さんにお願いして設置してもらった。
会場に入ってすぐに目に入ってくるのは、壇の上に飾られた満面の笑みを浮かべた華那の写真。その両脇には多くの花輪。華那のクラス一同から、羽丘学園吹奏楽部一同、羽丘学園有志一同、CiRCLE、パスパレ――そして華那が生前、好きだと公言していた声優アーティスの名前すらあった。最初それを見た時は何かの悪戯かと私達家族は思った。でも、ご本人からの手紙までついていたのだから、本物だろう。
他にも華那がお世話になった、隣県のライブハウスオーナー窪浦ヒカルさん。そして「FWF実行委員会」からもきていたのだから、驚きを隠せなかった。
「本当……皆に愛されていたのね……華那……」
写真の中で笑う華那を見上げながら呟く。もうじき通夜が始まる。別れの時は……もう、目の前に迫ってきていた――
通夜が始まってから、参加者のほとんどが泣いていた。父さんが今日来てくれた皆に、生前かなと関わってくれた事への感謝の言葉を伝えていた。その光景をどこか遠い国で行われているスピーチに見えたけれど、華那はもういないのだと自分に言い聞かせる。じゃないと、心のどこかで、視界のどこかで華那を探してしまいそうだから。
父さんの話しが終わり、式も最後のお別れの時間となった。希望者が棺に入っている華那を見て、何か一言二言話しては涙していた。その光景を見て、改めて華那の人望の厚さと言うべきかしら。人間関係の良好さを目の当たりにしていた。本人がもし見ていたら、苦笑いを浮かべているところかもしれない。
『私。そこまで、大した人間じゃないよ』
って、言いそうね。……ダメね。華那がいたら――と、つい考えてしまう。本当に、華那に知らず知らず支えられていたのね……私は――
「華那、約束したよね!今度は私も一緒にギターやるって!!」
「おい、香澄!落ち着けって」
そんな感傷に浸かっている私の耳に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。ただ、その声も涙声が混じっていた。声のした方は――棺の方ね。そちらを見れば、市ヶ谷さん達に宥められている、泣きじゃくる戸山さんの姿があった。
そうよね……そう簡単に気持ちを切り替えられる訳がない。私だって戸山さんのように華那の名前を叫びたい。華那がいない事を嘆きたい。でも……私は、華那の姉。華那を心配させるような真似はしたくない。
だからと言って、戸山さんの気持ちを否定する訳じゃない。ああやって、気持ちを前面に出せるというのは羨ましいと思う自分がいた。目元に浮かんだ涙を拭い、戸山さんの所へ歩み寄る。
「戸山さん」
「友希那先輩……」
頬を伝い落ちる涙を隠す事をせずに、戸山さんは私を見る。私は戸山さんを抱きしめ
「ありがとう……華那の為に泣いてくれて」
「ゆき……な……せん……ぱい……わたし……わたし……!!」
私の腕の中で泣く戸山さんに、私は何も言わなくていいわと伝えて、背中を優しく撫でる。貴女の気持ち、華那にも届いているわ。
「は……い。はい……!」
大勢の人に見られていたけれど、気にせず、私は戸山さんが落ち着くまで彼女の背中を撫でた。ふと顔を上げれば、私達の周りにはいつものバンドメンバーが集まっていた。全員が涙を浮かべ、抱き合うように泣いている子もいた。華那……貴女の為にこれだけ心を痛めて、涙を流してくれている人がいるのよ。
「華那……貴女の姉でいられて本当に……良かったわ」
葬儀も終わり、家に帰ってきた私は華那の部屋にいた。父さんも母さんも、しばらくは華那の部屋はそのままにしておくと言ってくれた。いつか、整理しないといけない時が来るだろうけれど、今は――
「華那……」
華那が使っていた机を触る。つい数か月前まで、この部屋で華那と音楽の話題で話しをしていた事が昨日のように思い出される。心配させる事も、迷惑かけた事も、喧嘩もたくさんしてきた。
Roseliaだって、華那がいなければ結成できなかった。私達の夢の為に、華那が奔走してくれた。それなのに、私は華那に何も返す事が出来ないままだった。
「あら?これは――」
ふと、机の引き出しが少し開いていたのが気になり、開けてみると、そこには一枚の手紙が丁寧に置かれていた。表紙には何も書いていない。裏を見ると――
「……あの子は……本当……いつこんなの書いたのよ……」
涙が一つ零れ落ちた。だって、仕方ないじゃない。裏に「姉さんへ」って、書いてあったのよ。私宛なのに、裏側に書いたのはどうしてか聞きたい所だったけれど、手紙の封を開ける。綺麗に三つ折りに畳まれた便箋が
大好きな姉さんへ
この手紙を見つけたって事は、私が病気に負けたって事だと思う。まさか、小説や漫画とかで、よくある手紙の文章を書く事になるだなんて思わなかったよ。
姉さん。先に言わせて。ごめんね。姉さんとの約束守れなかった事。必ずスタジアム級のライブやって、あの賞を取るんだって……。それで父さん達の音楽を否定した人達を見返すんだ――って、約束したのにね。それを私が破る形になっちゃった。本当ごめん。
私はいなくなっちゃったけど、どんな形でも姉さんは音楽続けてね。約束なんて果たそうだなんて考えないで。Roseliaだったら、Roseliaとして。ソロでやって行くって言うのなら、姉さんの考えで音楽をしてほしいんだ。私との約束に囚われて、視野が狭くなるのだけはやめて欲しいんだ。
姉さん、集中しすぎると視野が狭くなる悪い癖あるから、心配だよ。もし、自分の行く道で悩んだのなら、父さんと母さん。Roseliaの皆や、他のバンド、まりなさん達に相談してよね?一人で抱え込まないで。
姉さん。今だから正直に書くけど……。私、Roseliaの事、ずっと羨ましかったんだ。必死になってバンドメンバー集めに奔走したけど、私はそのRoseliaのメンバーじゃない。部外者だったから。
Roseliaの演奏する音楽の中に私も入りたい。そう思った事は何度もあるんだ。尊敬するギタリストのように才能がある訳じゃないし、私の音はRoseliaには合わないのは理解していたよ?でも、ライブで輝く姉さん達の姿を見る度に、私もあの中に入りたい――って、強く思っていたんだ。
でも、それも、もう叶う事は無い。だからね、姉さん。私、向こうでずっと見守っているから。姉さん達が
どのタイミングでこの手紙読んでいるかなんて分からないけれど、私が最後に姉さんに伝えたいのは、私の為に悲しんでくれるのは嬉しい。でも、いつまでも下を向いていちゃダメ。顔を上げて、前を向いて、自分の足で、自分の為に未来へと歩いていって。
タイミングによっては、キツイ言葉かもしれない。でも、姉さんならできる。私はそう願っているし、信じている。繰り返しになるけれど、私の為に。私との約束の為に音楽をしないでね。姉さんの音楽は私の為にじゃないんだよ。多くの人に聴いてもらう為。自分の為に音楽をしてね。
だいじょぶ……私。本当に幸せだったよ。最後に一つだけ伝えたい言葉があるんだ。姉さん。姉さんはね、私にとって世界一の歌姫だよ――
「華那……華那……ああぁぁぁ……」
私は手紙を胸に抱いて、声を上げて泣いた。バカよ、華那。病気と闘っていた時に、自分の心配じゃなくて、私の心配をするだなんて……本当、大バカよ。それに、自分の評価低すぎるわ。私は……伝えられなかったけれど、貴女をRoseliaの一員として迎えようとしていたのだから――
「貴女にとって……私が世界一の歌姫だというのなら……私にとって……華那、貴女は世界一のギタリストよ……」
涙を流しながら、華那に届く事の無い言葉を紡ぐ。私のせいで歌えなくなったのに、私を恨むことなく、逆に支えてくれた華那。ありがとう。でも、これからも一緒よ。私達の夢。Roseliaで叶えて見せるわ。もちろん、無理強いはしないし、囚われないわ。だから、貴女も一緒に頂点に立つわよ。
そう、涙しながら心の中で決意を固めた私は、その手紙を持って自分の部屋へと戻った。華那への想いを形にする為に――
その私の華那への想いが形になったのは、葬儀が終わってから一週間後の事だった――
その……なんだ……
未完のままのほうがよかったかな?なんて思っちゃったりしちゃったりして?
まあ、GWだしね、一部で緊急事態宣言出るしね?一話ぐらい更新しても大丈夫だよね?……多分。うん。
あ、あとアンケートやってみます。お答えいただければ幸いです。
今後も更新を続けるべきですか?
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続けて欲しい
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ガイドライン違反に当たるからやめるべき
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猫可愛い