Sisterhood(version51)   作:弱い男

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#Last Episode

 あれから、私達は色んな場所でライブをやってきた。その景色は、毎回違う景色で、やっている私達の想像を超えるものを何度も見てきた。

 辛い事も沢山あった。それでも、ここまで来られたのは、支えてくれた大勢のファン。スタッフ……そして、リサ、紗夜、燐子、あこ達がいたから。もちろん、高校時代からの繋がりのあるバンドもよ。

 皆がいたから、私達は古希と言われる年齢を越えてまで、Roseliaとして演奏を続ける事ができたのもね……。

 

 そんな私も結婚して、娘ができて、孫が誕生して……あっという間に月日が経ったと改めて感じているわ。あの賞を初めて受賞してからも、私達は精力的に活動を続けてきた。そのお陰もあって、何度も受賞する事ができたわ。

 

 そんな事を、ベッドに横になりながら、今までの人生を思い返す。私は恵まれたわね。娘と孫に愛されて、こうやって、看取られながら人生を終えることができるのだから。

 ……ええ。もう時間は少ない事ぐらいは、自分でも理解しているわ。それでも、生涯現役でいられたのは誇るべきかしらね。こんな年齢になっても、音楽に携われた事。娘達をしっかりと育てる事ができた事。そして……愛する人ができた事……。順番は違うけれども、どれもあの頃の私では想像できなかったわ。

 

 本当に、多くの人と出会い、様々な経験をしてきたからこそ、今の私がある。本当幸せな人生だったわ。だからね……もう、そろそろ……貴女に会いたいと思ってもいいわよね?華那。そろそろお迎えに来てくれてもいいはずよ?まさか、百歳近くまで生きろとか言わないでしょうね?

 

 華那なら言いそうで怖いわ。それに、最近美竹さん達ですら、まだ元気でいて欲しいって言いだしているのよ?貴女達、私と同世代でしょう?そんなに長生きさせないで頂戴。

 

 ねえ、華那。私、本当に音楽を楽しめていたわ。貴女がいたから、Roseliaという居場所ができて、そこでRoseliaのヴォーカリスト、湊友希那としていられたのよ。本当にありがとう。だから、今までの旅路……そろそろ話しに行くわ。

 

「おばあちゃん。おねむー?」

 

 まだ幼い曾孫が、眠気が襲ってきた私に話しかける。そう……ね。眠くなってきたわ。そう、曾孫の頭を撫でながら笑顔で答える。

 

「お母さん……うん。ゆっくり休んで」

 

 娘が泣きそうな表情でそう語りかけてきた。まったく。誰に似たのやら、本当に優しい子に育ってくれたわね。ええ……そうさせてもらうわ。

 

「うん……叔母さんによろしく伝えてね」

 

「ええ……ありがとう――」

 

 私は最後にそう言って目を閉じた。こうして、私の十分幸せだった人生は幕を閉じたのだった――

 

 

 

 

 目を開けると、そこは草原ともいえる場所だった。さっきまで病院のベットの上にいたはずなのに、どうして――?あら……手が皺くちゃじゃないわね。もしかして若返っている?

 

「それにこの服は……懐かしいわね。羽丘学園の制服じゃない」

 

 懐かしい制服に身を包んだ私。懐かしい思い出が蘇ってくる。Roseliaを結成した事。ぶつかり合って、改案の危機が訪れた事。華那のお陰で、Roseliaという絆が繋ぎ止められた事。

華那が倒れた時の事。華那の病状を聞いた時の事。華那と死別した時の事。追悼ライブの事。FWFの出た時に、華那が来た事――

 

「姉さん」

 

「……華那」

 

 懐かしい声に話しかけられた私は、ゆっくりと振り向く。そこに高校時代(あの頃)のままの華那が笑みを浮かべて立っていた。

 

「今までお疲れさま……それと、久しぶりだね」

 

「華那っ!!」

 

 満面の笑みを浮かべて、私を労わってくれる華那を、私は抱きしめた。自然と涙が零れ落ちる。会いたかったわ。ずっと、ずっと、会いたかった。華那の温もりも、声も、すべて失ってしまったから……。私だって、華那の事、()()()()()()()()のだから。

 

「もう……姉さん。そんな事、言っていると旦那さん拗ねるよ?」

 

「拗ねさておけばいいわ。私にとって華那は、大切な妹なのだから」

 

 そう言って、華那の頭を撫でる。何十年ぶりとなる再会。こうして会えただけでも嬉しいのに、こうやって話し合えるのは奇跡よね。一度、しばらく抱き合っていたけれども、さすがにこのままでいる訳にはいかないので、手を離して、その場に腰かける。

 そこで、私と華那は今まであった事を話し合う。華那も見守っているという約束をずっと守っていてくれたらしく、FWF以降の私達の事を知っていた。でも、何を話しているかは分からなかったらしい。

 簡単に言えば、音声がない動画を見ていた感じ――だそうよ。それでも、ライブの時の歌は聴かせてくれていたらしい。誰が――とは、言わなくても私でも分かるわ。

 

 それでも、まずは私の話しを真剣に、それでいて、笑みを浮かべながら聞く華那。驚いたり、涙浮かべたりと、喜怒哀楽が変わらず激しかったけれども、ずっと私の旅路の話しを聞いてくれていた。

 

「で……私もリサも驚いたのだけれど……山吹さんは本当大家族になっていたのよ」

 

「うんうん。あれには私もビックリした。子供七人だっけ?すごいよね。しっかり育てたんだから」

 

 そうなのよね。私も子供を育てたから分かるけれども、一人育てるだけでも凄い大変なのに、七人だものね……。しかもバンド活動をしながらだから、尚更凄い体力よね。

 他のPoppin’Partyのメンバーも子供に恵まれているという話しになった。他のバンドについても色々と話した。美竹さんは家業とバンドを両立させながら活動していた事。大学卒業と同時にアイドルバンドを解散して、それぞれの道を歩む事を決意したパスパレ。

 

 これまた大学卒業と共に、団体を立ち上げて世界中の人達を笑顔にする為に、演奏しに飛び回ったハロハピ。それぞれが、自分たちの道を歩んでいったけれど、数年に一度はCiRCLEに集まって、小さいライブをする――誰が決めた訳でもないのだけれども、私達の約束になっていた。

 

 そんな話しを、長い時間していたはず。だって、ずっと華那と話していたから、時間を気にするのを忘れていたわ。

 

「本当、皆色々な道を歩んでいたんだね。あー……姉さんの娘抱きたかったなぁ」

 

「それは……」

 

 華那の呟きに、私は何も言えなくなった。だって、それは私も思っていた事だ。華那に私の娘を抱きしめてあげて欲しかった。でも、それは叶わなかった。私が言葉に悩んでいるのを見た華那が小さく笑いながら

 

「気にしなくていいんだよ、姉さん。ただ、ふと思っただけだよ。私……姉さんが幸せだったなら、それで十分なんだ」

 

「華那……ええ。十分幸せだったわよ」

 

「良かった」

 

 そう言って、華那が立ち上がる。どうしたの?そう問うと、華那は悪戯な笑みを浮かべて

 

「そろそろ戻らないと、“皆”待っているんだ。私にとって『最高のヴォーカリストで、大切な姉さんが来る』って、聞いたら、ライブの準備始めちゃって」

 

「……意味が分からないわよ、華那……」

 

 困惑する私を見て、笑いながら右手を差し出す華那。私はその手を取って立ち上がる。

 

「気にしても始まらないよ。……でも、私と姉さんの二人の演奏で皆に、最高の音楽届けたくない?」

 

「……はあ。そう言われたら、断れないわ。いいわ。歌うわ。でも華那」

 

「?」

 

 華那の右手を握ったまま私はある言葉を伝える。

 

()()()()()()()()()()()()()

 

「!……ふふっ。もちろんだよ、姉さん!!」

 

 私の言葉に驚いた表情を浮かべた華那だったけれども、満面の笑みを浮かべて喜ぶのだった。ええ。すべてが終わった後に、こうやって華那と再会できた。それだけでも嬉しいのに、こうやってまた演奏ができるというのだから、感謝しかないわね。

 

「行こう、姉さん!!」

 

「ええ、行きましょう」

 

 笑みを浮かべ、華那と手を繋いだまま歩く。もう二度と、この手を離すものか――そう、心の中で誓いながら――

 

 




あとがき作者の言い訳

作者です。
読者の皆様、この度はSisterhoodを最後までお読み頂き、ありがとうございました。
一度、削除したり、ガイドライン上の問題から完結――と言って、中途半端な完結をさせたりと、安定しない作品ではありましたが、なんとか完結までたどり着く事が出来ました。

一度目の削除の言い訳といたしましては、前職で精神的に参っていた時期で、休みもままならず、帰宅二時間以内には寝るという生活。こんな状況じゃ書けないから消す――という、今考えれば何やってんだよ自分……と、言いたくなるぐらい追い詰められていた状況でした。
で、復活させたのは、転職活動中に「完結させたい」という想いが蘇ってきて、再投稿をした次第です。そして、転職後は、安定した休みと労働時間のお陰で、製作時間が取れたのが大きかったです。
ここで、改めて謝罪を。削除前から読んでいてくれた方々、楽しみにしてくださっていた方々、本当に申し訳ございませんでした。

さて、今回のSisterhoodという作品ですが、最初は「とにかく自分の好きなように書こう。楽曲も自分の好きなように(とあるアーティストさんの楽曲ばっかりで)やろう!」と、見切り発車で二話ぐらいまで書いて、すぐに主人公――華那が病没するというストーリーを思いつきました。

これは、お気付きの方もいらっしゃるとは思いますが、ゲームメーカーkey様の作品をモロに影響受けております。大学時代に、友人よりやってみてと渡された作品。名前は出しませんが、それの影響を受けているのは自覚しております。あ、飛行機雲、消えちゃいましたね……(隠す気ZERO)
また、それとは別で影響を受けているのが、既に解散してしまいましたが、ゲームメーカーminori様の作品です。アニメ化もされたあの作品の影響というか、パクリというかなんと言いましょうか……。特に華那がFWF最後に言ったセリフ。気付いた方がいたら嬉しいな……と、小さく思っております。

ちなみにLast Episode内のバンドリキャラ達の未来は、あくまで私のイメージなので、「こうじゃない!」と言われても変える気はありません。あくまで、これも一つの可能性で、他の可能性だって沢山あるのですから。
もし、そのイメージがあるのなら、是非書いて頂き、読ませて頂きたいです。私、楽しみにしてます!(某千〇田える風に)

今、完結して改めて思ったのは、オリジナルキャラである華那が私の予想を超えて、凄い読者の皆さんに愛されていた事です。
もちろん、作者自身、愛着のあるキャラです。ただ、ここまで愛されキャラにする予定ではなかったのですが……どうしてこうなった。

多くの方に読んで頂けた事、評価や感想をして頂けた事。本当に感謝しかありません。ただ、それもこれも、バンドリという作品が魅力的で、出てくるキャラ達に対する皆さんの愛情があって、この作品が読まれたのだと思うのです。
私自身の実力なんて、作品の評価としては、多分二割にも満たないと思います。だって、バンドリという作品、キャラ達がいなければ、この作品は生まれなかったのですから、当然です。
シリアス、ほんわか、様々なシーンをこの作品で書かせて頂きました。他の素晴らしい作品を書かれていらっしゃる作者様と比べれば、数段落ちるかもしれません。でも、完結できたという自信だけは負けない……といいなぁ。

長々と書きましたが、これにてSisterhoodは本当に完結です。この後、華那と友希那の下に、仲間たちがやってきて、ずっとライブをしていくのでしょう。満面の笑みを浮かべて――
様々な批評はあるのは重々承知しております。ただ、これが私の全力全開(全壊?)で書いた「自己満足小説」です。
そんなSisterhoodという作品でも、最後まで読んで、そして愛してくださった多くの方々に、改めて感謝を。
皆様がいなければ、完結までたどり着く事はできなかったでしょう。本当に心から感謝してます。本当にありがとうございました。
長くなってしまいましたが、これにて終わりにさせて頂きたいと思います。

本当に長い期間、お付き合い頂きありがとうございました。

2021年10月10日 作者より

ライブシーンでバンドリ外の楽曲を

  • タイトルだけにすべき
  • 歌詞もやっちまえ
  • 除外すべき
  • 猫猫ばっか言いやがって、犬も可愛いだろ!
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