美女と憑依系残念オリ主な野獣。   作:sesamer

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第14話 遺志を継ぐ

 メナジェリーで過ごす夏休みはカラバと一緒に課題をしたり、ホワイトファングの人達に会ったり、ブレイクと遊んだり、ブレイクに構ってもらったりしている内に一瞬で終わった。

 

 天使との別れに悲しみつつ、2学期のトーナメントへの闘志を燃やしながらサンクタムに帰ってくると、学校内の雰囲気は一変していた。

 

 今までは僕やカラバは他の生徒に見下されてたり、それでなくても話しかけられることなど皆無だったのだが(特に僕はあのカナタ先輩の弟子ということで敬遠されてた)、何故か通りがかる生徒達に褒め称えられるのだ。

 

 

 話を聞くとどうやらクロユリのことでシンダーが表彰を受け、その仲間として僕達もかなり注目を受けているらしい。

 

 まぁ褒められて悪い気がしないわけではないが、そう尊敬されることをしたわけじゃないし正直このような扱いは困る。

 シンダーとかこれを良い機会にシンパとか作ってそうだが(偏見)

 

 そういうわけで半ば逃げるように寮に戻ったのだが、寮にも学生新聞だかの生徒が取材にやってきたりして、結局2人でサンクタムから逃げ出したのだった。

 

 

「想像以上にとんでもないことになってたな...」

 

「まぁ確かに一年生としては凄いことを成し遂げたと思うけど...」

 

 それにしたってなんか大袈裟に感じたけど、一体僕らが居ない間に何が起こったんだ?

 

「取り敢えずこれからどうしようか?」

 

「うーん、寮内にハンナが居なかったから彼女を探しに行くのは?」

 

「そうだな、ハンナはこの騒動を知ってるだろうし、多分学校には居ないだろう」

 

 恐らくどっかに逃げてるんじゃないだろうか?そのどこかが分からないから2人でミストラル中を歩いて探すしかないわけだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハンナってどういうお店に行くんだ...?」

 

「そもそもお店に行ってるかどうかも怪しいよ」

 

「それこそ俺達みたいに実家に帰ってるとかもありえる」

 

「そうなるとお手上げだね...」

 

「...カラバはなんか行きたいお店とかあるか?」

 

「そういうアダムは?」

 

「正直寮で休むつもりだったから、お店に行きたいとかはないかな...」

 

「だよね」

 

 そうやって2人でミストラルを散歩していると、見知った後ろ姿を見かける。

 ハンナではなかったが、地味にあの後から気になってた人達だったので呼びかける。

 

「おーいレン、ノーラ」

 

「あ、アダムさん!」

 

「どうしたんだ?保護者はいないのか?」

 

 そう言うとレンは少し得意げに、

 

「僕は今お使いの途中なのです。今母さまは働いてるので、そのお手伝いをしてます」

 

「アタシはお手伝いのお手伝い!」

 

 ノーラはレンの背中から元気に顔を出す。どうやら2人しか居ないらしい。

 

 何かあった時が危険なので、2人と話をしながら着いていくことにする。カラバも正直ミストラルを歩き回ってまでハンナを捜索する気は無いみたいだった。

 

「結局あの後2人はどうなったんだ?レンのお母さんが保護するところまでは一緒だったよな?」

 

「ええ、母さまはずっと父さまと僕のことを待ってたみたいでした。結局父さまは帰ってきませんでしたが、母さまはアダムさん達に感謝してました」

 

「そっか、それだったら頑張った甲斐があったね」

 

「そうだな、全員は無理だったけど、確かに救える命はあったんだ」

 

 

 僕の持つ原作知識によって助けられる人がいたなら、やはり僕の行動に意味はあったのだと実感した。例え彼女のように助けられない人がいても、例え1人しか助けられなくても、可能性があるのなら絶対に諦めない。

 

 そのために僕は強くなるって誓ったから。

 

 

「アタシはお父さんもお母さんも居ないから、施設に引き取られることになったけど...」

 

 ノーラは俯いて悲しげな声で話し始めるが、徐々に声は明るくなり

 

「アタシにはレンがついてるからね、レン!」

 

「そうですね、ノーラ」

 

 ノーラも最初に出会った時は暗かったけど、助けられてからは明るくなったみたいだ。

 

「もっとウチが裕福だったら引き取ることだってあったんですが...」

 

「俺の両親も優しいけど、ファウナスじゃないノーラにメナジェリーは住みにくいだろうしな」

 

「うーん、ご主人様は論外だし...」

 

 そう言って3人でノーラの引取先について悩むが、当のノーラは明るい声で、

 

「いいよいいよ!今の方がずっと幸せだもん!」

 

「そうなんですか?」

 

「そうそう!レンと一緒にいるだけで幸せ!」

 

「それなら良いんですが...」

 

 

 

 ぐ、ぐああああぁぁぁぁ(昇天)

 

 

 

 尊みが深すぎて口角が無限に上がり続ける!

 やっぱりレンノラは大正義!はっきりわかんだね。

 

 

 

「...アダム?どうしたの?」

 

「...いや、幸せを噛み締めててな」

 

「?...あぁそうか、こうやって見られる風景は僕らが助けたからこそだもんね」

 

 

 カラバのあまりにも好意的解釈に、内心変なことを考えてたのが申し訳なくなるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「手伝ってくれてありがとうございました。また会いに来て下さい!」

 

「あぁ、お母さんにも助かって良かったと伝えてくれ」

 

「はい!」

 

 

 2人を家にまで送って、ハンナの捜索を再開する(という名のミストラルのお散歩だが)

 

 2人でだらだらと歩いてると、武器や銃を取り扱うお店の前を通りがかり、唐突にカラバが「あっ!そうだ!」と言い出した。

 

「トーナメントに出るんだったら、今のうちに武器を整えないといけないんじゃない?」

 

「武器だったら先輩から貰った刀がある...って、そういえば遠距離武器とかも準備しないといけないのか」

 

「無くても大丈夫だとは思うけど...上級生とかは当然準備してると思うよ」

 

 

 確かに、RWBYで登場する人物の殆どは武器に銃火器のギミックを取り入れてたり、範囲の広いセンブランスを持ってたりして、遠距離用の攻撃手段を常備している。

 

 僕ことアダム・トーラスも、ウィルト・アンド・ブラッシュという鞘の方がライフルとなっている直刀を使っていた。ちなみにウィルトが直刀の方でブラッシュがライフルの鞘の方らしい(どうでもいい)

 

「確かに銃が無いと不利かもしれない...が正直今の腕では銃は有っても役に立たないだろう」

 

「まぁ確かに。流石のアダムも銃火器は習ってないか」

 

「そんなハワイで親父に習ったじゃああるまいし...」

 

 確かにハワイ(メナジェリー)で親父(バリバリの現役)に習おうと思えば習えそうだけど...

 

「そもそも元々は武器だって学校に来てから習い始めただろう」

 

「あ、そうだった。あまりに自然に使いこなすから、つい」

 

「まぁ、これの習熟だけは相当進んでると思うが」

 

 

 流れるように刀を抜く。トーナメントにおいて僕の強みといえば近接戦では先輩とも打ち合える技量ぐらいだろう。それでも上級生に通用するかは分からない(正直通用しなかったらレベル高すぎだろとは思うが)

 

 まぁもし通用しなかったら通用するまで強くなるだけだし、通用したところでまず負けるだろうから来年勝てるようになるまで強くなるだけだ。

 

 

「だけど、そう考えると先輩は刀一本でやってたんだよね」

 

「多分な、先輩はセンブランスで遠距離に対応してたんだろう」

 

「あー、僕もそういうセンブランスに目覚めば銃火器の練習をしなくてすむのになぁ」

 

「センブランスは各々の個性を表すものだから、思い通りにはいかないと思うぞ」

 

 例えばルビー・ローズはその名の通りにセンブランスの発動時に薔薇の花弁を撒くし、みんなを守ると誓ったジョーン・アークはセンブランスによってオーラの譲渡やそれによる他者の治癒をできるようになった。

 

 ちなみにルビーの高速移動は、自身を微粒子レベルまで分解しその状態で移動していることが、ペニーの分析によって明らかになる。分解?ちょっと何言ってるかわからないですね。

 

 ちょっと話が逸れたが簡単に言うと、オーラに関してはハンターハンターの念能力をイメージすれば分かりやすいが、センブランスは念能力の発とは違って自由に作れないのだ。

 

「ハンターハンターか...」

 

「どうかした?」

 

 あぁ、結局冨樫は連載再開したのだろうか?...

 

 ...じゃなくて、念能力とオーラが似てるんだったらそのままこっちでも活かすことできないか...?

 

 赤い刀身を見つめる。もし上手くいけば、先輩みたいに刀一本で戦えるかもしれない...

 

 

「ちょっと!真顔で刀を凝視してるのは怖いよ!」

 

「ん?ああ、すまん。なんだって?」

 

「なんでもない!それより、もうそろそろ帰らない?あと1時間で食堂が閉まっちゃうよ」

 

「マジ?だったら早く帰ろうぜ、というか俺たちって何しに来たんだっけ?」

 

「え、えーと...なんだっけ?」

 

 

「取材が面倒で逃げてきたんでしょ」

 

「そうそう!それでハンナを探しにきたんだよって」

 

「あら、私を探してたの?」

 

 カラバの後ろにはハンナが何食わぬ顔で居た。え、いつからそこに!?

 

「貴方達が街をうろついてたから、後ろから着いてきてたわ」

 

「つまり...今までの苦労は骨折り損の...」

 

「くたびれ儲けってところか...」

 

「ちょっと申し訳ないわね」

 

「はぁ、まぁいいさ。早く帰ろうぜ、俺達の寮へ」

 

 約1ヶ月ぶりの学食はあぁこれこれって感じの味だった。美味しいかって?いや美味しいは美味しいけどカーリーさんの料理に比べると...ね?(隙あらば家族自慢)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明日からは授業。だから今日は早めに寝ないといけない...のだが、気になって眠れないことがあったので寮を抜け出して外に出る。

 

(なぁ、ちょっと聞いてみていいか?)

 

(...なんだ?オレ達の知ってることに違いなんて無いと思うが)

 

(いや...これは思い込みの問題だ。正直大したことないことだと自分でも思ってる。だけど、その思い込みで強くなることができるんだったら聞くべきだろ?)

 

(はいはい、なんでも聞いてくれ)

 

 

(僕たちのどっちが先にセンブランスに目覚めたっけ?)

 

(...はぁ?あの時のこと忘れたのかよ。オレ達があのクソ野郎どもから逃げて、追い詰められて、そして...)

 

(いや、それは覚えてるさ、ハッキリとな。問題はあの時初めてムーン・スライスを使っただろ?その時は僕かお前どっちだったかって聞いてるんだ)

 

(分かってることだろ。お前には人間への憎しみは無いけどオレにはある。人格が明確に分かれたのはもっと後だったけど、あれは紛れも無くオレだった)

 

(だよな)

 

(そんなことを気にしてどうする?思い込みで強くなるって何をするつもりだ?)

 

 

 

(...いや、僕もセンブランスを習得するって言ったら?)

 

(はぁ?)

 

 

 

(いやそんな顔しないでくれ、これは思い込みの問題だ。お前はムーンスライスを使えるけど僕は使えない、そう定義すれば僕が新たにセンブランスを覚えられるんじゃないかって)

 

(いやいや、そんな無茶な。第一そんなことすれば最悪お前はセンブランスを失うだけだぞ)

 

(大丈夫大丈夫、僕とお前はいつでも一緒じゃん)

 

(オレにだってやりたいことやりたくないことぐらいあるぞ)

 

(そんなことはしないし、させないって決めただろ?)

 

 

 

(...はぁ、別にお前だけが苦労するなら構わん、勝手にしろ)

 

(ありがとう)

 

(...だが、センブランスを新たに習得するなんて原作にも無いことだ。普通に考えて出来るわけがない)

 

(そうなんだよ、普通に考えてセンブランスなんて出来ない。だって身体を微粒子レベルに分解だよ?どう考えても無理だ)

 

(だけどさ、このレムナントにはたくさんの人々がいて、それぞれがセンブランスを覚える可能性があるんだ。そう考えればなんとか再現出来そうなセンブランスだってあるだろう)

 

 

(...成程。要は自分で技を開発して、それを思い込みによってセンブランスに昇華したいって訳か、馬鹿が)

 

(ナチュラルに馬鹿って言われた!)

 

(当たり前だ。まずお前の言う思い込みがあやふや過ぎて話にならん。それが全く効果の無いゴミの可能性もあれば、中途半端に効果を発揮してお前がセンブランスを失うだけの可能性もあるんだ)

 

(大丈夫、覚悟はしてるさ。それこそ思い込みが力になるんだったら、僕はそんなのいくらでもしてやるよ)

 

 

(...はぁ、さっきも言ったがお前が勝手にやりたいならやってろ)

 

(...いや、そっちにも思い込んでもらった方が強くなりそうじゃん)

 

(知らん。オレはそんなことしないぞ)

 

(そんなぁー)

 

 

「1人で随分と百面相をしているな」

 

 黒い髪の少女が目の前に現れた。どうやら一部始終を見られてたらしい。

 

「シンダーか」

 

「窓を見てたら見知った顔がウロウロしててな、寮を閉め出されたのか?」

 

「別にそんなわけではない」

 

「なんだ。もしそうだったら寝床を貸してやろうと思ったのにな」

 

 シンダーはニヤニヤと明らかにこちらを馬鹿にしている。イラッときたが、ここで騒ぎを起こしても無駄なのでスルーしてやる。

 

「少し眠れなかっただけだ。今戻るところだった」

 

「そうか、私としては知り合いの情け無い姿は見たくないのでな」

 

 そう言う彼女に背を向けて自分の寮に帰ろうとする。

 

「アダム」

 

「...なんだ?」

 

「失ったものをどれだけ嘆こうと無駄だ」

 

 ??? よく分からないことを言う彼女を無視してそのまま寮へと帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...アイツ、折角私が助言してやったというのに、反応すらしないとはな、夏休み中ずっと落ち込んでたのか?」

 

「まぁ親しい者が死んだのだから当然かもしれんな、だが死んだの者よりも生きてる者を大切にすべきだろうに...」

 

 

 

 

 

「...そういえばアイツってあんな色の目だったか?確か青色だった気がするが...」

 

「まぁ気の所為か、暗くてよく分かんなかったしな...」

 

 

 




 アダムがとんでもないことを口走っていますが許してください!なんでも(前書きでも書きましたが感想の設定を解除したので気楽に書いてくれるとありがたいです!)
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