Sisterhood(version51)   作:弱い男

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シリアスさん「へへ……評価なんかいらねぇ、感想もいらねぇ」

読者の皆さん「?」

シリアスさん「読了ツイートもいらねぇ……推薦もいらねぇ……誰が公式なんか、削除なんかこわくねぇ!」

読者の皆さん「唐突にどうした!?」

シリアスさん「やろぉぉぉぉぉ、ぶっ投稿してやらぁぁぁぁ!!」

読者の皆さん「投稿は嬉しいけど、ネタに走るのはヤメレ!?」

作者「(訴えられたら負ける戦なんだよなぁ……)」

シリアスさん「あ、でも、感想とか全部やってくれると嬉しいな」

読者の皆さん&作者「あれだけ騒いでて、求めるのかよ!?」


#72

 華那の葬儀から一週間と数日が経った、ある日の午後。ポピパとして久々に練習をしようという話しになって、CiRCLEにやってきていた。この一週間。集まる事は集まってはいたけれど、まともな練習をする事なく、ただ、皆で集まって勉強会だったり、お喋り会を有咲の家でしていただけだった。まるで、皆で音楽の話題を避けるかのように――

 

 ただ、このままじゃいけないと、私は華那から預かった手紙を持って、皆で読む事にした。その内容は、今の私達を動かすには十分な内容だったんだ――

 

 

 

 ポピパの皆へ

 

 この手紙が、皆に届いているって事は、私がいなくなったって事だと思う。自分の事なんだけど、どこか他人事のように思えるのはなんでだろうね。きっと、書いてる時点では生きていたからだとは思うんだけれどね。

 この手紙は、沙綾に預けたけれど……ポピパの皆に宛てた手紙。どのタイミングで皆が読んでいるか分からないけれど、私の気持ちを全部込めて、書き上げるから、しっかりと受け止めて欲しいかな。

 

 皆とは、短い期間だったけれど、本当に仲良くしてもらって、まるでポピパのメンバーの一人ように思えたんだ。夏にオープニングアクトで一緒に演奏したKMGは、本当に楽しかったし、本当に嬉しかったんだ。私の我が儘に、皆が応えてくれた事。一緒になってどうアレンジにしようかって話し合えた事。練習をした事。

 お泊り会とか、海に行った時も本当に楽しかった。オーケストラライブの時も、皆が見に来てくれたのは本当に嬉しかった。入院して、病気と闘っている時も見舞いに何度も来てくれた事、本当にありがとう。

 

 本当、皆ともっともっと色々な事をしたかった。でも、それはもう叶わない。皆、私に対していろんな感情を抱いてくれていると思う。でも、私はもう過去なんだよ。今、皆は未来に向かって走らなきゃいけない。走るのが辛いって言うのなら、歩かなきゃいけない。

 キツイ言葉だとは自覚してる。でもね、私自身、ずっと悲しまれるより、皆が自分達の道を進んで行く事の方が大切だと思うんだ。私を忘れて――と、言うのは、ちょっと大袈裟かもしれないし、皆が怒りそうだけれど、皆は今この瞬間も生きていて、世界はクールに回ってる。

 

 だから、ずっと悲しんで行動しないでいたら、私、皆の夢の中で怒るからね。いつまでもクヨクヨしてないでよ!って。

 

 だからね、皆。楽しんでいいんだよ。やりたい事やっていいんだよ。私の事を想って、何かしようにも躊躇うのだけはやめて。私はね、皆の足枷にはなりたくはないの。

 これは友人としての最後の我が儘で、お願い。いつか、皆の旅路が終わった時に、私にたくさんの事を話して欲しいんだ。楽しかった事、嬉しかった事、悲しかった事、それまで見た景色……全部聞かせて欲しいな。

 

 皆。これからまだ長い旅路が続いていくけれど、たくさん楽しんで、笑い合って。私が向こうで羨ましがるぐらい、沢山の笑顔を見せて。それが私の最後の我が儘。だいじょぶ。私ね、本当に皆に会えて幸せだったよ。

 

最後に……また、ライブ一緒にやろうって約束、守れなくてごめんね。

 

 

 

 

 皆、泣きながら、何度も何度も華那からの手紙を読み直す。華那の想い、願いは私達に確かに伝わった。本当、バカだよ華那……自分が本当は辛くて逃げ出したくて、泣きたいはずだったのに、私達の事を心配して手紙残すだなんて……。本当、華那のバカ。

 

 その手紙を読んだ後から、私達は楽曲作りを始めた。今度のライブで披露する。そう決めて。色々な案を出し合って、ある程度の形になって、今日。CiRCLEで一度合わせてみる事になった。

 まりなさんに会うのもなんだか久しぶりな気がするけれど、まだ一週間しか経っていないんだよね……。CiRCLEのスタッフの皆さんも、どこか元気が無さそうに見えた。

 

「お、ポピパの皆来たね!」

 

「こんにちは、まりなさん!!」

 

「こん……ちは……まり……なさん」

 

 元気よく挨拶する香澄に、息を切らせながら挨拶をする有咲。来る途中、走りだしそうな香澄を何とか止めていたからね。まあ、香澄の気持ちは分からなくもないよ。新しい楽曲……華那との思い出を込めた楽曲を合わせるんだから、気持ちが(はや)っても仕方ないかな。

 

「ポピパの皆に、ちょっとお願いがあるんだ」

 

 部屋を借りる手続き時をしている最中、まりなさんがそう切り出してきた。全員で顔を見合わせて、何だろうと首を傾げる。まりなさんは、そんな私達の様子を見て小さく笑いながら

 

「来月、CiRCLE主催で、華那ちゃんの追悼ライブやるんだけど、参加しない?」

 

 

 

 華那が亡くなってから、一週間。その間、あたし達の“いつも通り”は少し――ううん。完全に崩れてしまっていた。あたしのクラスも、今までのように誰かがバカな事を言って笑い合っているような、そんな風景を見る事は出来なくなってしまっていた。

 

「全く。こんな状況を華那の字が見たら、心配になって夢に出てきてしまうじゃろうが……」

 

「そういう、ノッブも落ち込んでる一人じゃないですかー。やーだー……」

 

「あんたらは、あんまり変わらないね……」

 

 あたしの目の前で行われている、尾田さんと沖野さんのやり取りに、呆れた口調であたしは呟いた。沖野さんは少し困ったような表情で浮かべつつ

 

「まあ……悲しんだ所で、華那さんが戻ってくる訳じゃないです……華那さんの事は忘れませんが、私達は前を向くしかできないんですよ」

 

「そういう事じゃ。っと、言ってもな……誰も悲しむなとは言っておらん。悲しんで悲しんで……それで、また立ち上がって、一歩ずつ前に向かって歩くしかないんじゃよ」

 

 何故か竹刀の先端を床につけ、両手を竹刀の持つ柄*1?に置く尾田さん。いや、なんでそんなポーズ取るの……。そんな事を思いつつ、ここ数日で、静まり返ってしまっているクラスの中、あたしはショートホームルームが始まるのを待った。

 

「……全員座っているな。今日は、お前達に大切な手紙預かってきた」

 

 上条先生が教室に入ってきて、全員席に座っているのを確認してから、そう切り出してきた。その言葉に、教室がざわつく。手紙と聞いて、あたしもこのタイミングで誰が送ってきたか分かってしまった。……華那だ。間違いなく華那が生前書き残した手紙に違いない――そんな予感がしていた。

 

「送り主は……湊華那だ。お前達の事を心配して、書き残していたらしい」

 

「華那ちゃんが!?」

 

「嘘……」

 

「なんで今になって?」

 

 上条先生の言葉に、様々な声が上がる。確かに、今になって手紙が届いたことには疑問はある。そんな騒がしくなったクラスを静かにさせる為に、教壇を何回かノックでもするかのように叩いて、視線を注目させる上条先生。

 

「この手紙……湊が生前、親友に預けたものだ。その親友もこの手紙を届けるまで、かなり落ち込んでいて、渡すのが遅れたとの事だ。そのぐらい許してやれ」

 

 そうだったんだ……。預かったのは誰だろうかとあたしが考えた時に、すぐ思い浮かんだのは沙綾だった。沙綾と華那は中学時代からの親友って聞いた事がある。あたし達にはない絆のようなもので繋がっていたから、華那が沙綾に託した可能性は高い。

 

「本当なら、一人一人にコピーでもして渡そうかと考えたが、そうするとホームルームの時間が無くなってしまうので、私が読むぞ」

 

 有無を言わせない雰囲気で上条先生がそう言って、手紙を広げて読み始めた。

 

 

 

 

クラスの皆へ

 

 みんな元気にやっている?湊華那です。書き出しに悩んだけれど、ありきたりの「この手紙を読んでる頃~」って、書くのもワンパターンすぎると思って、こういう書き出しになりました。

 最初に、皆が応援してくれて、支えてくれたのに、元気な姿を見せる事が出来なくなってしまって、ごめんね。本当なら、皆と一緒に学校生活で、色んな事に挑戦したかった。皆と一緒に色んな景色を観たかった。

 でもね、もう私は今という時間を生きていない。もう過去になってしまった。だからね、皆。これから色んな事を経験すると思う。出会いがあって、別れが必ずあるように、楽しい事、悲しい事、困難な事とか様々だと思う。

 それはね、皆にしか経験できない事。私がいくら望んでももう叶わない事なんだ。だから、その一つ一つを大切にして、これからの長い旅路を歩んで欲しいんだ。

 

 どのタイミングで、この手紙が皆に届いているか分からないけれど、もし、今私の為に悲しんでいるなら、ありがとう。皆の気持ちは嬉しいよ。でも……皆の旅路はこれからなんだ。ずっと悲しんでいるのは無しだよ。

 高校生活は三年間しかないんだから、その三年間。充実したものにして欲しい。私に遠慮とかしないでいいからね。皆が楽しんでいるなら、それで私は十分幸せなんだ。だから、いつまでもクヨクヨしない!ずっと、クヨクヨしていたら、皆の夢に出て怒るからね。

 

 最後に、短い期間だったけれど、皆と同じクラスでいられた事……本当に幸せだったよ。だから、さよならは言わないよ。また会いましょう。バイバイ。

 

 

 

 

 

 上条先生が手紙を読み終えた後、クラスの全員が涙を流していた。あたしも……華那の手紙の内容に我慢できずに泣いていた。これ書いたのは、入院してまだ元気だった頃のはず。自分の事でいっぱいいっぱいだったはずなのに、どうしてあたし達の心配していたの、華那。

 しばらく、教室には皆のすすり泣く音だけがしていたけれど、上条先生が口を開いた。

 

「ここ一週間ぐらいか……お前達の様子見守っていたが……『いい加減、前を向け!』と今日言うつもりだった。そんな時に、湊の友人からこの手紙を託された。全く……湊の奴に教師としての仕事取られてしまったな。……で、お前達は、湊の想いを無視して、そうやってずっと下を向いているつもりか?湊はそれを望んでいると思うか?」

 

 上条先生はそう全員に語りかけた。華那が望んでいるか……そんなの決まってる。望んでなんかいない。間違いなく、華那なら、私達が笑顔でいてくれる方が、いつも通りの日常を過ごしてくれている方が、嬉しいに決まっている。でも――

 

「だからって、湊を忘れろとは言わん。同じ場所、時間を過ごしたお前達なら、湊の想いを抱いて前を向いて歩めるはずだ」

 

 上条先生の言葉は確かに私達の心の奥に届いた。涙を流しながら華那と親しかった何人かが声を上げて

 

「そうだよ!華那ちゃんはいないけれど、私達の心の中で、ずっと、一緒にいるんだよ!なら、皆で……華那ちゃんと一緒に歩もう!!」

 

「そうだね。これからも華那ちゃんも一緒だよ!」

 

 今までの暗い雰囲気が嘘のよう――華那がいた頃にはまだほど遠いけれど――明るい雰囲気で、皆の声が教室に響いた。ただ、抱き合って泣いている子もいたのも事実。でもその子達も前に歩けるようになるだろう。

 だって、華那から背中を押されたんだから、歩けなかったら本当に、華那が怒りに来るかもしれない。……華那。あたしも()()()()()の景色の中にいていいんだよね?

 

『当たり前だよ。蘭ちゃんも、アフグロの皆も、いつも通りを大切にしてね――』

 

 ふと、華那の声でそんな言葉が聞こえた気がした。あたしは誰にも分からないように小さく笑う。本当、華那の心配性には困ったものだ。もう少し自分の事を大切にしなよ。そう心の中で思いながら、あたしも前へ進む決意をしたのだった。

 

 放課後。巴達と合流して、華那からの手紙があった事を伝えると

 

「その手紙、アタシ達宛にも来てるぞ、蘭」

 

「……華那、本当、もう少し自分の心配しなよ……」

 

 巴の言葉にアタシは右手を額に当てて、盛大に溜息を吐きながらそう呟いたのだった。それについては皆も同意見だった。この手紙、どこで読もうかと話し合った結果、今日CiRCLEで練習する日だったので、そこで読もうという事になり、移動するあたし達。

 CiRCLEに着いた時、まりなさんとポピパの皆が何か話していた。何を話しているんだろう?と、言っても、あたし達も練習しに来たから、手続きしないと――

 

「まりなさん」

 

 あたしはポピパと真剣に話している、まりなさんに声をかける。それがあたし達――いや、華那とかかわりのあったバンドを巻き込む、大きなイベントが行われる事になるだなんて、その時のあたし達は想像もしなかった。

 

「あ、アフグロの皆もちょうどいい所に。来月、華那ちゃんの追悼ライブやるんだけど、参加してほしんだ――」

 

*1
沖野「柄頭(つかがしら)の事ですね。剣先とは逆の柄の先端部分の名称ですよ!コフッ!?」




作者「つれ(シリアスさん)を起こさないでくれ。死ぬほど疲れている」

読者の皆さん「ここにきて、シリアスさんが死んだ……だと!?」

シリアスさん「いや、勝手に殺すな!?あ、アンケート更新しましたので、答えていただけたら嬉しいです」

読者の皆さん「それ、作者のセリフだぞ!?」

ライブシーンでバンドリ外の楽曲を

  • タイトルだけにすべき
  • 歌詞もやっちまえ
  • 除外すべき
  • 猫猫ばっか言いやがって、犬も可愛いだろ!
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