Sisterhood(version51)   作:弱い男

75 / 84
シリアスさん「もう、ゴールしてもいいよね?」

読者の皆さん「あかん!まだ、(本編の後が)始まったばかりやないか!やっと(リ)スタートきれたんやないか!うちら(読者)の幸せは始まったばかりやないか!」

シリアスさん「もう全部した。十分なくらい――だから、もう……ゴールするね?」

読者の皆さん「あかん、シリアスさん!ゴールしたら、アカン!」




変な劇を目の前で見せられて――
作者「なぁにこれ(困惑)」



#74

 私達、Roseliaの華那追悼ライブへの練習は順調に進んでいた。新曲「軌跡」のアレンジも順調と言えるわね。今回だけ、紗夜のギターソロを追加してのアレンジも固まっているから、後は個々人の楽曲への理解度と、バンドとしての練度上げね。そう思いつつ、私はマグボトルに手をやる。

 

「ねえ、友希那。ライブの楽曲なんだけど……」

 

「リサ?何か問題でもあったかしら?」

 

 一旦休憩という事で、ギターの手入れや水分補給にお喋りと、各々好き勝手――と、言う言い方もどうかと思うけれども――やっていた時に、リサが申し訳なさそうに私にそう話しかけてきたのだった。何か問題でもあったかしら。あれだけ、話し合いをして決めた曲順よ。そうそう問題なんて――

 

「えっとさ、実はまりなさんや、他のバンドからの要望ってか、お願いがきてさ。アタシ達ってか、華那の姉である友希那がいるからって事で、ライブの持ち時間……二曲分増えちゃった」

 

 と、申し訳なさそうに言い出したリサ。……ちょっと待ちなさい。いきなり二曲増やされる私達の身にもなりなさい。だから、申し訳なさそうな表情をしていたのね、リサ……。というか、そういう話しは練習前に言って頂戴。話し合う時間が必要になるじゃない。

 

「あはは……ごめん。言い出しづらくて」

 

 と、右手を頭の後ろに当てて目をあさっての方向に向けながら謝るリサ。まあ……リサの気持ちも分からなくもないわ。でも、急に増えた二曲分どうしたものかしらね……。三人も聴いていたわよね?

 

「はい。……練習前から、今井さんの様子が少しおかしいと思っていたら、そういう事だったのですね」

 

「ごめんってばー……」

 

 腕を組み、ジト目でリサを見ながら言う紗夜にリサは謝っていた。あこと燐子も話しを聞いていたようだけれども、どうしたものかしらね。新曲は「軌跡」でいっぱいいっぱいになると思うわ。

 

「そうですよね……そう簡単に新曲作れるわけないですもんね……」

 

「そう……だね……あこちゃんも……新曲で……大変だしね……」

 

 二曲分増えたという事で、新曲を作る事を少し期待していた様子のあこだったけれども、時間が無いのを自覚してくれたのは成長ね。さて、本当にどうしたものかしら――と、考えて、一度私が提案しようとしたけれど、演奏時間を考えて辞めたカバー楽曲を提案してみましょうか。

 

「カバーやるってのはどうかしら?」

 

「もしくは、私達のセットリスト外の楽曲ですね」

 

「だねぇ……それしかないよねぇ」

 

 私の案に、紗夜が右手を口に当て、左手にはセットリストが書かれた用紙を持って思案しながらそう言ってきた。その隣で、紗夜の持つセットリストを見るリサ。そうね。私達の楽曲なら、すぐに対応はできるわね。でも――

 

「華那の追悼ライブなら……ある楽曲を私は歌いたいわ」

 

「友希那?」

 

「友希那さん?」

 

 私の言葉に、少し驚くリサと紗夜。私がすぐに楽曲について案を出すとは思っていなかった様子ね。演奏時間が増えなければ、言わなかったわよ。私はそう言って、自分のスマホを取り出して操作する。入れてあったはずよ。華那が好きだったあのアーティストの楽曲――。あった。一度、聴いてみてもらってもいいかしら?そう、私は全員に問うと、全員真剣な表情で頷いてくれた。

 

「じゃあ、流すわよ。タイトルは『TINY DROPS』よ」

 

 そう言ってから、スマホを操作して音楽を流す。ピアノの旋律から入るバラード楽曲。華那が私以外の子達に残した最後の手紙にあったという「旅路」という単語。それにリンクする形でもあるし、何よりも……今の私にピッタリな楽曲だと思う。歌詞も、曲調も。一つ問題があるとすれば……Roselia(私達)らしくない楽曲ではある。

 軌跡と似たようなピアノからの入りというのも問題がある気がするけれども、皆の反応を見ていると……大丈夫そうね。

 

「歌詞……まるで、華那へ歌っているかのような感じだね……」

 

「アコースティックの音は白金さんのシンセで同期させるとして、ギターのクリーントーンをもう少し突き詰めないといけませんね」

 

「ピアノも……結構難しいですね……」

 

「ドラムも強すぎると、楽曲壊しちゃう……」

 

 四人とも、それぞれの感想を話す。その後、息を合わせるように

 

「「「「この楽曲やりましょう(やろう)」」」」

 

 と、ほぼ同時に言ったのだった。言い出したのは私だけれども、四人が同じ言葉を言い出すとは思ってもいなかった私は、一瞬だけ呆気にとられてしまったけれど、すぐに頷いて

 

「なら、一曲はこれで。セットリストも考え直さないといけないわね……」

 

「なら、『軌跡』の前でいいのでは?似たような曲調の楽曲ではありますが、一旦落としてから、上げるという意味ではありかと」

 

「おお。紗夜が珍しく落とすって言った!?」

 

「紗夜さん、何か悪い物でも食べました!?」

 

「ぽ、ポテトフライ……買って……きましょうか?」

 

「貴女達……私に対してどういうイメージを持っているのですか!?」

 

 と、騒ぎ始める四人。前までなら考えられない光景に、私は小さく笑う。ねえ、華那。見えているかしら。貴女の集めたバンドメンバーは私にとってかけがえのない存在になってくれているわ。だから、これからも華那……貴女もRoseliaの一員よ。

 

「そうだ!華那さんが好きだったアーティストの楽曲でもう一曲カバーやりましょうよ!『深愛』とか!!」

 

 紗夜に怒られながらも、元気良く提案してくるあこ。紗夜は紗夜で、話しを聞いているのですか!?と、あこを注意していた。深愛……確かに今回のライブテーマにはいいかもしれないわね。でも――

 

「バラード系のカバーばっかりね」

 

「だねぇ……って、言ってもさ友希那。演奏楽曲増えているから、問題無いんじゃないかな?」

 

 と、私の横に立って、セットリストの書いた用紙を持ってそう言ってきたのはリサだった。リサの持っている用紙に目を落としながら、演奏楽曲について考える。LOUDERで始まって、二曲目はDetermination Symphony――

 

「そうね……中間辺りで『TINY DROPS』『軌跡』『深愛』の順にやっても問題は無さそうね」

 

 曲の流れを想定して、行けると判断してそう言葉にした。それを聞いたリサが満面の笑みを浮かべて

 

「でしょ?あこも燐子もそれでいいよね?紗夜は……はいはい。あとでポテトフライ奢るから、そんなに怒らない」

 

「なっ!?い、今井さん!私は、そんなポテトフライに釣られるような女じゃ――」

 

 と、他のメンバーに同意を求めつつ、紗夜を宥めていた。リサ……いくら紗夜でも、ポテトフライと演奏楽曲については天秤にかけない……はずよ。多分。そう思いつつ、私はもう一つ、皆に提案するために口を開いた。

 

「みんな聞いて頂戴」

 

 その言葉で、全員の視線が私に向けられる。先ほどまでの大騒ぎはどこに行ったのかしらね。そんな疑問を抱きつつも、華那がいなくなってから、ずっと考えていた事を伝える。

 

「これからのライブで、華那のギターをステージに置いておきたいのだけれど――」

 

 

 

 

「できたぁぁぁ!!」

 

「うん、これなら大丈夫だよ、香澄ちゃん!!」

 

 と、今し方まで、有咲の家()で作詞作業をしていた香澄とりみが大きな声を上げる。華那追悼ライブへ向けた新曲作りは、私達ポピパも参加すると言ってから、急ピッチで作業が始まった。華那への想いと、私達の感情を入れた楽曲にするんだ!って、香澄が意気込んで、りみもそれに呼応するように、楽曲作りを頑張っていた。

 

「タイトルは……『切ないSandglass』!!」

 

「砂時計ときたか……」

 

「うん、良いタイトルだと思うよ」

 

「それで、どんな曲調か、楽譜見せてもらってもいいかな?」

 

 香澄とりみりんを中心として、皆で集まって譜面を見る。切ないメロディだけれど、テンポは結構速め。バラードでくるかなって勝手に思っていたから、意外だった。でも……いいと思う。今の私達らしくて。

 

「ああ……これやるの楽しみになってきた」

 

「と、言っている有咲は、ライブ中に泣くのでした」

 

「おたえ、泣かねぇし!!」

 

 間髪入れずに有咲がツッコミを入れたので、皆で笑い合う。いつものやり取りが戻ってきた。華那。私達、華那の分も――って、出来るか分からないけれど、シッカリと前に進むから、きちんと見守っていてね。

 

「そういや……沙綾。スペシャルバンドの件どうするんだ?」

 

「うーん……今の所、紗夜先輩とモカが参加するって言ってくれているんだけれど、ベースがね……」

 

 有咲の問いに、私は少し歯切れ悪く答えるしかなかった。そう。ライブの中間辺りでスペシャルバンドとして、華那が演奏した楽曲や、華那への想いを込めた楽曲を演奏しよう――と、いう事になった。紗夜さんは「#1090」と「恋歌」を演奏したいと伝えていて、モカは「GO FURTHER」を。そして私は――

 

「沙綾は()()()()()()なんだっけ?」

 

 そう。私はその時、一曲だけ歌わせてほしいとお願いしている。その楽曲というのは、華那が中学時代。まだ、喉を痛める前に歌っていた、あまり知られていない楽曲。

 

「『もう君だけを離したりはしない』って楽曲。前、スマホに撮った映像を見せた時に歌ってた曲だよ」

 

「あー!あれ!ロック調の切ない楽曲だよね」

 

 そう。香澄の言った通り、楽曲はロック調なのだけれど、切なさがある曲。それは歌詞がそうさせている部分もあると思う。それをカバーしたくて、紗夜先輩とモカにお願いしたら、その場でOKが貰えたのは驚いた。

 

「その時のドラムは巴がやってくれるからいいんだけど……キーボードとベースが決まってないんだ」

 

「べ、ベースなら私にやらせて、沙綾ちゃん」

 

 と、私がどうしたものかと呟こうとした時に、りみりんが突然、立候補してきた。え、りみりん?驚きつつりみりんを見れば、真剣な表情だったから、本気で演奏するつもりだという事は十分に伝わった。

 

「りみりん、楽曲増えるけど大丈夫?」

 

「大丈夫だよ、おたえちゃん」

 

「なら、キーボードは私がやらせてもらうぞ。夏の時にやった楽曲もあるから、理解度なら他のバンドメンバーよりあるしな」

 

 有咲が右手で頭を掻きつつそう言って、自分がキーボードをするんだと言い出した。いや、確かに楽曲理解度は高いかもしれないけど、大変じゃない?そう言ったら

 

「沙綾の方が大変じゃねぇか。ドラムやって、歌うんだろ?しかも、歌った事もない楽曲なんだから、それに比べりゃ私達は楽勝よ。な、りみ?」

 

「うん!」

 

 と、珍しく楽観的な有咲の言葉に、力強く頷くりみりん。ただ、私は気付いていた。有咲なりに私を安心させようって思っての発言だってことを――

 

「ねえ、さあや。なんでリサさん弾かないの?華那と幼馴染だったのに……」

 

 と、不思議そうというか、不満そうな感じの雰囲気を醸し出しつつ私に聞いてきたのは香澄。香澄の思う気持ちも分からない訳でもない。ただ、リサさんが弾かない――というか、弾けないのには理由がある。それはモカだ。リサさんの名誉の為にも、香澄の勘違いで、香澄とリサさんが仲違いした姿を、向こうで見守ってくれている華那に見せたくない。その為に、私は香澄に説明をするために口を開いた。

 

「モカとリサさん同じバイト先なのは知っているよね?それで、モカが練習する時間を取るから、代わりにリサさんがバイト出るって事になっちゃってね。リサさんも弾きたがってたけど、Roseliaの方の練習もあるからって断念したんだ。バイト先の店長さんから泣きつかれたとか言ってたよ」

 

「そうなんだ……それは仕方ないよね……私もスペシャルバンド参加したかったなぁ……」

 

 私の説明に納得して、しょんぼりする香澄。流石に新曲もやるからって事で、香澄には断念してもらった。私も大変だけれど、香澄の方がもっと大変だからね。

 

「さすがにギター四人は多いしね」

 

「おたえ……お前もか……」

 

 腕を組んで残念そうな表情を浮かべながら言うおたえ。それにすかさず呆れた表情でツッコミを入れる有咲。いや、私も有咲と同意見だよ。おたえも参加するつもりだったの?おたえはあっけらかんと「そのつもりだったよ?」って言ったのだった。

 

「おたえちゃんらしいね」

 

「だねぇ……それにしても……」

 

 私の言葉に皆の視線が集中する。いや、そんな重要な発言するつもりじゃないから、そんなに真剣な表情で私を見ないでくれるかな?そう苦笑いを浮かべて伝えつつ、私はさっきの言葉の後に話すつもりだった言葉を紡ぐ。

 

「ここまで盛大なライブになるだなんて思ってもいなかった……って、思ってさ」

 

「あー……確かにな。あのKolor’s(カラーズ)もくるんだっけ?」

 

 そう。夏休みに行った隣町で華那がギターを担当した三人組のコーラスユニット、Kolor’sも参加する事になっている。見に来る?って通話アプリで送ったら、歌いたいって返ってきた時は驚いたなぁ。まりなさんに相談したら、速攻でオッケーだったのも驚いたけどね。

 

「で、羽丘の吹奏楽部がオーケストラ編成で参加するんだろ?……なんか、一大フェスみたいな感じだな」

 

「華那フェス……それもありかもね」

 

 苦笑いを浮かべながら呟いた有咲の言葉に、何度も頷きながら「華那フェス」と言い出したのには、笑うしかなかった。華那フェスって……もう、おたえなんでそんな事言い出すかなぁ。

 そんな話しをしつつも、改めて練習をしようと動き出す私達。もう、ライブへの時間は少なくなってきている。焦りはない。今できる最大限の演奏をして、華那を安心させようそれが、ポピパ全員がもっている共通の想いだった。

 

「そういえば、カバーどうしよっか?」

 

「Roseliaは間違いなく、華那に関係する楽曲やるよなぁ……」

 

「私も、華那が聴いていた楽曲やりたいな」

 

「私、華那ちゃんが尊敬していたアーティストさんの楽曲をカバーしたいな」

 

「みんな……思う事は一緒だね」

 

 そう言って笑い合う私達はどうしようかと話し合う。

 

「沙綾。何か案ある?」

 

「うーん……『ピルグリム』に『永遠の翼』。『冬の灯』と『(ほむら)』……ごめん。ちょっとバラード楽曲しか今思い浮かばないや」

 

 と、泣きそうになった私は、無理やり笑みを浮かべてそう伝える。やっぱりいなくなってから、寂しい楽曲ばっかりがすぐに思い浮かぶようになってる。本当、情けないなぁ……。

 

「そのうちの二曲……やろう」

 

「香澄?」

 

 香澄が呟くように言ったので、私は驚いて顔を上げた。そして私の視界に入ってきた香澄の表情は、やる気満々だったけれど、目にはうっすらと涙が――

 

「だな。沙綾がせっかく案を出してくれたんだし、私はそれでいいぞ」

 

「うん。私も問題ないよ」

 

「私も!沙綾ちゃんが出した楽曲、しっかり聞いて覚えなきゃ!」

 

 と、皆やる気十分。……もう。新曲にカバー二曲だよ?大変だけど、本当に大丈夫?私がそう聞くと

 

「大丈夫!私達ならやれるよ!」

 

「お前のその楽観的な思考は時々羨ましくなるわ……まあ、やるしかねぇよ。うちの暴走ヴォーカリストがやるって言ってるしな」

 

「そう言いつつも、有咲もやる気満々なのでした」

 

「余計な事言うな、おたえ!!」

 

「あはは。有咲ちゃん、顔真っ赤だよ?」

 

「もう……私、本気で心配してるのに……ま、いっか。やろう、皆!」

 

 皆のやり取りに先ほどまでの、悲しい感情は吹っ飛んだ。演奏してる時に泣くかもしれないけれど、きちんと思いを込めて演奏するからね、しっかり見ていてよ?華那――

 




作者「ゴールはここじゃない!(キリッ」


シリアスさん「いや、ゴールさせろよ(憤怒)」

読者の皆さん「華那生存ルートがあると信じてる」

作者「ごめん、それは本気で無い」

読者の皆さん「 」

シリアスさん「あ、ちなみに『冬の灯』は、Tak Matsum〇t〇」で検索するといいかもよ?」

作者&読者の皆さん「隠せてねぇぇぇぇ!!??」

ライブシーンでバンドリ外の楽曲を

  • タイトルだけにすべき
  • 歌詞もやっちまえ
  • 除外すべき
  • 猫猫ばっか言いやがって、犬も可愛いだろ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。