では、お楽しみください
長ったらしい挨拶は嫌いだ、簡潔に済ませよう。
私は
周りからは容姿端麗、成績優秀、性格も難無しと言われもてはやされているが、正直、私の胸や脚元を見ながら会話をしてくる男子や教師はみんなチ〇コが腐って死ねばいいと思ってるし、学業程煩わしいものは無いとも思う。性格も学校という舞台で人にもてはやされるために作った仮の夏目唱花という人間だ。
本性は………
「いやぁ………やっぱりさ、『ちまつり』ちゃんのコスは最高だと思うのよ。この脚のラインとかさ、私にイチモツがあったら勃起しちゃうね」
「姉ちゃん………今年で16になる弟に向かって女装コスの人がエロいとか言われても賛同しかねるのよ……まぁ確かにちまつりさんはエロいけどさ」
こんなふうに自分が撮影した女装レイヤーの写真を眺めてはウヘへと気持ち悪い笑みを浮かべる所謂変態というやつだ。
「そういや最近さ、女装カフェでちまつりちゃんに似てる『まつり』ちゃんって男の娘見つけたのよ」
「それ多分本人だぞ」
「いやぁ………ちまつりちゃんは私の中では汗ばんだ男の人に一晩を売ってお金を稼ぐ女の子なんだけど」
「本人に謝れ」
弟が溜息を吐きながら悪態をつくが、容易く想像できたようで少し頬を赤らめていた。
「いやぁ、やっぱり可愛いなぁ………可愛すぎてTwitterの裏垢まで特定しちゃったよ」
「それ、ストーカーになるって知ってた?」
「いやいや、これはれっきとした純愛だぞ」
「客観的に見たらただの偏愛だ」
「何を言うか、わたしはちまつりちゃんになら全てを捧げたって構わない!もちろん私のはじめてを含めて………///」
「今まで散々下ネタ言ってたくせにここに来て急に照れるな気持ち悪い…」
「そ、そこまで言うことないじゃん!ほんと、お前は女の気持ちがわからない流石オタク童貞だな!」
「オタクなのは認めるけど、童貞じゃねぇよ。彼女居るし、事は済ませた」
「不順異性交友じゃねぇかぶっ飛ばすぞ」
「痛っ!?蹴ってくるんじゃねぇよ!」
双方、リビングに敷かれたカーペットに寝そべり、古き良き格ゲーの如く蹴り合いを始める。
『通知だよー
数秒程度したとき、スマホに設定されたちまつりちゃんの私限定通知ボイスが鳴り、脚元に転がっていたスマホを蹴り寄せる
「姉ちゃん幾ら積んでちまつりさんにそのボイス貰ったの?」
「んー?ちゅーせんであたったー」
「こいつ………スマホ見てるから返答まで適当になってやがる……」
弟を放置し、スマホを起動させる。
「TLには何も流れ…………ん?」
通知欄にメールのアイコンが出ていた。スクロールバーを下ろし、メールをタップする。そこには……
『資料に不備が見つかりました。本当に申し訳ないのですが本日の午後1時から登校してきてください。生徒会担当 峰元』
「うっわ………休日出勤か………」
私がなんの変哲もない高校生ならばこんなクソみたいなメールを放置し、「寝てました☆」とでも夜に返信すればいいのだろうが、残念ながら私は生徒会長、見過ごすわけにはいかない……いや、いけないのだ…………
「ふぃーーーおーわりっ!!」
「お疲れ様、夏目さん」
生徒会長としての雑務を終わらせると、外はもう暗くなり、星が出ていた。待っていましたと言わんばかりにクソ変態デブ童貞眼鏡教師の峰元がニコニコと気味の悪い笑みを浮かべながら近寄ってきた。
「休みの日なのにありがとねー、そうだ!奢るからさ、晩御飯食べに行かない?」
ナンパをしているのだろうが、目線が完全に胸に行っている生憎、私の顔は胸元についてないし、そこに顔があるのはジャミラくらいだぞ
「いえ、この後、用事があるので…」
「えー?用事なら僕の車で送ってあげようか?どこへ行くの?」
荷物をまとめ、生徒会室を出たがまだクソ童貞はつきまとってくる。ビワアンコウか……まぁ、確かに成功すれば雌と同化というか一体化できるな。HAHAHA
「あの……ほんと、そういうの大丈夫なんで…」
「えー?だってこのご時世だよ?君みたいな可愛い女の子だったらどんな男に狙われるかわかったものじゃないよ?」
少なくともお前にだけは狙われたくないよ
「では、私帰りますので……」
「あっ、ちょっとまってよ!」
クッソしつこいなこのクソ童貞が…これだから30過ぎても嫁どころか彼女もできねぇんだよ……
どうにか撒く手立ては無いものかと模索していると、廊下の曲がり角から眼鏡の薄暗い幽霊のような男子が現れた。
「ッ!?」
あの子は確か………あれ?全く出てこない。確か同級生だったような記憶はあるのだが、どこのクラスの誰なのかが全くわからない。
「そ、そこの君!」
「へっ!?」
男子のもとに駆け寄り、その女子の様にか細い華奢な腕に抱きつく
「へっ!?えっ!?」
「クソd……峰元先生。申し訳ないのですが、彼氏が迎えに来てくれましたので帰りますね」
「かっ、えっ!?」
男子が困惑し、固まる
「彼っ………お、おう、気をつけて帰れよ…」
峰田は180度方向転換し、早足気味に去っていった。
「あ……あの……」
「へ…?あっ、ごめんね……急に彼氏とかウソついちゃって」
男子が顔を真っ赤に火照らせながらバッと手を離す
「あっ、いやっ、その………もしかして峰元に…?」
「うん………凄くしつこかったから君を利用させてもらっちゃった…」
「あっ、う、うん………俺は大丈夫だけど……」
嘘つけ、顔真っ赤じゃねぇか(笑)こいつ、中々可愛いなちょっとからかってみよっと
「その………もしかしたらまた変なのに話しかけられるかもしれないからさ……良かったら…ほんとに良かったらで良いんだけど、帰るまで私の彼氏役になってくれない?」
「え……あ、あぁ、俺なんかで良ければ…」
珍しい……こいつ、私の顔見て話してやがる。
「じ、じゃあ帰ろっか」
「う、うん…」
男女が薄暗い廊下を歩いていく。しかし、恋愛のようなものではなく、男は顔を真っ赤にし、女はそれを面白そうに見つめている。しかし、
「あ、そうだ。良かったらLINE交換しない?私………わかるよね……?」
「え、あ、うん……生徒会長……だよね」
「おー、正解。君は?」
「あ、俺は安達 祭里」
「まつりクンかー!可愛い名前だね!」
「えっ、あ、ありがとう……///」
LINE交換の為に電源を切っていたスマホを起動させる。そして、
『通知だよー
世界が凍りついた。