Sisterhood(version51)   作:弱い男

72 / 84
シリアスさん「見て、小説書かなくなった作者がゲームして楽しんでるよ。」

読者の皆さん「可愛くねぇ―よ」

シリアスさん「皆が続き続き言うから、仕事終わっても険しい表情でPCと睨めっこしているよ。お前らのせいだよ。あーあ」

読者皆さん「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

作者「あの……そんな表情してないですよ?」

シリアスさん「え?」

作者「え?」

読者の皆様「そんなのいいから!いいから続きだ!!続きを出せ!!(作者の財布を漁りながら)」

作者「小銭しかないよ!?」




#71

 アタシにとって、本当の妹のような存在だった華那の葬儀が終わってから一週間が経った。華那がいなくなった事に慣れない自分がいるのに、それでも世界はいつも通りに回っていて、華那なんて最初からいなかったんじゃないかって不安になる。

 そんな不安な心情を紗夜に吐露したら、紗夜も同じような心情だったらしくて、同じ感覚を持っている人がいる事に、アタシは安心した。

 

 そんなアタシに……ううん。アタシ達Roseliaにとって、不安な事が一つあった。それは――

 

「今日も友希那さん……学校来てませんでしたね……」

 

「うん……連絡してはいるんだけど……気付いてないのか、未読なんだよね……」

 

「……あれだけ仲の良かった姉妹でしたから……友希那さんが塞ぎ込むのも仕方ないかと……」

 

「そう……ですよね……華那ちゃん……いつも、友希那さんの事……大好きって……言ってましたから……友希那さんも……私達以上に……辛い……はずですよね」

 

 今日もCiRCLEで、友希那抜きで練習をしていたアタシ達。誰が練習を使用って、言った訳でもないけど、友希那の居場所を守るように、華那が必死になってアタシ達をまとめてくれたRoseliaを守るように、自然と集まって四人で練習をしていた。いつ、友希那がやってきてもいいように。

 

「友希那さん……大丈夫かなぁ……あれ?リサ姉。スマホ光ってるよ?」

 

「え、本当?ありがとう、あこ」

 

 小休憩の時、あこがアタシのスマホが光っているのに気付いて教えてくれたので、お礼を言ってからスマホを手に取って画面を見た。そして、その画面通知に表示されている文字を見て、アタシは固まった。

 

「今井さん?どうかしたのですか?」

 

 アタシの挙動がおかしい事に気付いた紗夜が声をかけてきた。あ、ご、ごめん。今、友希那から連絡あってさ……これからCiRCLEに集まれないかってきたんだ。

 

「はい……?」

 

「え……?」

 

「友希那さんから!?」

 

 三者三様の反応ありがとう。いやぁ……まさか、話題にしていた人物から連絡が来るだなんて、思ってもいなかったよ。ほんと、凄い偶然だよねー。あははー……。

 

「い、今井さん!落ち着いてください!偶然だろうが何だろうが、友希那さんがくるんですよね!?」

 

「さ、紗夜さん落ち着いて!?」

 

「きゅ……急すぎ……ません!?」

 

 紗夜がアタシの両肩に手を置いて、アタシの体を揺さぶる。アタシ自身、まさか友希那が急に集まれないかって言い出すとは思ってもいなかったから、これが現実かどうか分かりかねていたんだよね。

 全員が、思ってもいなかった事態に混乱をしていたけれど、アタシは友希那にもう集まっているとメッセージを送った。皆も、それには同意してくれた。ただ、友希那がどういう意図を持って、集まれないかと言い出したのかが分からなくて、アタシ達は友希那が来るまで身構えていた。

 

 刻一刻と、友希那が到着する時刻が近づいてきていた。この一週間。友希那に会いに何度も家に行ったけれど、どんなに声をかけても反応無くて、結局会えなかったから、友希那が塞ぎ込んでいないか不安で仕方なかった。

 間違いなく、友希那の姿を見たら、アタシは泣く。華那がいなくなって、友希那もいなくなったらと考えてしまった時もあって、正直に言って、自分を保てるか分からない。

 

 友希那が来る予定の時間が近づくにつれて、アタシ達の会話は無くなった。ライブ開始する前以上の緊張感が部屋の中に漂っていた。そしてその時はやってきた。

 

「皆……久しぶりね……って、どうかしたのかしら。皆、凄い緊張した顔しているわ――」

 

「友希那ぁぁぁぁ!!」

 

 友希那が部屋に入ってきて、アタシ達を見て、驚いた表情を浮かべながらそう言っていたけれど、アタシは我慢できなくて、友希那に抱きついてしまった。友希那が耳元で驚いた声を上げていたけれど、アタシは何度も友希那の名前を呼ぶ事しかできなかった。

 

「リサ……ごめんなさいね。心配かけたわね」

 

「友希那ぁ……」

 

 優しくアタシを抱きしめて、背中を撫でながら宥めてくれる友希那。友希那の顔を見れば、少しやつれたように見えた。きちんと食事取ってた?本当に大丈夫なの?

 

「もう……リサ、きちんと食べていたわよ。そこまで心配しなくても大丈夫よ」

 

「だってぇぇぇ……」

 

「友希那さん……本当に大丈夫なのですね?」

 

 紗夜が心配そうに友希那に聞いたけれど、友希那は頷いて大丈夫だと伝えたけれど

 

「ただ……」

 

「友希那?」

 

「友希那さん?」

 

 言い淀む友希那に、皆が心配そうな表情を浮かべて次の言葉を待っていた。何を言うのか。Roseliaの今後についてなのか、それとも――

 

「やっぱり、華那のいない日常には慣れないわね……どこか……華那が私に声をかけてくるんじゃないかって……思ってしまうの」

 

「っ……」

 

「それは……」

 

「友希那さん……」

 

「そう……ですよね……」

 

 友希那の言葉にアタシ達は言葉が出せず、静まり返った。どう友希那に声をかければいいのか、アタシ達は悩んでしまったから。一番辛いのは家族である友希那。でも、アタシ達も華那のことを想うと辛い。

 

「ああ……ごめんなさい。暗い話をしてしまったわね。……今日、集まってもらったというか、私が来たのには理由があるわ」

 

 友希那は、アタシ達を見ながら謝り、話題を変えた。皆も、それについては疑問に思っていた。一週間。沈黙を保っていた友希那が、唐突に集まって欲しいって何があったのだろうか――って。

 

「これを見て欲しいの」

 

 と、友希那が取り出したのは楽譜。なんでこんな時に楽譜?そんな想いを抱きながら、アタシ達全員、楽譜を中心にして円になるように座って、友希那が持ってきた楽譜に目を通す。これは――

 

「華那への想いを全部込めて作り上げた新曲よ。……一週間もかかってしまったわ」

 

 友希那は黙って楽譜を見ていたアタシ達に、この楽曲について説明をしてくれた。

 

「タイトルは決まっているわ。『軌跡』よ」

 

「凄い……この楽曲を一週間で?」

 

「一番は……ピアノと……友希那さん……だけなんですね……」

 

「ロックバラードですよね?あこはいいと思います!」

 

「……」

 

 友希那の説明にアタシは驚いた。一週間で、ここまで楽曲を作り上げてきた友希那。きっと、アタシが家に行った時も、楽譜に音を落とし込んでいる作業をしていたのだと思う。友希那、集中しすぎると周り見えなくなるから……。

 

「それで、来月の月命日に……華那の追悼ライブをやろうと思うのだけれど……どうかしら?」

 

「追悼……」

 

「ライブ?」

 

 友希那が提案してきたのは、一か月後にライブハウスか会場を借り切って、華那と縁のあったバンドに声をかけて、ライブをするというものだった。できれば、羽丘学園の吹奏楽部にも声をかけたいところだけれど、オーケストラ編成の入る会場となると限られてくるから難しい。

 

「追悼ライブかぁ……あたしも賛成だよ。華那に、アタシ達は大丈夫だよって気持ち込めて演奏しよう!」

 

「はい!あこも全力で、華那さんに気持ち届けられるようにドラム叩きます!」

 

「わ、私も……いいと思います」

 

「ありがとうさ、三人とも。……紗夜は反対……かしら?」

 

 アタシ達の賛成の声に、小さく微笑む友希那だったけれど、唯一、黙って楽譜を見ていた紗夜。紗夜は友希那の声に気付いたようで、慌てて

 

「い、いえ。追悼ライブは賛成です。ただ――そのライブだけでもいいので、この個所からギターソロ入れたいのですが――」

 

「ギターソロ?」

 

 ある個所を指さしながら提案する紗夜に、首を傾げながら友希那はその個所を見る。その個所というのが、二番のサビが終わりの部分だった。でも、ギターソロを入れたいって珍しいね、紗夜。

 

「ええ……この楽曲なら、()()()()()()()()()()()()()()()()()を奏でられそうですから……」

 

「あの楽曲?」

 

「紗夜さん、それ。どの楽曲ですか?」

 

 全員が紗夜の言葉に首を傾げる中、紗夜はギターを用意して、演奏して見せるというので、全員それを聞いて判断する事になった。

 

「では、演奏します――」

 

 そう言ってから、紗夜が奏で始めたメロディは、とても激しくて、それでいて切ないメロディ。ただ、そのメロディはまるで華那が演奏しているような――そんな錯覚すら覚えるメロディ……。

 

「ROOTSのギターソロね……」

 

 演奏が終わってから、友希那が小さく呟いた。もしかして……華那が尊敬していたギタリストが組んでいるグループの楽曲?アタシが友希那に聞くと、小さく頷いて

 

「それを合わせるのなら、二番サビの後に歌う『伝えたい』をもう少し伸ばした方が良さそうね。あと、ギターソロ最後の音、もう少し伸ばしてもらっていいかしら?」

 

「そうですね……ギターソロ最後の音は伸ばすのですか?……なるほど、それで一度無音になってから『ありがとう』に入るのですね?」

 

「ええ。その方が、楽曲としてROOTSに近くできるはずよ」

 

 アタシ達三人を置いて、友希那と紗夜の二人は曲の編曲について話し合いを始めてしまった。あちゃー……こうなると、二人とも周り見えなくなるからなぁ……。なら、アタシ達はライブの会場リサーチと、参加してくれそうなバンドに声かけてこよっか?

 

「あ……そうね。リサ、あこ、燐子。頼んでいいかしら?」

 

「まっかせてくださーい!!あこ、色んなバンドに声かけてきますね!!」

 

「あ、あこちゃん……ちょっと待って……私も……一緒に――」

 

「じゃあ、あたし達は、まず、まりなさんに相談してくるねー☆」

 

 そう言って、アタシ達三人も行動へと移した。追悼ライブの会場をどうするか、考えなきゃいけない。なにより、お客さんを呼ぶのだからチケットの問題もあるしね。こういう時は、まりなさんに相談するしかない。

 楽曲については、後で打ち込みだけど、音源を全員に渡すって友希那言っていたから、そこから少しずつアレンジを加えていく方向。「軌跡」かぁ……。歌詞を見させてもらったけれど、友希那の華那への想いが詰まったものになっていたなぁ。一週間でこれだけの楽曲を作れるなんて、やっぱり友希那は凄いよ。だからこそ、しっかりアタシ達で支えなきゃ。

 

 悲しいのはみんな一緒。でも……今までは華那が隣で友希那を支えていた。その代わりって訳じゃないけれど、アタシも華那ぐらい友希那を支えないと。あ……ダメだ。華那の事想うと涙出てきそうになる。辛いのはアタシだけじゃない。我慢我慢。

 

「まりなさーん!!」

 

「あ……あこちゃん……待って」

 

「あははー。あこは元気だねぇ!」

 

 ちょっと涙が浮かんでいたアタシだったけれど、あこが勢いよくまりなさんに突撃していくのを見て、自然と笑えた。華那……絶対、ライブ成功させるからきちんと見ていてね。そう、こころの中で呟きながらあこと燐子と一緒に、まりなさんに来月の月命日に近い日で華那の追悼ライブをしたい事を伝える。

 

「追悼ライブか……いいね。私もCiRCLE内で何かできないかなって、スタッフの皆と話していた所だったんだ。なら、いつものバンドに声かける感じかな?後、誰呼ぶ予定かな?」

 

「友希那も言っていたんだけど、羽丘学園(うち)の学校の吹奏楽部を呼びたいって思っているんだけど……」

 

 アタシの言葉を聞いてまりなさんは右手を顎に当てて、悩む素振を見せる。オーケストラ編成を思い浮かべていると思うけど、CiRCLEのライブ会場だと入りきらないよねぇ。

 

「よし!CiRCLE主催にして、市民会館大ホール借りちゃおう!」

 

「「「ええええええ!!??」」」

 

 まさかの提案に驚くアタシ達。いや、この追悼ライブどうなっちゃうの――

 

 

 

 一方、その頃

 

「そういえば友希那さん」

 

「何かしら、紗夜?」

 

「今井さんが心配していましたけど、家に行って声をかけても返事が無かったと」

 

「それは……リサに悪い事をしたわね」

 

「……なにをしていたのですか?」

 

「イヤホンして、音を確かめつつ作曲していたのよ」

 

「……あまり、心配かけないでください」

 

「善処するわ……」

 




更新は
忘れた頃に
やってくる

作者心の句もどき

今後も更新を続けるべきですか?

  • 続けて欲しい
  • ガイドライン違反に当たるからやめるべき
  • 猫可愛い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。