読者の皆さん「知ってる」
シリアスさん「でも、まだ続くんじゃ」
読者の皆さん「いや、LIVEパートでいくつ使うん!?あと、ほんわか返せよ!?」
シリアスさん「ほんわかさんなら、まだ有給休暇でベガス逝ってる」
読者の皆さん「言い方ぁ!!」
作者「(そういや、そうだったなぁ……主人公出てねぇや)」
Kolor’sのコーラスの後はハロハピの出番だ。あたし達は舞台袖で、スタッフの方の邪魔にならない所で、ライブの様子を見ていた。会場の熱は冷める事を知らず、凄い盛り上がりを見せていた。
これが追悼ライブって事を忘れるぐらいの盛り上がり。でも、あたし達の想いは歌に全部込めてきた。それに、華那は絶対にみんな悲しんでいるようなライブは望んでいない。だから、盛り上がっているのは、華那へ「大丈夫だよ」って、伝えられているって事と信じたい。
「ハロハピ、楽しい曲ばっかりだね!」
「だね!こっちまで楽しくなってきちゃうね」
と、さっきまで泣いていた、つぐとひまりが本当に楽しそうにライブを見ていた。それを見て、あたしは気付かれないように安堵の息を吐いた。
「あ、ミッシェルがこころ抱えて飛んだ」
「すごっ……あれ?ミッシェルに天井からの吊り下げる紐?ついてないよね?」
「なんか背負ってるロケット的なやつで飛んでるらしいぞ。モカ、蘭」
と、演出に驚いているモカとあたしに説明してくれる巴。ロケットって……奥沢さんも大変だね……。間違いなく、こころの思いつきだろうし、体にかかる負担は大きいと思う。
「今度、モカも飛びながら演奏するってどうだ?」
「えー……さすがに無理でしょー」
「それやったら、あたし達じゃなくなりそうだね……」
巴が笑いながら言ったけれど、モカは本気でいやそうな表情を浮かべていた。まあ、モカ自信は、飛ぶのには興味あるみたいだけれど、演奏しながらってのがネックだったようだ。
それにしても、観客席の上を飛んでいるけど、安全……なんだよね?落ちたりしないよね?そんな不安が頭を過ったけれど、奥沢さんはこころを抱えたまま、無事にステージに戻ってきて、演奏を終えていた。……DJってなんだっけ?
「見てる側も楽しくなるのが、ハロハピのライブだよね!!」
「だね!本当、楽曲も楽しい楽曲ばっかりだから、自然と笑顔になれるよね」
と、あたしが素朴(?)な疑問を抱いているのを知らないひまりとつぐが、ライブの話しで盛り上がっていた。会場を巻き込んでの演出に、こころを中心とした音楽を楽しんでいる姿。その音楽が楽しいっていう感情は会場全体に広がりを見せていた。
あたし達とはまた違った音楽。否定する訳じゃないけれど、取り入れたいとは思わない。だって、あたし達のやっている音楽の方向性と、全く違う方向性だから。そもそもDJうちのバンドにいないし……。
なんて考えているうちに、ハロハピの演奏は終わってしまった。ただ、終わっても会場の盛り上がりは凄かった。きっと、ハロハピの事を知らない人もいただろうけれど、間違いなくファンになった人もいるだろうね。……まあ、瀬田さんのファンも多いだろうから、そんなに変動しないかもだけど。
「この後って……パスパレだっけ?」
「だな。スケジュールの都合、よくついたな」
「だね……でも、パスパレも来てくれて、華那も喜んでるんじゃないかな」
そんな事を話しつつ、あたし達はステージ脇からライブを見続けるのだった。
「皆さんこんにちは!Pastel*Palettesです!!」
彩ちゃんが挨拶すると同時に、会場からどよめきと歓声が混じった声の波紋が発生していた。どうやら、私達Pastel*Palettesが、今回の華那ちゃんの追悼ライブに参加するだなんて、多くの人は思っていなかったようだ。
「今回……この、華那ちゃんの追悼ライブに私達も参加させて頂きました。華那ちゃんとは、私達全員、プライベートで付き合いがあって、最後まで信じていました。また……CiRCLEのカフェで笑顔を見せてくれるって」
彩ちゃんの言葉に、先ほどまでのどよめきと歓声が嘘のように静まり返る。私も、そう信じていた。華那ちゃんが好きだった、サインをもらいに行った声優アーティストさんも、凄く悲しんでくれていた。一度も会った事もない
それだけ、華那ちゃんの演奏を観て何か感じるものがあったみたいだったけれど、私はそれを聞く事は出来なかった。その時は、私も華那ちゃんがいなくなった事に悲しくて、そこまで踏み込んで聞く余裕が無かった。
「正直に言って……華那ちゃんがいなくなった事は、今も悲しいし、辛いし、信じられません。明日になったら、『何かありました?』って、CiRCLEにいそうで……。そんなの……ありえないって、分かってます。だから……だから、私達は前を向かなきゃいけない。でも……前を向くって?私達が出来る事はなんだろう?どうすればいんだろう?なにをすればいいんだろう?」
左手を胸に当てながら、華那ちゃんとの出来事を思い出すように話す彩ちゃん。きっと、目を閉じながら話している。私自身、華那ちゃんにレオンを会わせられなかった事を、後悔していた。きっと、華那ちゃんレオンの事、気に入ると思っていたのに……ね。もっと、華那ちゃんと色々な話しや、一緒にお出かけしてみたかった。そんな想いがこみ上げてきて、泣きそうになる。涙を隠すように、私は下を向いて目を閉じる。
「そうだ。歌おう。歌って、華那ちゃんが安心するように……今日、この場に集まってくれた、皆に笑顔を作ってもらえるような……そんなライブをして行こう。今しかないっていう時に……精一杯歌おう。想いを込めて歌おう。そんな想いと込めて歌うなんて機会、二度とこない。この機会、会場の皆も逃したくないよね?」
会場に問いかける彩ちゃん。それに呼応するように歓声が上がる。それを聞いた私は、閉じていた目を開けて、外していたイヤモニを付けて、演奏に入る準備をする。
「皆、この機会。絶対逃さないで!私達も、華那ちゃんへの想いを込めて、みんなが笑顔になれるような、そんな最高の演奏してみせるから!」
最後は、涙声になっていた彩ちゃん。それでも、しっかりと前を向いていた。彩ちゃんが私達全員を見る。演奏開始の合図ね。その直後にイブちゃんのキーボードを演奏し始めた。
最初の楽曲はカバーである「Overfly」。パスパレとして初めてカバーする楽曲で、短い期間で何度も何度もクオリティを上げる為に、ああでもない、こうでもない――って、話し合って形になった楽曲。
この楽曲は、元々アニメのエンディング用楽曲で、歌詞も出てくるキャラクターの心情を歌にしたものだと聞いている。でも、今の私達が華那ちゃんへの想いに近い物だったから、満場一致で演奏する事になった。
きっと、今私達が想っているこの気持ちは、立ち止まったり、悩んだりした時に形を変えていく。その度に、きっと私達は涙を零して、自問自答を繰り返す。これでいいのかな?別の何かがあるのかな――って。そうやって悩みながら、私達は前に進まなきゃいけない。全部――終わりも始まりも自分次第なのだから。
華那ちゃん。届いているかしら?私達の想い。どんなに手をのばしても、もう二度と届かない場所に行ってしまった華那ちゃん。華那ちゃんと話している時。私ね……妹が出来たような感覚で、素顔の私でいられたのよ。
それだけ、私にとって――いえ。皆にとって、華那ちゃんは特別な存在だったのよ。華那ちゃん自身はそんな自覚なかったかもしれないけれどね。
大丈夫よ、華那ちゃん。もう情熱を失って、道を間違えたりはしない。華那ちゃんが見守ってくれている、優しい光に向かって、私達、何度でも手をのばして、飛んでいくから――
無事に「Overfly」を演奏し終えた私達を迎えてくれたのは、盛大な拍手と歓声だった。よかった。観客席の皆さんには私達の想いは届いたようね。なら、残り四曲も、全力で想いを込めて演奏するだけね。ただ……彩ちゃんがトチらないか不安ね――
「ありがとうございました!!」
そんな、私の不安は杞憂に終わって、無事に五曲演奏しきる事が出来た。歓声と拍手に包まれながら、私達はこの後に演奏する羽丘学園吹奏楽部の皆さんと交代する。ただ、オーケストラなだけあって、準備する時間が必要となるので、一度休憩を挟む事がアナウンスされていた。
「華那ちーに……届いたかなぁ」
と、舞台袖を通ってきて、楽屋へ向かう際に日菜ちゃんがポツリと呟いた。なにが――だなんて、誰も言う事は無かった。だって、なにが届いたかだなんて聞かなくても、分かっているから。私は小さく頷きながら
「ええ、間違いなく届いているわよ。日菜ちゃんの楽しい――って、るんって気持ちは、絶対届いているわよ」
「そうです!!間違いなく私達の気持ちは華那さんに届いてます!!」
「ジブンもそう思います!!」
「だよね!というか、届いてなかったら怒るんだから」
と、みんなそれぞれの言葉にしたけれど、彩ちゃん。彩ちゃんが怒るって、想像つかないわね。それ以前に、華那ちゃんを説教するだなんて……彩ちゃん、覚悟はいいかしら?
「ち、千聖ちゃん?なんか、お、怒ってない?」
と、私を見て、顔を青くして小さく震えてみせる彩ちゃん。失礼しちゃうわね。私は怒ってはいないわよ。ただ――
「彩ちゃん。自分が華那ちゃんを怒れる立場にいないって理解していないようだから、説教してあげようかと考えていただけよ?」
「やっぱり怒ってるよね、千聖ちゃん!?」
と、涙目になる彩ちゃんを見て、彩ちゃん以外の皆で笑い合う。大丈夫。これからも辛い事は沢山あるわ。でも、このメンバーとなら――
吹奏楽部の演奏が始まった。一曲目は「華」だった。演奏が始まる前、照明は落ちていた。明るくなった――と、思えば、その灯りはいつの間にか設置された液晶パネル――正式にはLEDビジョンって言うらしいけれど――それに映し出されたのは、昨年十月に吹奏楽部と一緒に演奏した時の華那の姿。
歓声とどよめきが一部で起きたけれど、すぐに静まり返った。だって、あの時の華那の演奏に合わせるように吹奏楽部のオーケストラが演奏をしているのだから。
あの時は、観客席から見ていたけれど……華那の演奏する姿。本当に楽しそうに、この瞬間が愛おしい。そんな風に見えていたんだ。でも、今この瞬間、演奏しているステージに、華那の姿はない。分かりきっていたはず。理解していたはずなんだ。もう二度と、華那の演奏を、声を、怒った顔も、笑った顔も見る事ができない事――
「さあや?……大丈夫?」
「ん?大丈夫だよ。香澄」
心配して、私の左手を握る香澄。その顔は今にも泣きそうだったから、優しく頭をなでてあげる。それを見ていた有咲が何か言いたげだったので、私は有咲に向かって手招きする。
「んだよ」
ちょっと、不満げな有咲の声に小さく笑いつつ
「香澄の事、お願い。ちょっと忘れ物してきちゃったから」
「わかった……あんま無理すんなよ。沙綾」
香澄の手を優しく離して、香澄の事を有咲に任せて、忘れ物を取りに行こうとする。その時、オーケストラの演奏は「BRIGHT STREAM」だった。副部長の明石先輩が華那の演奏に合わせるように、まるで音と音でバトルするかのように、バイオリンで主旋律を弾いていた。ちょうどサビの部分だったので、私の頭の中で白い羽を背中から生やして、ギターを構えて、満面の笑みを浮かべている華那の姿が浮かんだ。
それと同時に、小さく笑った。だって、その姿を想像しただけなのに、どこかコスプレしているようにしか思えなかったんだもの。
「華那……次は私が想い……届けるから」
そう小さく呟いて、私は準備をする為に楽屋へと向かった。
今回のオーケストラでの演奏。一番にやりたいと言ったのは、部長のミカじゃなくて、副部長のわたし……明石ゆかりだった。華那とは、何度も何度もアレンジについて話し合いをしていた。その前の段階だと、華那が参加しないという事を想定して、わたしが主旋律の練習していた。
その話し合いや練習の合間に見せる人間性に、わたしは気づけば惹かれていた。それに……音楽へのアプローチの仕方。真剣に、それでいて、
はじめて華那と合わせた時。華那のギター演奏にわたしは驚かされた。一音一音。華那が演奏する全ての音に、華那の想いが込められているように感じたから。わたしの席からだと、華那の背中しか視界に入ってこなかったけれど、作曲しているアーティストの音楽を心から愛しているというのが、伝わってくる演奏だった。
だからかな……今回の話しを聞いて、すぐにやりたいって言えたのは。それだけ、華那の演奏のとりこ……いや、華那って人間のファンになっていたんだ。もちろん、今日のライブに参加している、華那と繋がりのあったバンドメンバーに比べれば、わたしの想いなんて紙っぺら同然。今にも風で飛んでいきそうなぐらいの薄さだ。それでも、それでもわたしも……届けたかったんだ。華那への感謝と想いを――
今演奏している最後の曲。「兵、走る」の歌詞に出てくる「ゴールはここじゃない」ってのは、今のわたし達……いえ。自分に向けたメッセージ。ここで終わったら、年上として情けないし、華那がどんな表情するか……。それに、音楽は、音を楽しむから音楽なんだ。華那が演奏していた姿を思い出しながら、音楽を楽しもう。そう思いながらギターソロの激しいメロディをバイオリンで奏でるのだった。
演奏後。ミカ達に「今日の演奏、すっごく楽しそうに演奏してたよ。……いつも鬼気迫る雰囲気か、無表情なのに」って、言われるのだった。華那風に言わせてもらおう。解せぬ……って。
オーケストラの演奏が終わって、次は私達――今回だけのスペシャルバンドによる演奏になった。バンドメンバーはドラムに山吹さん。ベースに牛込さん。キーボードは市ヶ谷さん。ギターは私と青葉さんという構成。衣装もバラバラですが、華那さんへの想い……このギターの音色と共に届けてみせます。
『続いて、今回限りのスペシャルバンド……Strings Of My Soulの皆さんによる演奏です』
アナウンスがありましたね。行きますよ、皆さん。このバンドメンバーの中では、私が年長者ですから、自然とまとめ役になってしまいますね。ふと、そんなことを思いつつ、ステージへと向かう。
最初に演奏するのは「#1090 千夢一夜」。音楽番組のオープニングではなく、エンディングに使用されている、バラード調にアレンジされた楽曲。華那さんが、去年の夏。友希那さんの為に、自分を犠牲にしてまで歌おうとした時に演奏した楽曲のアレンジ版――
演奏が始まり、華那さんが使っていた黒いエピフォンのギターで、真剣に、想いを込めて演奏をする。想いを込める――というのは、私らしくない。そう思いましたが、今日は正確性より、想いを重視したいんです。華那さんのギターの師として、胸を張って演奏しましたよ――って、言えるように……。
青葉さんとのギターでのハモリも意識しつつ、原曲のイメージを壊さないように丁寧に演奏していく。このギターで演奏し、最後にワウペダル*1を駆使して演奏を終える。
拍手と歓声が聞こえてきましたが、このまま次の演奏へ。次のメインギターは青葉さん。次の楽曲も、華那さんが夏に演奏した、「更に先へ」という意味が込められた「GO FURTHER」。
いつものマイペースな雰囲気とは打って変わって、真剣に――それでいて、想いを込めた全力の演奏をする青葉さん。私はバッキングやハモリを意識しつつ、何度か青葉さんと目を合わせて、小さく笑いました。だって、演奏がここまで楽しくなるだなんて、私達は思っていなかったのですから。
正直に言って、今回のスペシャルバンドは、全員が華那さんへの想いを伝えよう伝えよう――と、そういう思いが強いメンバーが集まったように思っていたので、途中でメンバーの誰かが泣くんじゃないかって、勝手に想像していたのですから。
でも、全員で音を合わせるうちに楽しくなっていたのです。きっと、華那さんも去年演奏した時に見せた笑顔は、こういう事だったのでしょうね。Roseliaで体験した事のないような、そんな感覚。ただ、やはりと言いましょうか、Roselia以上の演奏とまではいきませんでしたね。練習期間も少なかったのですから、当たり前といえば当たり前ですね。
「ありがとうございます。Strings Of My Soulです」
演奏が終わって、私がMCを務める。本当なら青葉さんや他の方に任せようかと思いましたが、他のメンバーが私にやってほしいという事で、やることになりました。どうしてこうなったのかしらね……。バンドメンバーをしつつ、そんな事を考えた。まあ、仕方ありませんね。やるからには徹底的にやりあげてみせます。
「さて、バンド名となった『Strings Of My Soul』は、華那さんが生前ファンだったギタリストの楽曲名とアルバムタイトルでもあり、今演奏した二曲もそのギタリストの楽曲です。私が今、持っているこのギター……実は華那さんのギターです」
その言葉に会場がざわめく。それもそうよね。まさか、私が使うだなんて誰も思ってもいなかったでしょうね。ただ、華那さんの想い……友希那さんの隣に立つという想いはこうでもしないと、もう……叶えられない。だから、友希那さんからの提案に悩みましたけれど、私はこのギターで演奏すると決めたのです。その事を話してから、次の楽曲の紹介をする。
「話しはここまでにして……次の楽曲は、華那さんが中学時代に歌っていた楽曲の一つです。ここでドラムにAfterglowの宇田川巴さんに来ていただき、ドラムをしていた山吹さんがボーカルを務めます。宇田川さん、山吹さん。お願いします」
私は二人を紹介して演奏に備える。ただ、ここで山吹さんが少しだけ話す予定になっているので、まだですがね。山吹さんも……華那さんとは親友の関係でしたからね。思う所はたくさんあるのは分かっていました。だから、一曲歌いたいといった時も、私たちはすぐに了承したのですから……。
「皆さんこんにちは。先程までドラムをしていた山吹沙綾です。次の楽曲は、私が華那と出会って、知り合いになってから……何度もライブ会場で華那の歌声で聞いた楽曲です。色んな想いを込めて歌います。聴いてください。『もう君だけを離したりはしない』――」
そう言って一度礼をする山吹さん。それと同時にステージ照明が暗転し、私と青葉さんがギターを奏でる。パワーコード系の進行で進むイントロ。イントロが終わり歌に入ると、打って変わって、落ち着いたアルペジオ奏法。になる楽曲。
会いたいのに、会えない夜。そんな時は君を思うよ――その歌詞に込められた山吹さんの想い……。演奏しながらでも、歌声と共に届いてくる。立ち止まった時に抱きしめて欲しいと願っていても、もう叶わない事は分かっている。だから、思い出の中だけでも、もう
そんな思いが込められているように、私は思えた。きっと、山吹さんも表には出さないだけで、華那さんがいなくなってから、涙して眠れない夜があったのだろう。だからこそ、涙は
この曲を選んだ理由。この曲の二番目にある「憧れが出会いに変わった日」というのが、私と華那の出会いのように思えたからってのもあったけれど、
それと……華那が歌っていたってのも大きかった。華那の歌っていた曲を、私が歌って、訣別ってわけじゃないけど、ここで一区切り。でも、絶対に忘れない。心は離れない。離さない。なんか重い女でごめんね、華那。
『本当……沙綾らしいよ。でも、きちんと幸せになってよね?』
そんな声が間奏の時に聞こえてきた気がした。幻聴なのは分かりきってる。
小さくジャンプしながらサビを歌う。途中で涙が出てきたけれど、我慢。それに、会場のみんなも「Yesterday」って歌うところで大合唱してくれているんだ。最後まで笑顔で歌いきるよ、華那。
心配しないで、華那。今日だけ。今日だけは、みんながそれぞれ抱えている想いを音に乗せてそっちに届けるから、きちんと受け取ってよね?後で、ポピパ全員の想いも伝えるんだから――
そう、歌に思いを込めながら私は最後まで歌いきった。歌い終えた瞬間、拍手と歓声が起きた。スペシャルバンド……Strings Of My Soulの演奏はこれで終わり。三曲だけ何とかお願いした実現できた。もちろん一緒にやってくれた氷川先輩をはじめとしたバンドメンバーには感謝しかない。
私たちは全員で観客席へと頭を下げてステージを後にする。この後は十分休憩をはさんだ後に、ポピパの演奏。その後は、この追悼ライブ最後のバンド……Roseliaの順番。
「沙綾!良かったよ!!」
「りみも、有咲もお疲れさま」
と、出番の無かった香澄とおたえが飲料とタオルを持って迎えてくれた。この後、すぐに演奏だけど、有咲もりみりんも大丈夫?って、聞いたら、すぐに大丈夫だよって、返ってきた。本当……頼もしいバンドメンバーだよ。華那。だからきちんと見ててよね――
ハロハピ
1.えがおのオーケストラっ!
2.ハピネスっ!ハピィーマジカルっ♪
3.はれやか すこやか ぴかりんりん♪
4.シュガーソングとビターステップ(from UNISON SQUARE GARDEN)
5.ゴーカ!ごーかい?ファントムシーフ!
パスパレ
1.Overfly(from Luna Haruna)
2.はなまる◎アンダンテ
3.ゆら・ゆらRing・Dong-Damce
4.DISCOTHEQUE(from Nana Mizuki)
5.もういちど ルミナウス
羽丘学園吹奏楽部オーケストラ
1.華(from TAK MATSUMOTO)
2.恋歌(from TAK MATSUMOTO)
3.ETERNAL BLAZE(from Nana Mizuki)
4.BRIGHT STREAM(from Nana Mizuki)
5.兵、走る(from B'z)
スペシャルバンド「Strings Of My Soul」
1.#1090 千夢一夜(from TAK MATSUMOTO)
2.GO FURTHER(from TAK MATSUMOTO)
3.もう君だけを離したりはしない(from Aya Kamiki)
今度からこの表記にしようと思います。
ライブシーンでバンドリ外の楽曲を
-
タイトルだけにすべき
-
歌詞もやっちまえ
-
除外すべき
-
猫猫ばっか言いやがって、犬も可愛いだろ!