美女と憑依系残念オリ主な野獣。   作:sesamer

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 RWBY8期開始ということで初投稿です。
 以前までの文も直したので最初から読んで頂けると嬉しいです。



第7話 名乗りあげる絶望

 

 現実の学校に長期休暇が存在するように、サンクタムもあと1週間で一学期は終わり長期の休みに突入する。カナタ先輩にボロボロにされたりされなかったりする毎日に漸く一休みが出来るのだ。

 

 

 まぁ今日も授業が無いので一日中休めるのだが、明日もその次も休みであるという事実は大きな違いだと思う人も多いだろう。

 

「ハンナ!起きてよ!もう10時だよ!」

「もう朝食の時間も過ぎてるぞ」

 

 うちの寮ではいつもハンナは遅くに起きる。授業がある日ではまだギリギリには起きてくるが、休みの日は全く起きる気配が無い。

 

「はぁ、もう2人で朝食を済ませようよ」

「まぁ今日一日中寝て過ごすんだろうな」

 

 カラバは逆に起きるのが物凄く早い。本人曰く、今まで御主人の支度をしたきたから、らしい。猫耳従者の少年とか、一部の人は大喜びしそうだ。

 

 

 

 

 

 ミストラルは東洋のような文化を持つがアカデミーの雰囲気は、原作が海外ドラマなのもあり基本的にはアメリカやヨーロッパに近い文化が多い(前世では留学なんてしたことないけど)

 

 どうしてこんなことを述べたかというと、アカデミーでは学食があるのだ。

 学食は良い、好きなものを食べられるしお金も掛からない。さらに幾らでも時間を潰せる。

 まぁ今世でも前世でも友達の少ない隠の者である僕には無縁のことだが。

 

「アダムは今日はなんか用事があるの?」

「あぁ、ギラさん達に通信したいと思ってな。サンクタムに来てからなかなか時間を取れなかったから、どうせだったらCCTタワーまで行こうかと」

 

 

 CCTとは大陸間通信システムの略称だ。かつてグリムの脅威に怯えた人類は国に纏まって被害を減らすことはできたものの、国同士の連絡が出来ず纏まることはできなかった。

 

 その結果起きたのが4大国間での戦争であった。大戦に勝利したヴェイルの王はお互いの国が意思疎通を図り、戦争を回避するように努力した。

 

 そうしてヴァイタルフェスティバルという、現代のオリンピックのような国際行事(漫画の中盤にありがちな武闘大会)が2年毎に開催されるようになり、アトラスの技術者によって世界規模で通信するシステムは出来上がった。

 

 このシステムは4大国にそれぞれ主要なタワーとを作り、世界各地に作ったタワーがその補助をすることで、4大国のタワーが全て機能停止に追い込まれない限り人類が通信手段を失うことは無くなった。

 

 グリムによる被害で各地のタワーが破壊されても、影響はないのだ。主要なタワーが生きている限りは(フラグ)

 

 僕らファウナスにとって問題なのはメナジェリーが大陸から離れていて4大国のタワーの電波が届かないので、万が一補助タワーが死ぬとメナジェリーと大陸では連絡できなくなることであるが、これは人間にとっては些細なことらしい。

 

「CCTタワーに行くのかい?それだったら僕も一緒に行こうかな」

「なんか用事があるのか?」

 

 僕の質問にカラバは胸を張って答える。

 

「特に無いけど、宿題も終わったから他にする事も無いからね!」

「確か数学だけ後回しにしてなかったか?」

 

 そう聞くと、カラバの耳は垂れ下がった。

 

「う、忘れてた」

「まぁ着いてきてくれるのは嬉しいし、数学は後で一緒に解けば早く終わるだろう」

 

「ホント!?」

 

 カラバの耳が勢いよく立ち上がった。コイツ面白いな、ハンナが揶揄いたがるのも無理はない。

 

「ありがとう!アダム!」

「じゃあ食べ終わったし、早速準備したら行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 CCTタワーに無事着いてカラバと一旦分かれ、連絡した僕を待っていたのは怒った天使だった。

 

「ちゃんと連絡するって言ったくせに!アダムのばか!」

「あぁ、ごめんよブレイク。好きなもの買ってきてやるから」

「うーー、じゃあ本をたくさん買ってきたら許してあげる」

 

 メナジェリーは大陸との距離が遠いのもあって娯楽は限られてくる。通信自体は出来るのでラジオやテレビなどはあるが、ゲームや本など取り寄せもできないためかなり珍しいのだ。

 

 ベラドンナ夫妻はお金持ちなので、本も大量に持っていたが生粋の本の虫である我が天使は全て読み終えているらしい。

 

「勉強は順調?なにかいじめられたりしてない?」

「あ、カーリーさん。大丈夫です。友達もできましたし」

「あら、もうお友達ができたなんてすごいわ。お友達はどんな子?」

 

 もうって言ったって入学してからひと月も経とうとしてるが、カーリーさんは僕がぼっち気質なのを見抜いているのだろうか?

 

「同じチームの子がファウナスなのもあって仲良くなったし、人間の中でもよく話す人が2人もできました」

 

 1人は未だに距離感が掴めてないし、1人はその人の所為で周りから恐れられているのだが。

 

「ほう、その人達は大事にしなさい。私たちに偏見なく接してくれる人は少ない。良い人達に巡り会えたな」

「勿論です、ギラさん」

 

 正直シンダーはいつか闇堕ちするかもしれないからあまり距離を詰めすぎるのは良くない気がしないわけではないが。

 

「夏休みには帰ってきます。もしかしたらチームの友達も連れて来るかもしれません」

「あら、もしそうならお義母さんが腕によりをかけておもてなししなきゃね」

「えっ、知らない人が来るの?」

 

 いけない、ブレイクは人見知りだから怖がるかもしれない。カラバには申し訳ないがこの話は無かったことになるかな...

 

「ブレイク、たしかに知らない人は怖いかもしれない。だけど怖がっていては誰とも仲良くなれない」

「お父さん...」

「アダムのお友達だからきっと良い人よ、貴女ともお友達になれるわ」

「お母さん...そうだね、私頑張る!」

 

 

 

 

 うわ、まぢ尊い...(限界オタク感)

 

 

 

 

「そういうわけでお友達を連れてきてね、アダム。あと、勉強頑張るのよ」

「あぁ、分かりました。カーリーさん」

 

 やはり、彼らは最高だ。原作で彼らが死ぬなんてことは起きないが、彼らの不幸だけは絶対に起こさせてはならない(使命感)

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな感じで幸福を噛み締めながら通話を終え、CCTタワーから出てカラバを探すが見つからない。

 こんな時原作ではスクロール(スマホみたいなもの)で連絡してたが、まだ1年生なので授業で触ることがあっても個人のものは持たされていない(まぁ無くされても困るし妥当であると思うが)

 

 無いものを嘆いても仕方ないし、観光ついででカラバの捜索でもしようかな。

 そう思って暫くぶらぶらしていると裏通りの方から怒号が聞こえてきた。

 気になって見に行ったのだが、そこで待っていた光景に衝撃を受けることとなる。

 

 

 

 

「待ちやがれ!この坊主」

「うわーん!見逃してくださーい!」

 

 なんと店の店主らしき人物にカラバが追われているではないか!

 

 え、実はカラバってサンみたいな感じで手癖が悪かったりするの?なんて思ってたらカラバに見つかって一緒に逃げることになる。

 

「カラバ!お前何やったんだ!?」

「僕は悪く無いんだよ、アダム!悪いのはご主人様なのー!」

 

 とりあえず表通りの方に逃げるフリをして、壁を伝って屋根に登る。ファウナスの身体能力があればこのぐらいは可能なのだ(カラバは特に猫のファウナスだから身軽なんだろう)

 

「それで何やったんだよ、友達が犯罪してたなんて信じたくはないが...」

「ち、違うよ!僕は犯罪なんてしてないよー」

()()か、さっきもご主人様が悪いって言ってたな。カラバのご主人様がやったっていうのか?」

 

 そう聞くとカラバは小さな声で「うん」と首を縦に振る。

 

 もしかしてカラバのご主人って犯罪を犯しつつ、純朴な猫耳少年を従者としてこき使っている極悪人なのか!?

 

「あっだけど、ご主人様は悪い人じゃないよ!ちょっとお酒に弱くて、いっつもあそこのお店でツケにしちゃうの」

「あー、成程ツケが溜まってて、店主がカラバを追いかけて払わそうとしたのか」

 

 つまり、これはカラバのご主人が完全に悪いな!カラバが追いかけられてるのは冤罪というわけでセーフ!

 

「ううーん、ご主人様がいればお金を払えるんだけど、僕はお金持ってないしなぁ」

「カラバのご主人はどこにいるんだ?」

 

 このまま逃げても構わないが、せっかくなら彼にツケを精算させる方が気分良く休日を終えられるだろう。

 

「ご主人様は仕事で暫くこっちに帰らないって言ってたしなぁ」

「仕事?」

「うん、依頼でグリムの調査をするって」

「そう言えばご主人は凄腕のハンターって言ってたな」

 

 そう聞くとまるでクロウのようだな、と思う。クロウとはルビーやヤンの叔父であり(少し家庭環境が複雑で厳密にはルビーの叔父ではないが)、オズピンの右腕として闇の勢力の調査をしている、まさに凄腕のハンターだ。

 

 間違いなくその腕は劇中でトップクラスであり、セイラムの直接の配下を何度も退けるほどであるが、その分私生活はかなりダメっぽく、常にお酒を携帯して飲んでいるような人間である。

 

 まぁ、クロウはセンブランスが周囲を不幸にするということで、仲間を作らないし1人でしか行動しないからカラバの主人は彼ではないだろう(原作直前までの彼はシグナルアカデミーの教授だったのもあるし)

 

 だがクロウのような人物であれば探して見つかるわけないだろうし、今日のところは諦めるしかないかもしれない。

 

「ちなみに、調査でどこに行くって言ってたんだ?」

「たしかオニユリの近くでグリムが出たとかなんとか」

「へー、オニユリってこっから遠いのか?」

「うーん別に遠いってわけじゃないんだけど、少なくとも車でも結構かかるよ」

 

「そうなると、今日のところはツケの精算は無理ってことだし寮に帰るか」

「えっ、でも店主の人怒ってたしな、出来ればお金返したいんだけどな...」

 

 そう言いながら、カラバは考え込む。ゆらゆらと尻尾が揺れているのが可愛くて、つい触りたいと思う衝動を抑えていると、ピンと尻尾が立って

 

「そうだ、今から店主の人に謝って、働いて返すようにしよう!」

「えっ、正気か?少なくともすぐに返せるような額ではないと思うのだが...」

「それでも働いた分だけでもツケが軽くなるなら良いよね!」

 

 コイツ...天使か?どう考えても悪いのは主人なのに自ら働いてツケを精算するなんて、なんていい子なんだ...(感涙)

 

 そんなこんなでカラバはバーで働くこととなる。当然ツケはその日だけでは払えず、昼は学校夜はバイトの12才にして大学の苦学生のような日々を送ることになるのであった。

 

 まぁ大変さだったら放課後カナタ先輩との訓練がある僕の方が大変だと思うけどね!(謎マウント)

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局カラバを残して寮に帰ってきた僕を待っていたのは未だに寝ていたハンナなのであった。

 

「であった。じゃない!いい加減起きろ!ハンナ!」

 

 ハンナはよろよろと起きるとあくびをひとつして、

 

「アダム?おはよう」

「もうこんばんはの時間になろうとしてるぞ」

「そうなの?通りでお腹が空くと思ったわ」

 

 そりゃほぼ一日中ご飯食べてないんだからお腹も空くわな

 

「本当にマイペースだな、ハンナは」

「夕食に行きましょ、あれ?カラバは?」

「カラバは今バーで働いてる。夕食はあっちで食べるんじゃないか?」

「へぇそうなの」

 

 寝てる間に友人が突然バイト始めることになったのをへえそうなの、で済ますのは絶対に違うと思う(確信)

 

 そういえばアカデミーに通いながらバイトをするのは校則的にオッケーなのか?そこのところ気にしてなかったが、まぁバレなければ問題ないだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それにしても、ひとつ気になることがあった。

 

「なぁ、ハンナ。オニユリってどんな場所なんだ?」

「オニユリ?あぁ、確かいま開発中のところじゃなかったかしら」

「開発中?」

「そう、富裕層が新たな都市を郊外に作るっていうことで開拓されてるらしいわ」

 

 成程、所謂ニュータウンってやつか。富裕層としては政府の目の届かないところに行って一体何をしているのやら。もしくは政府の方が腐ってて逃げ出したという可能性もあるのか。

 

「確かカナタ先輩の出身がクロユリって言ってたけど...」

「確かそこも開拓された村だったはずよ」

 

 何か引っかかる...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩はどこ出身なんですか?」

「私?私はクロユリって言う村の生まれなんだ。聞いたことはないと思うよ」

 

クロユリ?いや、それは聞いたことあるぞ。原作で登場した場所だったはずだが...どこだったかな?(記憶ガバ)

 

 

 

 

 

「ちなみに、調査でどこに行くって言ってたんだ?」

「たしかオニユリの近くでグリムが出たとかなんとか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライ、起きて。逃げるわよ。

 

母さま?

 

 

 

父さま? 何が…、母さまはどこ? どうなってるんですか!? 母さまはどこ?

 

ライ、お前は逃げろ。

 

 

 

お互いを助け合うんだ。 君の名前は?

 

ノーラ。

 

僕の名前はライ・レン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オニユリは一体のグリムに襲撃され放棄、クロユリ村もナックラヴィーとネヴァーモアの襲撃を受け、レンとノーラを残して住民が全滅する

 

 

 

 

 

「まさか...そんな、ことっ」

 

 呼吸が苦しい。アニメで見た惨劇が起ころうとしている。いつかは分からない。もしかしたら今起こってるかもしれないし、あと数年後に起こることなのかもしれない。

 

 僕はどうすればいいんだ。介入するべきなのか?だけどもし中途半端に介入してノーラやレンを死なせてしまったら?第一介入したとしてあのグリムに勝てるのか?いやそれは絶対無理だから、例えばグリムが襲撃してきたら住民を避難させるとして、その時間を稼ぐとこはできるのか?

 

 ならばそもそも開発を諦めてもらってミストラルに戻ってもらうのは?どう説明するんだよ?「いつかは分かりませんがここは凶悪なグリムに襲われるので開発は諦めて下さい」なんて信じられるわけないだろう!?

 

「いや、でも...」

「ねぇ、ちょっと。ほんとにどうしたの?」

「あぁ、いやなんでもない」

 

 どうするんだ?介入するのか?しないのか?レンとノーラは生き残るからと彼らやカナタ先輩の両親、その他多くの人を見捨てるのか?それとも手を出せばどうなるか分からない中で助けるのか?

 

 そもそも介入は可能なのか?カラバの主人が調査に行ったのは1ヶ月前だとすると、コトは今起こってるのかもしれない。だけど未確認の大型グリムが出てその調査に行ってるならもっと大事になってるんじゃないか?

 

「結局、僕はどうすればいいんだ...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 答えは出なかった。

 

 

 




 RWBYの2次小説としてRWBYらしさを出していきたいよね!
→RWBYらしさとは...?こういうことか...?(不安)
 誰か教えて下さい(懇願)
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